結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年04月10日(月曜日)

商人舎4月号本日発刊!! 「日本最大小売業の明日はどっちだ?」

Everybody! Good Monday!
[2023vol⑮]

2023年第15週。
4月第2週。

いい季節です。
1年でもっとも爽やかなとき。
花粉も少し減ってきたし。

第20回統一地方選挙。
前半戦の4月9日の投開票。
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9道府県知事選と6政令市長選は、
午後8時を過ぎると、
ほとんどに当確が出た。

神奈川県は現職の黒岩祐治知事が、
あっさり四選。
68歳の元テレビマン。
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奈良と徳島の県知事選に風が起きたが、
あとは無風の印象が強い。

一方、ゴルフメジャートーナメント。
2023Masters。
スペインのジョン・ラームが優勝。
2021年、四大メジャーの一つ全米プロを制覇して、
これでメジャー2つ目のタイトルをとった。
28歳。

12アンダーで2位の8アンダーに4打差。

その2位タイに入ったのが、
フィル・ミケルソン(52歳)と、
ブルックス・ケプカ(32歳)。

ふたりとも新ツアーのリブゴルフに参加して、
旧団体から一度、追放されたメンバーだ。

ラームが制覇したものの、
因縁のふたりが2位に入って、
複雑な印象を与える。

松山英樹(31歳)は健闘して、
16位タイに食い込んだ。

体調は芳しくないけれど、
素晴らしいショットを連発した。

次がある。

雨が降り続いたり、
快晴になったり。
環境は整わなかったけれど、
だからこそ実力者が上位に並んだ。

ゴルフは成績が、
実力のままに出るスポーツである。

さて、
月刊商人舎4月号本日発刊!!

巻頭には、追悼 伊藤雅俊
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結城義晴の哀悼の言葉。
ご冥福を祈りつつ、合掌。

特集は、
「総合小売業態」の終焉!?
イトーヨーカ堂の在り方を斬る202304_coverpage
[Cover Message]
日本小売産業第1位のセブン&アイ・ホールディングスがアクティビストに翻弄されている。焦点は総合スーパー「イトーヨーカ堂」をスピンオフするか否か、あるいはどう変えるかにある。それは日本の「総合小売業態の終焉」を意味するのかもしれない。コングロマーチャントそのものが否定されるのかもしれない。石原靖曠と島田陽介の両レジェンド、それに鈴木哲男と結城義晴がセブン&アイの行方とイトーヨーカ堂の在り方を深く分析し、厳しく指摘しつつ、エールを送る。

日本最大小売業の「明日はどっちだ?」

そして今号は特別企画も充実。
食品物流「全体最適」へ
世のため・人のため・社会のために「協調」する
202304_butsuryu13
3・16 歴史的4社会見の一部始終
ライフ岩崎高治・ヤオコー川野澄人・マルエツ本間正治・サミット服部哲也

