アメリカ野球殿堂入りが発表された。
シーズン262安打の大リーグ記録は偉業だ。
多分、メジャーリーグ史上最高のヒットメーカーだ。
史上2人目の満票での選出には1票だけ届かず。
しかし、イチローはコメントした。
「1票足りなかったのはすごく良かった」
らしい。
ヤンキースのデレク・ジーターも、
同じように満票に1票届かなかった。
「ジーターと一緒。
努力とは違うので補いようがないものだが、
不完全な中で自分なりの完璧を追い求めて
進んでいくのが人生だと思う」
「不完全であるというのは
生きていく上でいいなあと
改めて考えさせられた」
これもイチローらしく、
理屈っぽい。
日本人のアメリカ野球殿堂入りは初めての快挙。
大谷翔平が続くのだろう。
自分らしさ、
ポジショニングを、
イチローはよく知っている。
ナレッジ・アスリートである。
knowledge抜きに殿堂入りはなかったと思う。
元気の出る話だ。
さて今日は1日中、
あちこちで人に会った。
朝10時、横浜商人舎オフィス。
第一屋製パン㈱社長の細貝正統さん。
「おいしさにまごころこめて」
第一パンのスローガン。
そのおいしさを徹底的に追及したい。
味覚的、感覚的なおいしさだけでなく、
科学的、客観的なおいしさも求めたい。
午後1時から東京・大手町。
㈱True Dataの皆さんと一緒だった。
米倉裕之さん、越尾由紀さん、
そして渡邊幸夫さん。
『ハーバードビジネスレビュー』が、
かつてスーパーマーケットをこう指摘した。
“a highly competitive, low-margin industry”
競争が激しく低利益の産業。
そのことを克服したいと、
私はずっと思ってきた。
日米ともに。
その点で意気投合した。
それには何よりも、
ビジョンがなければならない。
そして人財の質と量が必要だ。
さらにそのために、
情報武装は欠かせない要件だ。
人々の暮らしを支える情報は、
比べるものがないほど貴重なのだ。
2時30分発ののぞみで、
東京駅から新大阪へ。
冬空の富士。
雲と雪のコントラスト。
今年は雪が少ない。
新大阪から上本町へ。
シェラトン都ホテル大阪に到着する間もなく、
すぐに㈱万代の幹部の皆さんと会食。
ホテル内の日本料理の「うえまち」。
大阪城を模した器がおもしろい。
明日は万代知識商人大学第9期の、
論文発表と修了式。
その前夜の懇親の夕べ。
年末年始商戦は絶好調だった。
万代の新店も好調だ。
新しい競争相手が登場するたびに、
組織は燃える。
それが万代だ。
それから関西マーケットの変化や、
日本のチェーンストアのM&Aの話などなど、
話題は尽きない。
私の右隣が阿部秀行社長、
その隣が河野竜一常務、
そして左が和久正樹取締役。
“a highly competitive, low-margin industry”から、
完全に脱却して、胸の張れる産業をつくる。
そのためには何よりも人財が必要だ。
人財とは「知識商人」である。
ナレッジマーチャントは、
豊かな知識をもっているだけではなく、
とめどなく知恵が出てくる商人である。
イチローはナレッジ・アスリートだが、
万代は熱く燃える知識商人組織を目指す。
知識と知恵の相まったknowledgeこそが、
新しい時代を切り拓く。
〈結城義晴〉