結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年01月03日(火曜日)

「一陽来復」のときに「両利きの歌」を歌おう。

3が日は、年賀状でご挨拶。2023年賀状

「一陽来復」は、
冬が去って春が来ること。

転じて、
よくないことが続いたあとに、
良いことが巡ってくること。

考えてみると21世紀に入って、
それほどいいことはなかった。
一陽来復を祈念した。

2010年代はずっと一陽来復だった。
そして2020年代も一陽来復のようだ。

新型コロナウイルス・パンデミック。
それからウクライナ危機。
米中による新しい冷戦。

けれど2023年は一陽来復を信じたい。

この言葉の由来は、
中国「易経」だとされる。

儒教には基本書籍が5冊ある。
この5経典を「五経」という。
その筆頭にあるのが「易経」だ。

易経の本来の名称は「易」だった。
それが儒教の経典と位置づけられて、
「易経」と呼ばれるようになった。

「易」という字は、
「日」と「月」から成っている。

日は太陽、月は太陰。
陰と陽。

だから易は陰陽を表す。
ひとつの説だが、
妙に説得力がある。

その「易」の陰が深まると、
陽に変わる。

一つの陽が復びやって来る。
それが一陽来復。

「易」を代表する考え方のひとつだ。
そんな年にしたいものだ。

そして商人舎1月のメッセージ。
2023-01-Jan-GekkanShoninsha
「両利きの歌」

右利き? 左利き?
いいえ、両利き。
もともと左利きの人が、
両利きになりやすい。

コロナ感染拡大を抑えて、
経済と営業の活性化を図る。
ディスタンシングを堅持しつつ、
ホスピタリティを高める。

経費上昇要因に事欠かず、
利益増加要因は一本足打法。
コスト削減と粗利益増加。
その両立をあなたは求められる。

Ambidexterityは、
双面性、両利きの経営。
Compatibilityは、
両立性。

あちらを立てて、
こちらも立てる。
こちらを立てて、
あちらも立てる。

トレードオフは、
気楽で呑気な20世紀人。
トレードオンは、
強靭で思慮深い21世紀人。

右手のイトーヨーカ堂、
左手はセブン-イレブン。
左手を使って右手を叱咤するがごとし。
鈴木敏文の両利き経営。

成熟事業と新規事業。
リアル店舗とネット販売。
人間力経営とデジタル改革。
矛盾を包含し、かつ尊重する態度。

両利き経営の最大の課題は、
リーダーシップである。
トレードオンの最大の課題は、
胆力と論理性である。

あちらを立てて、
こちらも立てよ。
こちらを立てて、
あちらも立てよ。〈結城義晴〉

2023-01Message
陰が去って、陽が来る。
しかし陽はふたたび、
陰に向かう。

だから両利きができなければならない。
私たちは両利きにならねばならない。
それはトレードオンを意味する。
あちらを立てて、
こちらも立てよ。

保守だ革新だ、は終わった。
両利きの中道の時代だ。

労使の対立も終わった。
どちらの主張も正しくて、
それらを両立させる「トレードオン」の時代だ。

経営も商売も、
どちらかを切り捨てれば済む時代は、
もうやって来ない。

顧客は、消費者は、
「禁欲円」と「享楽円」を使い分ける。

どちらにも対応した商売を、
あるいはどちらにも応える経営を、
模索しなければならない。

今年1年、
両利きの歌を歌おう。

〈結城義晴〉

2023年01月02日(月曜日)

イオンリテールの「初売り福カート作戦」とそれぞれの正月営業

2023年賀状
Everybody! Good Monday!

[2023vol①]

毎週月曜日には、
“Good Monday!”と呼び掛けて、
週を始める。

Good Morningや、
Good Nightがあるのだから、
Good Mondayが、
あったっていいじゃないか。

そんな気持ちで、
Good Monday!

