「一憂」を消去すると「一喜」もえぐりとられてしまう。

8月に入った。
目の前の仕事余(あま)して葉月かな
〈稲畑汀子〉
汀子の祖父は高濱虚子、父は高濱年尾。
小さいころから二人に俳句を教わった。
父年尾は「汀子の句は『景七情三』」と評した。
目の前の仕事は残っている。
そして8月に入った。
わかる。
6月、7月と講演や講義が多かった。
この歳になっても講演の依頼があり、
研修会に参加者が集まってくれるのは、
本当にありがたい。
いつまでできるか。
私は85歳まで現役であることを宣言しているが、
それもあと12年。
まだ5時間くらいの講義はできるが、
その時間も減っていく。
今のうちに私の講演、講義を聴いてほしい。
トップマネジメントのみなさんに向けても、
1年に一度か二度は、
そんな講演会をやりたいものだ。
8月は講演、講義がない。
海外研修も国内研修もない。
これは心理的にはちょっと助かる。
そのかわりに単行本の執筆をする。
ある、秘策を用意している。
さて商人舎流通スーパーニュース。
山本恭広web編集長が張り切っている。
土曜日には書き下ろしの原稿が載る。
Weekly Review|
令和8年熊本地震/コンビニ各社の支援進む
「令和8年熊本地震」
コンビニチェーンの迅速な被災地支援。
支援物資としては、
飲料、カップラーメン、
ゼリーなど栄養調整食品、
制汗シート、デンタルケア関連、
そして肌着。
㈱セブン-イレブン・ジャパンは、
地震発生翌日の7月29日(水)から、
店頭募金や支援物資の供給をスタートした。
制汗シート:4800個
カップラーメン:1200個
ゼリー飲料:2700個
ソフトドリンク:5800本
㈱ローソンは7月30日(木)から開始。
制汗シート:約1万個
栄養調整食品:600個
即席食品:900個
麦茶600ml:2400本
歯ブラシ:240個
歯磨き粉:240個
紳士用シャツ:200枚
紳士用パンツ:250枚
婦人用シャツ:70枚
㈱ファミリーマートも、
熊本県からの要請に対応して、
供給を開始。
また、コンビニ店舗を拠点にして、
被災地の移動手段の支援サービス、
通信手段の確保サービスも展開された。
セブン-イレブンは、
熊本県内の菊陽原水店、菊陽新山1丁目店に、
「急速充電スポット」を設置している。
7月30日(木)から無償で開放している。
ファミリーマートは、
Teslaの電気自動車用急速充電設備を、
熊本県の熊本小峯4丁目店、天草有明店で、
無料開放している。

イオンモールのような大型施設と、
コンビニのような小型で多数の施設。
小売業の有店舗は、
こんな時こそ社会に貢献することができる。
社会や行政との接点を高めて、
「活用してもらう」機会を増やしたい。
eコマースにはない機能である。
最後に朝日新聞「折々のことば」
第3688回。
「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう
〈小川哲〉
「嫌なことがあっても、その時、
そういう体験をしておいてよかった、
と思うことでやり過ごしてきた」
私もそう思ってやり過ごしたことが、
ないわけではない。
「でもそうやって感情を圧(お)し殺し、
物事を割り切り続けるうち、
柔らかく傷つきやすい感受性が
鉄板のようになって、死んでいった」
やり過ごし、乗り越えるのはいい。
けれど忘れ去ってしまってはいけない。
どんなことも人生には役に立つ。
随想「過去改変を繰り返した男の末路」より。
藤岡みなみ編『超個人的時間旅行』所収。

小川哲(さとし)は39歳の小説家。
2023年、『地図と拳』で直木賞受賞。

著者の鷲田清一さん。
「どんな道を選んでも迷いは失せない」
「一喜一憂」は、
物事の状況が変化するたびに、
喜んだり憂いたりする様子。
良いニュースに喜びを感じたり、
悪いニュースに心配を感じたりする。
悪いニュースを心の中で消去してしまうと、
良いニュースもえぐり取られてしまう。
「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう。
熊本地震も阪神淡路や東日本の地震も、
頭の中から消去してはいけない。
〈結城義晴〉























