結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年07月22日(金曜日)

コーネル・ジャパン「イサカの最終講義」とCFS「横浜の絆の会」二元中継

今年の7月のイサカ。
ほんとうに暑い。
外は38度。

地球温暖化を、
このニューヨーク州の北の地で実感しようとは。

これからしばらくのブログは、
このニューヨーク州と日本との二元中継となる。

前編・イサカ編。

朝6時半の部屋からの景色。
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左を見て、右を向いて。
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まるでおとぎの国のようなキャンパス。
しかも広大。

宿泊とセミナーは、スタットラー・ホテル。
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1階ロビーから奥に入る。
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そしてコーネル・ジャパンのセミナー室。
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今年は、階段教室。
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朝8時、昨日の長旅をものともせずに、
「実行の第3期生」が席に着く。
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いよいよ始まる。
イサカでの講義。
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もう3度目となる同時通訳のお二人。
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最初に副学長が出て、
お二人に拍手。

早速、講義。
講師はコーネル大学教授のビル・ドレイクさん。
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テーマは「世界食品産業の課題と潮流」
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ひとことで、素晴らしかった。
講義が終わってから私は、
ドレイク先生に言った。
「大きな刺激と強いインスピレーションを受けました」

この言葉通りの内容だった。

世界のトレンドは、
①都市化
②飽和
③景気後退
④食品価格の高騰

このあたりは昨年のロッド・ホークス先生の講義と、
ほぼ同じトレンド。
1年でそれほど大きく傾向が変わるわけではない。

この潮流の中で、
まず世界最大の企業ウォルマートは、
どう変わったか。

ウォルマートが世界で展開するバナー。
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ウォルマートといえば、
チェーンストアの代表。
だが、そのチェーンストア代表は、
シングルフォーマット&シングルバナーではない。

そして最新フォーマットの「ウォルマート・エクスプレス」。
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昨年のホークス先生は、
プロジェクト・インパクトを語った。

しかしそれから1年、
ドレイク先生は、
「Walmart’s Strategic”Flip Flop”」と表現した。
戦略転換のことだが、意味は、
「戦略の右往左往」といったところ。

しかし現場を見続けている限り、
私は大きく振れてはいるが、
「適切な修正」だと思う。

その証拠に今年ウォルマートは、
150億ドルのフリー・キャッシュフローを計上する。

それに対してスーパーマーケットの姿勢は、
「ハイパー・ローカル」
ほんとうに地域に密着して、
ウォルマートにできないことをやる。

それが可能である。

そしてドレイク先生は、
「Independent Supermarket Companies」の強みを、
強調した。

これは「非上場オーナーシップ経営の強み」と言い換えてよい。

これが新しい視点。
私が刺激を受け、
インスピレーションを感じたのはこの点。

帰国してから、深く考察し、結論を出したい。
HEBもウェグマンズもコボーンズも。

そしてその「非上場オーナーシップ経営」の5つの柱を、
きれいに解き明かし、
ドレイク先生の講義は終了。

最後に質疑応答で、
多くの質問に答えてくれた。
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ビル・ドレイク先生に心から感謝。

やはりコーネル大学食品産業学部は、
世界最高峰です。

ドレイク先生の3時間45分の講義が終わると、
昼食。
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ビュッフェ・スタイルだが、
食いしん坊にはたまらない。
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満足顔の第3期生。
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食事だけではなく、
講義内容に満足した顔つき。
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昼休みを絡めて、
私は修了証書にサイン。
毎年、墨と筆で署名し、落款を押す。
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午後の最後の講義は、
コーネル・ジャパン学長
エドワード・マクラフリン先生。

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テーマは「流通業の未来を予測する」

マクラフリン先生は、あらかじめアンケートを出し、
その回答をデルファイ・テクニックによって分析し、
質疑応答しながら弁証法で講義を進める。

デルファイ・テクニックとは、
回答者グループが有する経験的判断や直観的意見を、
アンケートを使って、組織的に集約・洗練する意見収束技法。

一昨日まで行われていたサマースクールで、
主にアメリカ人のデルファイ分析をしていた。
それに日本の31人の回答を重ね合わせ、
未来予測を展開するという趣向。
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①2014年までに実現する
②2014年以降実現する
③実現しない

