結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年01月22日(水曜日)

イチローの米国野球殿堂入りと「知識商人」の意味

イチロー「米殿堂」の号外。
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アメリカ野球殿堂入りが発表された。
シーズン262安打の大リーグ記録は偉業だ。
多分、メジャーリーグ史上最高のヒットメーカーだ。

史上2人目の満票での選出には1票だけ届かず。

しかし、イチローはコメントした。
「1票足りなかったのはすごく良かった」

らしい。

ヤンキースのデレク・ジーターも、
同じように満票に1票届かなかった。

「ジーターと一緒。
努力とは違うので補いようがないものだが、
不完全な中で自分なりの完璧を追い求めて
進んでいくのが人生だと思う」

「不完全であるというのは
生きていく上でいいなあと
改めて考えさせられた」

これもイチローらしく、
理屈っぽい。

日本人のアメリカ野球殿堂入りは初めての快挙。
大谷翔平が続くのだろう。

自分らしさ、
ポジショニングを、
イチローはよく知っている。

ナレッジ・アスリートである。
knowledge抜きに殿堂入りはなかったと思う。

元気の出る話だ。

さて今日は1日中、
あちこちで人に会った。

朝10時、横浜商人舎オフィス。
第一屋製パン㈱社長の細貝正統さん。
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「おいしさにまごころこめて」
第一パンのスローガン。

そのおいしさを徹底的に追及したい。
味覚的、感覚的なおいしさだけでなく、
科学的、客観的なおいしさも求めたい。

午後1時から東京・大手町。

㈱True Dataの皆さんと一緒だった。
米倉裕之さん、越尾由紀さん、
そして渡邊幸夫さん。

『ハーバードビジネスレビュー』が、
かつてスーパーマーケットをこう指摘した。
“a highly competitive, low-margin industry”
競争が激しく低利益の産業。

そのことを克服したいと、
私はずっと思ってきた。

日米ともに。

その点で意気投合した。

それには何よりも、
ビジョンがなければならない。

そして人財の質と量が必要だ。

さらにそのために、
情報武装は欠かせない要件だ。

人々の暮らしを支える情報は、
比べるものがないほど貴重なのだ。

2時30分発ののぞみで、
東京駅から新大阪へ。

冬空の富士。

頂上が雲に隠れているが、美しい。IMG_8792 (002)

雲と雪のコントラスト。
今年は雪が少ない。IMG_8800 (002)

新大阪から上本町へ。
シェラトン都ホテル大阪に到着する間もなく、
すぐに㈱万代の幹部の皆さんと会食。

ホテル内の日本料理の「うえまち」。
大阪城を模した器がおもしろい。IMG_0282 (002)

明日は万代知識商人大学第9期の、
論文発表と修了式。

その前夜の懇親の夕べ。

年末年始商戦は絶好調だった。
万代の新店も好調だ。

新しい競争相手が登場するたびに、
組織は燃える。

それが万代だ。

それから関西マーケットの変化や、
日本のチェーンストアのM&Aの話などなど、
話題は尽きない。

私の右隣が阿部秀行社長、
その隣が河野竜一常務、
そして左が和久正樹取締役。IMG_0285 (002)

“a highly competitive, low-margin industry”から、
完全に脱却して、胸の張れる産業をつくる。

そのためには何よりも人財が必要だ。

人財とは「知識商人」である。

ナレッジマーチャントは、
豊かな知識をもっているだけではなく、
とめどなく知恵が出てくる商人である。

最後に阿部さんと固い握手。IMG_0290 (002)

イチローはナレッジ・アスリートだが、
万代は熱く燃える知識商人組織を目指す。

知識と知恵の相まったknowledgeこそが、
新しい時代を切り拓く。

〈結城義晴〉

2025年01月21日(火曜日)