[目次]
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読みどころ満載。

イトーヨーカ堂の人々だけではなくて、
イオンリテールももちろん、
イズミも平和堂もサンエーも、
ケーススタディとして読んで、
是非とも社内で議論してください。

石原靖曠先生と島田陽介先生。
そろって86歳のレジェンド。

イトーヨーカ堂を見続けてきた両先生の言葉、
重いものがあります。

鈴木哲男先生はイトーヨーカ堂出身。
だからこそ厳しいながらも、
愛に満ちたエールを贈ります。

そして結城義晴は、
伊藤雅俊さんが亡くなられたこともあって、
言わねばならぬ、書かねばならぬと考えて、
厳しい言説となりました。

今、井阪隆一セブン&アイ社長は、
物言う株主のバリューアクトから、
退任を迫られています。

そこでセブン&アイのトップマネジメントは、
何を、どう意思決定すべきか。
それをズバリと書きました。

さらに日本の総合小売業態の今後の戦略も、
短いけれどしっかり書いておきました。

一言で言えば、
「終焉」ではありません。

このままでは、
「イトーヨーカ堂は終焉する」かもしれないけれど。

それから4社の歴史的協調。
チェーンストアやスーパーマーケットの、
偉大な先達たちのことを、
私は思い出しました。

応援します。

この動きはもっともっと、
拡がってほしいと思います。
拡がるに違いないとも考えます。

ご愛読のほど、
お願いしておきます。

読んで、考えてほしい。
議論してほしい。

さて月曜日の今日、
朝9時から、
山本恭広編集長が講演。

場所は横浜駅の鶴屋町。
聞き手は中国からの訪日団。chinaseminar
日本の小売業の現状と未来を、
2時間にわたって講演した。

最後にプレゼントをもらった。
「ビンドゥンドゥン」
2022北京五輪のマスコット。
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ご清聴、感謝します。

さらに今日は決算記者会見。
ライフコーポレーション。

その模様は明日のブログで。

では、みなさん、今週も、
考えよう、話し合おう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年04月09日(日曜日)

第20回統一地方選挙と「正しさの上につみあげる正しさ」

桜は散った。
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第20回統一地方選挙投票日。
4年に一度。

今日4月9日の前半戦と、
23日の後半戦。

前半戦は道府県の知事と議員、
政令指定都市の市長と議員。

後半戦は市区町村の首長と議員。

戦後の1947年、
全国の都道府県、市町村が一斉に、
第1回統一地方選挙をやった。

だから「統一地方選挙」と称された。

そのほうが全国的に関心が高まり、
投票率も上がる。

しかし、途中で辞任する首長が出たり、
議会が解散になったりして、
どんどん崩れていった。

今日の前半戦は、
9道府県知事選と6政令市長選など。

実際に私の住んでいるエリアでは、
神奈川県知事選は行われるが、
横浜市長選挙は行われない。

2021年8月22日に投開票されて、
山中竹春市長が誕生している。

選挙に行こう、
投票しよう。

ずっとそう呼び掛けている。

選挙の投票は大抵、日曜日である。
国民が投票しやすい日だからであろう。

しかしその日曜日に、
小売業やサービス業は、
仕事がある。

だから投票しにくい。

考えてみると今の日本という国は、
投票しやすい人たちの社会になっている。

けれど投票しにくい人たちが、
投票すれば世の中は変わる。

必ず。

期日前投票の制度も普及してきた。
だから選挙に行こう、
投票しよう。

夕方、出かけた。IMG_22293

近所の港北小学校。IMG_22303

校庭はまだ明るい。IMG_22433

校門の前に立候補者のポスター掲示板が立っている。IMG_22353
右が横浜市議会議員立候補者、
神奈川県議会議員立候補者。
そして県知事立候補者。

県知事選挙には4人が立候補したが、
2人しかポスターを張っていない。
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無風選挙。

結果は見えている。
しかし投票行為はする。

体育館が投票所。
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投票しました。
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そして投票証明書をもらってきました。IMG_E22393

当選したら、
いい政治をしてもらいたい。
お願いします。

朝日新聞「折々のことば」
第2698回。

正しさの上に
正しさをつみあげる
という仕方で、
ひとはどのように
成長できるだろうか。
(鶴見俊輔)

「ある小学校で算数の教師が
黒板に円を書き、
児童に書き写すよう求めた」

「一人の児童が
みなよりうんと遅れて
ようやく書き上げたのは、
黒くべた塗りした上に
円を白抜きにした画(え)であった」

「人生の問題、人類史の問題には
いろんな答えがありうる。
間違いをもふくめ
別様の答えの内に潜む
豊かな”想像の芽”を摘んではならない」
〈『教育再定義への試み』から〉
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鶴見俊輔は2015年に亡くなった。
1922年(大正11年)生まれで、
中内功さんと同年。

