OICグループのニューヨーク研修第5団。
今年は200人を超える研修となった。
最後の5団38名が到着して2日目。
今日は曇り空で雨の予報もある。
肌寒い。

第5団の団員たちは、羽田を立ってから、
初日の視察とステーキハウスでの会食。
昨日はハードな1日だった。
それでも朝7時にホテルの会議室に集合して、
結城義晴の講義に臨む。
その前にいつもの通りに、
OICグループの理念、
ロピアの理念を唱和。
最後に7大接客用語。

初めに引率者の水元均志さんが講話。
アジア営業統括本部長。
ロピアは「模倣困難性」の実現を目指している。
他者から真似ができないレベルになること。
水元さんはそれを強調した。

私もそれに応えて提唱者の理論を紹介した。
マイケル・ポーターと対峙するジェイ・B・バーニー。

「希少性」は一時的競争優位を生み出す。
「模倣困難性」は持続的競争優位を実現させる。
この模倣困難性に組織全体で取り組み、
それを社風とせよ。
それからウォルマートの「10ルール」。
働きがいのある企業ランキング。
顧客満足と従業員満足。
OICグループが基本としていることを、
丁寧に講義した。
さらにウォルマートの戦略解説。
エブリデーロープライスと、
ロールバック。
後者は「マス化特売」である。
それはベンダーとのwinwinによって成り立つ。
2時間を全力で語る。
高木勇輔さんや福島道夫さんをはじめ、
OICグループの幹部が学んできたこと、
それが会社の理念と理論になっている。
2015年からチーフ以上のメンバーが、
この研修に参加して全員が学習してきた。
講義が終わって2日目の視察研修に出発。
今日は隣のニュージャージー州へ。
とんがり店舗の視察。

今日は日曜日だが、
平日よりもお客の出足は遅い。
商品の陳列作業が急ピッチで進められている。
トレーダー・ジョーの3大作業は、
1、補修・陳列
2、クレンリネス
3、接客
この三つに全員で取り組む。
この店では専属の5人のアーティストが、
トップパネルやPOPを描く。
壁面のイラストもアーティストの作品だ。
ロピア店舗の壁面の描画は、
トレーダー・ジョーを真似している。
クルーのエースさんとメイトのローラさん。
トレーダー・ジョーで働く楽しさを語ってくれた。

全員で撮影。
私はエースさんと握手をしながら、
また会う日を約束した。

売場の導入部はプロモーションコーナーだ。
一丁目一番地には今、売りたいアイテムを並べる。
オリジナルのコーヒーショップもある。
コーヒーを飲みながら買物する客もいる。
大きなサインボードで、
「私たちがパラマスに出店して幸せです」
ワンウェイコントロールの動線で、
顧客を楽しませる。
青果売場はこの華やかさ。
主力カテゴリーは、
対面販売のショップ形式で展開する。
ここはモッツァレラチーズのコーナー。

子ども連れのファミリー客も、
試食をしながら楽しそうに買物する。

スチューは商業施設の核店舗だ。
リージョナルショッピングセンター。
ただし、このエリアは、
「ブルーロー(Blue Law)」によって、
日曜日は礼拝や安息の日に定められて、
商業活動や娯楽、労働などが制限されている。
だからショッピングセンターも休業。
しかし食品小売業と飲食店は営業する。
この商業施設も例外ではなく、
百貨店のメイシーや、
専門店のユニクロなどは休業。
その一角で、インタビュー。
ケビン店長の通訳は浅野秀二さん。
日曜日は教会に行った顧客が昼から来店する。
だから昼からプロモーションを仕掛ける。
店内製造のオリジナル商品が多く、
そのコントロールが課題だとケビン店長。
スチューのエコバックや人形をプレゼントしてくれた。

ありがたいことだ。
再開を約して店を去った。
バスの中で「アワーポリシー」のなぞ解きをした。
高い天井と広い売場。
導入部の青果部門はすでに100%近い品揃え。
「HOT ZONE PRICES」のPOPが目立つ。
ウォルマート対策のEDLP政策だ。

2001年に始めた当初は、
「コンシスタントロープライス」と呼んでいた。
2024年から「ホットゾーンプライス」に変えた。
短くてわかりやすいキャッチだ。
汽車の模型が走る。
ロピアはこれを真似てとり入れた。
いまや日本ではロピアの象徴となった。