伊藤園新契約発表会で[ムーキー・ベッツ×本庄周介]を楽しむ。

東京・芝公園。

ザ・プリンスパークタワー東京。
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地下2階のコンベンションホール。
受付にはマスコミの人たちの行列。
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伊藤園の新契約発表会。
「お~いお茶」×「大谷翔平選手」新PROJECT。
それからMLBとの契約、
MLB東京シリーズの契約、
LAドジャースとの契約。

ホールに入ると、
ステージが設えられていて、
すでにカメラが並んでいる。
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テレビカメラの放列。
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私は最前列に席を設けてもらった。IMG_0168 (002)

ワクワクする。
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午後1時30分、開会。
本庄周介副社長登壇。
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ピンマイクで滔々と語り始めた。

大画面のスライドや映像を使って、
「お~いお茶」のこれまでの経緯、
海外展開の現状、
そしてこれからの世界戦略を語った。
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昨年、大谷翔平選手とグローバルアンバサダー契約を結び、
社会貢献プロジェクトを始動した。
名づけて「Green Tea for Good」。

お~いお茶の販売でも、
大きな成果を上げた。

大谷選手の動画が流れた。
子どものころから自然に、
お~いお茶を飲んでいたこと。
現在もアメリカで日常的に飲んでいること、
大リーグのゲームのときにも、
お~いお茶を飲んでいること。

伊藤園は今年、さらに強力な新契約を結んだ。
まずドジャースとの契約を結んだ。
それによってユニフォーム姿の大谷翔平を、
コマーシャルやビジュアルに載せることができる。

さらにMLBとも契約を結んだ。
これで全30球団とのコラボレーションが可能となった。

そしてMLBの東京シリーズに対しても、
契約を結んでキャンペーンを展開する。
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「いつの日も、
僕のそばには
お茶がある。」
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次にスペシャルトークセッション。
なんとムーキー・ベッツ選手が登場。IMG_0201 (002)

本庄副社長との語り。
大谷翔平のこと、
佐々木朗希のこと、
東京シリーズのこと。

ざっくばらんに、
ほんとうにわかりやすい英語で、
語り続けた。
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実に賢いアスリートだと思った。
そしてますますベッツが好きになった。IMG_8740 (002)

会場からの質問にも、
鋭く切り返しながら答えてくれた。IMG_8749 (002)

トークセッションが終わると、
法被を着て鏡開き。IMG_0228 (002)

中央には等身大の大谷翔平パネル。IMG_8751 (002)

ムーキー・ベッツは楽しそうだった。IMG_0242 (002)

私はミーハーの見学者となった。
楽しかった。

しかしお~いお茶の宣伝。
伊藤園陳列コンテストの審査委員長だ。IMG_0252 (002)

小林哲也販売促進部部長とツーショット。IMG_0264 (002)

マーケティング本部販売促進部、
グループリーダーの竹本直樹さん。
陳列コンテストで活躍してくれている。IMG_0255 (002)

最後に周介さんとツーショット。IMG_0267 (002)
堂々たるプレゼンテーションだった。

ビジョンは「世界のティーカンパニー」
それが確実に一歩も二歩も進んだ。

ホテルをあとにして、
旧台徳院霊廟惣門の前でワンショット。
背景にホテルと東京タワー。
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楽しかった、ありがとう。

アメリカではドナルド・トランプ大統領の、
就任式があった。

第一声は、
「アメリカの黄金期は今から始まる」

ん~。

大リーグは間違いなく、
何度目かの黄金期が始まっている。

プレジデントも、
メジャーリーガーも、
製造業者も流通業者も、
商人もチェーンストアマンも、
そして私たち自身も、
真に賢くなければいけない。

〈結城義晴〉

2025年01月20日(月曜日)

ボランタリーチェーン協会賀詞交歓会の「やる気は行動から」

Everyone, Good Monday!
[2025vol③]

2025年第4週。
二十四節気の「大寒」
暦の上では一番寒い日、
あるいはこの15日間が、
一番寒い日々とされる。

これからの2週間を乗り切れば、
季節は春に向かっていく。

けれど今日は温かい。

さあ、頑張ろう。

東京ドームホテル。
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日本ボランタリーチェーン協会の、
新春賀詞交歓会。