ハーバード大学で哲学を学んだ。
米国のプラグマティズムの紹介者。

深い深い思想から広い広い大衆文化まで、
驚くほどの博識だった。

正しさの上に
正しさをつみあげるだけでは、
成長はない、
進化はない。

いろんな答えがありうる。
間違いをもふくめて、
「別様の答え」の内に潜む、
豊かな”想像の芽”を大切にしたい。

選挙もいろいろな人が立候補し、
いろいろな人が投票する。

より多くの人が投票して、
豊かな「想像の芽」を、
票数にするのがいい。

死票はない。

それぞれの投票自体が、
黒くべた塗りした上の、
白抜きの円であっていい。

当選した者が偉いのではない。
勝ったのでもない。

重い責任が生じるということだ。

票を投じた者たちにも、
重い責任が生まれる。

それが良くも悪くも民主主義だ。
そしてまた今日、民主主義が行われた。

仕事や商売に置き換えると、
正しさのうえに正しさを積み重ねても、
顧客たちがみんな喜ぶとは限らない。

黒くべた塗りした上の、
白抜きの円を喜ぶ顧客がいるし、
それがどんどん増えていくこともある。

これも商売の民主主義だ。

〈結城義晴〉

2023年04月08日(土曜日)

ゴルフ「2023マスターズ」の「Next shot」と”Never give up”

World Baseball Classicが終わったら、
今度はGolf 2023 Masters。
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ジョージア州アトランタ。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。

一度はラウンドしてみたい。

ゴルフ四大メジャーのトップ選手権。

残る3つは全英オープンと、
全米オープン、全米プロ。

マスターズは1934年から開催されてきた。

球聖と敬愛されたボビー・ジョーンズが、
友人のクリフォード・ロバーツとともに、
企画し、開催し始めた。

世界最高峰のトーナメントとなった。
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この本、結構、面白いし、
役に立つ。

今年のマスターズ。
木曜日の初日の始球式には、
ゲーリー・プレイヤーと、
ジャック・ニクラウスが、
現在のスイングを見せた。

それから、
アーノルド・パーマーが亡くなったので、
代理役のトム・ワトソン。

パーマー、プレイヤー、
ニクラウスは、
「ビッグ3」と呼ばれて、
世界中から尊敬された。

パーマーは、
このマスターズを4回、制覇した。
プロトーナメントで95回優勝して、
一番の人気を誇った。
2016年に87歳で亡くなった。
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ゲーリー・プレイヤーは、
南アフリカ共和国のプロで87歳。
マスターズは3回の優勝。
四大メジャーを制覇して、
キャリアグランドスラムを獲得。
プロでは165勝。
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今回の始球式でも、
驚くほどの素晴らしいスイングをして、
最後に右足をキックして見せた。

プレイヤーはよく、質問を受ける。
「なぜゴルフをするのか?」

それに対しては即答する。
「なぜ君はしないの?」

「今すぐ、1分1秒後にでも、
やるべきだよ」

168センチの身長で、
この偉業を成し遂げた。

私は60年前の高校生のころから、
テレビでビッグスリーのプレーを見ていた。
そして体の小さなプレイヤーが一番好きだった。

かつて荒井伸也さんが南アフリカに行って、
プレイヤーと一緒にラウンドした。
サミット㈱の元会長。

ビッグスリーであるにもかかわらず、
プレイヤーは終始、
荒井さんを「Sir」と呼んで、
サービスに努めてくれた。

本物のプロはこういうマインドを持つ。

日本のプロの片山晋呉など、
プレイヤーの爪の垢を煎じて、
飲ませねばならない。

ジャック・ニクラウスは、
史上最高のゴルファー。
帝王と呼ばれた。
私のホームコースは、
ニクラウスが設計している。
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83歳の今、太り過ぎていて、
残念ながらスイングは、
お爺さんのそれ。

トム・ワトソンは73歳で、
私の世代だ。
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やはりグランドスラムを獲得していて、
ニクラウスの次の帝王と言われた。

世界最高の美しいフォームだったが、
この始球式ではずいぶんと、
小さいバックスイングになっていて、
これならばなんとか真似ができそうだと、
勇気づけられた。

今年のマスターズでも、
現役の松山英樹は安定している。

一昨年の優勝者。
31歳だが貫禄が出てきた。

2日目がサスペンデッドで終わり、
日没・翌日延期。

3日目はその2日目の残りのホールをこなし、
さらに3日目の18ホールに挑む。

雨の中でも松山のスイングは乱れない。

美しいセットアップ。
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ゆったりとバックスイングする。IMG_22213

