結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月22日(木曜日)

7月絶不調の日本小売業と伊藤園陳列Contestの「価格より企画」

商人舎流通スーパーニュース。

お陰様で、大好評。
感謝します。

今日のニュースの中から。
7月の業態別統計結果が、
ひどく悪い。

7月スーパーマーケット統計|
寒暖の差で既存店4.2%減・全部門減収

全部門、前年割れで既存店前年同月比4.2%減。
2010年に統計調査を始めてから、
3番目に悪い結果だった。

7月総合スーパー統計|
長梅雨で7.1%減/食料5.3%減、衣料16.2%減

こちらは日本チェーンストア協会の7月統計。
66%を占める食料品は前年同月比5.3%減、
農産品5.7%減、畜産品4.0%減、水産品3.2%減、
さらに惣菜2.1%減と生鮮4部門全滅。
衣料品は16.2%減、住関連は7.3%減。

7月生協統計|
前年比1.2%減/店舗4.3%減も宅配・個配は伸長

日本生活協同組合連合会の7月も、
全体で前年同月比1.2%減。

生協は店舗と宅配と個配に分かれる。

店舗販売は前年比4.3%減、
共同購入の宅配は0.3%増、
そして戸別配達の個配は1.2%増と、
好調だった。

昨日のイオンnews|
総合スーパーもスーパーマーケットも苦戦

イオンはスーパーマーケットでも、
総合スーパーでも日本最大の企業だ。
そのイオンでも7月は全滅。
業態でいえばドラッグストアだけが、
既存店1.8%の増だった。

そして昨日のニュースは、
7月コンビニ統計|
梅雨寒・台風で客数伸びず既存店2.5%減

コンビニも前年同月比2.5%減で、
2カ月連続のマイナス。

大手コンビニ3社の既存店は、
ファミリーマート1.7%減、
ローソン2.3%減、
セブン-イレブン3.4%減。

逆転現象が起こっている。

そして7月百貨店統計|
売上高2.9%減、長梅雨で盛夏アイテム不調

この業態は全店の売上高が、
前年同月比2.9%減。
4年連続で前年を下回った。

いずれの業態でも7月は、
長梅雨の影響が大きかった。

しかしそれだけでは説明がつかない。
10月1日からの消費増税に対して、
消費者の心理に影響があったに違いない。

お盆商戦が終わったら、
ほんのひと時の休養を取って、
その後は、ずっと、
無呼吸泳法。

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

これしかない。

さて今日は、午後から、
東京・清水橋。
伊藤園本社。

恒例の陳列コンテスト最終審査会。
6人の審査委員。
DSCN85099
伊藤園社長の本庄大介さん、
副社長の本庄周介さん。
取締役専務執行役の神谷茂さん。
商人舎プロデューサーの松井康彦さん、
商業界食品商業編集長の竹下浩一郎さん、
そして結城義晴。

早速、3つのコースごとに、
それぞれの審査員が、
自分の推薦する作品に付箋を貼っていく。DSCN85109

おもしろい陳列作品は、
資料を取り上げて吟味する。DSCN85229

眼鏡を外して丁寧に評価する。DSCN85259

3コースごとの付箋がそろうと、
上位作品だけ残して、
最優秀賞と優秀賞を決める。
DSCN85569

付箋の数をベースに、
最後は審査委員の議論で決まる。
DSCN85559

神谷専務はいつも、
実務的なスタンスで発言する。
DSCN85449

最後は全員一致で、
コース別の大賞(最優秀賞)が決まる。DSCN85729

店舗別の審査が終わると、
着席して資料を見ながら、
企業賞を決定する。DSCN85809
全ての賞が決定すると、
最後に審査員がそれぞれに、
総括を述べた。

審査会が終わると、
雑誌掲載のための写真撮影。DSCN85869

そしてこのブログ用の全員写真。DSCN85909

審査会が終わると、
恒例の情報交換会。

伊藤園本社最上階の役員応接室で、
お茶をいただきながら、
さまざまな話をする。

7月の飲料業界は、
全体に前年比2割減を示した。

伊藤園はそれでも麦茶が貢献したし、
8月5日に新発売した生オレンジティーが、
ヒットを飛ばした。
正式名称は、
TEAs’ TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー。
190805(L)orangetea500
これも冷やしたものを出してもらって、
美味しくいただいた。

最後に写真撮影。
DSCN85919
お疲れさまでした。

本庄周介さんや神谷茂さんが、
今、社内で盛んに使っている標語。
「価格より企画」

消費増税や軽減税率を控えて、
コンビニエンスストア大手4社が、
支払時の金額から還元ポイント分2%を
差し引く対応を決めた。

スーパーマーケットなど他の業態も、
これに追随する構えだ。

しかし結局、それらは、
安売りの上に安売りを重ねることに他ならない。
ディスカウントの屋上屋。

しかし、そんな時こそ、
「価格より企画」である。

商品開発でいえば、
「価格より規格」である。

ただし月刊商人舎8月号に掲載した、
㈱ロピアのモットー。
「同じ商品ならより安く、
同じ価格ならより良いものを」
201908lopia_title

コモディティ化していく商品なら、
必ずより安く売る必要がある。
一方、同じ価格ならば、
規格や企画が刷新された、
「より良いもの」でなければならない。

〈結城義晴〉

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