結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年06月18日(土曜日)

爆買い「代購」の仮需商売と万代改装・新店の実需商売

昨日、上海から帰国。
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3時間足らずの短い旅だが、
「外国」であることは間違いない。

それも隣の大国。

上海JTBガイド謝君がたびたび口にするのが、
「唐宋元明清」

中国の歴代王朝名。

唐は618年に起こった。
日本では聖徳太子のころ。

それから1400年になろうとしている。

清のあとは1912年の孫文の中華民国、
そして1949年の毛沢東の中華人民共和国。

日経新聞の記事。
「爆買い」に急ブレーキ

ヤマダ電機会長の山田昇さん。
「インバウンドは経営の核にならない」

1年あまりで見切りをつけたようだが、
まあ、当たり前。

一本調子で増えてきた「爆買い」
それにブレーキ。

理由の一つは、2015年夏の、上海株急落。
結果として、円高・人民元安が進んだ。

日本の商品の“お得感”は2割近く減じた。

しかし上海の日本総領事館。
1~4月のビザ発給件数は、
前年同期比15%増。

「日本への旅行熱が冷める気配はない」

2016年1~3月期の訪日中国人客。
旅行消費額は前年同期を4割強増加。

客数は伸びたが、
1人当たり換算では12%減。
日本の人気が落ちているわけではない。

爆買い急ブレーキの理由の二つ目は、
税制の変更。

中国政府は今年4月から、
事実上、免税だった個人輸入扱いの荷物に、
一般貿易並みの税金を課し始めた。

それによって、「代購」(代理購入)が激減。
代購は、日本で買い付けた商品を、
本国の顧客に販売する、
いわゆるブローカー。

税制の抜け道を使って荒稼ぎするブローカー。
円高と関税引き上げ分の、その爆買いが減った。

日本百貨店協会発表の、
4月のインバウンド売上高。
3年3カ月ぶりに前年割れ。

客数は7%以上の増、
しかし客単価が16%減。

免税店大手のラオックス。
5月までの全店売上高は、
4カ月連続前年割れ。

ビックカメラ宮嶋宏幸社長は、
16年8月期の連結売上高を下方修正して、
「インバウンドは1割程度が適切」

2015年のインバウンド消費は、
3兆4000億円。

それが減じて、
まあ、当たり前の状態に戻りつつある。

唐宋元明清の歴史から見ると、
ほんの一瞬の爆買いブームだった。

しかしその現代中国人の一人ひとりは、
日本に対する尊敬や憧れを隠しはしない。

うれしいことだ。

さて、上海に同行したのが、
万代の阿部秀行社長、
そして下岡太市副社長。

お二人のお薦めの万代3店舗を取材。
リニューアルの2店と新店1店。

簡単に紹介しておこう。

第一は門真市にある万代舟田店。
今年4月にリニューアルオープン。
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5月は昨年対比106.8%と好調。

改装後は新規顧客も増え、
客数は104%の伸び。DSCN4841-1

カレーの試食も積極的に行う。
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牛肉の扱いフェースを広げた。DSCN4870-1

店長の相川徳央さん。
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「改装したことで、
皆のモチベーションが上がりました」
嬉しそうだ。

第二は川西市の万代多田店。
こちらは5月に改装。
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リニューアル後は
若い主婦が増え、絶好調。DSCN4987-6

商品を並べるそばから、売れていく。DSCN5014-6

鮮魚売り場では、
スタッフが売り場に出て声掛け販売する。
万代ではこれを「立ち売り」と呼ぶ。DSCN4966-1
店内は大いににぎわう。

惣菜売り場の「立ち売り」
積極的に試食を勧める。DSCN4927-1

店長の山根貴宏さん。
山根さんは万代知識商人大学の一期生。
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リニューアル店長たちは、
特に頑張る。

第三は、大型店の万代塚口店。
JR宝塚線塚口駅前の再開発エリアへの出店。
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2階はクリニックモール、
1階に万代とココカラファイン。
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売り場面積は678坪。
西宮前浜店に次ぐ、
万代でも最大級の店舗。
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万代の最新の取り組みが、
随所に見られる。

その一つが入口導入部、
カットフルーツコーナー。
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この店もよく売れている。
夕方のピーク時には、
全部門で懸命の補充作業。DSCN5065-1

鮮魚売り場は中央に作業場を設けた。
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惣菜売り場は対面を導入。
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レジはセミセルフ。
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店内をチェックして回るのが、
藤本誠次店長。DSCN5148-6

藤本店長は万代ナンバー1の新店店長。
この数年、大型の新店ばかりを仕切る。
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これらの店の詳細は、
月刊『商人舎』7月号でじっくり紹介する。
取材でお世話になった3人。
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藤本店長を挟んで、
取締役農産担当の芝純さん(左)と、
第1運営部部長の楠誠司さん。

税制の抜け道で荒稼ぎした代購。
代購に支えられた仮需商売よりも、
実需商売に徹することの確かさを、
万代の店が示している。

〈結城義晴〉


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