結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年11月04日(金曜日)

「うまくいっていない店」の「安上がりにやれること」

「セルコレポート」が届いた。IMG_67092
セルコグループの機関誌。

私の連載は、
「艱難は商人を鍛える」

今回は「第七回・日下静夫の正札販売」
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戦後の商業界運動の指導者。
岡山県津山市の故日下静夫さん。

「日本一の下駄屋」と称された。
その艱難の物語。

この連載は結構、時間をかけて書く。
手に入る方は読んでみてください。

今日は月刊商人舎11月号の責了日。
毎月毎月、深夜までかかるが、
今回は比較的順調な進行だった。

最後に山本恭広編集長と写真。
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満足げな顔つきです。IMG_67202
ご期待ください。

「ほぼ日刊イトイ新聞」の巻頭エッセイ。
糸井重里の「今日のダーリン」
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「うまくいってない店」を論じる。

「うまくいってない店というのを、
たくさん見た。
やっぱり地方都市をうろうろしていると、
よく見る」

「いかにもうまくいってないことが、
目に見えてしまう。
壊れた建物、むやみに多い張り紙、
整理されない什器、
曇ったガラス、汚れたままの床…。」

「それをだれかが
注意することもないのだろう」

糸井さんにこう言われると、
自分のことのように恥ずかしくなる。

でも、糸井さんは優しい。
「その店にはきっと
いくつかの事情があるのだ」

「人手がないとか、
お金がないとか、
やる気を失ったとか、
要するに儲かってないだとか」

「でも、同じくらいのきびしい条件のなかでも、
わるくない感じの店だってある」

「どこがちがうのか、どうすればいいのか」

そこで門外漢ではあるけれど、
糸井さんが考えてくれた。

「無料、あるいは
安上がりにやれることを、
するかしないか」

ん~、安上がりでやれること、か。

「客の来ないひまな時間が
たっぷりあるのだから、
それを修理や掃除にあてても、
おそらく無料なのだ」

そこで伊藤雅俊さんを思い浮かべる。
イトーヨーカ堂創業者。
伊藤雅俊
「お客さまは来てくださらないもの」
そう思って、ひたすら誠実に商売をする。

糸井さんの思いついたことは、
伊藤さんに通じる。

「政治がわるいも経済が無策だも
言っててもいいが、
店の掃除をするのはじぶんの仕事なのだし、
お客がくるように考えたり
動いたりするのもそうだ」

「昔から、よく先生やら親やらが、
“挨拶をちゃんとしなさい、
清潔を守りなさい、
謙虚でありなさい”と
説教をしてくれてたけれど、
その理由が、ものすごく
よくわかるようになった」

「それは、
ものすごく安いコスト(ほぼ無料)で、
いろんなことを
うまくいかせる方法だったのだ」

これは「基本の徹底」である。

「”あとは自由でいいから”と付けたら
もっと理解できる」

こちらは「変化への対応」である。
応用編である。

そう、イトーヨーカ堂の社是。
「基本の徹底と変化への対応」

糸井さん。
「商いをしている人だったら、
痛いほどわかると思うのだ」

「ほとんど無料でできるいくつかのことを、
素直にやる」

どんな仕事もどんな業務も、
実際は人時(マンアワー)がかかっている。
だから無料ではない。

しかし基本の徹底は、
毎日毎日繰り返すから、
商人ならば必ず熟練してくる。
そして短時間でできるようになる。

野球選手ならば、
キャッチボールが当たり前にできるように、
サッカー選手なら、
ドリブルやパスは楽にできるように、
商売や仕事の基本は、
どんな商人もできるようになる。

しかし、
プロ野球選手のキャッチボールはすごい。
プロサッカー選手のドリブルやパスも神業だ。

3Sの「整理・整頓・清掃」、
あるいは5Sの「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」。

これが自然にできる。
神業のようにできる。

それが基本のプロだ。

糸井さん。
「これが、人ならモテちゃうし
店なら儲かっちゃう秘法だと、
ぼくもいままで
わかってなかったんだよなー」

「あ、じぶんが老人になってからわかる
“秘法”なのか⁉」

謙虚だなぁ。
糸井さんは。

最後に自分の言説が説教臭いと気づいて、
「老人の説教だから許してくれ」と、
付け加えた。

しかしこれは老人の説教ではない。
商売の鉄則だ。

それがイトーヨーカ堂の社是であり、
セブン&アイ・ホールディングスの大原則だ。

あらためて糸井さんから指摘されて、
そんな店があることに、
ちょっと恥じ入りもしたが、
「基本の徹底」のプロになることは、
むしろ他の世界の人たちに誇れるものだ。