そしてフィニッシュ。IMG_22223

最終日、優勝しなくとも、
松山らしいプレーを見せてほしい。

この黄色と灰青色のレインウェア。
流行るだろう。

さて、ボビージョーンズの本。
「ゴルフの神髄」に書かれていて、
私が傍線を引いている箇所がある。
「ゴルファーにとって
もっとも難しいのは、
“精神のうえで”常に
目を覚ましていることである」

では具体的に「目を覚ましている」とは、
どうすればいいのか。

これは「頭脳(あたま)のゴルフ」に書かれている。
作家・三好徹の著作。
三好徹は読売新聞の記者から、
作家になって直木賞をとった。
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文壇ゴルフの会長も務めた。

「終わったことを忘れて、
次のショットのことを考えるんだ」

英語で”Next shot”

このとき大事なのは、
次のショットのために、
次の次のショットのことも考える。
こうするとミスしたショットのことは、
すっかり忘れてしまう。

これが1ラウンド連続していれば、
「目を覚ましていること」になる。

私はボビー・ジョーンズと三好徹から、
このことを教わった。

これは商売の極意でもある。
何度失敗しても、
次があるのが商業の仕事だ。

三好徹の本は、
トム・ワトソンの言葉を引用して終わる。

“Never give up!”

ワトソンは続ける。
「もしこのゲームをギブ・アップするなら、
人生もそうするようになるだろう」

「一度ギブ・アップすると、
二度、三度、そして四度と、
ギブ・アップしやすくなるのだ」

松山英樹も今、それをしている。
パーマーもプレイヤーも、
ニクラウスも、
ネバー・ギブ・アップだった。

とくにゲーリー・プレイヤーは、
小さな体ながら、
87歳の今でも、
ネバー・ギブ・アップなのだと思って、
とてもうれしくなった。

〈結城義晴〉

2023年04月07日(金曜日)

林廣美の「惣菜の集大成」と「惣菜・素材のトレードオン」

林廣美先生、来社。IMG_3219 (002)3
惣菜の圧倒的な第一人者。
レジェンドコンサルタント。

85歳にして、
今も現役。

ジャストミートで商人舎に電話が入って、
林先生への講演の依頼。

日程もすぐに決まった。

今日は三つのご提案。
実に面白い。

そのなかで、
林廣美の「惣菜MD集大成」の本は、
秋までに発刊することになった。

途中、野田岩でランチ。
鰻重もペロリ。

12時半から3時半まで、
語り通し。

凄いことだ。

話のなかに、
「トレードオン」という言葉が出てきて、
「あれは結城先生の言葉」と言ってくださった。

トレードオフに対して、
トレードオン。

2021年4月発刊の拙著、
『コロナは時間を早める』の中で、
この言葉を初めて使った。

COVID-19パンデミックの最中、
日々、世界中が二つの命題の両立を考え抜いた。
感染拡大の防止と経済や消費の活性化。

感染拡大防止だけではいけない。
経済活性化も必須だ。

かつてはどちらかを切り捨ててもよかった。
むしろそれを奨励した。

中国は現在でもその考え方を優先させる。
ゼロコロナ政策がその典型である。
これは「トレードオフ」の発想である。

しかし21世紀は相反することを、
両立させねばならない。
これが「トレードオン」である。

月刊商人舎2022年1月号で、
あらためて問題提起し、
2023年1月号で、
さらに特集にした。
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林廣美先生も島田陽介先生、
そして鈴木哲男先生も、
最近は「トレードオン」の概念を使って、
それぞれご自分の論を展開する。

