結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
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2023年11月19日(日曜日)

ウォルマート第3四半期「増収増益」と「米国消費減速感?」

商人舎流通スーパーニュース。
アメリカやヨーロッパの流通ニュースも、
常時公開している。

ウォルマートnews|
第3Q営収1608億ドル5.2%増/US部門は1094億ドル

2024年1月期の第3四半期業績。
10月末日の締め。

8~10月の営業収益、1608億ドル。
1ドル150円換算で24兆1206億円。

日本の企業の第3四半期は、
累計で発表されることが多い。

しかしアメリカは第3四半期ならば、
第3クオーターの3カ月分だ。
それがウォルマートは24兆1206億円。

前年同期比5.2%の増加。

営業利益は62億ドル(同9303億円)。
こちらは130.1%の増加。

純利益は4億5300万ドル(679億5000万円)、
ただし前年同期は18億ドルの純損失だった。
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事業部門は3つに分かれている。
第1のウォルマートUSは、
スーパーセンター、ディスカウントストア、
そしてネイバーフッドマーケット。
その総計は売上高1094億ドル、
16兆4128億円で4.4%増。
営業利益は49億8100万ドル(7472億円)、
2.2%減だった。

第2の国際部門が、
ウォルマートインターナショナル。
売上高は280億2200万ドル、4兆2033億円、
10.8%増。

営業利益は11億1700万ドル、
1676億円で29.7%の増加。

第3のサムズクラブは、
売上高219億9800万ドル、
3兆2997億円で2.8%の増加。

営業利益5億9300万ドル、
890億円で5.5%増。

第3四半期までの累計は、
営業収益4747億3700万ドル、
71兆2106億円で6.1%増。
営業利益197億5800万ドル、
2兆9637億円で32.9%増。
純利益100億ドル、1兆5026億円の85.3%増。

しかし日経新聞の記事は、
「米消費に減速感強まる」
ニューヨーク発。

「米国の小売り現場で、
減速感が強まっている」

はて。

国内総生産(GDP)の7割を個人消費が占める。
それは小売業の売上高と直結している。

第3四半期の数字を引き出す。

ウォルマートの既存店伸び率を、
「前の期の6.4%増から4.9%増へと鈍化」と記す。

「徹底した安売り戦略で
節約志向を強める消費者の支持が高く、
同業他社から顧客を奪ってきたが、
勢いに陰りが出ている」

株式の観点からだけ見ていると、
少しでも成長が鈍化すると、
黄信号を灯したくなる。

既存店に関しては、
「ターゲットは4.9%減で、
2期連続のマイナス」

「ホームデポは3.1%減と下げ幅を拡大」

「小売売上高は4月から9月まで、
6カ月連続で前月を上回った」

「7~9月の個人消費は4.0%増」だった。

小売りの現場にも変調の兆しはあろう。

「耐久消費財や高額消費が減速」している。
「食品や消耗品などの生活必需品を除いて、
買い控えの傾向が強まっている」

ウォルマートのダグ・マクミロンCEO。
「数週間か数カ月以内に
デフレが始まる可能性がある」

マクミロンはデフレが始まっても、
「わが社には追い風」と見ている。
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一方、賃金の動向。
「10月の税引き後給与は
これまで伸びが停滞していた高所得層でも
前年同月比プラスとなり、
全ての所得層で上昇した」

自動車産業のストライキなどがあって、
賃上げを獲得する動きが広がる。

そこで記者は言う。
「待遇改善による波及効果への期待がある一方、
人件費の増加で企業利益が縮めば
株主への還元が滞り、
消費に悪影響を与える可能性もある」

ここがよくわからない。
記者のスタンスもよくわからない。

アメリカ合衆国はさらに、
複雑な社会情勢になりつつある。
消費の変調も見られる。
デフレの予兆もありそうだ。

根底にあるのは、
ウクライナやパレスチナの戦争で、
アメリカ国民が、
大きな不安を感じていることだ。

政治的にも分断は顕著だ。
大統領選は来2024年11月である。
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複雑で不安で分断された社会。

その環境のなかでは、
ウォルマートの増収増益は、
健闘と評していいだろう。

株価の動向だけを心配する高所得者たちは、
不安を感じているかもしれない。

その世界を見ているジャーナリストは、
同じように「消費の鈍化」を、
強く受け止めるかもしれない。

しかし必死の思いで生活している大衆は、
米国チェーンストアを頼りにしている。

それは何よりも店頭に、
よく表れている。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • ウォルマートは強い。「必死の思いで生活している大衆は、米国チェーンストアを頼りにしている。」大衆からの支持は、その裏付けですね。

    • 渡邉健次さま

      ご投稿、感謝。

      大衆からの支持こそ重要です。
      その大衆が少しずつ分化しています。

      ウォルマートはそれを自分なりにひとくくりにしている。
      ウォルマートのカスタマーです。

      ここがウォルマートの凄さです。

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