お盆商戦・書き入れ時の「強さはコントロール力だ」

今日は立秋。
秋が立つ日。
しかし毎日毎日、書いている。
「今日は今年一番の猛暑」
そして今年のほんとうの猛暑は、
今日の立秋の日らしい。
気分だけでも、
立秋を味わいたい。
そして今日から、
大方のサラリーマンの夏休み。
最長は16日の日曜日までの9日間。
ゆっくり休んでください。
一方、小売業、サービス業は、
書き入れ時。
FIFA世界水泳選手権大会。
ロシアのカザニで開催中。
競泳ばかり目立つが、
シンクロナイズドスイミング、飛込、
ハイダイビング、水球、
そしてオープンウォータースイミング。
6競技75種目。
世界177の国と地域から、
オリンピックを超える規模で参加がある。
オリンピックは4年に1度、
こちらは2年に1度。
その世界水泳で、
金メダル二つ。
女子200メートルバタフライで、
星奈津美が金メダル。
そして女子200メートル平泳ぎで、
渡部香生子が優勝。
二人は来年のオリンピック代表も決めた。
おめでとう。
こうして世界一になる。
なみたいていの努力ではない。
われわれの店や売場は、
このお盆商戦の期間中にも、
世界一を目指したい。
世界一買い物したい店、
世界一働きたい店。
それを目指したい。
さて商人舎Magazineの、
Weekly商人舎に、
「週刊特別企画」を執筆。
セブン&アイとファストリ提携の
「神は現場にあり」
やはり結論はここに来る。
糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」
糸井は大の野球ファン。
「一般的にファンが
ホームランやら、ヒットやらを
望むような場面で、ぼくはよく、
『フォアボールがほしいなぁ』と
願ったりしている」
通の見方だ。
ホームランを願わない
ということではない。
「フォアボールというのは、
コントロールの乱れである。
ぼくは、投手の強さを表すものが、
コントロール、つまり制球力だと思っている」
これは実は私も同感。
「意図したところに、
意図した速度や意図した変化で、
ボールを投げられること」
それがコントロール。
「そのためには、
ボールに力を伝えるときに、
自身の神経と筋肉を
制御できていることが必要である」
「どのように危機的な状況であっても、
じぶんを正確にコントロールできるということ、
これを強さと言わずして、
なにが強さだろうか」
この猛暑の中、
甲子園大会が始まって、
どんどん盛り上がっている。
投手がテレビに映っている。
それをちらっと見て、いつも、
私はこの投手の「強さ」を感じとろうとしている。
「弱くなっている投手には、勝ちやすい。
原因が精神的なものであるか、
肉体的なものであるか、どちらでも同じだ。
制御できていない相手は
与しやすいというわけだ」
もちろん自分の見方の投手も同じ。
そして糸井の結論。
「強さとは制球力だ」
「たった、それだけのことであるが、
けっこう野球観戦における
大事な視点だと思うのだ」
プロ野球観戦だけでなく、
高校野球も世界水泳も、
そして店を見るときにも、
まったく同じ視点が役に立つ。
「強さとは制球力だ」
「強さとはコントロール力だ」
「意図したところに、
意図した速度や意図した変化で、
ボールを投げられること」
「意図したところに、
意図した鮮度や価格で、
商品を提供できること」
「そのためには、
自身の神経と筋肉を
制御できていることが必要である」
この猛暑の中、
お盆商戦の書き入れ時に入っている。
「コントロールが弱くなっている店には、
勝ちやすい」
「制御できていない相手は
与しやすい」
「強さとはコントロールだ」
速い球もいらない。
大きな変化球もいらない。
自分らしい球を、
自分らしく投げることのできる、
コントロール。
それが書き入れ時の店のあり方だ。
「強さとはコントロールだ」
まったくその通りだ。
「神は現場にあり」
〈結城義晴〉