その共通の基礎概念のようなものとなった。
うれしい限りだ。

林先生は、
これからのスーパーマーケットに関して、
「惣菜の店となる」と主張する。

「フードコート」も欠かせない機能となる。

この主張は「惣菜の教科書」発刊のころから、
まったく変わらない。
1994年5月。

『サミットスタディ』は、
その前年の1993年4月発刊。
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「サミットスタディ」のなかで、
当時のトップ荒井伸也さんは、
「素材の時代から惣菜の時代へ」と、
スーパーマーケットは変わっていくと予言した。

その通りになった。

ヤオコートナリエ宇都宮店は、
まさに惣菜中心の店になった。 02-1IMG_1210

惣菜が第一主役で、生鮮は第二主役。
主演女優と主演男優のようなものだ。
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そしてグロサリーや日配が、
助演男優と助演女優。
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サミットが今、挑戦しているのが、
部門横断型「大総菜プロジェクト」である。
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スーパーマーケットは、
惣菜屋に変わる。

林先生や荒井さんと議論していたことが、
今、やっと実現しそうになってきた。

だからといって、
生鮮食品も重要であることは論を待たない。

考えてみると惣菜と素材は、
トレードオンの間柄である。

関西スーパーの故北野祐次さんの時代は、
生鮮食品のシステム開発に邁進した。

それは時代が要請したことだった。

北野さんは晩年、
「惣菜は自分でやってはいけません」と、
言い続けていた。

「街の惣菜屋さんをテナントに入れればいい」

当時はそれで間違いではなかった。

しかし今、トレードオンの時代。
惣菜は生鮮とともに必須となった。

そして次は店で食べてもらう時代。

米国のウェグマンズや、
イタリアのイータリーがそれを見せつける。

そしてこれは「惣菜」の延長ではない。

プロの技術が求められる。
林先生は「魚菜」の編集長をやっていた。

だから料理人の世界にも精通している。

スーパーマーケット惣菜時代が見えてくると、
フードサービスはさらに、
修行と訓練を積んだプロの時代となる。

林先生と4時間も話していて、
未来が見えてきた。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2023年04月06日(木曜日)

将棋名人戦の藤井聡太勝利とセブン&アイ11兆円の決算報告

商人舎の体育の日。

桜も終わりの季節。
芽生える新緑と散り際の桜。

そして遅咲きの桜。
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日本の桜はソメイヨシノが基準だ。
だからそれより早いのが「早咲き桜」
遅いのが「遅咲き桜」。IMG_21663

昨日から、
第81期将棋名人戦。
七番勝負の第一局。
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渡辺明名人の初手。
「2六歩」IMG_21763

挑戦者の藤井聡太竜王の第一手は、
いつものように「お茶」。
つまりまずお茶を一口飲む。

それから本当の初手は、
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持ち時間はそれぞれに9時間。
2日にわたって指される。

将棋界で一番古い歴史を持つタイトル。
江戸時代初期の1612年から、
家元制として名人位が受け継がれている。

実力名人制は1937年に始まって、
今、81期。
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2日目も午後になって、
わずかに差がついてきた。

「藤井曲線」と言われるが、
ちょっとだけ生まれた差が、
どんどん開いて大勢が決まる。

戻ることはほとんどない。
つまり逆転の可能性が少ない。

虚空を見つめる渡辺名人。IMG_21723

そして投了。
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史上最年少の20歳の名人に向けて、
藤井聡太が先勝。

七戦のうち4勝すれば、
将棋タイトルの七冠を獲得することになる。IMG_217533
38歳の渡辺名人の奮起が望まれる。
それを期待する。

そのほうが面白いから。

さて私は夕方から、
決算説明会。
㈱セブン&アイ・ホールディングス。

いつものように電話会議。
冒頭に井阪隆一社長が、
顔を出して一言挨拶。

それからはずっとパソコンに、
パワーポイントの画像が映された。
音声は電話を繋いで、
手元のスマホから聞こえてくる。

商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
2023年2月期営収11兆円超/米国コンビニ効果で最高益