昨年の11月、
泉田幸雄名誉会長が旭日中綬章受章。
その祝賀会を兼ねる。

記念講演と祝賀会の2部構成。

記念講演会の会場は地下1階の天空の間。hall

講演者は池谷裕二東京大学薬学部教授。seminar

テーマが面白い。
「脳を知ってモチベーションアップ」
やる気アップの秘訣。

専門の大脳生理学の研究をもとに、
わかりやすいお話。

「やる気を起こす」「やる気を出せ」は間違い。
行動した結果、「やる気は起きる」。

つまり、なにかをシステム化するように、
粛々と始め、粛々と進める。

それがモチベーションを上げる。

第一部が終わって、
同じ地下1階のシンシアに移動。
第二部の新春賀詞交歓会。party

井原實会長の挨拶。
協同組合セルコチェーン理事長。ihara_2

会員企業へのアンケートから判明したのは、
人手不足や人材教育がDXを抜いて、
喫緊の課題であること。

そこで今年の方針は、
「補助金を活用しながら、
生産性向上のための投資をしていく。
VCならではの異業種で活用できる
プラットフォームづくりを推進していく年にする」

来賓祝辞は、
自由民主党衆議院議員小泉進次郎さん。shinjiro

「2024年の大きな問題は物流だった。
今年はトランプ大統領再登板で、
通商外交が重要になってくる。
どう対応するかが課題」

自民党の甘利明元幹事長。amari2

昨年の衆議院選挙で議席を失ったが、
最近はアセアンを訪問するなど相変わらず多忙。
「やりがいはあって、責任はない。
いまはハッピー」

続いて、笹川博義農林水産副大臣、
南亮経済産業省商務・サービス審議官の祝辞。

祝辞のあとは泉田幸雄名誉会長のお祝い。izumida

旭日中綬章受章は協会でも初めてのことだ。

菅田茂副会長から泉田さんの功績が紹介された。

物流問題には速やかな対応をし、
酒類販売管理研修の整備を進めた。
新型コロナウィルスのときには
オンライン会議を積極的に導入した。

経産省、農水省に厚生労働省からも、
強い推薦があったと思う。

おめでたいことです。

そのあと泉田さんの謝辞。
「泉田がいただいたというより、
ボランタリーチェーンの活動が、
認められたのだと思います」

泉田さんらしいスピーチだった。

そして花束の贈呈。

乾杯の挨拶と音頭は、
野本弘文日本小売業協会会長。
東急グループ代表。
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2026年のアジア太平洋小売業者大会は、
東京で開催される。
18の国・地域から約4000人が参集する。
国内も合わせて1万人規模の大会になる。
「東アジアの先行事例である、
日本の最新の姿を見てもらいたい。
日本の次の成長につなげたい」

乾杯のあとは懇親。

今日の主役・泉田さんとツーショット。izumida_2shot

井原会長ともツーショット。IMG_5019

副会長の菅田茂さん。
ジュエラーズジャパン会長。
菅田さんは平成26年秋の藍綬褒章受章。
商業界時代からお世話になった。
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全日本食品社長の平野実さん。hirano_z
月刊商人舎1月号では、
全日食チェーンの「2030年ビジョン」を、
丁寧に紹介してくれた。

中締めは、その平野さん。nakajime_hirano

故倉本長治商業界主幹は、
1962年に『チェーンストアへの道』を上梓した。
林周二著『流通革命』と同年の刊行だった。

ここで長治は、
チェーンストアの将来の在り方のひとつを、
ボランタリーチェーンであると指摘した。

日本ではレギュラーチェーンが主流で、
フランチャイズチェーンも発達した。

それに比べると、
ボランタリーチェーンの評価は高くない。

しかし長治主幹の指摘は正しいと思う。

商人舎2013年12月号特集は、
「ポスト・モダニズム・ボランタリーチェーン」
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「近代化」の次の「現代化」が求められる。
ボランタリーチェーンにそれが現れている。

