結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年04月19日(日曜日)

“Stay Home!”の「獄中記」とコロナ戦争「最前線」

小池百合子東京都知事。
“Stay Home!”
13719543_527189744132568_890202505622855228_o

今日は一歩も外に出ずに、
家の中で原稿執筆。IMG_62120

さて。
IMG_62130

書きます。
速いのです。
IMG_62080

書いては、考える。
IMG_62090

しかし、やっぱり悩む。
考える。
IMG_62170

書くことは、考えることです。IMG_62150
そしてそれは楽しい。

朝日新聞「折々のことば」
その第1789回。

どれほど書き続けても
まだ余白がある、
そんな紙のような心を
持ちたいものだと思う。
(ドナルド・キーン随想集『黄犬交遊抄』から)

「自分の心は”一枚の紙”のようだ」
キーンさんの言葉。

「90歳を前にしてこの紙には
ずいぶん書き込みがあるが、
それでもまだまだ知りたいことがある」

凄い。

「知らないものに惹(ひ)かれる。
わからないものをわからないままに
できるかぎり正確に迎え入れたい」

編著者の鷲田清一さん。
「そのような思いが、この人が漂わせた、
こよなく折り目正しく寛(ひろ)い気配の
源にあったのか」

こよなく折り目正しく寛い気配。
私たちにも必要だ。

今日の「天声人語」
こちらも朝日新聞。

「集中して勉強するのに適した場所は
どこかと問われれば」

自宅か。
図書館や喫茶店か。
「めったに入る機会はないけれど、
ここもなかなかいいと言われる場所」

「監獄である」

おお。

大正期のアナーキスト大杉栄は、
何度も監獄に入れられて、
その獄中の時間の多くを語学にあてた。

「”一犯一語”を目標に、
国際語エスペラントから
イタリア語、ドイツ語と続けた」
41dWx-Nr9rL._SX334_BO1,204,203,200_
著書『獄中記』に書いている。
「6カ月目には辞書なしで
かなり読めるようになるものだ」

あれも読みたい、これも読みたいと考える。

大杉。
「どうかしてもう半年
増やして貰もらへないものかなあ、
なぞと本気で考へるやうになる」

コラムニスト。
「逆境でも、ユーモアを失わない人である」

今の私たちに似ている。

「ここは獄中の
大杉の境地に立ってみるのも
悪くない」

同感だ。

しかしこのコロナ禍。

売場に立つ商人たちは、
幸か不幸か監獄の中にはいない。

いるのは戦場だ。
それも最前線である。

日経電子版「経営者ブログ」
宮内義彦さん。
オリックス㈱シニア・ファウンダー。
about-photo-miyauchi
「新型コロナ対策は今や、
戦争だと言われています」

「国家と国家が戦うのではなく、
人類全体が見えざる敵を迎え撃つ、
これまでに経験したことのない
“新しい戦争”に突入したのです」

「この戦争は、
人類対新型コロナの
全面対決」

国と国との戦争のときには、
獄中にいることなど許されない。

が、不思議なことに、
今回の対コロナ戦争の、
前線以外の「後方の役割」は、
獄中で耐えることに似ている。

宮内さん。
「どんな課題に挑戦するにも、
先制する、
総力をあげる、

この2点は鉄則です」

「小出しの対策や時間の遅れは、
致命的なダメージとなります」

戒めるべきは、
「too little, too late」
「少なすぎるし、遅すぎる」

「国の総力を挙げて
切り抜けるべきだと信じます」

それは戦場の最前線と、
後方の獄中での忍耐。

宮内さんは指摘する。
「今回の戦いの
経済面における被害者は
国民全体といえ、
そのなかでもサービス産業と
その関係者が徹底的に
犠牲となっています」

小売サービス産業だ。

「まずすべきことは、
これら国民や企業を救うことです。
複雑な手続きなしに、
早急に現金が手渡されねばなりません」

財政側が難色を示している。
しかし、宮内さん。
「古今東西、非常時においては
財政への配慮は二の次、三の次、
いや配慮しない場合が多いのです」

通常、戦争の費用は、
破壊のために用いられる。

しかし、
「”コロナ戦争”で必要な費用は、
感染の防止と生活の補てんが目的です。
すべて建設的な経費なのです」

「私は、これら経費は
何ら躊躇することなく支出し、
勝利を目指すべきだと強く思います」

まったくその通り。

コロナ戦争の最前線にも、
後方で耐える獄中にも、
躊躇することなく支出することだ。

今、考えたり、書いたりしていると、
必ずここに至る。

折り目正しく寛い気配でいると、
必ずコロナ戦争の闘い方を考える。

最前線も後方の獄中も、
心を一つにしたい。

〈結城義晴〉

2020年04月18日(土曜日)