「複合危機」だとか「六重苦」だとか、
そんな時代だからこそ、
「基本のプロ」であるための日々の精進は、
大切である、貴重である。

月刊商人舎もそれをベースにしていたい。

糸井さんの指摘、
ありがたい。

〈結城義晴〉

2022年11月03日(木曜日)

「文化の日」の憲法の「結城義晴前文改訂」と第九条「篠田英朗改定」

文化の日。

1946年、日本国憲法が公布された日。
その日本国憲法は、
「平和」と「文化」を重視している。

だから「文化の日」となった。

その前文には、こう示されている。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、
人間相互の関係を支配する
崇高な理想を深く自覚するのであって、
平和を愛する諸国民の
公正と信義を信頼して、
われらの安全と生存を
保持しようと決意した」

「われらは平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を
地上から永遠に除去しようと努めている
国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う」

「われらは全世界の国民が、
ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和の内に生存する権利を
有することを確認する」

中学生のころだったか、
この全文を丸暗記した。

英語の関係代名詞のところを、
ほぼ直訳している。

だから日本語としては悪文だ。

だから私流に改訂すると、
「日本国民は、
恒久の平和を念願する。
人間相互の関係を支配する、
崇高な理想を深く自覚する」

「国際社会の諸国民は、

平和を愛するものである。
私たちは、
その公正と信義を信頼する」

「したがって私たちは、
私たち自身の安全と生存を、
私たち自身で保持しようと
決意するものである」

「国際社会は平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を
永遠に地上から除去しようと努めている。
私たちはその国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う」

「私たちは全世界の国民が、
ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
平和の内に生存する権利を有することを
確認する」

さらに、重要なのは、
日本国憲法の「第2章 戦争の放棄」である。
その「第9条」が議論の対象となっている。

「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」 

「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」

国際政治学者の篠田英朗さんは、
『はじめての憲法』のなかで、
この第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、と主張する。
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「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を禁止しない」

私も篠田さんに賛成するものだ。

「戦争の放棄」は「原理」ではなく、
「目的」である。

これならば、
「自衛隊」という組織が正当化されて、
憲法に記される。

私の訂正した前文とも一致する。

やはり11月3日は、
「文化の日」ではなくて、
「平和の日」であるべきだった。

その文化の日。

いい天気、
快適な陽気。
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けれど私は、
自宅の自室にこもって、
原稿執筆。

いい日が、終わっていく。

私自身はこの自室の中で、
平和だ。

そして1日中、
少なくとも「文化」に資することをやっている。

それはそれで満足だ。

いい日だ。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

〈結城義晴〉

2022年11月02日(水曜日)

55回食品産業功労賞と将棋A級順位戦「マスク反則負けの裁定」

1日中、原稿執筆と入稿。

月末と月初めは、
月刊商人舎の仕事に集中する。

山本恭広さんが、
編集長として商人舎に参加してから、
私はずいぶん楽になった。

有難い。

それでも考えること、書くことは、
続けていくし、絶対に手を抜かない。

このブログにも、
月刊商人舎に執筆していることを書けば、
楽に進むのだけれど、
そうはいかない。

1日中原稿を書いて、
家に帰ってからまた気持ちを改めて、
ブログを書く。

昨日の11月1日には、
ホテルニューオータニ東京で、
日本食糧新聞社主催の賞の贈呈式があった。
第55回食品産業功労賞、
第31回食品安全安心・環境貢献賞。

冒頭のあいさつは、
今野正義日本食糧新聞社会長。
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原稿に追われていて、
今年は参加することができなかった。

