今日は単行本の校正の日。
衣笠真佐美さんの本を、
商人舎から発刊する。
㈱いいねいいねドットコム代表取締役。
昨日と今日の2日間で、
私自身が全部読んだ。
いい本です。
まずタイトルがいい。
それは発刊まで秘密です。
それから内容がいい。
提案がいい。
全部、いい。
ご期待ください。
校正を終わらせてからから夕方、
自由が丘へ。
クリスマスツリーのイルミネーション。
自由が丘に来ると、
気持ちがワクワクする。
さて商人舎流通SuperNews。
海外ニュースはどこよりも充実している。
クローガーnews|
アルバートソンとの合併計画とん挫/契約違反で提訴される
あ~あ、やっぱり、という感じ。
クローガーとアルバートソンは、
合併計画を打ち切った。
2022年10月に発表されて、
世界中が驚いた。
それから2年2カ月を経て、
とん挫することとなった。
米国チェーンストアランキングでは、
クローガーが4位、
アルバートソンは10位。
米国スーパーマーケットランキングでは、
クローガーが1位、
アルバートソンが2位。
クローガーの2024年1月期決算は、
売上高1500億3900万ドル、
1ドル150円換算で22兆5059億円、
前年比1.2%増。
営業利益30億9600万ドル(4644億円)25.0%減。
純利益21億6400万ドル(3246億円)3.6%減。
一方のアルバートソンは、
営業収益792億3770万ドル(11兆8857億円)、
前年同期比2.0%増。
営業利益20億6890万ドル(3103億円)、
こちらは10.3%減、
純利益12億9600万ドル (1944億円)で14.4%減。
両社ともに増収減益。
トップのウォルマートは、
営業収益6481億ドル(97兆2188億円)で6.0%増。
営業利益270億ドル(4兆0518億円)で32.2%増、
純利益155億ドル(2兆3267億円)で32.8%増。
しかし合併していれば、
単純計算で売上高2292億ドル、34兆円となっていた。
営業利益は52億ドル、7774億円だった。
ともに何としても合併して、
ウォルマートを追いたかっただろう。
しかし両社が合併すると、
価格が上昇して消費者に不利益を与えると、
米国連邦取引委員会(FTC)と、
8つの州および首都ワシントンが、
合併差し止め訴訟を起していた。
12月10日には、2つの裁判所が、
合併差し止めを命じる判決を下した。
オレゴン州ポートランドの連邦地裁と、
ワシントン州シアトルの州裁判所。
これを受けてアルバートソンが、
この合併買収を破棄し、
6億ドルの契約違約金と損害賠償を求めて、
訴訟を起こした。
「クローガーはFTCから承認を得るための、
最大限の努力を怠り、
あらゆる措置を講じなかった」
一方、クローガー側はこのアルバートソンに対して、
「根拠のない無意味な訴訟」だという主張を発表。
法廷で争う構えを示している。
店頭競争ではクローガーが、
アルバートソンを圧倒している。
裁判ではどちらが勝つかはわからない。
そんなことはさっさと片付けて、
マネジメントとオペレーションの改革に勤しむべきだ。
私はこの合併がとん挫したことは、
クローガーにとって幸いだったと思う。
マネジメントとオペレーションのレベルが、
経営統合によって確実に落ちるからだ。
逆にアルバートソンは、
クローガー化することによって、
ウォルマートと闘う武器を入手するチャンスを逃した。
だから損害賠償を請求するのだろうが、
アルバートソンこそ素早く積極的に、
合併を実現させるべきだった。
100兆円、50兆円となると、
スケールのメリットは想像を絶するほど大きい。
この規模ならばある意味で、
量が質を変える。
アルバートソンはそのチャンスを逃した。
ああ、もったいない。
ウォルマートは今年、
FORTUNEの「働きがい」順位100にランクインした。
ランキングnews|
「働きがい2024」ウェグマンズ6位/ウォルマート初登場
さらに「DEIプログラム」撤回を表明した。
トランプ政権への対応でもある。
DEIは、
ダイバーシティー(多様性)、
エクイティー(公平性)、
インクルージョン(包摂性)。
これらを重視するプログラムがDEIだが、
保守派からの批判が高まっていて、
DEI強化を打ち切る企業が増えている。
ウォルマートは早々と、
わが道を行く決断を下す。
良い悪いの論議の前に、
意思決定の早さが、
小売業第1位企業の特徴なのだ。
〈結城義晴〉