結城義晴jogging再開とウサイン・ボルトの”Social Distancing”

テレワークつづきの毎日。
ジョギングを再開した。

日本陸連には指導者資格制度がある。
その公認指導者から直接、教わった。
30年近くも前のことだが、
そのころジョギングを日課にした。

アメリカやヨーロッパにも、
ウェアとシューズをもっていって、
早朝にジョギングした。

二月ゼミナールの早朝には、
箱根の山を走った。

10年くらい前までは、
自宅の周辺を走った。

まず15分ジョグしなければ効果はない。
15分後から代謝が促進される。

だから20分ルートから、
30分ルート、45分ルート、
そして1時間ルートを設定して、
使い分けつつ走った。

㈱商人舎をつくってから、
どういうわけか止めていたが、
それを再開した。

家を出て、
人がいない道を選びながら、
ゆっくりと走る。

速足歩行のスピードで、
ゆったりした速度で走る。
それがジョギング。

まずは仲手原2丁目公園まで。
ツツジの季節がやって来ている。
IMG_61830

武相高校の周辺を走る。
武蔵小杉の方面が見える。
IMG_61880

銀杏の木には新緑の葉が生える。
IMG_61900

篠原台町の瀟洒な家。
IMG_61960

篠原池公園。
IMG_62000

ここの銀杏の葉には黄色が混じっている。IMG_61970

青空の雲がオレンジ色に染まってくる。
IMG_62020

そして夕焼け。
IMG_61850

本当にゆっくり走ったら、
30分ルートが、
39分27秒12だった。
IMG_6207 (002)
それでも気分爽快。
人を避けて走るのも、
なかなかいいもんだ。

走ると言えば、
ジャマイカのウサイン・ボルト。
Usain Leo Bolt。

“The greatest sprinter of all time”
すべての時代を通して最速の短距離走者。
オリンピックでは、
北京、ロンドン、リオデジャネイロで、
100m、200m、4×100mリレーの3冠。

100m世界記録9秒58、
200m世界記録19秒19。
ボルトの記録は破られていない。

そのウサイン・ボルトが、
COVID-19感染拡大に対して、
自身のツイッターで訴えた。

“Social Distancing #Happy Easter”
img_0b454944bca05b9ec4bc6a95a19361e0212298
2008年の北京オリンピック100m決勝。
優勝したボルトのタイムは9秒69。

2位の赤いユニフォームは、
リチャード・トンプソン。
トリニダードトバゴのスプリンター。
タイムは9秒89。

二人のタイム差0秒20は、
2mの間隔があった。

ボルトは「Social Distancing」を訴えた。

素晴らしい。

私のジョグは、
ボルトのスピードとは、
比べようもない。

けれどどちらも、
ソーシャルディスタンシングは同じ。

自分と他者との距離を保ち続けて、
コロナ軍と闘いたい。

〈結城義晴〉

2020年04月17日(金曜日)

全国緊急事態宣言の非「論理性・科学性・合理性」と観察・分析・判断

河津桜。
季節は論理的・科学的に、
移り変わっていく。IMG_61450

COVID-19も。
202003_message

安倍晋三首相。
全国に緊急事態宣言。
20200601sei_yoto01abe
緊急事態宣言は、
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく。

総理は首相官邸で記者団に語った。
「最低でも7割、極力8割、
人との接触を減らしてもらいたい」

この言い方は、
極めて曖昧模糊としている。
無責任な発言だ。

「最低7割、極力8割」

このブログにT.Mさんからの投稿があった。
「たった一人の朝礼」のT.Mさんだと思う。

「コロナ感染の終わりが見通せない今こそ
『観察』『分析』『判断』の
原理原則に立ち返ってこれを
徹底するべきではないでしょうか」

「とりわけ
『判断』の第一段階である応急措置、
つまり感染拡大の食い止め対策で
総理大臣はつまずいている気がしてなりません。
コントロールできていないのです」

「感染拡大を食い止めない限り
『判断』の第二段階すなわち
再発防止策の実施に行き着きません」

「どこの都道府県を
緊急事態宣言の対象にするとかしないとか、
対人接触を何割~何割減らすとか
曖昧なコメントを発している場合では
ないと思うのです」

「数値と状態とについて明確な目標を掲げ、
どのようにしてそこに辿り着くかを
私たちに熱く真摯に語り掛け、
全国民を一つにして解決に導くことは
総理はじめ行政トップにしかできない
大事な仕事でしょう」