すみません。

食品産業功労賞は、
生産部門と技術部門、
流通・情報部門と外食部門がある。
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その流通・情報部門で6人のみなさんが受賞。

よく知る人ばかりだった。

三枝富博㈱イトーヨーカ堂取締役会長、
佐々木淳一㈱日本アクセス代表取締役社長、
森山透三菱食品㈱前代表取締役社長、
川田一光東京青果㈱代表取締役会長兼社長、
荒木章カナカン㈱代表取締役会長。
西田邦生㈱ジャパン・インフォレックス代表取締役社長。

小売業からは三枝さん。
現在、日本チェーンストア協会会長。

佐々木さん、森山さん、
そして荒木さんは食品卸売業、
川田さんは世界最大の青果市場の荷受け。

そして西田さんは、
世界最大の商品マスターを構築した。
情報部門の受賞にふさわしい。

食品安全安心・環境貢献賞は、
㈱ライフコーポレーションと、
ワタミ㈱、㈱クラダシ、㈱デリモ。
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ライフコーポレーションの授賞理由は、
「BIO-RAL」による健康増進への取組み。
森下留寿専務が出席して、
挨拶のスピーチをした。
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ワタミの授賞理由は、
資源循環に向けた食品リサイクルループの構築。
渡邉美樹会長兼社長が参加していた。

みなさん、
おめでとうございます。

世間は朝鮮半島の話題でもちきりだ。
韓国・ソウルの雑踏事故の話題、
北朝鮮の3発の弾道ミサイル発射。

それから将棋界では、
名人戦のA級順位戦の対局で、
佐藤天彦九段が反則負けと判定された事件。
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10月28日の対局者は、
佐藤天彦元名人と永瀬拓也王座。

佐藤は34歳の福岡出身の棋士。
永瀬は30歳の横浜出身のプロ。

私はどちらの出身地にも縁がある。

佐藤は18歳、永瀬は17歳でプロ棋士になった、
両者ともに天才だ。

佐藤はその趣味から「貴族」と渾名され、
永瀬はその勝負に徹する姿勢から「軍曹」と呼ばれる。

順位戦は両者の持ち時間6時間で、
対局は深夜に及ぶことが多い。

その夜の11時ごろ、
佐藤が約30分間ずつ2回、
マスクを外して盤に向かった。

その模様は、
リアルにテレ朝チャンネルで放送されていた。

2月に臨時対局規定が制定されていて、
マスク着用が義務づけられている。

佐藤の行為はこのルールに反するとして、
日本将棋連盟の鈴木大介常務理事から、
反則負けが言い渡された。

鈴木も20歳でプロ入りした48歳の九段。

最近は「見る将(みるしょう)」などと言われ、
自分で将棋は指さないが、
見るだけの将棋ファンがいる。

そんな人たちも含めて、
将棋界は騒然としている。

マスク規定は付け加えている。
判定に不服があれば1週間以内に提訴できる。

そこで佐藤九段はA4版4枚の提訴状を出した。
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ここでまた騒然。

成り行きはどうなるかわからない。

佐藤がかわいそう、という同情論。
ルールは守るもの、というある意味の正論。
マスクはもう必要ない、という暴論。
永瀬は卑怯だ、という中傷。
連盟が悪い、という体制批判。

YouTubeで私もこの瞬間を見た。
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しかし将棋の勝敗はあくまでも、
盤上で決められるべきである。
私はそう考えている。

ただ、それだけだ。

盤外作戦など、邪道である。

商売に勝ち負けはないが、
その優劣があるとすれば、
店頭で、顧客によって、
決められる。

同じことだ。

盤上以外のことは、
よく話し合って、
理解し合って、
解決してほしいものだ。

マスク着用は、
対局する棋士を守るためのルールだ。
その盤外ルールによって、
守るべき棋士が負けと判定されるのは、
おかしい。

外野からの声も、
必要ない。

商売も、
売れさえすれば何をしてもいい、
という考え方には、
反対したい。

〈結城義晴〉

2022年11月01日(火曜日)