2023年2月期決算。
営業収益11兆8113億円。
日本の小売業史上初めて、
売上高が10兆円を超えた。

対前年比35.0%増。

営業利益5065億円。
30.7%増。
経常利益4759億円、
32.7%増。
当期純利益2810億円、
33.3%増。

すべて過去最高を更新。

井阪さんも幹部の人たちも、
もっともっと胸を張っていい。

セグメント別実績にそれが顕著に出ている。

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増収増益の推進役は、
米国コンビニエンスストア事業である。
2021年に約2兆円を投じて、
Speedway(スピードウェイ)を買収した。

もちろん7-Eleven, Inc.は、
全米トップのコンビニチェーンである。

海外コンビニエンスストアの営業収益は、
8兆8461億円。
前年比70.3%増。

これだけでイオン㈱を凌ぐ。

もちろんここには、
1ドル131円換算のレートが影響した。
ガソリン売上げ増も大きく貢献した。

それでも11.8兆円のうち、
8.8兆円が海外コンビニだ。

胸を張るのは恥ずかしいか?

同社の分類の「スーパーストア事業」は、
イトーヨーカ堂と、
ヨークベニマル、ヨーク。

総合スーパー業態とスーパーマーケット業態。

その営業収益は1兆4492億円、
前年比20.0%減。

営業利益は1億2107万円で、
マイナス35.4%。

イトーヨーカ堂はすでに、
首都圏にネットワークを集中し、
直営アパレルから撤退する意志を表明している。

社内は混乱し、もめている。

ヨークベニマルは、
既存店売上げは前年を下回ったが、
営業利益は180億円で22.5%の増益。
子会社のライフフーズと、
昨2022年3月1日付で合併した。
それによって商品粗利益率も改善した。

百貨店・専門店事業は、
営業収益4637億円、34.9%減。

売却先も見つかって、
最終段階の詰めをしている。

一応の決算説明が終わってから、
質疑応答の時間が設けられた。

その質疑の間、パソコンには、
この画像が出ていた。
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井阪さんの顔が見たかったが、
声が聞こえてくるだけだった。

残念だ。

米国の物言う株主バリューアクトからは、
定時株主総会に諮る書面が届いている。
「取締役の選任に関する株主提案」

このバリューアクトの選任案の名簿には、
井阪社長と後藤克弘副社長、
社外取締役の伊藤邦雄氏と米村敏朗氏が、
含まれていなかった。

この件に関しては、
NHKなどから、
質問が出たが、
答えはなかった。

歴史に残る決算説明会のはずが、
「言い訳」に終始した観がある。

もっと胸を張っていい。

そのためにも、
顔を出して自信をもって発言すべきだ。

「男の顔は履歴書である」
故大宅壮一氏の名言。

11兆円の顔なのに。
その顔を晒さないのはもったいない。
ああ、もったいない。

〈結城義晴〉

2023年04月05日(水曜日)

サンエー・しまむらの本決算と渡辺明名人の「責任」

日本の誇り、奈良の吉野桜。IMG_2148

松本隆文さんから、
またまたお送りいただいた。
㈱マツモト会長。

ほんとうに、ありがとうございます。

桜の花もよく開いた。
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名勝、一目千本。
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山又山山桜又山桜
〈阿波野青畝(あわのせいほ)〉

「やままたやま
やまざくらまたやまざくら」

さて商人舎流通SuperNews。
次々に決算が発表されている。

そのなかで、
サンエーnews|
営業収益2135億円4.5%増・経常利益115億円13.8%増

㈱サンエーが新城健太郎新社長のもと、
2023年2月期決算を発表。
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営業収益が2135億円で、
前年同期比4.5%増。