1年間、よろしくお願いしたい。

さて2023年の第1週。

2020年までは、
元旦からの週を第1週として、
1年間の52週を数えていた。

そうすると必ず最後の週が、
「第53週」となってしまう。

そこで一昨年の2021年から、
第1月曜日の週を第1週として、
1年間に番号をつけることにした。

月曜日から日曜日までを、
1週間とする。

それでも今年は1月2日が月曜日で、
12月31日が日曜日。

そうなると来年は、
元旦が月曜日のGood Mondayとなって、
新年のご挨拶と重なってしまう。

変な感じではあるけれど、
それも新鮮か。

さて初売り、初荷。
1月元日の営業は、
イオンが実施している。

イオンモール津田沼。
核店舗はイオンリテール㈱のイオンスタイル。IMG_72342

イオンリテールnews|
福袋・福企画の初売り「2023新春祝市」年内から順次開催

すでに昨年の12月26日から、
福袋などを販売して地ならしをしている。

イトーヨーカドー津田沼店は元日は休業。
2日からの営業。
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こちらは新京成線新津田沼駅と直結。

イオンモール津田沼は、
そのイトーヨーカドーに隣接している。IMG_72073

元日営業するからには、
イベントは必須。
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福袋や福カート。
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イオンリテールnews|
正月商戦は「福カート&大型生本まぐろ」企画

イオンリテール㈱の南関東カンパニー。

「生活応援福カート」を昨年から始めた。

家計を応援する福袋を、
カートに積んだ企画。

消費頻度の高い商品を厳選し、
10点前後の商品を袋に入れたりして、
買物カートに積んで販売する。

イオンリテールの考え方は、
「“消費の二極化”が鮮明になっている」。
二極化とは〈贅沢or節約〉。

これは私の言う「享楽円と禁欲円」と同じ。

“価値ある”商品は、
年末年始の食卓を豪華に彩る、
「国産黒毛和牛」や「贅沢海鮮手巻」など。

“節約”しながら楽しく過ごす商品は、
清掃用品やタオル、
食品の「詰め放題企画」、
コスパを重視した「刺身盛り合わせ」など。

一方、
イオンスタイル天王町。IMG_72372
元日の夕方5時ごろ。

天王町の福カート。
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精肉売場はこの込み様。
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ユニクロも協賛して初売りを展開する。IMG_72783
元日からの営業で、
初売りや初荷を盛り上げる。
これもひとつ。

2日からの営業をする企業は、
そごう・西武を除くほとんどの百貨店や、
イトーヨーカドー。
これもひとつ。

3が日を休業にする企業は、
コロナ禍以降、増えてきた。
ライフコーポレーション、ヤオコー、
サミット、オーケー、万代など。
これもひとつ。

さらに4日まで休業するのがロピア。

それぞれ違っていていいと思う。

業界揃って365日営業は、
コンビニ業態だが、
総合スーパーやスーパーマーケット、
さらに百貨店は、
それぞれでいいと思う。

それぞれの在り方を追求する。
顧客はそれぞれ、好きなそれぞれを選ぶ。

これがポジショニング競争だ。

では、みなさん、今週も、
今月も今年も、
それぞれであろう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年01月01日(日曜日)

「健康第一主義」と「世のため、人のため。」で毎日更新を宣言する

2023年賀状

一陽来復

2023年元旦。

日曜日から始まる令和5年。
本年もよろしくお願いします。

今年の写真は令和名人会のときのもの。

基本的に毎月、
オリジナルメンバーが、
ゴルフラウンドする。

それ以外に年に1回か2回、
拡大のコンペを開催する。

1989年、結城義晴が、
食品商業編集長に就任したときに、
執筆者の先生方が集まって、
就任祝いコンペを開いてくださった。

そのときの主要なメンバーが、
1回だけではもったいないと、
毎月、一緒に、
ゴルフを楽しむことになった。
それから33年間続いている。

コロナ禍でこの3年間、
毎月はできなくなった。

けれど健康でなければ、
ゴルフはできない。

古稀を過ぎて今年も、
元気に仕事をしたい。
ゴルフもいまだ上達したい。

健康第一主義。
2022年の平富郎さんの書初めの言葉。
私もそれを今年のテーマにしよう。

その思いを込めて、
令和名人会の写真を年賀状に使った。

みなさんのご健勝を祈念しつつ、
私自身も「健康第一主義」で、
365日、52週、12カ月を、
生き抜きたいと思う。

2020年[Message of January]
世のため、人のため。

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球が蘇る。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

