日曜版【猫の目博物誌 その68】コスモスのフィボナッチ数列
猫の目で見る博物誌――。
久しぶりです。
夏が過ぎて秋になりました。
台風、地震、お見舞いします。
コスモスは、
キク科コスモス属の一年生草本。
英語でCosmos、
学名もCosmos。
日本語では「秋桜」(アキザクラ)とも称する。
茎は2mから3mになる。
枝が多い。
葉は対生で二回羽状複葉。
花は二つに分かれる。
中心には黄色の筒状花がある。
管状小花ともいうが、
多数の筒状・管状の花びらが集まる。
周辺には桃色、白色、
あるいは紅色などの舌状花がある。
通常は舌状花は8枚である。
コスモスは「短日植物」。
日照時間が短くなると花が咲く。
だから秋の花。
熱帯アメリカ原産。
メキシコからスペインに持ち込まれて、
マドリード王立植物園で栽培された。
ここで「コスモス」と命名。
日本には1879年(明治12年)に渡来した。
1・1・2・3・5・8・13・21・34・55……
「フィボナッチ数列」と言われる。
前の二つの数値を足し算した数が、
ずっと並んでいく。
1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8
5+8=13
8+13=21
13+21=34
21+34=55……
植物はフィボナッチ数列に従っている。
コスモスの葉もフィボナッチ数列。
植物の葉は、
光がまんべんなく当たるように、
少しずつ位置がずれている。
葉の付き方は「葉序」(ようじょ)と称される。
360度の2分の1の180度ずつ、
ずれる葉序の植物がある。
3分の1の120度ずつ、ずれる葉序もある。
次に5分の2ずつ、ずれる葉序は、
144度。
さらに8分の3ずつずれると135度ずつ。
2分の1、3分の1、5分の2、
8分の3、13分の5。
この分数の分母と分子は、
フィボナッチ数列で並んでいる。
そしてこの数列で並ぶことを、
「シンパ―・ブラウンの法則」という。
コスモスの周辺の舌状花は8枚。
だから花占いで「好き」からはじめると、
いつも「嫌い」が残る。
マリーゴールドは13枚、
マーガレットは21枚。
ガーベラは55枚。
花占いに向いている。
花びらの枚数。
ユリが3枚、桜が5枚。
コスモスが8枚、
マリーゴールドが13枚、
マーガレットが21枚、
デージーが34枚、
ガーベラが55枚。
そう、フィボナッチ数列なのだ。
植物の不思議。
〈稲垣栄洋著「面白くて眠れなくなる植物学」より〉
コスモスの花占いは、
「キライ」からはじめてください。
あの原っぱがまだあって、
コスモスの花がさいてたら。
〈山﨑眞幹作詞〉
(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)