結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年08月20日(火曜日)

「人は生きるように運転する」と「自分の頭で考えろ!」

「人は生きるように運転する」
カナダの精神医学者ティルマンとホブス。
交通事故を繰り返す人間を研究した。

中日新聞の巻頭コラム
「中日春秋」

「常磐道で、あおり運転の末に
他の車の運転手をなぐったとして、
男が逮捕された」

ドライブレコーダーが普及して、
その瞬間が生々しく伝えられる。

「”殺すぞ”と怒りを爆発させ、
こぶしを振るう姿は、
恐怖そのものである」

「男はあちこち走り回り
ひどい運転を繰り返していた。
日常生活でもトラブルがあった」

交通事故慰謝料協会のホームページ。
ティルマンとホブスの一文を紹介する。
「運転にはその人の生活が表れる。
注意深く、忍耐力があり、思慮深く、
他人への配慮に満ちた生活をする人は
運転でも同じような仕方で、
運転するだろう」

「しかし、このような
望ましい特徴を持っていない人は、
安定感のない攻撃的な運転をして、
長期間にわたって、
交通事故を起こすだろう」

ティルマンとホブスは、
96人の事故反復タクシードライバー群と、
100人の無事故ドライバー群を比較した。

さらにティルマンはドライバーと、
3カ月の共同生活をして調査し、
優良ドライバーの特徴をまとめた。

⑴家庭的に安定している。
⑵両親の離婚率が低い。
⑶争いを好まない。
⑷全体的に内気で物静かであり、遠慮がちな性格である。
⑸学校で無断欠席をしたことがない。
⑹職務は長期間にわたって安定している。
⑺職場では穏やかで、振る舞いは控えめである。
⑻庭いじり、スポーツ、教会活動などに幅広い関心を示す。
⑼飲酒はほどほどで規律を守る。
⑽他人の福祉に関心をもつ。
⑾時には融和した人間関係をつくりにくく、運転中には会話をしないこともある。
⑿他の運転者や通行人に対して礼儀正しい。
⒀いつも車はきれいで、車の形は控えめである。

ティルマンとホブスの結論。
「生活態度が運転にも影響を及ぼす」

当たり前といえば当たり前の結論だが、
現在、最も注目されている論文だ。

人は生きるように運転する。
人は生きるように仕事する。
人は生きるように考察する。

さて今日は東京から大阪へ。

朝から東京・浜松町。
東京タワー。
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そして愛宕ヒルズ。
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㈱True Dataの取締役会。

これまで「定性調査」で、
感覚的に認識されていたテーマが、
ビッグデータの「定量分析」によって、
克明に描き出される。

昨年の月刊商人舎10月号特集。
「嘘つき!?」マーケティング
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私の巻頭論文は、
マーケティングは嘘を語る?
All Marketers Are Liars?!

この中で、
カーク・ボーン氏の考え方を紹介した。
ジョージ・メイソン大学教授。

「定量データは数学モデルに、
そのままインプットできる。
定量化できる予測モデルや
規範的モデルの魅力は耐え難い」

一方、定性データの重要性も指摘した。
コトラーの「Ethnographic research」。

「定性アプローチによる調査や、
顧客ヒアリング調査、
顧客からのアンケート回答、
オンラインフォーラム、
ウェブフォームのフィードバックコメント、
記述コメント、コールセンターへの電話、
さらに営業やマーケティングチームが集めた情報。
報道などから得られたものまで、多彩を極める」

「さらにデジタル時代には、
ソーシャルメディアから得られる
定性情報も増え続ける」

しかし、ボーン教授は指摘する。
「状況は急速に変わりつつある。
定性データを定量的データに変換する
巧妙な方法がいくつも出てきている。
それにより、定性データにも
定量分析の力を余すことなく
活用できるようになった」

True Dataでは、
これがいまできるようになっている。
ブランド診断やターゲティングである。

この件に関しては、
秋の月刊商人舎で再び特集しよう。

午後の新幹線で大阪へ。
大阪梅田駅の混雑。
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今里新地の料亭久恵へ。

㈱万代幹部の皆さんと懇親。  IMG_99779
前列は芝純常務取締役(左)と、
松村聡常勤監査役。
後列は人事部マネジャーのお二人。
海野正敏さん(左)と津田睦さん。

夏のメニューはうまかった。
とくにウナギ白焼き。
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明日は万代知識商人大学第4期講義。

最後に昨年10月号の巻頭Message。

自分の頭で考えろ!