「チェーンストアのことは
さて置くとしても、
問題解決のための原理原則、
けん引する人の役割、
言葉が持つ意味の統一など、
私たちは数えきれないほどの事柄を
故渥美先生から学びました」

「私たち商業や飲食業に携わる者は勿論、
交通機関や食品製造に関わる人々など
今まさに自らの命を賭して
働いているのです。
総理、どうかそのことを
お忘れなきようにお願いします」

私は返信した。

「T.Mさん、同感です。
観察・分析・判断も、
仮説と検証も、
Plan-Do-Check-Actも、
現在の安倍政権には必要です。

仕事の原理原則です。

COVID-19はあくまで、
私たちに科学的に襲い掛かってきます。
だから私たちもあくまで
科学的に対処しなければなりません」

渥美俊一先生の最後の本と言っていい。
「チェーンストア組織の基本」
41n4I+LzdQL._SX331_BO1,204,203,200_
その第3章は「組織の動かし方原則」
1 命令の与え方
2 マニュアルづくり
3 責任と義務
4 責任制度
5 観察・分析・判断
6 責任の評価方法

「命令の与え方」や「責任と義務」、
「責任制度」「責任の評価方法」などは、
アンリ・ファヨールを模して、
時代錯誤だが、
「観察・分析・判断」の考え方は正しい。

鈴木敏文さんの「仮説と検証」は、
PDCAそのものである。

そしてPDCAの「Check」は、
「観察・分析・判断」の「観察・分析」であるし、
「判断」は最初の「Plan」と、
最後の「Act」のためのものだ。

Checkや検証を「観察・分析」とした。

あくまで論理的に考えるならば、
安倍首相の全国への緊急事態宣言は、
不徹底であるし、遅い。

COVID-19の感染拡大で、
東京都をはじめとする7都府県に、
緊急事態を宣言した。
4月7日のことだった。

論理的に考えるならばその時点で、
国民の他地域への移動を完全に止めるか、
あるいは全国に緊急事態を宣言するか。
どちらかの施策を講じなければならない。

日本は全国的に県が隣接しているからだ。

結局、全国に、
緊急事態宣言を発令することになった。

COVID-19はウイルスだから、
あくまで科学的・論理的に広がる。

それを止めるのは、
あくまで科学的・論理的な人間の態度だ。

「最低7割、極力8割」

これは気分の発言だ。
たとえ気分の問題だとしても、
「最低7割、極力8割」と言ってはいけない。

「絶対に8割」だ。

政府の専門家会議の学者たちは、
サイエンティストのはずである。

だから「8割」の意味は「絶対8割」だし、
論理的に捉えるとしたら、
「人との接触を10割なくせば広がらない」。

確率の問題もあるし、
政治として国民を動かすのだから、
10割は不可能だが、
「絶対8割」の発言は必要だ。

アベノマスクも配られ始めたし、
「国民1人あたり10万円」も給付するようだ。

はじめは減収世帯に30万円支給だったが、
この措置は撤回された。

10万円支給に対しても、
麻生太郎財務相は、
「要望される方、手を挙げる方に配る」

開いた口が塞がらない。
無責任極まりない。

「奥さんと子どもが二人いれば40万円」
布マスクは1住所当たり2枚配給なのに、
一律10万円には世帯発想はないのか。

そのために、
2020年度補正予算案を組み替え、
4月20日の閣議決定をめざす。

一律10万円給付を単純計算すれば、
12兆6167億円の財源が必要になる。

今年度の国家予算。
一般会計の歳出総額は102兆6580億円。
昨年度より1.2%増。
2年連続で100兆円を突破。

それを3月27日に成立させたばかりだ。
新型コロナ対策予算は、
盛り込まれていなかった。

一律10万円支給総額は、
国家予算と比べると8%に当たる。
その金を国民一人ひとりに、
それこそ「ばら撒く」ことになる。

たとえば7都府県に対して、
集中的にロックダウンのような形をとる。
いわゆる「不要不急」の業種業態に、
営業休止を半ば強制して、
完全な「補償」を「保証」する。
そのための財源とする。