「二木英徳を偲ぶ会」の「現場の英雄」と米国チェーン「合併の軌跡」

11月に入った。

霜月。
霜が降りるようになる月。

November。
ラテン語の「Novem(ノウェム)」に由来する。
そしてNovemは9。
つまり9番目の月。

ローマ時代には3月から1年が始まった。
だから現在の11月は9番目の月だった。

あと2カ月。

新型コロナはやや収まりを見せたけれど、
ウクライナ戦争は、
終わる気配さえ見えない。

寒い季節になる。

戦場は過酷な時期だ。

今週木曜日の3日は文化の日。
来週月曜日の7日は立冬。

11月下旬に入って、
11月23日は勤労感謝の日。
今年は水曜日。

そして翌日が、
欧米では感謝祭。
サンクスギビングデー。
その翌日がブラックフライデー。

商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
11/18から10日間・500店舗でブラックフライデー開催

11月に入って、
イオンが発表した。
今年のブラックフライデー。
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11月18日(金)から27日(日)まで。

イトーヨーカ堂は10月31日に発表して、
11月15日から27日まで。

あと出しジャンケンで、
遅れてスタートする。

自信の表れか。

イトーヨーカ堂は、
衣料や住居関連の101品目、食品53品で、
合計154 品目。
アイテム数は昨年の約1.5倍。

しかしイオンは、前年の1割増で、
最大約1400品目を展開。

10倍である。

イオンのあと出しジャンケンの自信は、
ここに現れている。

故二木英徳さんを偲ぶ会。
帝国ホテルで開催された。IMG_66982
イオン㈱名誉相談役。
元ジャスコ㈱代表取締役社長。
元日本チェーンストア協会会長。
財団法人日本体操協会会長。

今年8月10日、逝去された。

孔雀の間に遺影が三点飾られた。IMG_66592

三つの年代の二木英徳(ふたぎひでのり)さん。
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一人ずつ献花して合掌。
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隣の部屋では故人の一生を展示で見せてくれた。IMG_66962

右手には大スクリーンでビデオが流された。
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現在のイオンは、
1970年の三社合併によって生まれた。
岡田屋、フタギ、シロ。

二木さんはそのフタギの創業家の出身で、
岡田卓也名誉会長相談役と、
手を携えてジャスコ、イオンを成長させてきた。

東京大学経済学部を卒業し、
フタギに入社すると、
三社合併から14年後、
ジャスコ㈱の代表取締役に就任。
48歳だった。
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その後、60歳の1996年まで、
社長として成長と革新を担った。

1995年には、
イトーヨーカ堂の鈴木敏文さんの後任として、
第12代日本チェーンストア協会会長就任。
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1993年に全日本新体操クラブ連盟を設立し、
初代会長に就任。

新体操というスポーツを世に出した立役者だった。

その後、2001年には、
公益法人日本体操協会会長。
国際体操連盟第1回功労賞受賞、
国際体操殿堂入りも果たしている。

会場に展示された自筆のノート。
実に几帳面にきれいな字で書かれている。IMG_66832
それからペガサスクラブのテキスト。
メモ書きが入っていて、
よく勉強したあとが見られる。IMG_66852

その1976年のテキスト。
マークする米国スーパーマーケット企業。
商品はラルフとアルバートソン。
マネジメントはラッキー、
戦略はアルバートソンとボンズ。

二木さんがご自身で、
マネジメントと戦略の項目に、
ラルフと書き加えている。IMG_66842
しかしラルフはクローガーに買収され、
ラッキーはアルバートソンに買収され、
ボンズはセーフウェイに買収され、
そのセーフウェイはアルバートソンに買収され、
最後にアルバートソンがクローガーに買収された。

ここに並んだチェーンは今、
全部、クローガーの傘下となった。

そしてここには、
クローガーの社名は入っていなかった。

ああ。

イオンはクローガーに似ている。
私はそう言い続けている。

クローガーは合併のマネジメントに長けている。

「ジャスコ」の社名は、
社内公募によって決定されたが、
その提案者が二木榮海さん。
二木英徳さんの奥様だった。IMG_66822

ビデオでは内村航平選手がコメントした。
「もう本当に素晴らしい方だなって思いました」  IMG_66892

 

