結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年08月06日(月曜日)

栗原貞子「ヒロシマというとき」とユニクロ柳井vsゾゾ前澤

Everybody! Good Monday!
[2018vol32]

2018年第32週。
8月の第2週に入って、
今日は73回目の広島原爆の日。

昨日、告別式をした私の母が、
広島県西条市の生まれだった。

広島県の中央部だから、
被災はしなかったと思うけれど、
それでも広島に投下された原爆には、
ずっと深い思いを抱いていた。

毎日新聞巻頭コラム「余録」が、
原爆詩人・栗原貞子の作品を取り上げた。
「ヒロシマというとき」

〈ヒロシマ〉というとき
〈ああ ヒロシマ〉と
やさしくこたえてくれるだろうか
〈ヒロシマ〉といえば
〈パール・ハーバー〉
〈ヒロシマ〉といえば
〈南京虐殺〉……

〈ヒロシマ〉といえば
血と炎のこだまが
返って来るのだ

〈ヒロシマ〉といえば
〈ああヒロシマ〉と
やさしくかえってくるためには
捨てた筈の武器を ほんとうに
捨てねばならない……

〈ヒロシマ〉といえば
〈ああヒロシマ〉と
やさしいこたえが
かえって来るためには
わたしたちは
わたしたちの汚れた手を
きよめねばならない――

栗原貞子は32歳のときに、
爆心地の4キロ北の自宅で被爆した。

2005年、92歳で亡くなった。
老衰だった。
index

今週は今日6日が広島原爆の日で、
木曜日の9日が長崎原爆の日。
そして来週水曜日の15日が終戦の日。

その間、11日土曜日が盆の入り。
「山の日」の祝日に重なって残念。

盆の明けは、16日。

したがって、
今年一番の帰省日は11日、
今年のUターンピークは、
15日の水曜日となる。

この間、ずっと、
第100回高校野球選手権大会。

一昨日も書いたけれど、
眩しいほどの青春と誰にもやってくる死。
甲子園の熱い地面とそれに落ちる黒い影。
それがこの2週間ほどの季節です。

リニューアルした、
Web版月刊商人舎。
月曜朝一の2週間販促企画。
さて今週の私のスケジュール。
今日は月刊商人舎8月号の最終責了。
明日の7日は、朝一番で、
㈱紀文食品本社へ。

明後日の8日は新名人会の予定だったが、
台風13号が発生していて、
急遽、中止。
そのほうがいいでしょう。

9日の水曜日は、
久しぶりに何もない日。

10日が商人舎web会議。

そして13日から17日まで、
商人舎の夏季休業は1週間。
よろしくお願いします。

この期間は、
ご好評の流通SuperNewsも、
掲載を休みます。

もちろん結城義晴のブログは、
8月宣言はしているものの毎日更新。

さて日経新聞夕刊一面トップ記事。
「ゾゾ前沢氏、ユニクロに挑む」

面白い。

衣料品通販サイト「ゾゾタウン」が躍進中。
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運営するのは㈱スタートトゥデイ社長。
前澤友作。
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アパレル業界の常識を次々に覆してきた。

今年1月からプライベートブランドを発売。
ブランド名は「ZOZO」(ゾゾ)。
そのジーンズ。

コンセプトは、
「ジャストサイズの洋服を提供し、
自らも在庫負担を減らす
新たなビジネスモデルを目指す」

体形をトレースする採寸服が、
「ゾゾスーツ」
黒地に無数の白いドットがついている。
この全身を採寸するスーツを無料配布する。
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このゾゾスーツを着て、
スマートフォンで360度撮影をすれば、
胸囲やウエスト、ヒップ、
袖丈、股下などのサイズがわかる。

そのデータをもとに、
個人にピッタリのサイズのスーツをつくる。

消費者個々のサイズに応じて、
製造し、出荷するから、
カジュアル品も受注生産となり、
オーダー品に近い。

つくった時点で行き先が決まっている。
だから、在庫の負担が少ない。

アパレル業界の慣習は、
あらかじめつくっておいた在庫を、
最後はセールで売り切る。
だから利幅は下がる。

このアパレル業界の慣習と一線を画す。

カギを握るのがゾゾスーツだが、
7月末時点で112万枚を無料配布済み。

7月3日にフルオーダーのビジネススーツ、
価格3万9900円を発売。
こちらもゾゾスーツによる実寸が売り。

交流サイト(SNS)の話題をさらった。
しかし注文しても、
手元に届くまで3カ月かかる。
実際に製造する受託工場が追いつかない。

この前澤ゾゾタウン。

評価は二つに分かれる。

ソフトバンクグループ社長の孫正義は、
子どもっぽいと評される前澤の性格を、
気に入って、意気投合したらしい。

ゾゾスーツを無料で配る方法は、
かつての孫のビジネスに似ている。

孫は「ヤフーBB」を始めたとき、
家に置くモデムを無料配布した。

まず利用者を増やし、
後に加入者として取り込む方法だ。

だが、前澤に手厳しい人物がいる。
柳井正。
ファーストリテイリング会長兼社長。
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スタートトゥデイを、
「生産背景がない」と指摘。

柳井は150カ所以上の工場と提携し、
安価で、しかも高い品質と機能を誇る。
これが「製造小売業」のSPA。

しかし1品ずつ、安定した品質で、
きちんと製造するという経験が、
スタートトゥデイにはない。

柳井はゾゾスーツについても辛口。
「あれはおもちゃ」

「店舗で店員に測ってもらったほうがいい」

さらに前澤を「ショーマン」とけん制。

果たして孫が正しいか、
柳井が見抜いているのか。

スタートトゥデイは2007年に上場した。
そしてこの10年間で、
時価総額1兆円を突破した。
ただし売上高はいまだ984億円。

ファーストリテイリングは、
時価総額5兆円超。
連結売上高も1兆8619億円(17年8月期)。
今年8月期には2兆円を超えて、
日本第3位の小売業にして、
世界第3位のアパレルチェーン。

ゾゾはファーストリテイリングの、
およそ20分の1にすぎない。

数字は比べるべくもない。

「若い人が寸暇を惜しんで働く。
柳井はそれを是とする」と日経。

前澤は正反対。
「出社は週3日でいい」と公言。

前澤は最近、
「メディアへの露出を増やす。
SNS上でも自らの意見を表明」

「仕事を楽しむ労働者を増やし、
労働生産性の高い国にしたい」
「仕事を楽しむ、ということと、
生産性が高まる、ということは、
実はセットです」

さて、どっちが当たっているか。

私はもちろん柳井乗りだ。
前澤には会ったことがないから、
わからないけれど。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈今日は文中敬称略の結城義晴〉

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