それが安全の「保障」である。

論理性不在、
科学性皆無。
合理性絶無。

観察・分析・判断はない。
仮説と検証も、
Plan-Do-Check-Actもない。

残念至極。

糸井重里さんが命名した「コロナ軍」は、
高笑いしているに違いない。
202003_cover

翻って、私たちの仕事、
私たちの生活だけは、
観察・分析・判断やPDCAサイクルを、
徹底したい。

徹底とは、
詳細に、
厳密に、
継続すること。

こまかく、
きびしく、
しつこく。

そこんとこ、よろしく。

〈結城義晴〉

2020年04月16日(木曜日)

大原孝治ドンキ前社長との会談と鈴木敏文氏の「大変化の大仕事」

去年の今週、
マスターズトーナメントが開催された。
タイガー・ウッズが復活優勝して、
世界中が歓喜の嵐に包まれた。IMG_49529-448x232
あれから1年。

世界中が変わった。
COVID-19のパンデミックによって。

今年はマスターズもこの時期の開催は中止して、
11月に延期された。

その11月にも実施できるかどうか。

朝日新聞の天声人語。
「働く人の間で、テレワーク格差、
さらにはコロナ格差とでも言うべきものが
生じているのではないか」

「非正規雇用だからと
理不尽な働き方を強いられる」

「感染防止のために業務を止めたくても、
発注元の会社が許してくれない、
そんな話も耳にする」

コラムニスト。
「全ての企業や組織が問われている」

「そして何より政府が、
休業する人への支援に力を入れなければ
社会が壊れてしまう」

「危機が、
以前からある矛盾を
浮き彫りにしている」

同感だ。

会社の業績が悪くなると、
それ以前からあった社内の矛盾が、
浮き彫りになってくる。

コロナ危機は、
その超巨大な社会現象でもある。

今日は夕方から、
大原孝治さんに会った。
㈱PPIHの前代表取締役社長。
ドンキの社長と言った方がわかりやすい。
IMG_20310
PPIHは「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」。

ドンキのオーナーの安田隆夫さんとは、
㈱商業界の取締役編集統括時代に、
二人だけで食事したこともあったが、
大原さんとは初めてだった。

実に楽しい時間となった。

小学校・中学校の頃は野球少年。
そのあとは20歳代までボクサー。

だから今も体がしまっているし、
頭はストイック。

1993年にドン・キホーテに入社して、
第1号店の府中店に配属される。

モノの本質にすっと入っていく。
そんな感じの人だ。

だからすぐに店長となって、
木更津店・幕張店・市原店を、
次々に立ち上げる。
1995年には取締役第二営業本部長。

その後、子会社の社長を歴任し、
2013年、ドンキホーテ社長、
ホールディングス副社長。

以来、6年間、
安田オーナーと二人三脚で、
会社を1兆円規模にまで大きくしてきた。

2014年、ホールディングス社長、
2019年、ユニーを傘下に入れて、その会長。
そしてこの年、
第43回経済界大賞優秀経営者賞受賞。

昨2019年9月25日、社長を辞任し、
ドンキ関連の全役職を退任した。

今は、まったくの「無印良品」。

商売の本質に関して、
一致するところが多くて、
すぐに意気投合した。
「ポジショニング戦略」も、
私と同じ考え方だった。IMG_20330
ありがとうございました。
長い付き合いになりそうだ。