二木さんご自身の発言の映像も。IMG_66912

その二木さんはジャスコ社長時代、
「現場の英雄」という言葉を使って、
育成キャンペーンを展開した。IMG_66952

「現場の英雄」

素晴らしい。

会場入り口では、
岡田元也イオン会長が、
主催者として出迎えてくれて、
久しぶりに話した。

会場では、
井出武美イオンリテール㈱社長と会って、
イオンスタイル天王町の話をした。

私は二度、二木さんの前で、
講演したことがある。

思い出して、ひどく恐縮した。

二木英徳さんを偲ぶ。
実にいい会だった。

「現場の英雄」は、
まだまだ続々と生まれている。

ご冥福を祈って、合掌したい。

〈結城義晴〉

2022年10月31日(月曜日)

ウォルマートの「Black Friday」と小平奈緒の「技術と言葉」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊹]

2022年第44週。
今日が10月最後の日。
明日から11月。

そして今日はハロウィン本番。

韓国・ソウルのイテウォンの雑踏事故は痛ましい。
それでも日本の東京・渋谷や大阪・ミナミには、
仮装した若者たちが続々と集まった。

行動制限のないハロウィンは3年ぶり。
それを楽しみたいという気分はわかる。

朝の通勤のとき。
保育園か幼稚園か、
子どもたちがハロウィンの仮装をして、
列を組んで道を歩いていた。

ほほえましい光景だ。

そんなことが日本中で行われた。

ハロウィンはいまや、
クリスマスに次ぐ欧米流のイベントになった。

ハロウィンが終わると、
アメリカではサンクスギビングデーに向けて、
全国的にプロモーションが展開される。

日本でもブラックフライデー販促は、
前倒しで企画されている。

商人舎流通スーパーニュース。

イトーヨーカ堂news|
ブラックフライデー11/15開始・品目前年比1.5倍

11月15日(火)から11月27 日(日)の13日間、
イトーヨーカドー126店舗で。

イオンからはまだ発表されていない。
昨2021年は11月19日(金)から28日(日)まで、
全国の約500店で展開された。
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今年は何を、どう仕掛けるか。

ウォルマートnews|
11/7からBlack Friday Deals for Daysセール開催

米国のウォルマートは今年も、
ブラックフライデーの前哨戦を、
11月7日から毎週月曜日に行う。
「Black Friday Deals for Days」
(ブラックフライデー・ディール・フォー・デイズ)

イベントのスケジュールが参考になるだろう。
[第1弾]
ECは11月7日19:00~11月13日。
(有料のウォルマート+会員は、
11月7日12:00から優先的にアクセスできる)
店頭は11月7日~11月9日。

[第2弾]
ECは11月14日19:00~11月20日。
(ウォルマート+会員は11月14日12:00~)
店頭は11月14日~11月16日。

[第3弾が本番]
ECは11月21日19:00~11月27日。
(ウォルマート+会員は11月21日12:00~)
店頭は11月21日~11月25日。

[第4弾]
ECのみで11月28日の、
サイバーマンデー・セール。

ハロウィンが終わったら、
11月はブラックフライデーを目指す。

日本にはそのまえに、
11月23日の勤労感謝の日がある。

ブラックフライデーの感謝祭と結びつけて、
「感謝セール」の連弾とするのがいいだろう。

それが終わったら、
クリスマスから年末商戦へ。

商人にとって慌ただしい2カ月間である。

朝日新聞「折々のことば」
第2543回。

考えを言葉にする
という空間を
みんなで共有することで、
言葉に深みが生まれ、
思考も育まれました
(小平奈緒)

全日本距離別選手権8連覇で、
有終の美を飾ったスーパースケーター。
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もったいないとも感じるが、
実力ナンバー1で現役を去る。