ひとつつくれば、
ひとつだけ価値が生じる。

ひとつ運べば、
ひとつだけ経済が回る。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

街のため、
国のため。

母のため、
父のため。

子のため、
孫のため。

妻のため、
夫のため。

愛する人のため、
未来の人のため。

2020年代の初頭、
令和2年のはじまりに。

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球が蘇る。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

  己のため。
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今も、この気持ちは変わらない。
いや、いつまでも変わらない。

「世のため、人のため。」といっても、
大仰なことではない。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

できることをやる。

できることしかできない。
それをやる。

その決意をもって、
1年間の毎日更新を宣言しよう。

よろしくお願いします。

〈結城義晴〉

2022年12月31日(土曜日)

大晦日の「万代の一番長い日」と毎日更新終了宣言

2022年のカウントダウン。
最後の日。

シェラトン都ホテル大阪で目覚めた。
関西の定宿。

朝食は「うえまち」。
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この朝の和定食。
ニッポンの朝ごはんの定番。

これをいただくのは日本人の幸せ。
ありがとう。

朝9時に㈱万代社長の阿部秀行さんに、
迎えに来てもらって、
今年最後の店舗クリニック。

大晦日商戦と言えば「万代」。
その売場を見て歩く。

まず、
万代フレスポ阿波座店。IMG_83642
商人舎流通SuperNews。
万代news|
フレスポ阿波座店(大阪市西区)11/29オープン

意外なことに大阪市西区への初出店。
11月29日のオープンで、
万代の最新店。

フレスポは大和リース㈱開発のNSC。
ネイバーフッドショッピングセンター。
フレスポ阿波座は施設面積1234坪。

その核店舗が万代。

一丁目一番地は鍋商材。

この第一島陳列と次の第二島陳列で、
鍋商材の野菜は全部揃う。
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お正月の準備は万代で!!
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水産部門の立ち売り。
威勢よく声をかけて販売する。
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フルポーションの 冷凍ボイルズワイガニ。
本体価格8500円。
これは、いい。
私も購入した。
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松阪牛肩ローススライス。
5980円。
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そして年越しそば用の海老の天ぷら。IMG_84792

ホールのピザ。
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年末商戦は店舗の成績表だ。
新店はまだ地域になじんでいない。
けれど万全の態勢を整えて、
顧客の来店を待つ。

店長は寺川易さん。
商人舎ミドルマネジメント研修会に参加し、
ラスベガスセミナーにも参加してくれた。IMG_83672
よくできた店だ。

それから西宮市へ。

万代の一番店。
西宮前浜店。
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一丁目一番地はすき焼用野菜。
このボリューム。
置かなければ売れない。
置けば売れる。
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ミカンの売場も、
この大迫力。
置けば売れる。
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エビの天ぷら売場。
大晦日は1年の集大成であることが、
本当によくわかる。
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フラッグショップ店長は和久正樹さん。
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和久さんは万代知識商人大学院7期生。

この西宮前浜店は、
今日1日で4000万円を超える。

そのポイントはレジをいかに流すか。
15台のレジの稼働域が売上げの上限である。

和久さんはそれを科学的に解明して、
最大域を拡大する。

5000万円越えを狙う。

それから万代の新店。
西宮今津店。
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万代news |
西宮今津店(兵庫県西宮市)9/9オープン

9月9日にオープンした新店。
725坪。

前浜店と自社内競合するが、
それでも万全の態勢を整えて、
一番店と対峙する。

農産部門は万代の命だ。
どの店も日頃鍛えた力量を、
存分に発揮している。
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そして水産部門。
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突き当りに対面売場を設ける。
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元気よくマイクで声掛けをして、
立ち売りする。
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アメリカで学んだ成果が、
店づくり、売場づくりに活かされている。IMG_85752

竹之内将店長は、
万代知識商人大学1期生。
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ライフ西宮北口店。IMG_85912

ライフnews|
ライフ西宮北口店(兵庫県西宮市・519坪)5/27オープン

2020年5月25日のオープン。
地上3階建て。
売場は2層の面積519坪。

1階がスーパーマーケット。
2階はグロサリーの一部とドラッグストア。
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ライフらしい、淡々とした年末商戦を展開していた。