デジタル時代に、
情報があふれる。
膨大なデータが手に入る。

定量調査情報はビッグデータ化する。
定性データもSNSなどから氾濫する。
どちらもデジタル化して、融合するかに見える。

その結果として、
人間の感情や顧客の心理も、
データ化することができると過信する。

そこに嘘が生まれる。
短絡が起こる。
誤謬が生じる。

しかし私たちは記号化された情報を、
素早く、賢く、的確に読み取って、
有益なマーケティングをせねばならない。

そのためには自分の目で見て、
自分の耳で聞く。
そして自分の頭で考える。

それなくしては、
データという間接情報は活かせない。
伝聞情報は使えない。

とりわけ顧客商売のデータ活用は、
最後の最後の最後に、
人間のコミュニケーションが必須となる。

そのうえで自分の頭で考える。
複雑なデータをシンプルな脳で読み解く。
自分の頭で考え続ける――。

〈結城義晴〉

2019年08月19日(月曜日)

[この夏のいい話]甲子園球児の「無私と利他」と渋野日向子の「笑顔」

Everybody! Good Monday!
[2019vol33]

2019年第34週、8月第4週。
お盆の最長9連休が終わって、
日常が戻った。

高速道路の帰省渋滞は終わったが、
今度は各地の一般道路や通勤道路が混んでくる。

西日本新聞の巻頭コラム「春秋」
夏目漱石の『こころ』から。
こころ
「これは夏休みなどに国へ帰る誰でもが
一様に経験する心持だろうと思うが、
当座の一週間位は下にも置かないように、
ちやほや」ともてなされる。

けれど次第に家族の熱が冷め、
「仕舞(しまい)には
有っても無くっても構わないもののよう」
に、粗末に扱われがちになる―。

小説の発表は1914年(大正3年)。
漱石の後期三部作の最後の作である。

ちなみに後期三部作は、
1912年の『彼岸過迄』、
1914年の『行人』と、
この『こころ』。

コラムニスト。
「人の心根とは百年前も、
そう変わらないものらしい」

お盆の時期は、
100年前と変わらない人間の心情を、
実感することが多い。

それも現在の日本において、
とても重要なことだ。

さて、9連休の最後の日曜日の昨日、
商人舎公式ホームページへの、
アクセス数がなぜか急伸した。

結城義晴の毎日更新宣言。
前日の3.2倍。

読み返してみても、
ゴルフの渋野日向子さんの話題か、
夏の甲子園の準々決勝のネタか、
「泣いた赤おに」の話か、
糸井重里さんの「失敗」の大切さか。

わからない。

わからないけれど、
うれしい。

ドラッカー先生は言う。
「予期せぬこと」から、
イノベーションは起こる。

それこそ糸井重里さんの言葉。
「失敗は、
やろうと思ってできないから、
貴石であり、奇跡なのだ」
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さて、夏の甲子園は、
昨年から準決勝と決勝の前日に、
それぞれ1日の休養日を設けた。

実に素晴らしい。

この1日は選手の肉体や精神にいい。
それだけではない。
応援する人たちにも、
観戦する人たちにも、
余韻を楽しませてくれる。

敗戦した選手たちにも、
周りが感謝する時間を与えてくれる。

さらにいいニュースが流される。
17日土曜日の第2試合。
星稜が智弁和歌山に延長14回、
4対1でサヨナラ勝ちした。
星稜
最後はタイブレークの熱戦。
ここで星稜エースの奥川恭伸君が、
右足に痛みを覚えて、試合は中断した。

智弁和歌山の主将・黒川史陽君が、
その前の攻守交代のときに、
星稜の遊撃手・内山壮真君に、
「奥川に渡してくれ」と、
自分が飲んでいるサプリメントを託した。

多分、「ツムラ漢方68」だと思う。
私もゴルフのときに愛用している。
足がつっても、すぐに治る。
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黒川君は、試合終盤になって、
右足を気にする奥川君の姿を見て、
足がつったのではないかと気が付いた。
そこで、「敵味方は関係なく、奥川を助けたい」と、
思ったという。

2人は18歳以下の日本代表候補のチームメートだ。
黒川君は語った。
「どちらも日本一を目指している。
自分も本気だから奥川にも一番良い状態で
本気で来てほしかった」

奥川君はすぐに飲んだ。
そして述懐する。
「全く問題なくなった。
サプリのおかげかな」

「ツムラ68」です。
絶対!!