その潔さ。

「シーズンオフには
監督が開く”技術討論会”で、
コーチや仲間と
技術を言葉に落とし込む作業に取り組んだ」

技術を言葉に落とし込む。

「プロセスを人と共有することで
思考が別の軌道に入り、
視野が広がってゆく」

これは「実践と理論」の関係そのものだ。

技術という実践を、
言葉という理論に、
落とし込む。

プロセスを、
コーチや仲間とぶつけ合う。

これは[発散的思考]と[集中的思考]の、
組み合わせである。

前者の[発散的思考]は、
限られた資料や手がかりから、
いろいろな新しい考えを作り出す働き。
創造性の開発において重視されるものだ。

野中郁次郎言うところの[ワイガヤ]である。

後者の[集中的思考]は、
多くの資料や発散的思考を評価して、
論理的に筋道を立て、
一定の結論を導き出す働きである。

小平奈緒チームは、
これをやっていた。

それによって技術が高まり続けた。

ブラックフライデーにも、
そのあとの年末商戦にも、
技術を言葉に落とし込むことは、
必須である。

「仮説と検証」も結局のところ、
商売の技術を言葉に落とし込むことだ。

編著者の鷲田清一さんは、
小平奈緒を評する。
「芯が勁(つよ)くて頭は柔らかい人」

知識商人につながる人物像である。

これはぜひ、やってほしいことだ。

では、みなさん、
今週も、プロセスを共有しよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年10月30日(日曜日)

バファローズ日本一と二所ノ関部屋の「Innovation」

ハロウィン・イブ。

日曜日がハロウィン前日で、
本番ハロウィンは月曜日。

盛り上がりは異常なほど。

韓国・ソウルの繁華街・ 梨泰院(イテウォン)では、
ハロウィン前々日に大事故が起きた。

狭い街に10万人が押し寄せていた。

群衆は将棋倒しとなって、
死者154人、負傷者132人。

コロナパンデミックのストレスが、
世界中に溜まっている。

一方、
第73回プロ野球日本選手権シリーズ。
その年のプロ野球日本一を決める試合。

オリックスバファローズが優勝した。
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東京ヤクルトスワローズに、
対戦成績4勝2敗1引き分け。

最終戦もシーソーゲームで、
5対4の1点差の試合だった。

その最終ゲームの最後の一球。nihonsiri-zu1
三振でゲームセット。

子どものころなど、
日本シリーズが始まると、
ワクワクして眠れなかった記憶がある。

しかし最近は関心が薄れていた。

とくにどこのファンということもなく、
応援するチームがなかった。

けれど、なぜか今年は違った。

わからない。

バファローズの日本一は、
前身の阪急ブレーブス時代を含めて5回目。

オリックスと名前が変わってからは、
1996年以来26年ぶりのことだった。

その26年前は、
プロ5年目のイチローがいた。
監督は仰木彬(あきら)だった。

2000年オフにイチローが、
大リーグに去ってから、
オリックスは停滞し始めた。

そして2020年に中嶋聡監督就任。

中嶋聡(53歳)は、
1987年に阪急ブレーブスに入団。
スター選手ではなかったが、
強肩、強打、俊足の捕手だった。

その後、西武ライオンズ、
横浜ベイスターズ、
北海道日本ハムファイターズと転々。

現役選手としての一軍実働年数は29年で、
工藤公康と並んで日本プロ野球最長記録。

その後、ファイターズのGM特別補佐に就任。
サンディエゴパドレスに派遣され、
コーチとして傘下球団を巡回して勉強した。

2019年、オリックスの二軍監督に就任、
2020年途中から一軍監督。

すぐに昨2021年と今年22年に、
パリーグを制覇した。

さらに今回、日本シリーズを制した。

現在のバッファローズには、
コーチが23人いる。
多い。

投手は「育成」という実質的な3軍を含めて、
44人も抱えていて、
競争が激しい。

日本シリーズの檜舞台でも、
若い投手陣がどんどん使われ、輝いた。

21歳の宮城大弥(背番号13)、
23歳の宇田川優希(96)、
24歳の山﨑颯一郎(63)。

野手では、
20歳の紅林(くればやし)弘太郎(31)、
21歳の太田椋(24)。

彼ら若手を中嶋監督が、
積極的に起用した。

若手たちは先輩に学んだ。
投手はエースの山本由伸(よしのぶ)を見習った。
その投手四冠の山本も24歳だ。

野手では吉田正尚(まさたか)が手本となった。

若い人財が躍動し、
リーダーが存在した。

イチローのDNAを継承していた。

そして大黒柱の山本由伸を欠いても、
スワローズに勝ち切った。

私はそんなバファローズに、
組織や人財の質を感じたのだと思う。
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もちろんスワローズも、
高津臣吾監督のマネジメントは秀逸だった。