やる気は、起こすのではない。
行動すれば、やる気は起こってくる。

無理やりやる気を起こさせるのが、
近代化だったとすれば、
やる気が起こってくる環境をつくることが、
「ポストモダン」の現代化である。

では、みなさん、今週も、
行動から始めよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年01月19日(日曜日)

上野光平の「怠け者の寓話」と「毎日をどのように生きるのか」

「怠け者の寓話」

毎日ブラブラしていて、
マジメに働こうとしない怠け者を、
働き者が叱りつける。

働き者。
「そんなに怠けていては、いまに困るぞ。
しっかり働いたらどうだ」

怠け者。
「しっかり働くとどうなりますか」

働き者。
「豊かな暮しができるようになる」

怠け者。
「豊かな暮しとはどういうことですか」

働き者。
「働かずにのんびりと楽しい生活ができることだ」

怠け者。
「それならもう私はやっています」

故上野光平著『自己啓発のすすめ』に出てくる話。
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上野光平さんは、
実質的な西友の創業者。
晩年は流通産業研究所所長・理事長。

私は上野光平の弟子を自認している。

商業経営問題研究会の座談会で、
上野さんや堤清二さんの話が出た。

そこでこの本を取り出して読んだ。

「働くことを豊かな生活の手段と考える論理は、
怠け者の豊かな生活の論理に勝てない」

つまり食うために働くのでは、
怠け者の論理と同じだ。

そこで「働くことは何か」と問わねばならない。
それは「生きることは何か」という問いにつながる。

そしてそれは、
「よりよい生活とは何か」ということにつながり、
よりよく豊かな生活といわれるもののなかで、
働くということがどのような位置をもっているのか、
という問いかけにまで発展する。

「少なくとも働くということと、
生きがいや豊かな生活との関係を
明らかにできなければ、
怠け者の論理がどれほど詭弁であろうと、
それを無視するわけにはいかない」

そこでまず「生きる」という、
わかりきった言葉のもつ構造を
明らかにする必要がある。

「生きる」ということには、
三重の構造がある。

「生きる」という言葉の反対語は、
「死ぬ」という言葉であるから、
生きるということは生物として生きる、
健康に生きる、できるだけ長く生きる、
ということになる。

これが第一の生物的存在である。

だが、ただ死なないというだけでは、
人生はつまらない。

人間は他の人との比較の中で生きる。

長生きしたとしても、
多くの同時代人よりも、
惨めで貧しい一生を送るのでは
生きたとはいえない。

人生が不幸であり、
生きた屍(しかばね)にすぎない。

動物的存在であるだけでなく、
人間は社会的存在であるからだ。

そう、第二は社会的存在である。

それだけではない。
人間はそのうえに、
精神的・感覚的な充実を求める存在である。

「愛ゆえに喜び悲しみ、美しいものに憧れ、
他人から尊敬されることに誇りを感じ、
時には信ずることのために、
死をも嫌がらないことさえある」

「だから社会的存在としては損であっても、
趣味に徹底して生きることもある」

第三の人間的存在である。

「生きるということは、
生物的存在、社会的存在、
そして人間的存在として、
バランス良く統合していくことである」

よりよく生きるとは、
それぞれの領域ごとの生活のありようを充実し、
それらを統合する主体である自分自身の
充実感を満足させること、
言いかえれば「自己実現」である。

「生きがいとは、
この自己実現の
自己評価にほかならない」

だから自己啓発が行われないと、
自己評価のレベルがダウンし、
自己実現のエネルギーも弱まってしまう。

程度の低い自己実現で満足してしまったり、
あるいは評価のレベルは高いのに
それを可能にするエネルギーが不足であれば、
よくある単なる不平不満分子に陥ってしまう。

生きがいは自己実現であり、
それには自己評価のレベルと
それに到達するエネルギーの蓄積とが、
不可欠である。

「二度とない一生をかけて、
自分は何をやりたいのか、
何になりたいのか、
それをはっきりさせることだ」

「そしてそのために毎日を、
どのように生きるのか」

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働くことが自己実現と、
深くつながっているとすれば、
働く者としての自己啓発は、
自己実現を大きく左右する。