営業利益は112億円で、
この営業による儲けが34.4%増。
立派なものだ。

経常利益は116億円(13.8%増)、
純利益は75億6900万円(13.6%増)。

増収増益。

今期のサンエーは外出機会の増加で、
衣料品の販売が増加した。

イトーヨーカ堂が、
総合スーパーを止めることを発表しているが、
それとは反対の結果を生み出している。

入域観光客数も前年を上回った。

昨日、田崎正仁専務と、
電話で話した。

田崎さんも代表権をもって、
新城社長を支える。

トップマネジメントは、
テニスのダブルス型でなければいけない。
ピーター・ドラッカー先生が言っている。

新城さんと田崎さんは、
まさにそれだ。

それぞれに「責任」をまっとうしつつ、
実にいいコミュニケーションをしている。

田崎さんは、
インバウンドの顧客が戻ってきたことを、
言っていた。

私も沖縄に行きたくなった。

決算に関してはもう1社。
しまむらnews|
年商6161億円5.6%増・経常利益7.5%増の増収増益

売上高は6161億円で5.6%増、
営業利益は533億円で7.9%増、
経常利益も544億円で7.5%増。

営業利益率8.7%、経常利益率8.8%。

主力のしまむら事業が4.9%増。

売筋商品の在庫管理は、
約40日で追加生産して再投入する仕組み、
「短期生産サイクル」を、
サプライヤーと連携して構築した。

都市部と郊外、寒冷地域と温暖地域など、
店舗立地に応じた商品管理を強化した。

またPBやJBは、
ブランド別の売場づくりをする。
在庫管理も徹底して、
値下げを抑制した。

PBは自社開発ブランド(Private Brand)、
JBはサプライヤーとの共同開発ブランドで、
Joint Development Brand。

総合スーパーのアパレルは、
このしまむらを研究するのがいい。

広告宣伝に関しても、
天候や商品の売行きに応じて、
機動的に配信した。
時期と広告量、配信メディアを見直した。

SNS販促にも力を入れて、
新規媒体を導入した。
ホームページやアプリもリニューアルした。

さらに販促は都市部限定、地域限定と分けて、
それぞれに展開を変えた。

ヤングカジュアルのアベイル事業は、
売上高600億円、10.2%増。

子ども用品専門店のバースデイ事業は、
売上高723億円、4.0%増。

雑貨と婦人ファッションのシャンブル事業は、
売上高146億円、10.4%増。

実質的な創業者の藤原秀次郎さんが、
取締役に復帰したのが2020年。
コロナパンデミックが始まった年だ。

その20年2月期決算は、
3期連続で減収減益となっていた。

5月15日付で取締役相談役に就くと、
しまむらはガラリと変わった。

藤原さんの復帰で、
「権限」と「責任」がはっきりした。

その藤原さんは、
1990年5月から2005年4月まで社長を務め、
05年5月から09年4月まで、
代表取締役会長を務めた。

現在、82歳。

実務をするわけではないが、
締役会の中での存在感が、
しまむらを蘇らせた。

トップマネジメントの機能を、
あらためて考えさせてくれる事例だ。

最後に、
将棋名人戦。
第一局が始まった。
渡辺明名人に、
藤井聡太竜王が挑戦する。
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渡辺は史上4人目の中学生プロ棋士。
竜王・王将・棋王と三冠に輝き、
その後、名人位を獲得した。

それらは今、藤井の手中にあり、
この名人戦で負ければ無冠となる。

38歳。

一方、20歳の竜王は、
羽生善治以来の七冠に挑む。

渡辺の弁。
「藤井さんがこれだけ勝って
七冠に向けて出ていくところで、
自分が名人を持っているという状況に
責任を感じます」

ここで渡辺が使った「責任」という言葉。
実に素晴らしい。

朝日新聞「天声人語」
「世代交代を阻むのか、
許してしまうのか。
将棋史に刻まれる対戦を見られる幸運を思う」

同感だ。

この責任の意味、
トップマネジメントの在り方につながる。

〈結城義晴〉

2023年04月04日(火曜日)

「25大阪万博キャッシュレス化」より時代の足取りは早い!