オアシスタウン伊丹鴻池。
月刊商人舎2017年8月号で取り上げた。IMG_86042

核店舗は阪急オアシス伊丹鴻池店。
売場面積約610坪。
この年、業界最大の話題をさらった店だ。IMG_85952
その実力は健在。

阪急オアシスらしい年末商戦だった。

その競合相手が、
万代伊丹荒巻店。
万代の二番店で前浜店と競い続けている。IMG_86352

荒巻店の一丁目一番地。
「おおみそか市」
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東京上野のアメ横のような奥主通路、
これが一日中続く。
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フラッグショップ店長は藤本誠次さん。
阿部社長と同期入社のベテラン。
万代のナンバー1店長だ。
今期の万代知識商人大学院生。IMG_84422
今日は1日3900万円。
全員が一丸となって売っている。
どの店に行っても藤本さんは、
そういったリーダーシップを発揮する。

生涯店長を貫徹する。

そして最後は万代八尾曙川店。
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万代の三番手の店だ。

しかしクリスマス商戦では、
前浜店、荒巻店を抜いてトップに立った。

若い客層を捉えて、
新境地を開く。

曙川店は午前中、入場制限をした。
それほど顧客が押し寄せた。

私たちが訪れた午後3時ごろには、
売場の商品が少しずつ薄くなってくる。

それでも顧客は次々にやってくる。IMG_86392

1グラム298のブリなど、
もう売り切れてしまった。

それでも水産売場は万代の顔のひとつだ。
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対面の惣菜売場は万代の大型店に設けられている。IMG_86612

ベーカリー売場のトップに、
ホールのピザが並ぶ。
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フラッグショップ店長は小宮秀友さん。
小宮さんは万代大学第3期生で、
今期の万代知識商人大学院生でもある。IMG_E84762
小宮さんは知識商人大学では、
講師も務めてくれる。

「売れることが喜びです。
売ることは楽しい、面白い」

小宮さんは理論派で、
もちろん実務もできる幹部候補生だ。

最後にバックヤードで、
阿部秀行社長と三人の写真。
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万代の一番長い日。
大晦日の朝9時から夜9時まで。
売りに売って、9時には、
生鮮食品、惣菜など、
全部売りつくす。

それは壮観な光景だ。
最後は3割引きで見切りする。
それを待っている顧客もいる。

だから売り切ることができる。

そして正月三が日は完全休業する。

コロナ禍で三が日を休む企業が増えた。
しかし万代はそれ以前から、
ずっと三が日休業をしている。

3日間店を休業するから、
大晦日は売り切る。

それが万代の商売だ。

車の中で1日、
阿部社長と話し合った。

阿部さんは12月に全店を巡る。
1日10店ずつくらいを訪れて、
店長やチーフと会い、
パートタイマーさんまで、
全員に声をかける。

その店の状況を観察し、
問題があれば指摘し、
本部の支援を要請し、
現場を激励する。

そして最後の大晦日に、
最新店とTOP3店舗を訪れる。

盆商戦でも同じ行動をする。

本部に帰って来て4時から、
最後の最後に常務以上の会議をする。
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万代の一番長い日。
私も存分に堪能した。
ありがとうございました。
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今年も1年、店を巡り、現場を歩き、
人と話をし、考え、語り、書いた。

1年のご愛読を感謝しつつ、
2022年毎日更新宣言を終了する。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2022年12月30日(金曜日)

ロピア京都ヨドバシ店と阪神梅田店で「享楽円」消費を確認する

2023年のカウントダウン。
あと2日。

小晦日。
「こつごもり」。

朝の東海道新幹線のぞみ。
残念ながら富士の頂は見えず。IMG_83142
今年、何度ここを走っただろう。

富士川の水流は少ない。IMG_83282

名古屋を過ぎて関ヶ原に差し掛かるころ、
山肌に雲が立ってくる。IMG_83512

すぐに京都駅に到着。IMG_83602

駅舎全体をカバーしているのは、
箱型のガラスと金属的な膜。
この空間が古都と対比的な空間をつくっている。IMG_83632

そして京都タワー。IMG_83652

快晴の真っ青な空と白い塔。IMG_83722

歩いて3分ほどで、
京都ヨドバシマルチメディア館。IMG_82232
その地下2階にロピアがある。
29日、30日、31日の3日間、
入場制限をしている。

そのために入口を1カ所にして、
行列を作ってもらう。
最後尾は地上1階にある。IMG_83752

店に降りていくと、
入口まで行列が並んでいるが、
売場は意外に淡々としている。
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このほうが顧客も安心してゆっくりと買物できる。