さて、日経電子版の4月12日。
「元セブン会長のリーダー論」
鈴木敏文さんが登場。
セブン&アイ・ホールディングス元会長。
515myLqVuSL

面白い。

「コンビニの父」とも言われるが、
2016年に退任して、
現在はホテルニューオータニのオフィスで、
「静かに過ごしている」。

インタビュアーは、
慶應義塾大学学生の山田璃々子さん。

鈴木さんは語る。
「変化があればあるほど、
仕事がある」

いいねえ。

今は1年前と、
大きく変わった。

2019年から2020年までに、
大変化が起きた。

そのときには、
大仕事がある。

大変化のときの大仕事。

セブン‐イレブンを始めた時、
周りから反対された。

「皆に反対されることの方が、
逆にすごくやりがいがあるんだよ。
皆が賛成するということは、
他人も同じことを考えるでしょ?
それは競争相手が多いということ」

「銀行をやろうとしたときも皆反対で、
メインバンクの頭取が
“小売企業に銀行なんてできませんよ”と
わざわざ忠告に来られた」

「でも僕は別に
都市銀行を作ろうなんて思ってない。
例えば銭湯へ行くついでに
お金を下ろしたり入れたりすることが
できたら便利だろうなって、それだけ」

この素朴な発想が鈴木流だ。

自分で決めることについて。
「僕は社長をやっていた頃は、
ものすごく厳しいと言われていたの。
でも、新しく始めたことのほとんどは
自分で発想したものをまわりの皆に
やってもらっていたんだよね」

「”鈴木というのは厳しい”と
まわりから思われつつも、
ついてきてくれる人がいたから、
やってこられた」

そしてリーダー論。
「多数決で決めるのはリーダーじゃない」

「何年も社長をしてきて思うのは、
リーダーというのは決めることが大切。
ものすごく抽象的だけど」

「全員が仲良くてなんていうのは
リーダーじゃない」

「全ての責任を持って決定すること。
決められない性格だったら
リーダーになるべきじゃない」

「ボトムアップ型の組織って言うでしょ?
僕はね、皆の意見を聞いて、
多数をとるというのは、
ボトムアップではないと思う」

「10人いて、A案が6人、B案が3人、
C案が1人だから
A案がよかろうというのは違う」

「自分の方針をきちんと出した上で、
その方針に賛同する人から
様々な意見を得ることがボトムアップ」

「リーダーが方針を出さないボトムアップでは、
組織は成り立たない」

「リーダーがきちんと決められるなら、
厳しいと思っていても人はついてくる」

良いリーダーになるためには、
「自分で決める習慣を付けていけばいい。
そのためには、前提として
公平であることが大事。
あの人の意見だけ聞くとかはダメ」

社長の役割は決めること。
鈴木さんはそれが言いたかった。

このインタビューを読んでもわかる。
鈴木敏文さんは不思議な言い回しをする。
しりとりのように語る。

決して三段論法ではない。
つまりあまり論理的ではない。

しかし大変化のときの大仕事は、
社長やトップが決断するしかない。

これは確かだ。

〈結城義晴〉

2020年04月15日(水曜日)

「行ってきまーす」の明日への希望

「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭エッセイは「今日のダーリン」。
p_itoi-448x484

「みんなが”その場を動かないで”
と言ってるときに、
動かなくてはならない人がいる」

これをテーマに歌を創ろうとした。
もちろん作詞担当で。

そこで病院に行くお母さんが出てくる。
「家のなかにいるこどもに
“行ってきまーす”と言って、
出かけようとしている女性」

「こどもたち 行ってきます
いいこでいてね」

そんな一行をノートに書きつける。

「この人はどこへ行くのかといえば、
仕事場に行くのだ。
最初のイメージでは、
その仕事場とは病院だ」

「そして、その人にも、
同じようにこどもがいたりする。
さらには、その、
病院に向かうおかあさんに代わって、
こどもを世話してくれる
保育士さんがいる。
そして、その保育士さんにも
こどもがいて…。」