上野光平。
「働くことと、生きがいと、
そして豊かさあるいは幸せとは、
深くつながり合っている」

「そしてそれが、
人間にとって大切なことであり、
かつまだ十分に解明されきっては
いないことである」

上野光平の論法は、
かくの如きものだった。

本を読みながら、
その論法を辿ってみた。

「毎日をどのように生きるのか」

上野さんに毎日、
問いかけられている。

〈結城義晴〉

2025年01月18日(土曜日)

佐々木朗希ドジャース入団と東日本大震災

佐々木朗希投手、
ドジャースに決まり。
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大船渡高校から、
日本プロ野球千葉ロッテマリーンズへ、
そして大リーグ・ロサンゼルスドジャースへ。

2001年生まれの23歳。

ポスティングシステムを使った移籍に関して、
ドジャースと契約合意した。

自身のSNSで発表。

契約金は650万ドルと米国のメディアが伝えた。

大谷翔平と山本由伸がいて、
佐々木が加わる。

日本最高のベースボーラー三人が、
チームメートになる。

昨年ワールドシリーズを制したドジャースは、
これで日本中が応援するチームとなる。

それはとてもいいことだと思う。

佐々木のコメント。
「とても難しい決断でしたが、
野球人生を終えたあとで振り返ったときに、
正しい決断だったと思えるよう頑張ります」

しっかりしている。

佐々木朗希投手は岩手県陸前高田市出身の23歳。

19m92の長身。

左足を高々とあげる投球フォーム。
最速165キロの直球と落差の大きいフォークボール。
評価は「世界で最も才能のあるピッチャーの1人」
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2019年、大船渡高校3年のときに、
すでに163キロのストレートを投げた。
夏の地方大会決勝のゲームでは、
佐々木の将来を見据えて登板が回避された。
疲労が溜まることへの配慮だ。
それによって甲子園出場を逸した。

大論争となったが、
これが佐々木の育て方の基本となった。

しかしそれが逆に佐々木の限界をつくった気もする。

ドラフト会議では4球団が1位指名。

マリーンズに入団すると、
1年目には1軍で登板させず、
体力づくりに終始した。
投手コーチだった吉井理人の指導で、
1軍の練習に参加しながら調整した。

2年目に1軍登板して3勝。
大事に育てられた。

3年目は9勝4敗、防御率2.02、
奪三振数は173個。
このシーズンには史上16人目の完全試合を達成。
20歳での史上最年少の快挙だった。
この試合ではプロ野球新記録の13者連続三振、
プロ野球対記録の1試合19奪三振を奪取。

