渡辺元智横浜高校元監督の逝去と甲子園準々決勝の一日

渡辺元智(もとのり)さんご逝去。
元横浜高校硬式野球部監督。
81歳
春夏合わせて5回、
甲子園大会を制覇した。
私が思う甲子園の名監督。
池田高校の蔦文也監督。
取手二校、常総学院の木内幸男監督。
簑島高校の尾藤公監督。
PL学園の中村順司監督、
明徳義塾の馬淵史郎監督、
そして東海大学相模高校の原貢監督。
特徴的な指導と戦略を生み出し、
優れた野球選手を育てた。
渡辺監督は28歳の1973年春の選抜大会で、
永川英植投手を主軸に初出場で初優勝。
永川はヤクルトスワローズに行った。
定岡正二、土屋正勝、工藤一彦とともに、
「高校四天王」と呼ばれた。
1980年には2年生の愛甲猛で、
夏の甲子園を初制覇。
愛甲はロッテオリオンズに入った。

決勝の相手は早稲田実業、
1年生エースの荒木大輔だった。
それから1998年の松坂大輔投手の時代。
松坂世代は史上5校目の春夏連覇だった。

松坂はご存知、西武ライオンズから、
ボストンレッドソックスに移籍して、
ワールドシリーズ制覇に貢献した。
渡辺監督は2004年に脳梗塞を患ったが、
その後も現場復帰して、
2006年春の選抜大会を制した。
高校日本代表監督は三度務めて、
アジア選手権の1995年の第1回と、
2011年の第9回で優勝。
2004年の第21回世界高校選手権では準優勝。
私は直接、話を聞いたことがある。
横浜市のジュニアソフトボール監督が参集して、
渡辺監督の講演を聞く会が開かれた。
50人くらいだったか。
私も監督をしていた。
港北区のオールスターチームを率いて、
横浜のナンバー1になったこともある。
だから渡辺さんの指導法には、
関心を持っていた。
長い指導経験の中で渡辺さんは、
「考え方が変わった」と言った。
永川や愛甲のころは、
直接、ビシビシ鍛えた。
これ以上ないというくらいに、
厳しい練習をした。
しかし松坂のころは、
選手を信頼して、
ほとんど自分たちにまかせた。
日頃も訓話は繰り返したし、
ゲームでは大胆な采配をした。
これはマグレガー理論そのものだ、と思った。
愛甲にはX理論だった。
松坂にはY理論だった。
いまでも私はこのエピソードを、
講演や講義で使わせてもらっている。
感謝しつつ、ご冥福を祈りたい。
その渡辺元智の横浜高校。
今、行われている第108回全国選手権大会で、
ベスト4に残った。
準々決勝の4試合。
第1試合は天理高校が三重高校を、
7対0で破って一番乗り。
第2試合は仙台育英高校と智弁学園和歌山高校。
智弁和歌山が圧倒的な攻撃力と、
信じられないくらいの守備力で、
仙台育英を押さえ切った。
そして第3試合。
横浜の織田翔希投手が9回を完封して、
渡辺監督に勝利を贈った。
そして最後の第4試合は、
健康福祉大学高崎高校が、
延長10回タイブレークで、
熊本の有明高校にサヨナラ勝ち。
初出場の有明は本当に頑張った。
惜しかった。
一番、いい試合だった。
この結果、近畿のチームが2校、
関東の高校が2校残った。
準決勝は東西対決、
関東・関西決戦となった。
私の予想はすでに外れて、
仙台育英が負けた。
それでも期待の持てるゲームだ。
横浜の織田翔希は、
福岡生まれの横浜育ち。
私と同じだ。
だから親近感は人一倍だ。
それにしても準々決勝の完封。
6回に6対0でリードしていた。
準決勝、決勝のことを考えれば、
他の投手に任せてもいいのではと思った。
しかし横浜の村田浩明監督も、
織田翔希も迷うことなく、
9回を投げさせたし、投げ切った。
村田監督は横浜高校2年の2003年、
春の甲子園大会で同級生の涌井秀章と、
バッテリーを組んで準優勝。
その後、日本体育大学に進み、
2020年から横浜の監督。
渡辺監督に指導を受けた。
感慨の深い日の重い試合だった。
織田翔希に対しても渡辺監督は、
「松坂の高校時代より上」と評価していた。
「視野を広く持て」と言葉をかけた。
2026年の夏が終わっていく。
織田翔希の夏を最後まで見ることなく、
渡辺元智は逝ってしまった。
どんなドラマが待っているのか。
私は横浜商人舎オフィス。
午後2時からオンラインミーティング。
4月に開催されたOICグループNY研修。
その成果報告会。
第4団と第5団。
それぞれ7班、合計14班の発表。
帰国してからさまざまな取り組みをした。
その報告を全員で聞いて、
全員が投票する。
意欲的な取り組みと発表。
鋭い視点と
一方でありきたりの発想や、
安易な取り組みもないわけではなかった。
3位、2位、1位の班が判明したら、
亀谷しづえ商人舎GMが講評し、
結城義晴が総評する。
私はポジティブでユニークな取り組みは褒める。
イノベーションの原理は、
小さく始める、
集中する。
現在のために行う。
このセオリーに則った取り組みは、
高く評価する。
しかし誤解もあるので、
それは正す。
たとえばウォルマートの、
エブリデーロープライスと、
「特売」とが混同されたら、
それは正しく導く。
「単品量販」という言葉や政策も、
正しい在り方を提示する。
取り組みと発表に対して、
講評しながら指導する。
その意味で、
この件に関する私のやり方は、
Y理論である。
渡辺元智さん、
ご冥福を祈りたい。
合掌。
〈結城義晴〉

