22歳の村上宗隆は三冠王を獲った。
山田哲人はリーダーシップを発揮した。

だからこのシリーズは、
面白かったのだと思う。

ビジネスも商売も、
チェーンストアも、
若い組織、若い人財が必要だ。

10月27日の日経新聞。
「二所ノ関寛さん
大学院の学び生かし角界に新風」

元横綱稀勢の里。
1986年茨城県牛久市生まれ。
2002年に入門し、
2017年に第72代横綱に昇進。
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19年に引退すると、
2021年3月に早稲田大学大学院に入った。
スポーツ科学研究科を修了して、
昨21年12月、年寄二所ノ関を襲名。
今年22年5月に自前の部屋を開設。

その茨城県稲敷郡阿見町の二所ノ関部屋には、
土俵が2つある。

これまでの相撲部屋では、
土俵は一つだった。
稽古をするといっても、
弟子たちは順番を待ち、
見ている時間のほうが長かった。

二面の土俵は、
稽古時間が二倍になる。

合理的だ。

さらに相撲部屋では通常、
朝稽古前に何も食べない。

しかし大学院時代に、
空腹状態で練習をするスポーツは、
相撲くらい、と知った。
今、二所ノ関部屋では、
うどんなど消化の良いものを食べてから、
稽古を始める。

サプリメントによる栄養補給も、
専門家の指導のもとで取り入れた。

筋力トレーニングにも注目し、
土俵わきに専用ルームを設けた。

ビデオカメラを活用して、
動作解析もする。

弟子のケガを防ぐためだ。

これだけの設備を整えるには、
都内では土地も確保できない。
そこで茨城の阿見町に部屋をつくった。

さらに企業による支援体制も固める。
地元茨城の企業だけでなく、
全国的に有名な企業にも後援してもらう。

一言で言えば、
「相撲部屋を経営する」

これは大学院で学んだことだ。

野球チームをマネジメントする。
相撲部屋を経営する。

そのために新しい組織が必要だ。
若い人財も求められる。

スポーツの世界にも、
イノベーションが起こっている。

そのイノベーションが、
勝利を引き寄せ、
それがまた少しずつ、
人々を惹きつけているのだと思う。

組織とイノベーション。
そのための学習と経験。

仕事も商売も同じだ。
うれしいことだ。

〈結城義晴〉

2022年10月29日(土曜日)

「欠点なき店よりも特徴ある店を」倉本長治

私の机の周辺にある書物の数々。

それらをパラパラをめくりながら、
一日のある時間帯を過ごす。

これは至福のときだ。

福澤諭吉、
松尾芭蕉。

ランボー、
アラン。

そして倉本長治「商訓五十抄」
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発行人は結城義晴。
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「欠点なき店よりも特徴ある店を」
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人間にも完全な人格者というのは無い。

お互いに諸々の欠点を
背負って生きているのだが、
商店においても同様である。
その欠点を恥じることはない。
むしろ恥ずべきは何等(なんら)、
これといって特徴のない姿である。

商店がお客を惹き付ける魅力は、
ことごとくこの、
特徴のいかんによるのであって、
ソレがどんな特徴でもよいから、
他店と断然違うという
独自の性格を打ち樹(た)てよ。

値段ではヒケをとらぬとか、
常に眼新しい品が揃っているとか、
店そのもののムードが、
他店と異なるとかいう風なものでよい。

その特徴が店の欠点である場合にさえ、
小売店というものは、
ソレを繫昌の要素とすることが、
出来るからである――。
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これはポジショニングを言い当てている。

人間の欠点、
その集団や組織の欠点。

店の欠点。
売場の欠点。

商品の欠点。
サービスの欠点。

それらさえも、
自らの特徴として、
繁昌の要素とすることができる。

商売は人間そのものだ。
そして商売は素晴らしい。

私の「ポジショニング戦略」も、
この長治先生のごとく、
平易に語られねばならない。

反省しつつ、感謝。

〈結城義晴〉

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