このヨドバシ京都店は、
ロピア関西営業本部で、
一番店となった。

その一番店の実力が、
年末商戦で発揮される。

日常的には大容量のロピアの商品だが、
年末にはちょうどいい。

だから客層と商圏は拡大される。

それから「享楽円」消費は、
年末の際(きわ)の商戦でピークに達する。

「禁欲円」消費は縮小される。
もちろん禁欲円も大事だ。
しかし1年で一度、
享楽的な買い方をして、
享楽的な生活をする。
それが正月だ。

私が言い出した概念だが、
顧客はその享楽的な消費を、
目的として店にやってくる。

だから高額品が飛ぶように売れる。

もちろん野菜や果物は、
ロピア価格だ。IMG_83802

惣菜から魚はワンウェイコントロール。
私はこの店はこのレイアウトが成功していると思う。IMG_84072

年末商材もきちんと品揃えされている。IMG_84172

年越しそば用の海老の天ぷら。IMG_83922

肉はすぐに売れる。
年末向けにさらに単品量販に切り替えている。
しかしそれでも補充が間に合わない。IMG_83952

特にロピアのオリジナルアイテムがよく売れる。IMG_84242

日配食品も冷凍食品も、
よく売れる。
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壁面のイラストは雪の京都金閣寺。IMG_84002
店舗の装飾は不要だという議論もある。
しかし享楽円消費にはこれは必須だ。

いいレストランや料亭で食事をする。
そのときに店の雰囲気や佇まいは、
享楽的な消費に貢献する。

コモディティの買物ならば、
それは必要ないかもしれない。

ただしコモディティディスカウントでも、
その店のポジショニングを鮮明にするためには、
それらしい内装、照明、店内サインは必須だ。

よく売れるけれど、
チェックスタンドは混雑も混乱もない。
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待ち合わせたわけでもないが、
福島道夫さんに遭遇。
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㈱ロピア社長から㈱関西ロピア社長となって、
この京都ヨドバシ店も立ち上げた。

いま㈱ロピアホールディングス取締役営業統括。

ロピア京都店を辞して、
大阪へ。

梅田駅前の百貨店競争。

左が大丸梅田店。
1983年オープン。IMG_84522

それから阪急うめだ本店。
こちらは1920年、白木屋出張所として開業し、
1929年、初のターミナル百貨店に変わった。
2012年、新店舗として増床刷新。IMG_84492

それから阪神梅田本店。
こちらも1925年、
白木屋出張所として開業。
阪神百貨店の本店となって、
何度も増床改造を試み、
今年4月6日に食品館が改装オープンして、
全館の改装が完成した。
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食品が百貨店の中核を担う。
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地上2階のデッキで、
阪急うめだ本店、大丸梅田店とつながる。IMG_84532

1階食品売場は明るいモダンな売場。IMG_84552

地下1階が生鮮、惣菜から、
酒、菓子、加工食品まで、
日本最高レベルの食品売場となった。
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しかしこれも「享楽円消費」である。

青果も肉も魚も、
ショップごとに先頭と最後尾を示して、
行列をつくっている。

入場制限もしていないから、
凄い人出で歩けないほど。
専門店ごとに清算をするから、
余計に時間がかかる。

その鶏肉の「とり鹿」IMG_84572
百貨店こそ「享楽円消費」の代表だ。

ここで買うときには、
顧客は初めから、
高くても旨いものを目指す。

だから驚くほど高額商品が売れる。

ロピア京都ヨドバシ店も、
その意味では享楽円の店だ。

量が多くて、コストパフォーマンスの高い、
享楽円消費である。

今日はそれを確認するためにやって来た。
そして確認した。

常日頃から、
享楽円マーチャンダイジングをしていないと、
年末も享楽円アイテムは売れない。

それも確認できた。

その享楽円の非日常を、
日常の中にどう取り入れるか。

享楽円商売は、
簡単ではない。

しかしコロナ禍で、
食品の享楽円消費は広がった。

食べることが、
最大の楽しみの一つとなった。

この年末商戦は、
享楽円商売の集大成となる。

それを確認した。

〈結城義晴〉

2022年12月29日(木曜日)

