結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年08月16日(木曜日)

盆の明けの「人生、七味とうがらし」と「じぶんの頭で考える」

盆の明け。
それでも暑い。

炎天の人みな罪を負ふごとく
〈朝日俳壇より川西市・上村敏夫〉

(長谷川櫂選評)
天を仰いでは喘ぎつつ。
(大串章選評)
今年の猛暑は度外れの激しさ。
「罪を負ふごとく」が心に染みる。

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1199回。

人生、七味とうがらし
(ある占師)

うらみ、つらみ、ねたみ、
そねみ、
いやみ、ひがみ、
そして、やっかみ。

「人を翻弄するこれら七つの性(さが)は、
いずれも自他の比較に由来する。
他人と較べる中でしか
自己を見ることのできない
人の宿痾(しゅくあ)であり業であるが、
これと正面から向きあうことで
人生の味わいもいっそう深まる」

「ラストチャンス 再生請負人」
原作は江上剛のテレビドラマ。
登場する謎の占師の言葉。
ラストチャンス

他社との比較もいいが、
それが「七味とうがらし」に、
なってはいけない。

結局、他者との比較でしか、
自己を見ることができないのは、
同質化の中に埋没しているからだ。

自己を確立して、
他者との比較をする。
あるいは、
自己確立の目的をもって、
他者から学ぶ。

それがポジショニングの極意だが、
そこには「七味とうがらし」はない。
あってはならない。

糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」
巻頭言は「今日のダーリン」
jibunnde考える

「よく、じぶんの頭で
考えなきゃダメだと
言われる。

それについては、
ぼくもまったく大賛成だ」

私も、脱グライダー商人になろうと、
訴えている。

「知識の量だとか、
語彙の豊富さだとかに関係なく、
じぶんの頭で考えたこと
というものには、力がある」

「幼いこどもの
必死の言いわけなんかが
説得力を持つのも、
じぶんの頭で考えたものだからだ」

「大人で、いかにもたくさん
ものを知ってるような人の、
じぶんの頭で考えたと思えない
ご意見などについては、
これがまったく心にも響かないし、
その人ともっと話そうという
気にもなれない」

「そう言ってるおまえはどうなのだ、
とつっこまれたら、
“どっちの場合もあるけどねー”
と答えようかな」

心の底から、同感。

「じぶんの頭で考えてないな
ということは、
けっこう他人にもバレてしまうものだ」

恐ろしい。

「どうしてそうなるかと言えば、
おそらくだけれど、
“考えているべき時間を惜しんで、
手早く答えのようなものを
探してしまうから”だ」

最近の文章に多いのが、
ネットからのコピペ。
それだけ。

学生や院生の論文にも実に多い。

「考えるということは、
右往左往したり停滞したりの
あんまり利口そうじゃない
時間を費やすものだ」

だから私は毎月の雑誌原稿を書く。
長い長い論文を書く。
苦しい苦しい長文を書く。
本を書く。

書くということは、
すなわち考えるということだ。

これはブログとはまた違う。

「そこを避けて、
だれかの言った正解っぽいものを、
すっと借りて
じぶんの口から言ってしまうと、
じぶんの頭はけっきょく、
選ぶことに使うだけになる」

「そういう人どうしが集まったら、
さらにその傾向は
強まるのだろうとも思う」

これが危険な集団思考だ。

糸井重里。
「なにも”ことば”を得られない場所に
いさせられたら、人は、
じぶんの頭で考えざるを得なくなって、
ほんとうに考えるということを
はじめるのではないか」

夏の休暇など、そのいい機会だ。

「だれでも、一度、
そこからスタートしたほうがいい
…のかもしれないと考えたりしている」

今日は本当に手厳しい糸井重里の言葉。
自分自身に向けても放たれている。

星野リゾート代表の星野佳路は、
「星野リゾートの教科書」の中で、
学び方を語っている。
著者は中沢康彦。
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ステップ1・本を探す。
書店に1冊しかないような
古典的な本ほど役に立つ。

ステップ2・読む。
1行ずつ理解し、
分からない部分を残さず、
何度でも読む。

ステップ3・実践する。
理論をつまみ食いしないで、
100%教科書通りにやってみる。

これは考えて、実行することの、
一つの確かな方法論だ。

糸井重里の詰めの言葉が、
また厳しい。
「世の中には、考えないままで
強く言ってることが多いよね」

その通り。

しかし今日の話、私の場合も、
“どっちの場合もあるけどねー”
と答えようかな。

〈結城義晴〉

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