江川卓以来の投手と称される奥川君。
「最初から本気だったけど、
黒川のおかげで最後まで、
本気で投げられた」

「敵に塩を送る、ですよ。
自分が足をつっていた方がいいはずなのに」

「そして、こういうところが
智弁和歌山の強さなんだと感じた」

もう一つの話も、
星稜がらみだ。

こちらは昨日の18日の準々決勝第3試合。
星稜対仙台育英の7回裏。

星稜の先発・荻原吟哉君、
右手がつりそうになった。
仙台育英の4番打者・小濃塁君は、
荻原の小さな異変を感じ取ると、
スポーツドリンクのコップを持って
すぐにベンチを飛び出した。

そして敵の2年生投手のもとへ駆け寄った。
「けがしたらダメだよ。これ飲めよ」

これも敵に塩を送る行為だった。
このとき、仙台育英は、
1対9でリードされていた。

仙台育英の須江航監督。
「気がついたら小濃が行っていた。
日頃からグラウンドに敵はいない、
と教えています」

萩原投手も最初は驚いた。
しかし照れくさそうに受け取ると、
ドリンクを飲んで、投球を再開した。
そして8回を投げ切った。

自分を顧みず、敵を思う。
「敵に塩を送る」
無私と利他である。

北海道新聞の巻頭コラム「卓上四季」

米国の作家マーク・トウェインの言葉。
「人類にはひとつ、
とても効果的な武器がある。
それは笑顔だ」
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コラムは渋野日向子プロのことを言う。

そしてフランスの哲学者アラン。
アラン
「幸福な人は、幸福だから
笑っているわけではない。
笑っているから
幸福になるのだ」

無私と利他、
そして笑顔。

それがたとえ勝負に負けても、
仕事やプレーに失敗しても、
人生に感謝と歓喜をもたらす。

いい夏だ。

では、みなさん、
今週も無私と利他、そして笑顔で、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年08月18日(日曜日)

渋野日向子と甲子園準々決勝の「敗戦と失敗」と「泣いた赤おに」

8月第3日曜日。

日本列島は酷暑の真っ只中だけれど、
まるで今日はスポーツの日のごとし。

プロゴルフに高校野球、
プロ野球、プロサッカー。

来年の今頃は東京オリンピックと、
東京パラリンピックのはざま。
Web
オリンピックは、
7月22日(水曜)から8月9日(日曜)。
パラリンピックは、
8月25日(火曜)から9月6日(日曜)。