2025年開催の国際博覧会。
通称、大阪・関西万博。

25年4月13日に開幕。
同10月13日に閉幕。

合計153の国・地域、
8つの国際機関が参加し、
2800万人の来場を想定している。

関西だけでなく、西日本も、
そして日本全体の活性化を図るチャンスだ。

1970年の大阪万博には、
私も行った。
高校生だった。
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来場者数は6421万8770人だった。

高度経済成長の真っただ中で、
その成長に拍車をかけた。

鉄道や高速道路が整備され、
大阪の街にはさらに活気がもたらされた。

今回もそんな効果が見込まれる。

その万博会場は、
完全キャッシュレスになる。

クレジットカードの国際ブランドから、
交通系IC、QRコード決済など、
60超の事業者が参画。

海外からの事業者も参加する。

キャッシュレス化で、
レジは時間短縮され、
釣り銭も不要になる。

大阪万博を起爆剤にして、
キャッシュレス決済推進を図る考えのようだ。

しかし私は、
その前にキャッシュレス化はどんどん進むと思う。

この1月から2月にアメリカに行って、
それを確信した。

2年後にはすでにキャッシュレスが当たり前になって、
万博の全面キャッシュレスなど、
珍しくもない状態になっているかもしれない。

それでも準備段階のプロセスは、
キャッシュレス化を進めることに貢献する。

日本政府は25年までに、
日本のキャッシュレス決済比率を、
現在の3割から4割程度に高める目標を掲げる。

これはいかにも遅い。

その日本のキャッシュレス事情。
2022年の決済額は111兆円となって、
過去最高を更新した。

消費全体に占めるキャッシュレス比率は、
初めて3分の1を超えて36%に高まった。

クレジットカード決済は93兆7926億円。
前年比16%増。

QRコード決済は7.9兆円、50%増。
電子マネーは6兆円の2%増。
デビットカードは3.2兆円で19%増。

QRコード決済とデビットカードが、
まだまだ増える。

そして万博のときには、
欧米並みの6割、7割になるか、
5割には届くだろう。

2025年、待ち遠しいくらいだ。

さて今日は朝から記者会見。
私は原稿書きに勤しんでいたが、
山本恭広編集長と亀谷しづえGMが行ってくれた。
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商人舎流通SuperNews。
イオンnews|
オンラインマーケット「Green Beans」今夏始動

オンラインスーパー事業のイオンネクスト㈱。
新ブランド「Green Beans」を立ち上げた。
“オンラインマーケット”である。

カスタマーフルフィルメントセンターも稼働する。
最先端のAIとロボティクス機能が導入されている。

グリーンビーンズは、
生鮮、日配と加工食品、日用品など。
スーパーマーケットの品揃えで、
顧客が望むタイミングで届けする。

2019年11月、イオンは、
英国のOcado (オカド)と提携した。

その子会社オカドソリューションが、
最新デジタル技術を提供した。

吉田昭夫イオン社長。
「中期計画の中でも、
デジタル戦略の強化を最も重視している」

オカドのデジタル技術は、
10カ国12社のグローバル小売企業で使われている。

そのテクノロジーを使って、
「世界レベルの買物体験を提供する」

首都圏、特に東京23区の、
共働き、子育て世帯をターゲットにする。

イオンは本腰を入れている。
それがくっきりとした記者会見だった。

夕方からはオンライン記者会見。

平和堂news|
営業収益4156億円・経常利益130億円/経常利益率3.1%

平松正嗣社長がどんな質問にも、
的確に明確に答えて好感が持てた。IMG_21323

平和堂の2023年2月期の本決算。
連結業績は営業収益4156億7500万円、
営業利益112億7900万円、
経常利益130億6900万円、
純利益75億1600万円。

平松社長。
「既存業務のマンアワーを削減して、
その分を新しいMDに振り向ける」

「これからの2、3年は、
投資を優先させる時期。
成果はその後に出る」

これも固い決意だった。

私は原稿を書き上げ、
最後のゲラも責了した。

お疲れ様。
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今月号もいい雑誌です。
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ご期待ください。

時の足取りは早い。

自分で言っておきながら、
その時間に自分が追い越されそうだ。

そんなときには、
慌てず、急げ。

25年の万博のキャッシュレス化。
多分、時代のほうが足が速いと思う。

〈結城義晴〉

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