ビル・ゲイツが指摘するAIにおける「Human Reserved」

令和8年熊本地震発生から1カ月が過ぎた。
読売新聞社説。
「熊本地震1か月
被災者の生活再建を着実に」
「被災地では、電気とガスはすでに復旧した。
断水も月末までに解消する見込みといい、
少しずつ落ち着きを取り戻しつつある」
救助、救済から、
復旧へと進んでいる。
「だが、避難所に身を寄せる人は
なお2000人を超える」
「現地は連日のように、
最高気温が35度以上の猛暑日となっている」
心が痛む。
「これからは本格的な生活再建の段階に入る。
熊本県は住宅が全半壊した世帯に
支援金を支給する」
「被災者が早く元の暮らしを取り戻せるよう、
住宅の確保だけでなく、
職場や校舎の復旧なども含めた、
きめ細かい支援が急務だ」
復旧から復興へと、
長い試練が続く。
「熊本日日新聞」社説。
「最優先すべきが災害関連死を防ぐ取り組みだ」
「長く続く避難生活のストレスや
将来への不安が
体調を悪化させる恐れがある。
16年熊本地震では、
発生から1カ月が経過した後も
関連死が相次いだ」
「なりわいの再建も課題だ。
商工業関連の被害額は現時点で1559億円。
このうち中小企業が9割弱を占めている」
「県内の観光地では
宿泊施設の予約キャンセルが相次ぎ、
風評被害は九州の隣県にも及んでいる」
風評被害は人災だ。
「人災」は食い止めたい。
それが国民の力である。
「勤め先が休業するなどして職を失ったり、
収入が減ったりした労働者への目配りも肝要だ」
「熊本への支援は国内外から、
さまざまな形で届いている」
「これまでに延べ約1万4000人の
ボランティアが被災地に入り、
被災家屋の後片付けや避難所運営などに
汗を流した」
「県に寄せられた寄付金・義援金は
142億円に上っている」
「復興への歩みは始まったばかりだ。
温かい応援を励みに困難を乗り越えたい」
地元の新聞は詳細に伝えてくれる。
メディアも全力をあげたい。
さて、日経新聞に、
ビル・ゲイツ氏の主張が紹介された。
マイクロソフト共同創業者。
1955年生まれの70歳。

「介護や医療『AI入れぬ』」
ゲイツ氏の警告。
自身のウェブサイトに長文を掲載した。
「AIが大量失業を引き起こしうる」
そこでAIやロボットに代替させない、
「人間専用の職種」の創設を提唱し、
世界の政治指導者らに対応を呼びかけた。
「テクノロジー企業や各国政府は、
AIの急速な進化に円滑に対応する計画を
用意できていない」
「規制や国際機関の創設で協力」するよう求めた。
AIがもたらすリスクの筆頭は、
「大量失業」である。
その対策として、
人間だけが担う職種を、
「Human Reserved(人間専用)」に設定し、
対象分野ではAIの導入を遅らせる案を提唱。
納得できる。
「自然保護区」は都市開発などから自然を守る。
同じように「AIをあえて入れない職種を残す」
いい考えだ。
人間専用の例として、
高齢者介護や医療がある。
つまり人間らしさが求められる業務、
転職が難しい専門技能職などが、
対象になりうる。
サービス業、接客業も、
「Human Reserved」だろう。
市場経済の下では企業に、
AIで雇用を代替するように促す力が働く。
「介入しない限り良質な雇用は減少し、
恩恵が少数の人々に偏ることになる」
AIの自動化による失業リスクについては、
「事務や営業、ソフト開発などの
ホワイトカラー職種で影響が広がり、
特に若者が就く初級・中級レベルの雇用ほど、
代替されやすい」
さらに現場作業を担うブルーカラー職についても、
「2030年ごろに建設業などでロボットが、
一部の仕事を人間と取り合うようになる」
ブルーカラー職はすぐには、
自動化が難しいとみられている。
しかし中国などが開発するロボット技術は、
コストを大きく下げることが可能となる。
人間の雇用の代替ペースを抑えるため、
AIの使用量を表す「トークン」の導入、
さらにロボットへの課税も、
ゲイツ氏は提起した。
従業員を雇う際には、
税や社会保障関連の費用がかかる。
同じように企業がAIを使う際に、
負担が生じるようにする。
「サイバー攻撃や生物兵器開発へのAIの悪用」、
「AIが子供の精神衛生に与える悪影響」
ビル・ゲイツ氏の指摘は、
十分に検討されねばならない。
「ポーター仮説」は、
マイケル・ポーターの提言だ。
1947年生まれの競争戦略の大家。
もう79歳。
「環境ビジネスに関しては、
適切にデザインされた規制が
必須である」

AIビジネスに関しても、
同様の見識が必要だと思う。
なんでも自由競争、なんでも市場経済は、
21世紀の考え方ではない。
〈結城義晴〉






