そこで第102回全国高校野球選手権は、
8月10日(月曜)に開幕して、
予定通りに日程が進めば、
8月25日(火曜)に閉幕する。

2020年はスポーツの世界も、
超過密日程だ。

今年の第3日曜日の今日は、
女子プロゴルフのNEC軽井沢72決勝。

全英女子オープンを制覇した渋野日向子。

残念ながら最終日の最後の18番ホールで、
3パットのボギーを叩いた。
渋野①

返しのパットが、
わずかに外れて、
3位タイに終わった。  44

コメントは、
「最後の最後に、
台無しにしてしまった。
今までの優勝パット以上に、
一番緊張しました」
32丁目渋野①

いつもいつも優勝を望まれるが、
ゴルフはそんなに単純なものではない。
それでも最後の瞬間まで、
ファンの期待を担って、
全力のプレーだった。

一方、夏の甲子園はベスト4が決まった。
兵庫県の明石商業高校、
岐阜県の中京学院大学中京高校。
石川県の星稜高校。
そして大阪府の履正社高校。

残ったのは関西が2校、中部地方が2校。

そして1日休んで明後日20日の準決勝は、
第1試合が大阪対兵庫、
第2試合が岐阜対石川。

皮肉な組み合わせとなったが、
決勝は関西対中部となる。

今日の日曜日は、
お盆連休最後の日。

私は自宅で暑さを避けて、
原稿書き。

しかしテレビでちらほらと、
スポーツ観戦している間に、
時間は過ぎていった。

朝日新聞「折々のことば」第1554回。
浜田廣介の童話『泣いた赤おに』から。61ZV10KPGXL._SX400_BO1,204,203,200_

「赤鬼は、
村人たちと仲よくなりたくて
家に招くが、
村人は警戒心を解かない」

友だちの青鬼は人里でわざと大暴れし、
赤鬼にきつく諫(いさ)められることで、
赤鬼が人々に受け入れられるよう図る。

そしてこうつぶやく。
「なにか  一つの 
目ぼしい ことを 
やりとげるには、
きっと どこかで 
いたい おもいか、
そんを しなくちゃ 
ならないさ。」

「そして赤鬼の友だと悟られないよう、
姿を消す」

「友を思いやるが故に
彼との関係を絶つというところが
悲しい」

スポーツも、
プロゴルフや甲子園のレベルとなると、
「どこかで痛い思いか、
損をしなくちゃならない」

その繰り返しが、
「一つの目ぼしいこと」を、
成し遂げさせてくれる。

渋野日向子もいい負けだった。
そして今日敗戦した、
甲子園の東北2校、関東2校も、
それぞれの痛い思いは、
未来につながっている。

とくに仙台育英高校の惨敗は、
ひどく痛い思いだったに違いないが、
それこそ目ぼしいことにつながる。

谷川俊太郎さん。
「力いっぱい戦うことが、
誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない、
束の間のユートピア」

「そのことの中に、
私たちが失ってはならない
或るはりつめたものがある」

「ほぼ日刊イトイ新聞」
糸井重里の「今日のダーリン」
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「よく、”失敗”が大切だと、
言われるのだけれど、
どうしてそれが大切なのか、
じぶんに説明できたことがあったろうか」

「人には言える、平気で言えるし、
信じつつ言える」

わかる。

しかし、
「じぶんの失敗については、
納得しないままに”失敗も経験だから”と、
慰めるように、あるいは、
半ばあきらめたように、
思いこむことが多いような気がする」

糸井さんは正直だ。
私も同じ気持ちだ。

「ずいぶんと大人になってから、
“失敗”が大切な宝であることが、
わかるようになる」

糸井さんによるいちばん簡単な説明。
「失敗は、
やろうと思って
できないから」

「やろうと思ってする”失敗”、
というものはない。
やろうと思って、うまく
“失敗”ができたとしたら、
それは、ただの”計画の成功”だ」

「だれも”失敗”なんかしたくないし、
どうやって”失敗”しないか
さんざん考えているのに、
してしまうのが”失敗”だ」

敗戦も同じだ。

「つまり、”失敗”というやつは
うまくいくための
“計画の網の目”をかいくぐって、
やっと出現してくれる
“貴石(奇跡)”なのである」

敗戦も貴石であり、奇跡である。

「”失敗”と出合って、
そこで終わりにならなければ、
(できたら元気に)生き続けてさえいたら、
“あの失敗があったおかげ”に、
気づくことになるだろう」

糸井さんの結論。
「あらゆる周到な計画も、
いかにもでっかい夢も、
“失敗”という宝に出合えぬままでは、
ありふれた”ただの成功”にしか
届かないだろう」

そして今日の糸井重里は、
妙に高揚して締めくくる。
「”失敗”という”貴石(奇跡)”は、
運命と呼ばれる”つながり”のなかにあって、
ひときわ輝く宝石である」

「ほしいと思っても与えられぬ宝の石だ」

「こんなものさえなかったらと
忌避されていたのに、
それがあったからこそ、
すべてがつながってくれる」

最後の言葉。
「”失敗”のある人生にこそ、
感謝と歓喜を」

私たちがプロスポーツに感動するのは、
その「失敗のある人生」を垣間見るからだ。

そして自分の「失敗」や自分の「敗戦」にも、
感謝と歓喜がある。

つくづくとそれを思う。

〈結城義晴〉

2019年08月17日(土曜日)

ファミマ「ウナギ予約販売」の「もったいない・ありがたい」

第101回全国高校野球選手権。
ベスト8が決まった。

明日の準々決勝進出校。
第1試合は、
明石商業(兵庫)-八戸学院光星(青森)
第2試合は、
中京学院大中京(岐阜)-作新学院(栃木)
第3試合は、
星稜(石川)-仙台育英(宮城)
第4試合は、
履正社(大阪)-関東第一(東東京)