28の質問事項にこの三つの回答をする。
その結果を%集計し、なおかつ中身を議論しながら、
未来予測を展開する。

例えば、
1 食品産業においてPOSデータは、
ほぼすべての棚割計画や仕入れ意思決定の基礎となる。

この質問に対して、
日本の回答は①61.3%、②12.9%、③25.8%。
アメリカは①56%、②39%、③4%。

この結果をどう読むか。

2 遺伝子組み換えの農産物を、
国内スーパーマーケットが取り扱う。

 
こんな内容。
面白かったし、エキサイティングだった。
もっと時間がほしかった。
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マクラフリン先生の講義は、2時間ほどで終了。
心から感謝。

そしてコーネル・ジャパン名誉学長のジン・ジャーマン先生と、
学長のマクラフリン先生のツーショット。
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お二人のおかげで、
コーネル・ジャパンは第3期まで、
予想をはるかに超えた発展をすることができました。

ありがとうございました。

後編・横浜編。

日本では昨日の21日午後、
㈱CFSコーポレーション「2011年CFS絆の会」が開かれた。
場所は横浜プリンスホテル。
会場入り口ではCFSの取り組みパネルが掲示されている。
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CFSは2010年8月、
スーパーマーケット事業部門をイオンに譲渡し、
ドラッグストア単一企業となった。
その中期3カ年計画の発表を兼ねた会場は、
取引先で埋まった。
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来賓のあいさつは、
はじめに大正製薬㈱会長兼社長の上原明さん。

「東日本大震災で日本人の立ち居振る舞いが見直され、
生き方、暮らし方が変わった。
女子サッカーが優勝し、励みになる団結力を見せられた。
震災は物質的にも、精神的にも影響を与えた」

そのうえで、生活者、流通、小売り、行政の時代の変化を読み解きつつ、
「小売店は、専門知識を持った生活者に対し、
店頭での会話力、情報・ソフトウェアのある陳列が必要」と語った。

次いで、㈱Paltac社長の折目光司さん。
「大震災で、地域とのつながり、助け合い、人との絆を改めて感じた。
CFSは人が特徴。地域医療の拠点として、頑張ってもらいたい」

最後はイオン㈱岡田元也社長。
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「何百という会社が震災から多くのことを学んだ。
私は二つを学んだ。
一つは現場の活躍。
もう一つは共有する企業の価値観の重要性」

「イオングループは東北で2万7000人、
北関東で3万人の従業員がいる。
残念ながら20名が亡くなった。
しかし震災当日、皆が活躍し、お客様を無事に避難させた。
石巻店は、現場の判断で上層階に2000人のお客様を誘導し、
2週間にわたって、避難所として提供した。
マニュアルや規則にないことを、すべて現場で判断し行動した。
普段から、共有する価値観があったからだと思う」

「小売業は地域産業、人間産業、平和産業。
そのことを再認識した」
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「イオンは3つのシフトで3カ年計画をスタートした。
アジアシフト、都市シフト、シニアシフト。
グループ全体では、『純化』がテーマ。
一つの組織、企業体を純粋化していくということ。
成長が低下し、焦点が拡散している。
マーケットからはより高い『専門性とイノベーション』が求めらている。
たとえばイオンリテールはIT開発、トップバリュ開発をイオンに移管し、
GMS運営会社として専門性とイノベーションを目指していく」

最後は石田岳彦社長によるCFSの政策方針発表。
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イオングループのHB&Cの中核企業として
2011年4月からの中期3カ年計画が45分にわたって語られた。

180店の新規出店によってドミナントエリアの強化と中部3県への進出、
PB商品販売の強化、CRMによるロイヤルカスタマーづくり、
本社コスト15%削減を柱とする構造改革などが進められる。
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その後、場所を変えての懇親会。
乾杯のご発声は、
花王カスタマーマーケティング㈱の髙橋辰夫社長。
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あいさつを終えた髙橋社長と㈱大木の松井秀夫社長。
お二人ともいい笑顔。
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左から流通ジャーナルの加藤英夫主幹、
三菱食品㈱特別顧問の廣田正さん、
㈱CFSコーポレーション専務取締役の君澤安生さん、
そしてここでも、松井社長。
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最後に石田健二名誉会長のお礼のあいさつ。
「1970年代、絆の会でアメリカを視察したことで、
スーパードラッグストア開発に至った。
同質化競争の中から抜け出し、新たなドラッグストアを
若い経営陣で築いてもらいたい」
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お元気そうな姿。

ご登場の皆さんには、毎月、
『月刊商人舎』ブログレビューという小冊子をお送りしている。
石田名誉会長もご愛読くださっている。

「右左、上下、どっちを向いても感謝」

<結城義晴>

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