「送り手と受け手」「売り手と買い手」のトレードオンの時代

2023年のカウントダウン。
あと3日。

今年の夏には、
新型コロナ感染第七波がやってきた。
1日26万人超の新規陽性判明者が出た。

しかし政府や自治体から、
行動制限は発せられなかった。

ワクチン効果が出た。
飲み薬も開発された。
重症者が激減した。

この年末年始の帰省や旅行も、
制限はない。

昨年、一昨年に比べると、
まったく異なる年末年始。
しかしこれが当たり前の姿だ。

こうしてウィズコロナの時代に入っていく。
感染拡大防止と経済活性化が、
同時に行われる時代だ。

いわば「両利き」の時代。
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ほぼ日の糸井重里さん。
毎日エッセイを書く。
9月18日の「今日のダーリン」
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受け手と送り手。
消費者と生産者。
口説かれる人と口説く人。
教わる人と教える人」

近江商人は、
売り手と買い手に分けた。
そして言い切った。
売り手良し、買い手良し。

「子どものうちは、
受け身の経験をくりかえしているが、
社会に出ると、
両方のことをするようになる」

「服を買う人が、
アイスクリームを売っている。
電車に乗っている人が、
タクシーを運転している」

糸井さんのたとえ話、秀逸。

「送り手の経験を
しっかり感じている人は、
受け手になったとき、
送り手のことも想像する」

「受け手として
いろいろ感じている人は、
送り手になったとき、
受け手を想像して工夫する」

「それが、うまく循環していたら、
いろんなことがもっと
いい感じになっていくのだろうが、
なかなかそうはいかない」

上手く循環させることができるのが、
いい商人だ。

鈴木敏文さんは、
「お客の立場で考えよ」と説いた。
「お客のため」ではだめだと言った。

口ではお客のため、と言いつつ、
お客の立場に立って考えない。

そんな商人が多かったからだ。

つまり受け手の立場に立って、
送り手となる。

買い手の立場に立って、
売り手となる。

「あっち向きの〈→〉か、
こっち向きの〈←〉か、
同じ人のなかに
両方あるんだってことだけど、
どっちかにいるときには、
反対側のじぶんを忘れちゃう。
向こう側にも、
じぶんはいるんだよ」

向こう側に自分がいる。
それが向こう側の立場である。

「大人になると、じぶんが
子どもだったことを忘れちゃうし、

子どものうちは、じぶんが
大人になると思っていない」

じぶんが若いうちは、
年寄りは引っこんでろと言い、
年寄りになると、
若いものはなんにもわかってないと言う」

「もれなく、どっちにもなるんだってば!」

「こっちから
反対側だと思っているものは、

反対側からしたら
こっち側なんだってば」

「あっちと、こっちは、
どっちもなんだ」

カリフォルニア大学のリテール研究の権威、
故デルバート・J・ダンカン教授。
『マス★カスタマイゼーション』で、
故杉山昭次郎先生が紹介している。
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小売業マーチャンダイジングを説明する。
「製造業のマーケティングとほぼ
同じような意味を持たせて使うことが多く、
バイイング・アンド・セリングの内容が主体である」

すなわちマーチャンダイジングは、
「バイング & セリング」である。

マーチャンダイジングは、
買い手と売り手のそれぞれの役割を、
融合したものなのだ。

考えるのをかんたんにしたほうが、
わかりやすいけど。
あっちとこっちの間に
線を引いたほうが考えやすいけど。
おそらく線を引いちゃいけないんだ」

トレードオフのほうが簡単だし、
わかりやすい。

けれどトレードオフばかりではいけない。
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「受け手で送り手。
消費者で生産者。
口説かれる人で口説く人。
教わる人で教える人」

「&」で行ったり来たりさせてみたい。
この考え方を、もっと
とろりとろりと煎じ詰めてみたい。

私も来年のテーマを、
同じような内容にしている。

このブログや月刊商人舎は、
送り手であって、受け手でもありたい。
情報や知識の生産者であって、
消費者でもありたい。

受け手の達人は、
送り手のプロである。

生産や製造の玄人は、
消費の名人である。

ここはトレードオフではいけない。
トレードオンがいいのだと思う。

売り手であって、
買い手でもある。
どちらもわかる、そんな存在こそが、
世間なのだと思う。

それを忘れてはいけない。
ウィズコロナの「両利き」の時代だからこそ、
いつも自戒していたい。

〈結城義晴〉

2022年12月28日(水曜日)