「みんな、いちばん大切な
かわいいこどもに、
せいいっぱいの笑顔を向けて、
“行ってきまーす”
と言ってるのだろう」

同じように、
物を運ぶトラックの運転手さん。
鉄道の線路の保守点検をしている人たち。
デリバリーの食事をつくっている人。

「そういう人たちと、
そのこどもたちのことを想像した」

いい話だ。
糸井さんの歌が完成することを祈りたい。

私もこの発想から、
イメージが広がった。

春キャベツ。
HIRA92_kyabetu_TP_V

農業を営む若いお父さんとお母さん。
秋に種を撒いて、
春に収穫する。

内部まで黄緑色を帯びて、
みずみずしくて、
味のよい春キャベツが育つ。

それを収穫する。

朝、子どもたちに、
「行ってきまーす」と言って、
畑に出かける。

子どもたちは、
学校が休校だから、
うちにいる。

二人して一所懸命収穫する。

そのキャベツ。

軽トラックに積んで、
契約しているスーパーマーケットにもっていく。

お店の入り口に、
「産地直送」の売場がある。

そこにキャベツを並べる。

お店では店長さんがやって来て、
にこやかに挨拶してくれる。

その店長さんも、
朝、うちを出るときに、
子どもたちと奥さんに、
「行ってきまーす」

若いチーフも、
パートタイマーさんも、
キャベツの売場にやってきて、
「ありがとう」と声をかけてくれる。

若いチーフは、
朝、うちを出るときに、
お父さんやお母さんに、
「行ってきまーす」

パートタイマーさんも、
うちを出るときに、
子どもたちに、
「行ってきまーす」

そうやって、
産地直送の売場ができる。

新型コロナが感染拡大していても、
全員がマスクをして、
手洗いをして、
体温を測って、
仕事する。

売場にはお客さんがやって来る。
そのお客さんも、
うちを出るときに、
家族に言う。
「行ってきまーす」

こうして、
キャベツは収穫され、
運搬され、
売場ができて、
家庭に届けられる。

キャベツだけではない。
お魚もお肉も、
お惣菜も、
牛乳も卵もパンも、
菓子も加工食品も、
ドリンクも。

それぞれに「行ってきまーす」と、
朝、うちを出て、
働いた人たちの成果として、
生産され、製造される。

それを運ぶのが、
問屋さんや物流会社の人たちだ。
この人たちも家族に、
「行ってきまーす」

店に着いたら、
部門ごとに荷受けをして、
バックヤードに運び、
売場に陳列する。

みんな「行ってきまーす」と言って、
うちを出て、働いている。

在宅勤務はできない。

テレワークやリモートワークと言われる。
けれどそれができない仕事こそ、
いま、とても大切だ。

だからこそテレワークできる人たちは、
全員が徹底的にそれをやって、
一刻もはやく、
感染拡大を抑えたい。

いま、このときこそ、
一つひとつの仕事の大切さが、
実感される。

仕事こそが、
コロナウイルスと闘う時の、
私たちのよりどころになると思う。
礎になると思う。

その真剣さを見ていた子どもたちが、
真剣に考えて、
将来、自分の仕事を選ぶ。

それが私たちの未来だ。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それが「行ってきまーす」である。

〈結城義晴〉

2020年04月14日(火曜日)

「過熱報道への要望」と「コロナ・ワクチン」と「Just in House」

商人舎SuperNews。
スーパーマーケットnews|
3団体が過熱報道自粛を要請

全国的に異常事態宣言が発せられ、
営業自粛の要請を受けた業種業態。
逆にスーパーマーケットなど、
顧客が殺到する業態。
こちらの現場は疲弊している。

国民はストレスの極みにある。
理不尽なクレームをつける顧客もいる。

全員手袋せよ。
一人がレジを通過したら、
その都度消毒しろ。
セルフレジを入れろ。
野菜も果物もすべて袋詰めしろ。

激しく怒鳴ったり、
長々とまくし立てたりする顧客もいる。

あの店からコロナ感染者が出たといった、
デマやフェイクの情報が、
ネット上を駆け巡ったりもしている。

現場は本当によく頑張っている。

この現状を鑑みて、
3つの協会がマスコミに向けて、
過熱報道の抑制を要請した。

マスメディアも、
視聴率や部数や広告といった観点は、
二の次にして報道すべき時にある。

以って自戒とすべし。

スーパーマーケット3協会だけでなく、
出来ればもっと枠を広げて、
消費産業を挙げて、
アピールしていくのがいいと思う。

要請だけではいけない。

こういったことは利益抜きに、
自分都合だけでなく、
やり遂げるという決意を見せることも、
必要となる。

昨年末に掲げた2020年の商人舎標語。
「世のため、人のため。」

さて新型コロナウイルスのパンデミックに、
いいニュースと、
悪いニュース、
それを打ち消すニュース。

まず、いいニュース。

イギリスの「タイムズ」の報道を、
日経新聞が伝えた。
孫引きで恐縮。

オックスフォード大学の研究チームが、
新型コロナウイルスのワクチンを、
早ければ9月にも実用化する。

候補となるワクチンは、
4月中に臨床試験を始める予定。

リーダーのサラ・ギルバート教授。
「8割の確率で新型コロナに効く」
wVJeubs7
凄い。

一方、悪いニュース。
コロナウイルス感染から回復した患者が、
再発するケースがあるという研究発表。

これは深刻だ。

感染者数が減ったからといって、
ロックダウンを解除できない。

しかしそれに対する反論。
世界保健機関(WHO)の感染症専門家、
マリア・ファンケルクホーフェ博士。
〈UN Web TVより〉maria
再び新型コロナにかかった患者について、
体内のウイルスが再活性化したのか、
新たに感染したのかは不明、と発言。

