今日は会議の日だった。
お陰様でいい成績です。
株価も上がってきた。
午後は東京・小平へ。
こちらは第一屋製パン㈱の取締役会。
第一パンも今年1年、みんなが頑張った。
コミュニケーションがさらに良くなり、
数字に対する意識が高まった。
役員会のあとは懇親会。
取締役と執行役員。
おいしい食事とうまい酒。
楽しい懇親。
一番最後に細貝理榮名誉会長が、
しみじみとみんなにエールを送った。
細貝さんは来年、退任の予定。
それでも第一パンを象徴する存在感がある。
2010年4月から、第一屋製パンは、
トヨタ生産方式を導入した。
第一パン生産方式「DPS」と呼ばれる。
その三つの考え方は感動する。
トヨタから佐藤至さんが、
第一パンにコンサルティングに入った。
「カイゼン」の専門家だ。
細貝さんは佐藤さんと二人三脚で、
第一パンの製造工程を改善改革した。
トヨタ生産方式は多くの企業が導入を図った。
しかしうまくいかない企業も多かった。
小売業ではダイエーが試みた。
佐藤至さんが直接指導した。
しかし成果は上がらなかった。
第一パンはそのなかで、
全社が一丸となって取り組み、
いい結果をもたらした。
細貝会長の話は、
淡々としていた。
第一パンが忘れてはならないことが、
みんなの心に沁み込んだ。
細貝さんは来年、退任する。
御年80歳。
まだまだゴルフの腕はシングル。
お元気でいて欲しい。
第一パンはみんなが、
仲のいい会社であってほしいと思う。
それが私の願いだ。
とてもいい懇親会だった。
さて日経新聞。
「年収の壁 現場から(上)」
「年収の壁」による働き控えが、
小売り・外食の現場での人手不足に、
拍車をかけている。
ライフ桜新町店を取材した。
11月中旬の朝8時半、
東京・世田谷の住宅街の一角。
「ライフでは数十人のパート従業員の女性らが
野菜を棚に並べるなど開店前の準備に動き回っていた。
午前9時半に開店すると、パートの42歳女性が
『おつかれさまでした』と店の裏から出てきた」
この日の勤務時間はわずか1時間だ。
「調整した月は手取りが
数万円減ってしまうのはつらいけど、
絶対に損はしたくない。
100万円を超えないようにしている」
この女性従業員は本来、
1日4時間で週4日の雇用契約。
だが、年収を意識して、
秋以降は就業時間の調整を始める。
勤務時間が月間で2~3日分減る。
同店では人手確保のために
時給の引き上げに踏み切った。
しかしそれが、裏目に出た。
約150人いるパートのうち、
3分の1の50人強が就業時間を抑え、
年末には1カ月間も勤務できない人が出た。
この女性も昇給したが、
ボーナスの増加分だけで
働ける日が2日間も減った。
杉秀彦副店長。
「壁が見通せてくる秋以降は人が足りなくなる。
活気ある売場も維持できない」
レジ部門ではやむを得ず、
隙間時間で働くスポットワーカーで穴埋めする。
これが「年収の壁」の実態だ。
日本スーパーマーケット協会の調査。
加盟企業12社が答えた。
食品スーパーで働くパートの約半数が就業を調整する。
そのうち8割が100万円か103万円の壁を意識している。
岩崎高治同協会会長(ライフコーポ社長)。
「年収の壁が引き上がらないままで
最低賃金が上がれば人手不足に拍車がかかる」
帝国データバンクの調査。
非正規の従業員が不足している企業の割合は、
「飲食店」が64.3%。
スーパーマーケットなども48.9%と高い。
「スポットワーカーなどで不足を補おうとするが
根本的な解決にはつながっていない」
この記事は問題提起で終わっているが、
自民党・公明党の政府与党と、
国民民主党の協力によって、
この第一の壁は解消されようとしている。
「時給の引き上げが裏目に出る」
何とも皮肉な結果になって、
これは経済全体の問題でもある。
一方で、店舗現場には、
トヨタ生産方式のような考え方が必須だ。
ライフコーポレーションも、
レイバースケジューリングプログラムを導入している。
だから1時間の勤務を挟み込むことができる。
税と社会保険をセットで変えて、
シンプルにしなければならない。
政治家や官僚に任せていると、
なぜか最後はいつも複雑な体系になる。
今回もそのリスクは残っている。
シンプルでわかりやすい仕組みでなければ、
パートタイマーの頭に残るイメージを、
払しょくすることはできない。
〈結城義晴〉