結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年12月17日(木曜日)

日本標準産業分類のエッセンシャルワークと「Go Toトラベル」

東京都の新型コロナ新規感染者は、
過去最多の822人。
昨日の過去最多678人を140人以上、
21.2%も上回った。

このままでは、
1日1000人の大台を超えそうだ。

3日前の検査数は約1万1000件で、
これまで最多。

しかし東京都の担当者のコメント。
「検査数が増えたことだけが要因ではなく、
感染する人自体が増えている」

65歳以上の高齢者は112人。
こちらも過去最多。

全国統計でも、
過去最多の3214人。

東京医科大学の濱田篤郎教授。
「営業時間の短縮要請など
強い対策が取られているが、
人の動きはさほど変わっておらず、
感染が減少する要素が少ないのが現状だ」

商人舎流通スーパーニュースも、
[新型コロナ]のカテゴリーは、
今日だけで感染ニュースが19件。

北海道のコープさっぽろやセコマから、
沖縄のサンエーまで、
全国の店頭で感染者が判明した。

感染の勢いが止まらないと、
現場の感染リスクは増えるばかり。

スーパーマーケットやコンビニ、
総合スーパーやドラッグストアには、
営業自粛要請は来ない。

「エッセンシャルワーク」のひとつと言われる。
すなわち「必要不可欠な仕事」。

しかし農業も漁業も畜産業も、
製造業も卸売業も、
建設業も鉄道業も、
エッセンシャルなワークであると思う。

それなくしては、
たとえばスーパーマーケットも、
店や売場をつくることはできない。

総合スーパーもコンビニも、
ドラッグストアもホームセンターも、
商品を供給してくれる産業あってのものだ。

日本標準産業分類は、
総務省が体系を整理している。

立教大学大学院の講義で、
私はいつもこの産業分類からスタートした。

その大分類は20に分けられる。
⑴農業,林業
⑵漁業
⑶鉱業,採石業,砂利採取業
⑷建設業
⑸製造業
⑹電気・ガス・熱供給・水道業
⑺情報通信業
⑻運輸業,郵便業
⑼卸売業,小売業
⑽金融業,保険業
⑾不動産業,物品賃貸業
⑿学術研究,専門・技術サービス業
⒀宿泊業,飲食サービス業
⒁生活関連サービス業,娯楽業
⒂教育,学習支援業
⒃医療,福祉
⒄複合サービス事業
⒅サービス業(他に分類されないもの)
⒆公務(他に分類されるものを除く)
⒇分類不能の産業

たとえばスーパーマーケットは、
⑼の卸売業、小売業だが、
⑴の農業、⑵の漁業、⑷の製造業から、
商品供給を受ける。

ちなみにわが商人舎は、
⑿学術研究,専門・技術サービス業に含まれる

いま、話題の「Go Toトラベル」は、
主に⒀宿泊業、飲食サービス業を支援する。

しかし感染症拡大を防止し、
国民を守るエッセンシャルワークは、
⒃の医療、福祉であるし、
⑼の卸売業、小売業であるし、
⑻の運輸、郵便業であるし、
さらに⒆の公務である。

Go Toトラベルが、
⒀に焦点を当てているのは、
経済活動のほんの一部であることがわかる。

もちろんほとんどの産業が、
エッセンシャル・インダストリーである。

2020年12月2日の日経新聞。
「FINANCIAL TIMES」
マーティン・ウルフが長文を書いている。
FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーター 。

タイトルは、
「人命重視が経済も救う」

新経済思考研究所(INET)の最近の論文。
「経済を救うためには、まず人を救え」
アメリカのシンクタンク。

この論文によると、
各国の新型コロナ対策は2つに分かれた。
①ウイルスを抑制するか
②経済のために一定の死者数を許すか
「大まかに、前者の方が
経済、死者のいずれにおいても
被害が少なかった」

「一方、人命を犠牲にした国は大抵、
多くの死者と大きな経済的被害を出している」

私もそう思う。

さて東急東横線横浜駅。

陶板レリーフ「VIVA YOKOHAMA」
2004年1月、絹谷幸二作。
IMG_08440
鉄道業もエッセンシャルワークだ。

そのとなりに、
「泣くな、絶望するな
守り抜けハマの食!」IMG_08450
「ハマの食」を守り抜くことも、
エッセンシャルワークである。

今日は午後から、
横浜商人舎オフィスで、
対談。

お相手は、片山隆さん。DSCN93320
片山さんは㈱寺岡精工の前社長。
退任して現在、コンサルタント。
RTKデザイン代表。

アメリカやヨーロッパ、
そして中国、日本の小売業について、
2時間近くも話し合った。

実に有意義な時間で、
昨日に続く対談で、
この1年考えていたことが、
どんどん姿を整えてきた。

ありがとうございました。
DSCN93830

「人命重視が経済も救う」
これが現時点の大原則だ。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.