三連休の中日。
私は完全休養日。
この2週間、忙しく出張した。
群馬へ行った。
大阪には二度、往復した。
店舗を視察し、取材をし、
講演や講義をした。
休養の日はゴルフ。
そのほうが、夜、
ぐっすり眠ることができる。
暑いけれど気分のいいラウンド。
早めのスタートで早めの帰宅。
体育館が投票場。
横浜市港北区第2投票所。
参議院神奈川選挙区選挙と比例代表選挙。
期日前投票をしようと思っていたが、
当日投票となった。
最近の投票で毎回思うけれど、
「立憲民主党」も「国民民主党」も、
政党名の略称は「民主党」。
投票結果に基づいて案分することになっているけれど、
制度として見ていまだに腑に落ちない。
私はこれまで一度も、
自分の意志で棄権したことはない。
28歳の時に引っ越しをした。
その移転届が役所で滞っている間に、
国政選挙があった。
そこで私の選挙権が空白になってしまった。
その時だけ、やむなく投票できなかった。
周辺にも息子や娘にも、
選挙権を行使することは、
国民の重要な権利であり、義務であることを、
強調してきた。
夜8時には開票速報が始まった。
自民・公明の与党、惨敗。
国民民主・参政党が躍進。
自民党支持だった票が、
そっくり参政党に移り、
その分、国民民主や立憲民主党が、
選挙区選挙で上位になった。
自民・公明を含めて共産党、社民党など、
古い政党が大きく後退した。
比較的新しい政党も、
ちょっと古い印象になって、停滞した。
維新の会、れいわ新選組。
政党政治のコモディティ化が進んだ。
そしてそのコモディティ化現象はスピードアップした。
だから維新もれいわも、
古い政党のイメージとなった。
もっとも新しい参政党と日本保守党は、
その伸びに明暗が分かれた。
日本の政治の大きな転換点となった。
しかしこれは米国のトランプ現象と酷似する。
ヨーロッパのドイツ、フランス、
それにオーストリアと同じだ。
向こうが先行していると考えていい。
かつての分類では、
右翼、あるいは保守が伸びる。
しかし第1党になっても、
それらは政権を担うことができない。
国民民主も参政党も、
国政を主体的に担うことは、
考えていない。
批判勢力となり、
その声を集めるのが、
政党として拡大しやすい。
一方、日本でも女性議員が増えた。
それはとてもいいことだ。
日本は政党政治だ。
だが私には今、支持政党がない。
その政党政治そのものに変容が見えている。
私たちの未来はどうなるのだろうか。
そんなことを考えさせられる参議院選挙だった。
ブレーズ・パスカルの「パンセ」
断章三三〇。
「権力は、民衆の理性と愚劣さの上に、
基礎を置いている」
「どちらかと言えば、
愚劣さの上に立つ要素が、
はるかに大きい」
「この世で最も偉大で重要なものが、
弱さを基礎としているのである」
納得できる。
「ところが、この基礎は素晴らしく確かなものだ」
「なぜなら、民衆は弱いということ以上に
確かなことはないからだ」
「健全なる理性、たとえば、
知性の尊重といったたぐいの上に、
基礎を置いているものは、
はなはだ座りが悪い」
いまやエリートや科学的思考すら否定する者が、
多くの民衆に支持される。
健全なる理性は座りが悪い。
17世紀の哲学者の透徹した視点に感動するが、
そこでどうすればいいか。
投票から帰ってうたた寝をした。
夜はぐっすり眠った。
〈結城義晴〉