4年目はワールド・ベースボール・クラシックに出場。

5年目の昨シーズンには18試合に先発登板、10勝5敗。
ただし5月から6月にかけて、
右腕のコンディション不良などで登録を抹消。

これが佐々木の最大の課題だ。

5年間で64試合29勝15敗、防御率は2.10。
規定投球回には一度も届かなかった。

それでもシーズンが終わると、
千葉ロッテマリーンズは、
ポスティングシステムを使った大リーグ挑戦を、
容認した。

そして佐々木がポスティングを申請すると、
大リーグの30球団のうち20球団が名乗りを上げた。

佐々木の代理人ジョエル・ウルフ。
「彼は巨額の契約を結びに来たわけではない。
球団が彼の成長のために、
どんな手助けをしてくれるかを知りたがっている」

佐々木は自分の成長を第一に考えている。

ドジャースで新人王を受賞した選手は18人。
大リーグ全球団の中で最多だ。

マイナー契約から大リーグに上がって、
活躍する選手が多い。

それが佐々木の意思決定につながった。

マイナーリーグのチームスタッフと連携して、
選手ひとりひとりの育成計画をつくる。
さらに先進的な設備も充実している。

佐々木にとって、もっともいい環境だ。

その佐々木の課題は、
怪我をしないこと。
それでいて稼働すること。

日本では中6日の登板が多かった。

大リーグは通常、
5人の先発ローテーションで、
中4日、中5日での登板が普通だ。

それに佐々木が耐えられるか。

しかしドジャースは今度のシーズンで、
先発ピッチャー6人のローテーションを構想している。

大谷、山本、佐々木とあと3人。
贅沢な構想だ。

佐々木はマイナー契約でドジャースに入団する。

メジャーの選手枠は40人だから、
怪我人が出たり、契約解除などがあって、
40人の枠に空きがでれば、
メジャー契約に切り替えて、
大リーグのゲームに出場が可能となる。

楽しみなことだ。

2011年、佐々木は小学校3年の終わりに、
東日本大震災で被災した。

津波で37歳の父と祖母を亡くし、
実家も流された。

それを乗り越えて、
自分の夢に向かって邁進した。

大谷は高校の2年のときに被災した。
この年の春には最速151キロを記録した。

第93回全国高等学校野球選手権大会に出場して、
初戦の帝京高校戦では骨端線損傷で、
右翼手として先発出場した。

そして4回途中から登板し、
150キロの球を投げた。

私は東日本大震災の時に言った。
「東北の子どもたちは、
絶対にいい人間になる」

2011年5月5日のblog。

「東北・北関東の子どもたちを中心に、
新潟県中越の子どもたちを核に、
そしてかつての阪神淡路のこどもたちを主力に、
日本は蘇生されるに違いない。
私たちはそれを、
絶対に邪魔してはならない」

大谷翔平、佐々木朗希。
羽ばたいて、世界で活躍する。

艱難は人間を鍛える。

そのことを実感する、
佐々木朗希のドジャース入団である。

頑張れ。

〈結城義晴〉

2025年01月17日(金曜日)

商業経営問題研究会の座談会の「小売業の面白さと意義」

30年前の今日、
阪神淡路大震災が起こった。

小売業は奮闘した。

ヤブツバキ。
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一つ落ちて二つ落たる椿哉
〈正岡子規〉IMG_8696 (002)

今日は午後から横浜商人舎オフィスで座談会。IMG_8702 (002)

商業経営問題研究会。
Retail Management Learning Circle。
略称、RMLC。

もともとは「杉山ゼミ」として始まった。
1990年代のことだ。

「流通仙人」こと故杉山昭次郎先生が座長だった。
ごくごくまじめに討議する研究会。
「ヤオコー・スタディ」(未刊)という大作が、
この研究会から生まれた。

杉山先生が隠遁生活に入られてから、
故磯見精祐さんがリーダーとなった。

磯見さんが急逝されてからは、
先輩方を差し置いて若輩の私が、
仮の座長となった。

実質的な代表世話人は、
コンサルタントの高木和成さん。

2011年の東日本大震災の年に、
このRMLCから新書本が発刊された。
『小売業界ハンドブック』(東洋経済新報社刊)
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RMLCは今でも2カ月に1回ずつ、
研究会が開かれている。

現在の主要メンバーの皆さんが、
集まってくださって、
ディスカッション。
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私は嬉しくて仕方がない。
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マネジメントの問題や戦略の問題を、
こんなに深く話し合える人たちは、
もう多くはない。
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14時からたっぷりと2時間以上。

テーマはズバリ、
「西友売却問題とチェーンストア」

月刊商人舎2月号で公開予定。

終了したら写真撮影に移る。IMG_8704 (002)

両サイドを商人舎の二人。
そして左から高木和成さんと、
村上篤三郎さん、井口征昭さん。IMG_8705 (002)
高木さんはユニーの元幹部で、
サンテラス日吉を開発した人。
その後、日本チェーンストア協会を支えた。
79歳。