テドロス事務局長も。
「新型コロナの感染は非常に速い一方、
減速はかなり遅い」

「規制はゆっくりと
解除されなければならない」

2020年の新型コロナは、
2009年の新型インフルエンザより、
「致死率が10倍高い」

だからこそ冷静に恐れよう。

さて今日は午後から、
横浜商人舎オフィスに、
㈱ダイエー出身のお二人がやって来てくれた。
DSCN94120

當仲寛哲さんは、
USP研究所代表取締役所長。
DSCN92750
もう、おなじみのITの超級専門家。

佐々木桂一さんは、
リテイリングワークス㈱代表取締役。
DSCN93030
ダイエーから、
㈱ジェーソンへ移籍し、
2003年、代表取締役社長。
さらに大黒天物産㈱副社長、
㈱富士薬品専務など歴任。

新型コロナのパンデミック。
この状況は日本の小売業をどう変えるか。
どう変わらなければならないか。

ソーシャルディスタンシングで大いに語り合った。

今日の私は聞き手に回った。
DSCN93480

充実した時間だった。
写真撮影の時だけマスクを外した。
DSCN94170
感謝したい。

最後に日経新聞「オピニオン」
[Deep Insight]
コメンテーターの中山淳史さんが書く。
「技術革新は家でも起きる」

フランスでは3月中旬から、
ロックダウンが続いている。
多数のレストランが閉鎖に追い込まれた。
そのなかでシェフたちが、
ある連鎖的な行動をとった。

それが反響を呼んでいる。

大切なレシピをインターネットで公開したのだ。

それに反応して、世界中の数百万人が、
ユーチューブやインスタグラムを閲覧し、
自宅で料理を楽しむようになった。

いい話だ。

南仏ニースの松嶋啓介オーナーシェフ。
ミシュランの一つ星を獲得した。
51s8hrgPwvL
松嶋シェフも「減塩レシピ」を投稿した。

「経済的な見返りは期待していない。
喜んでもらえればうれしいのと、
日ごろの問題意識をこの際知ってもらい、
食生活や習慣が変わる一助になれば」

素晴らしい。

コメンテーターは、
キーワードを提案する。
「Just in House」

テレワークを実施する企業は、
99カ国約4千社を対象にした調査で、
89%に達した。

「世界で起きているのは
オフィスや工場、学校から
家へのとてつもない規模での人口移動だ」

2020年以前のコンセプトが、
「ジャスト・イン・タイム」なら、
これからは、
「ジャスト・イン・ハウス」

巣ごもりやネスティングは、
コロナ禍の後の消費に、
大きく影響を与えるに違いない。

それができる人は、
家で仕事する。
家で食べる。
家で料理する。
家で楽しむ。

小売業はそれらを手伝う。
「ジャスト・イン・ハウス」

店は、だから、
ザ・サードプレイスであることを、
もっともっと追求しなければならない。

新型コロナワクチンの朗報は、
次の時代の仕事や事業を、
大きく広げてイメージさせてくれる。

貫かれるはずの、
「世のため、人のため。」は、
まったく変わらない。

〈結城義晴〉

2020年04月13日(月曜日)

ローマ教皇の「恐れることはない」と「我々の冷静な恐れ」

Everybody! Good Monday!
[2020vol⑮]

2020年第16週。
4月第3週。

月曜日だけれど、
曜日感覚が麻痺した感じだ。

安倍晋三首相の緊急事態宣言が、
先週火曜日の4月7日。

翌8日水曜日の午前0時から、
緊急事態が始まって、
東京都との間に食い違いがあって、
日本は混迷した。

その間も、感染者数は増え続けた。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計。
全世界のコロナ感染者数は今日11時で、
184万6963人。
死者数は11万4101人。

