結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年07月20日(水曜日)

「魁皇最高の人生」と連続増収企業&連続最高益企業とペガサス政策セミナー

「魁皇としての人生は最高でした」
史上最多勝の大関が引退。

いい言葉だ。

何度も書くが同郷の力士として、
私は誇りに思う。

それでもまだ38歳。
人生はこれからだ。

大相撲の将来を担って、
できればイノベーターとなってもらいたいし、
それ以外の人生でも、もちろんよい。

雑誌屋の世界に、
「売れる本づくりの経験」という言葉がある。

すなわち「飛ぶように売れる雑誌や書籍」をつくった経験が、
あるかないかということ。

これがある編集者は自信にあふれている。
天衣無縫、のびのびとしている。
それがない者は、いつも卑屈である。
姑息で窮屈な考え方をする。

恐ろしいことにそれが、
本や雑誌の誌面に出る。

小売業やサービス業でも同じだ。

売れる店を経験した者としない者。
攻めと守りのバランスがいい店長と、
守り一辺倒の店長。

それが店に表れる。

もちろん売れた経験のある店長が、
それを鼻に掛け、
成功体験にすがって、
それを変えようとしなかったら、
すぐにダメになる。

継続的なイノベーションが、
仕事には必須である

魁皇はその意味で、
「売れる雑誌屋」「売れる店長」を経験した。

天衣無縫でなおかつ持続的イノベーションを、
相撲界にもたらしてもらいたいものだ。

さて日経新聞が「収益最高企業特集」。
まず、20期以上の増収企業
全業種の中で、小売業が中心となった。

家電量販店最長のヤマダ電機は21期連続の増収を達成。
「1990年3月期に約200億円だった売上高は前期に2兆円強にまで拡大」。
ケーズホールディングス、
バロー、サンドラッグ、
ニトリ、アークス、コメリ、
マックスバリュ西日本、サンエー、
ベルク、やまや。

外食で、ワタミ、松屋フーズ、
食品卸売業で加藤産業、
食品メーカーで伊藤園

長期間の増収を続けている。

一方、「2010年度に純利益最高益のなかで、
連続最高益更新企業」
こちらもランキング上位には小売業が目立った。

5期以上連続最高益は約50社中、20社近くが小売業。

大黒天物産、イオンモール、サンドラッグ、
ヤオコー、ニトリ、
ケーズデンキ、丸久。

連続増収企業で連続最高益企業はサンドラッグとニトリ。
サンドラッグは「トヨタ自動車顔負けの厳格なコスト削減と在庫管理で知られ、
21期連続で最高益を達成」

「12期連続最高益のニトリホールディングスは、
円高を生かした値下げ戦略が奏功」

この特集でヤオコーがケーススタディとして取り上げられている。
タイトルは「ヤオコー、パートが知恵 日々改善」

2011年3月期の連結純利益が18期連続で過去最高を更新。
「パートナー(パート)社員の能力を最大限に生かす経営が当社の強み」
川野清巳社長の言葉。

強さの一つが「提案型」の売り場づくりだ。
「パート社員が当日の気温などに合わせ、
毎日、様々なアイデアを出し合う」

「店長の指示を待つのではなく、
現場で考えて売り上げを伸ばす」

「仕入れや値引きもパート社員の判断に任せる。
主婦の目線で売れる商品や適正な値段を考える。
こうしたパート社員の頑張りに報いる仕組みもある。
パート社員でも業績目標を達成すればボーナスを支払う」

この記事、ちょっとパートタイマー活用(?)を強調しすぎ。
ヤオコーは社員もしっかり働くし、
店長や部門長のリーダーシップもある。

本部も店舗を十二分に支え、
チェーンストアとしての新しいシステムの一つを構築している。
そのことを忘れてはいけない。

パートタイマーの力だけで、
18期連続増収増益が果たせるわけがない。

しかし川野社長の言葉はいい。
「スーパー業界で日本一の賃金水準を目指す」
ぜひとも実現させてもらいたい。

さて昨日は、東京・渋谷のセルリアンタワー東急。
元の東急電鉄本社ビル跡にできた現代的なホテル。
20110720101612.jpg
ここでペガサスクラブ政策セミナー。

渥美俊一先生が逝去されてからまるまる1年。
東日本大震災が起こり、
小売サービスやチェーンストアの役割は、
一段と重く認識されるに至った。

その中での伝統の政策セミナー。
495名の参加で、充実した勉強会が行われた。
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梅村美由起チーフリサーチャーが、
経営数値分析やビッグストア統計報告をし、
桜井多恵子シニアコンサルタントが、
景況分析・業界情報分析、
そして米国チェーンストア報告をした。

渥美先生の役割を分担して果たし、
水準を何とか維持しようという意思が表れていた。

私はとても好感を持ったし、勉強になった。

それにしても、この時代に、
もう少し渥美先生には生きていてほしかった。

伊藤雅俊、岡田卓也、西川俊男、清水信次。
イトーヨーカ堂創業者、イオン名誉会長、ユニー創業者、
そしてライフコーポレーション会長にして日本チェーンストア協会会長。

「化け物級」の経営者たちと対等に渡り合える存在。
清水さんと渥美先生が同じ年で、今年86歳。

命を燃やし尽くして、
化け物級より「ちょいとお先に」と、
逝ってしまった。

政策セミナーの間中、
私はそんなことを考えていた。

私の父母も今年、86。
渥美先生と同じ。

だから先生は私の父同然。
「なき父よ、
店見るたびに
見るたびに」

合掌。

今日、私は、昨年同様に、
アメリカはニューヨーク州イサカに発つ。

コーネル大学RMPジャパンの卒業旅行。

行ってきます。
「実行の第3期生」の卒業旅行と、
ちょいと店を見に。

<結城義晴>


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