グロサリー売場でも島陳列で、
ホットゾーンコーナーをつくる。
店舗右翼には広大なリカーショップがある。
ここでは「ホットプライス」。

ミールソリューションとEDLP。
2000坪で1店平均150億円(150円換算)。
ウェグマンズの戦略に迷いはない。
近隣のショップライト。
ウェイクファーン・フードが本部で、
協同組合のボランタリーチェーンを展開する。
45社365店。
ショップライトはその統一屋号。
デリはパスタやBBQ、寿司など、
細かくショップ化している。
グロサリーの売場は広くて多品種展開。
レジ前のシーゾナルマーケットのコーナー。
小さな小売企業が集まって、
ボランタリーチェーンを形成し、
ウォルマートやウェグマンズに対抗している。
しかもその店舗レベルは高い。
導入部のインストアベーカリーが特徴の一つ。
オリジナル什器で焼きたてのパンを売る。
49セントのクロワッサンはお勧めアイテム。
青果売場は広い。
同じドイツ出身のアルディから遅れて、
2017年にアメリカに進出。
そこでアルディとの違いを強調する。
PB商品は7割ほど。
だからナショナルブランドを安く売る。
「BIG DEALS」はお買い得商品。
有人レジは4台。
セルフレジを利用する顧客が多い。

雨の日曜日。
客の出足は鈍い。
ドイツ第一の小売業も、
米国ではまだまだ。
最後にストップ&ショップ。
アホールドデレーズUSAの傘下にある。
400店舗のローカルチェーン。
これが普通のスーパーマーケット。
スケルトンの天井で開放感がある。
店づくりには最新の流行を取り入れている。
「適正規模」を確保して、
コの字型レイアウトを採用。
しかし人影はまばら。

静かな売場の中で、
ロボットが静かに回遊している。
棚の欠品をチェックしたり、
防犯のチェックをする。
「Something Special」のコーナーサイン。
だが「特別なもの」は何もない。
我々がいなければ、
顧客の総数は10人ほどか。
欧州の巨大資本の傘下にあるが、
イノベーションはかけらも見えない。
なぜこの体たらくなのか。
特徴がない店だからである。
「ポジショニング」が欠落しているからだ。
華やかな風船が顧客を迎える。
入り口のプロモーションコーナー。 
マンハッタンに近いこの店は、
ニュージャージーの中でも繁盛店だ。
リニューアルして、
最新の「フューチャーストア」となっている。
コロナ禍以降、オンライン販売急激に増えた。
その受注商品をピックアップするスタッフが、
売場を駆け巡っている。

「アクションアレイ」の島陳列。
クリアランスセールやマネジャースペシャルの特価品が並ぶ。

ウォルマートはアパレルを強化している。
プレゼンテーションは驚くほど変わった。
ブランド物も低価格で提供する。
コーディネーターの浅野秀二さん、
ロピアの団員も購入した。
アメリカのアソシエーツ数160万人。
年間売上高107兆円。
そんな超巨大な世界一の企業が、
大きく変わる。
凄いことだ。
2日目は雨が降り、風もあって、
肌寒い一日だった。
それでも無事に全行程を終えた。
そして最後に少しだけ観光。
ハミルトン公園に着くころには、
天気が回復。
そらはからりと晴れた。
ハドソン川の対岸の摩天楼がくっきりと見えた。
第5団は運が強い。

絶景を背景に「オイシ~!」
ハミルトン公園は、
アメリカ合衆国建国の父の一人、
アレクサンダー・ハミルトンが決闘して、
致命傷を負った場所だ。
第一次世界大戦の記念像も立っている。

ホテルに帰ってから各自、食事に出かけた。
私たち事務局の夕食は、
ホテルからすぐの四川料理店。
「傾國傾城」

講師陣と事務方全員で、
おいしい中華料理を、
ビールと紹興酒で楽しんだ。

私は今日も一日、全力で講義した。
ビールもおいしかったし、
話も弾んだ。
ロピアの海外展開の話で盛り上がった。
その成功の理由を私なりにしっかり理解した。
収獲は大きかった。
(つづきます)
〈結城義晴〉






































