2026年の1月もこの週末で終わる。
今日も1日、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎2月号の入稿。
工藤澄人さんが㈱商人舎に入社してから、
もう1カ月が過ぎようとしている。
全体に仕事の進捗が早まった。
編集者、編集長として、
私のかつての上司を分類すると、
二派に分かれる。
最初のボスは、
有名な故緒方知行さんだった。
販売革新編集長。
㈱オフィス2020を起こして、
月刊「2020AIM」を創刊した。
そして「鈴木敏文本」を何冊も書いた。

1977年、私は緒方編集長の下で働き始めた。
緒方さんは「原稿を書け、書け」と仕掛けた。
私のDNAはここで養われ、決まった。
次の上司は故高橋栄松さん。
三代目販売革新編集長。
緒方さんが㈱商業界取締役編集局長となって、
同時に月刊商業界の編集長に就任した。
そこで販売革新は高橋さんが継いだ。
高橋さんは緒方さんの直弟子。
「書け、書け」派。
この高橋さんと一緒に私は、
「関西スーパースタディ」を編集した。
その後、私は食品商業編集部に異動した。
ここで故今西武さんが上司となった。
この人は「書け、書け」と、
発破をかけることはなかった。
自分は一切、書かなかった。
筆者に原稿を依頼して、
それだけで雑誌をつくった。
しかし緒方さんよりも年上で、
食品業界の重鎮だった。
私は相変わらず書き続けた。
次の上司が今西さんの秘蔵っ子の小島稔さん。
労働運動をやっていて、
仕事は二の次のような人だったが、
信念をもっていた。
私は小島さんの下でも、
好き勝手に書いていた。
小島さんも「書け、書け」派ではなかった。
その後、1988年末に小島さんが退職すると、
私は編集長に指名された。
部下は3人だった。
そのうちの二人は年上で、
入社が先の先輩だった。
頼りにしていた新人の町田成一さんには、
私は「書け、書け」を指導した。
しかしどういうわけか、
しばらくすると町田さんは退職してしまった。
プレジデント社が創刊した「danchu」が、
編集部員を募集していて、
そちらに移籍した。
私は一人で書きまくった。
すぐに新人が入ってきた。
M君だった。
彼は会社に馴染まず、退職した。
食品商業はそれでも会社にとって、
稼ぎ頭となっていった。
だから次々に新人が採用され、
配属されてきた。
矢作勉君、
山本恭広君、
工藤澄人君。
みんなに私は「書け、書け」を教えた。
そして食品商業誌は、
圧倒的なトップ雑誌になった。
多くの失敗をした。
そして多くの成果もあげた。
いま、その山本、工藤両君が、
商人舎で一緒にやっている。
だからだろうか、
今月は予定以上のスピードで、
原稿が執筆され、
雑誌が仕上がっていく。
今のままでは力が余ってしまう。
もっとやるべきことを増やそう。
そう思った。
さて、日経新聞総合3面。
「期待と失望」反復 終止符を
桃井裕理(ももいゆり)さんが書く。
1995年に東京大学を卒業して日経に入り、
経済と政治の記者を経て、
2021年4月から中国総局長。
いま政策報道ユニット長。
ジェームズ・ブキャナンの言葉を引く。
「民主主義の下では財政赤字は膨張し続ける」
1986年にノーベル経済学賞を受賞。
著書は『赤字の民主主義』

今回の衆院選の与野党の構図は、
50年前のブキャナンの警告通りとなった。

桃井さん。
「ケインズは不況期には
赤字国債を発行してでも、
支出増や減税で景気浮揚を図る
財政拡大策を提唱した」
「一方、ブキャナンは、民主主義の政治家は
選挙のために好況のインフレ下でも
ケインズを免罪符として財政赤字を拡大し、
財政破綻リスクを招くと危惧した」
「今回の衆院選はその映し鏡のようだ」
「問われているのは減税の是非ではない。
日本の未来への信用だ」
その通りだ。
高市早苗首相は、
「高市かそれ以外か」を選ぶ
政権選択選挙だと訴える。
しかし、
「看板の成長戦略をはじめとして肝心の政策は
これから中身を詰めるものがほとんどだ。
審判するにも期待値以上の判断材料に乏しい」
「立憲民主党と公明党が結党した
中道改革連合も急きょ策定した
基本政策と従来方針との関係がわかりづらい。
日本の中道を担い得るかの可能性は
未知数のままだ」
これが政治家の「幼児化」に通じている。
桃井さんの主張。
「回り道はもういい」
「郵政解散や民主党への政権交代、
アベノミクスの構造改革――。
日本はこれまで
『期待と失望』の無限ループの中で、
多大な税金と時間を無駄にしてきた」
「その結果が『失われた30年』なのだ」
そこで提案。
「日本の有権者は『期待』に期待するのは
もうやめよう」
「選挙では具体的な『契約内容』を確認しよう」
「政治家ひとりひとりが
未来への責任をどう語るかに
しっかりと耳を傾けよう」
「期待」に期待してはいけない。
それは事実を見て、
モノを考える有権者にはもう、
わかっている。
モノを考えない有権者が、
「期待」に期待している。
商売も仕事も、そして経営も、
「期待」に期待してはいけない。
とくに商売は結果がすぐに判明する。
だから「期待」に期待することの無意味さを、
商人は毎日のように経験している。
だからたいていの商売においては、
「期待と失敗」のループは起こりにくい。
それでも「期待と失敗」が繰り返される場合、
その原因は一つだ。
組織の官僚化である。
「組織」が茹で蛙になっているから、
無責任な「期待」への期待が起こるのだ。
会ったことはないが桃井さんも、
「書け、書け」派なんだろうな。
そう、思った。
〈結城義晴〉






































































































