ロピアヨドバシ甲府店訪問と武田信玄「人は城・人は石垣・人は堀」

2023年がカウントダウン。
あと4日。

朝一番で菊名からJR横浜線に乗り込む。
1時間足らずで八王子。
それから特急かいじに乗り込んだ。

車中ではパソコンに向かう。IMG_80902

しばらくすると甲府盆地が見えてくる。IMG_81642

南アルプスは雪をかぶっている。
IMG_80882

甲府駅到着。
IMG_8166b2

駅前広場の左手にヨドバシ甲府ビル。
山交百貨店だった物件。
IMG_81692

2021年4月28日に、
ヨドバシカメラマルチメディア甲府が開業。

ヨドバシ甲府は、
売場面積1万3800㎡(約4175坪)、
300台の駐車場を備え、
開店以来約100万人の来店客を数える。

その地階に12月26日の月曜日に、
ロプアがオープン。

商人舎流通SuperNews。
ロピアnews|
12/26「ロピア ヨドバシ甲府店」オープンIMG_81712

ヨドバシカメラの1階の売場を入って、
正面のエスカレーターは閉鎖されていて、
ぐるりと裏側に回ったエスカレーターを降りる。IMG_80942

地下1階は約3220㎡(975.8坪)。
ワンフロアのスペースに、
中央のエスカレーター部分を取り巻くように、
時計回りにロピアの店がある。

青果部門のトップにバナナ。
この大きなひと房が299円。

あっという間に売れていく。IMG_82332

青果部門の八百物屋あづまから、
鮮魚部門の日本橋魚萬。
そして惣菜。

いつものロピアの専門店スタイル。

肉のロピアが核部門。
国産若鶏胸肉は1グラム39円。IMG_81932

みなもと牛はロピアのブランドだが、
その焼肉売場は年末に向けても人気が高い。IMG_81992

菓子売場はとくに楽しい。
IMG_82252

売場を巡ると次々に声をかけられる。
私が訪れることが知らされていて、
チーフたちが挨拶してくれる。
ありがたい。

何度もなんども店を回り、
さまざまなところをチェックした。

一段落付けて山本恭広商人舎編集長と写真。IMG_82142

菊池孝利さんと会って、
いろいろ説明してもらった。
㈱ロピアホールディングス組織管理本部長。
IMG_81722

菊池さんがいるから、
ロピアの組織は締まる。
いろいろな企業からの転職組が多いが、
菊池さんがロピアの鉄則を教え込んで、
彼らの化学反応を促す。IMG_81742

ランチをしてから、
周辺の企業の店を巡る。

まずオギノ朝日店。IMG_81522

甲府市街中心部の古い店だが、
手堅く運営されている。IMG_82452

それからいちやまマート。
イッツモア塩部店。IMG_82492

紀文食品の鳥居を使った年末売場。IMG_82462

もう完全に歳末商戦売場に激変している。IMG_82472

まったく偶然のことに、
三科雅嗣社長と遭遇。IMG_81602

「この店には1時間ほどいますが、
会えるのは本当に偶然ですね」

その通り。

三科さんは同じ年で、
もう40年以上の付き合いだ。

ユニークな経営には定評がある。

「ロピアの影響はほとんどありません」
自信満々に話してくれた。IMG_81632

「美味安心」はいちやまマートのブランドで、
この鯖味噌煮は自慢の商品だ。IMG_81652b
三科さんとはいろいろ話して収穫が多かった。
2023年も互いに元気でやりたいものだ。

最後の最後は、
この武田信玄像の前で写真。IMG_E82522
「人は城、人は石垣、人は堀」

信玄の言葉。

このあとに続く。
「情けは味方、仇は敵なり」

会社はもちろん、
店舗や事業部も、
組織と人が大事だ。

いちやまマートもオギノも、
ロピアもヨドバシカメラも、
人が自社らしさをつくり、
人が競争の源となる。

甲府だからこそ、
そのことを強く思った。

〈結城義晴〉

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