結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年03月26日(木曜日)

統一地方選と「おもてなし三原則」と「機能性表示食品」

第18回統一地方選挙。
今日、10道県知事選告示でスタート。

前半と後半に分かれる。
4月12日投開票の前半は、
知事選と5政令市長選、
41道府県議選、17政令市議選。

4月26日投開票の後半は、
一般市と東京特別区の市区長・市区議、
それから町村長・町村議の選挙。

選挙に行こう!
投票しよう!!

12日は4月第3日曜日、
26日は第5日曜日。

いつものように、
小売サービス業の従業員が、
選挙し、投票すれば、
社会が変わる。

期日前投票ももちろん、ある。
それぞれ前日まで可能。

さらに今回は、全国12大学に、
期日前投票所が設置される。

大学生に政治参加を呼びかける取り組み。

朝日新聞の『天声人語』
千葉県流山市会議員の松野豊さんの言葉。
29歳で初当選し、4期を務めた45歳。
今回は立候補しない。

その松野さんの述懐。
「議会改革に明け暮れた16年でした」

その努力の結果、
流山市議会は全国市区改革ランキングで、
2012年に日本一になった。

松野さんのアドバイス。
「投票先に迷ったら、
何人かの候補者に
メールなどで連絡してみては?」

例えば「なぜ立候補を?」と尋ねてみる。
「すぐ返信がくるか、音沙汰なしか、
反応ぶりにそれぞれの資質が見えるはず」

こんなことをして、
選挙と政治に関心を持って欲しい。

そのうえで、
選挙に行こう!
投票しよう!!

小売サービス業に関わるものが、
投票するだけで社会が変わる。

国政選挙、地方選挙、
価値に変わりはない。

さて昨日まで、
アイダスグループ第30回研修会・交流会。

一昨日の研修会の席上、
船水泰州さんが、
「おもてなし三原則」を語ってくれた。
鮮魚コンサルタントとして、
実績を積んでいる。

第一に、「たたずまい」
第二に、「居住まい」
第三に、「立ち振る舞い」

第一は立っている様子、
第二は座っている姿勢、
第三は動いている動作。

そこから転じて、
佇まいは「雰囲気」のようなもの、
居住まいは「環境」のようなもの、
立ち振る舞いは「態度・挙動」。

第一はソフトウェア、
第二はハードウェア、
第三はヒューマンウェア。

すごくいい。

一方、『おもてなしの源流』。
(リクルートワークス編集部著)

こちらの三原則。
1.「仕度の原則」
準備を整えて客を待つ。
2.「しつらえの原則」
くつろげる空間を演出する。
3.「仕掛けの原則」
ゲームのルールを共有する。

おもてなしは、ホスト(主人)が、
準備を行い、空間を演出し、
ゲスト(客)を待つ。
前もって準備する、用意する。

その上で、第三の「仕掛けの原則」
ルールを共有したホストとゲストが、
「主客一体」となって、
相互行為としておもてなしは達成される。

それがホスピタリティの本質だ。

さらに、茶道。
その「おもてなし」の三要素。
茶道のおもてなしも、
「主客一体」となって、
ともに「場」をつくることが趣旨。

第1は、「よそおい」。
身なりや外観を整え、美しく飾ること。

第2は「しつらい」
用意。準備。

第3は「ふるまい」
振る舞うこと。態度。
英語で言えばbehaviour。

おもてなしとホスピタリティ。
今、最も重要な要件である。

さらにさらに今日の日経新聞社説に、
「食品の機能性表示どう生かす」
先週土曜日のこのブログでも取り上げた。
機能性表示食品制度改革
についての5つのポイント

4月からの新ルールの要旨は、
「科学的根拠を国に届け出れば、
事業者が自らの責任で、
健康にどんな効果があるかを
うたうことができる」

「特定保健用食品(トクホ)」は、
国の厳しい審査がある。
「栄養機能食品」制度は、
表示できる成分や表現が限られる。

「機能性表示食品」は、
事業者が販売の60日前までに
消費者庁に届け出をする。

臨床試験の代わりに、
過去の研究論文の分析
を科学的根拠として使うこともできる。

届け出られた内容は、販売前に、
消費者庁のホームページに公開。

事業者は、消費者に、
科学的根拠などを分かりやすく伝えること。
さらに万一の健康被害に備えて、
事業者が消費者からの相談体制をつくること。
情報収集体制を整え、
行政にすぐに届けられるようにすること。

これらが必須となる。

つまり製造業の仕事を全うすること。

小売業が「機能性表示食品制度」を、
活用して商品供給する場合、
製造業と同等の重い責任を、
果たさねばならないということだ。

日経社説は念押しする。

「事前の審査はないとはいえ、
何か問題があれば、
行政による命令や指示などの対象となる」

私の視点も日経と同じ。

国民の健康を維持・増進しながら、
経済も活性化することを、
ひとつの目的にしているのだから、
大いにチャレンジすべし。

ただし、重い責任を果たさねば、
社会からの信頼を失う。

機能性表示食品制度が改革されたからといって、
すぐにホールフーズのような企業が、
日本に登場するなんてことは絶対にない。
DSCN0057-5

私は日本の農業改革がない限り、
本格的なオーガニックスーパーマーケットは、
誕生しにくいのだと考えている。

ホールフーズは、
1980年から17年間をかけて準備した。
IMG_4314-5

そこへ天の啓示。
神風の如き追い風。

ホールフーズはその間、
佇まい、居住まい、立ち振る舞いを整えた。
そしてコンシャス・カンパニーをつくる過程で、
最高レベルのオーガニックリテイラーへと、
変身を遂げたのだ。
DSCN0052-5

賢者は歴史に学ぶ。
愚者は経験にしか学ばない。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 結城先生へ
    いつもブログを読まさせていただいて、励みにしております。ありがとうございます。

    茶道で思い出したことがあります。松下幸之助氏は生前よく、自宅の真々庵(茶室)に人をお招きしたそうです。

    松下氏はその客が訪問される直前まで、夫人と一緒になって、飛び石に水を打つタイミングは、何時がいいか?真剣に相談したそうです。

    余りに早く打つとお客様が来られても乾いてしまう。遅いと水で客の足元を濡らす。私は松下氏の人間を思う心に打たれたました。

    • いまちゃん、ありがとう。
      松下幸之助さん、さすがです。
      茶道の「よそおい」「しつらい」「ふるまい」の
      しつらいですね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.