アメリカは感染者55万6044人で、
死者数2万2073人。

ニューヨーク市では昨日の12日夕方で、
感染者10万4410人、死者6182人。

全米の感染者の2割弱、
死者の4分の1を占める。

ああ。

一方、中国の情報は、
なぜか4月3日でストップしていた。
その時点で総感染者数8万1620人、
死者数3322人だった。
が、今日13日に中国政府が新情報を発表。
有症感染者の累計は8万2160人、
前日比108人増。

数字そのものは、
どこまで事実かどうかはわからない。

しかし中国・湖北省武漢市から始まった、
この新型コロナパンデミック。

その責任は永遠に消えることはない。
しかし感染拡大を抑制することはできる。
われわれは、
我々のやり方で、
それを可能とする。

バチカンのサンピエトロ大聖堂では、
フランシスコ教皇が、
「復活徹夜祭」の説教をした。
IMG_61240
今年のイースター(復活祭)は、
昨日の12日だった。

「恐怖に負けてはいけない。
これは希望のメッセージだ。
私たちに向けられた言葉だ。
神様はまさに今夜、
この言葉を繰り返される」

イースターは西暦30年に、
イエス・キリストが処刑され、
3日目に復活した日。

ちょうど1990年前のことだ。

その復活のときイエスは言ったとされる。
「恐れることはない」

復活徹夜祭には毎年、
数千人が集まる。

しかし今年は封鎖措置で、
誰もいない大聖堂で教皇は祈りをささげた。

恐怖に負けてはいけない。
ただし冷静に恐れること。

やれること、
やるべきことは、
やろう。
やれないことは、
やらない。

それがわれわれのやり方だ。

今日はテレワーク中の商人舎オフィスに、
福島道夫さんがやって来てくれた。
(株)ロピア前社長で現在、営業統括。IMG_61400

ソーシャルディスタンシングで、
2時間近くも話し合った。
IMG_61420
ありがとう。

さて、月刊商人舎4月号。
特集「真似る。」
202004_cover
特集のサブタイトルは、
「模倣の経営」の真贋

これはブログの愛読者の皆さんにも、
全員に読んでもらいたい特集です。202004_contents
特集のまえがきは、
「希少性と模倣困難性」
もちろん結城義晴。

それから商人舎特任研究員の嶋内仁。
「チェーンストア経営の模倣理論」
I

トップマネジメントはもちろん、
経営幹部、その幹部を目指す人、
店長やバイヤー、チーフまで、
必読の理論です。

さらに鈴木哲男「巨匠の提言」
真似る技術と模倣できない企業
suzuki-1

[店舗クリニック&徹底議論]
鈴木國朗×結城義晴
真似るな! 学べ!!
202004_suzukixyuuki_01

充実のラインナップです。
㈱商業界が自己破産して、
「販売革新」や「食品商業」が出ないから、
その分まで熱意を込めて編集した。

ご愛読をお願いしたい。

そして[Message of April]
創意を尊びつつ良いことは真似よ

創意を尊ぶ。
良いことを真似る。
その両方を行きつ戻りつしながら、
創造と模倣を進化させる。
これこそイノベーションである。

あるとき、
私は気づかされた。
故倉本長治は、
古き良き、美しき日本語を使って、
イノベーションを教えたのだ。

その倉本長治が創設した㈱商業界が、
2020年4月2日、
自己破産を申請して倒産した。
ずっと前にイノベーションが止まって、
そのコンセプトを信条とした会社が潰れた。

歴史の皮肉が顔を出したのだろうか。
企業存続の鉄則が貫かれたのだろうか。
見えざる神の手が働いたのだろうか。
時代がそれを要請したのだろうか。
はたまた自壊だったのだろうか。

ドラッカーが説くイノベーションとは、
新しい、より大きな富を生み出すことだ。
ここでいう「富」とは「人々の幸せ」である。
そして人々の幸せを願って仕事する限り、
会社や店が潰れることはない。

真似ることはイノベーションの一面である。
しかし誰も真似のできないほどの、
完璧な真似ができれば、
それはおのずと
創意を生み出すことになる。

その創造と模倣とが、
「模倣困難性」を創出する。
そしてこの模倣困難性が
持続的競争優位を
約束してくれる。
BK-4785502800_3L

では、みなさん、今週も、
われわれには我々のやり方がある。
Good Monday!

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年7月
« 6月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.