井口さんは西友の腕利きバイヤー時代に、
「無印良品」をつくった人。
食品流通研究会会長。
81歳。

村上さんは西友で活躍してから、
エコス常務を経て、たいらや社長。
さらにロピア取締役管理本部長。
今は引退して悠々自適。
80歳。

いずれもチェーンストアの論客。

エキサイティングな座談会となった。
オフレコの話も多かった。
さて、どうまとめるか。

二次会は横浜駅の蕎麦屋。
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RMLCはいつも、
議論のあとは蕎麦屋で一献傾けて終わる。
ありがとうございました。IMG_8707 (002)

『小売業ハンドブック』は今でも売れていて、
印税が振り込まれてくる。

この本のまえがきで、
私は執筆者を代表して表明している。

「現代の小売業は
『小さく分けて売る業(なりわい)』では、
断じてない」

「社会のインフラを形成しつつ、
時には感動すらつくりだす。
小売業の面白さと意義は、
この消費と直結したリアリティに、
存在するのである」

この考えは今も変わらない。
いや、ますます強い確信となっている。

商業経営問題研究会の議論でも、
そのことをさらに認識させられた。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2025年01月16日(木曜日)

ガザの「停戦合意」とライフコーポレーションの「顧客=株主」

パレスチナ・ガザ、停戦合意。
イスラエルとハマス。

まずは6週間だが、
段階的な人質の解放を始める。

希望が見えてきた。
61ijQBhnq2L._SL1224_

ブレーズ・パスカルの『パンセ』から。
「人間というのは概して、
自分の頭で見つけた理由のほうが、
他人の頭の中で発見された理由よりも、
深く納得するものだ」
(断章10)

トランプが、バイデンがと言い合うよりも、
イスラエルもハマスも、
それぞれが自分たちで停戦を選んだことを、
強調するのがいい。

深く納得してもらうほうがいい。

セルコレポート1月号。IMG_8689 (002)

全国セルコグループトップ会で、
お土産として参加者全員に配られた。

是非、読んでください。
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私の連載は「艱難は商人を鍛える」
もう3年目に入って第33回。
「続柳井正の艱難ー永田農法の失敗」
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さて商人舎流通SuperNews。

ライフnews|
株式分割と株主優待制度新設/投資家層の拡大狙う

㈱ライフコーポレーションが、
株式分割と株主優待制度の新設を決議した。

株式分割は投資単位当たりの金額を引き下げる。
つまり手軽に株を買うことができる。

投資家がより投資しやすい環境となる。
投資家層の拡大を図ることができる。

現在でもライフの株は、
100株単位で買うことができる。
株価が3450円ならば、
34万5000円で株主になることができる。

2月28日からそれを、
株主の所有する普通株式1株につき、
2株の割合で分割する。

したがって、
現在の発行済株式総数4945万0800株は、
株式分割後には9890万1600株となる。

株式分割後の発行可能株式総数は、
2億4000万株となる。

ライフはさらに個人株主を増やそうとしている。

また株式分割に伴って、
株主優待制度を新設する。

これが今回の目玉だ。

ライフでの買物を通じて、
事業に対する理解をより一層深めてもらう。
さらにロイヤルティの高い顧客になってもらう。

保有株式数と継続保有期間に応じて、
三つの特典を選択できる。
⑴ライフ商品券
⑵ライフプライベートブランド商品詰合せセット
⑶社会貢献活動団体へ寄付

顧客=株主。

それを目指そうとしている。

月刊商人舎2024年11月号は、
特集「会社は誰のためにあるのか」
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特集のあとがきで書いた。
「会社を従業員と顧客のためとするには。」
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株主の大衆化。

ライフはもともとそれを目指していた。

それに株主優待制度を設けることで、
「株主=顧客」を実現させようとしている。

「会社は誰のものか。
誰のためにあるのか。
ステークホルダーのためのものである。
すべての利害関係者のためにある」

「物言う株主だけのものでも、
それに言いなりになる
経営者のためのものでもない。
断じて。」

〈結城義晴〉

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