公立高校は唯一、明石商。

東北が2校、関東が2校、
北信越と東海が1校ずつ、
そして近畿2校。

九州、中四国の高校は、
残念ながら消えた。

星稜高校のエース奥川恭伸は、
特にすごい。

延長14回を165球、23奪三振。
タイブレークになったが、
それも抑えて、
準決勝に進出。

谷川俊太郎作。
「或るはりつめたものを待つ」
谷川

「つたの緑、夾竹桃の紅、
かち割り氷の透明、空の青、
ブラスバンドの金、
そしてみるみるうちに
赤茶色の土にまみれてゆく、
ユニホームの白……夏の甲子園は、
いつも色あざやかに心によみがえる」

「夏のさかりのあの数日の、
汗まみれ泥まみれの、
不思議なさわやかさ。
この時代に、ただひとつ
残された若者たちの共和国」

「力いっぱい戦うことが、
誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない、
束の間のユートピア」

「大きな図体の若者が、
幼児のように泣きじゃくる、
あのてれくさい光景にも、
何か胸をつかれるような単純さがある」

「不死ではない私たち人間の、
腕や、腿や、肩や、胸が
あんなにも一心に動いて、
そして目に見えるもの、
利害にかかわるものは
何ひとつつかまなかったのである」

「そのことの中に、
私たちが失ってはならない
或るはりつめたものがある」

2019年の夏の甲子園。
いよいよ大詰めである。

さて、今年の土用の丑の日、
7月27日。

ファミリーマート
ウナギ販売を原則的に予約制にした。
famima
うな重などを原則として予約販売にして、
希望する加盟店には、
予約以外の商品も取り扱えるようにした。

予約期間は昨2018年より、
2週間だけ早めた。
もちろん早く予約すれば、
代金は割り引かれた。

その結果、ウナギ販売額は、
前年比で約2割減となったが、
予約件数は2倍に伸びた。

そして予約を受けてから製造するため、
廃棄に伴う損失が8割減った。

コンビニは一般的に、
売れ残った商品は廃棄されるが、
ここで生じるロスの大部分は、
加盟店側がその損失を負う。

フランチャイズ加盟店のウナギの利益は、
廃棄減によって前年比約7割増となった。
本部の利益は前年並みだった。

山陽新聞の巻頭コラム、
「滴一滴」

「商いには疎い身ながら、
食品の廃棄がもったいないだけでなく、
どれほどの利益を失わせているか痛感する」

「食品ロス解消の効果は想像以上に大きい。
予約制と知らず買えなかった客もいただろう。
ただ、ウナギという資源の
深刻な先細りに目を向ければ、
もはや利便性だけを言ってはいられまい。
大切な食材を無駄にしてきた、
やり方が変わるといい」

2017年4月の商人舎標語。
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もったいない、
ありがたい。

「売れない」のではない。
「売っていない」のだ。
「売り損なっている」のだ。

鈴木敏文さんが言い、
故緒方知行さんが追従(ついしょう)した。
これは機会損失撲滅の本質を突いた。

だからセブン-イレブンは、
加盟店とスーパーバイザーに徹底した。
「売れ筋でロスを出せ!!」

しかし残念ながらこの時代は終わった。
値下げロス・廃棄ロスと機会ロスは、
本来、二律背反の関係にある。

だから戦略的に、組織的に、
もう1人、もう1品、もう1円の改善がいる。
そしてもう1パーセントの努力が望まれる。

フィリップ・コトラーが読みきった、
マーケティング1.0は、
製品中心の時代だった。

マーケティング2.0は、
消費者志向の時代で、
売り手市場から買い手市場に移行した。

そしてマーケティング3.0の今は、
価値共創の時代である。
ソーシャルマーケティングの時代である。

「売れない」のではない。
「もったいない」が足りないし、
「ありがたい」が少ないのだ。

〈結城義晴〉

2019年08月16日(金曜日)

高崎のイオンとヤオコー&ベルクと「夏盛り本日閉店左様なら」

終戦の日から盆の明けへ。
夏が過ぎてゆく。

長いながい梅雨。
そして台風と酷暑。

真夏の時期は短かった。

ざんぶりと一雨浴(あび)て蝉の声
〈小林一茶〉

高崎市は、
群馬県最大の人口を誇る。
36万8846人(2019年6月1日)。

群馬県の県庁所在地は前橋市だが、
こちらは33万3586人。

互いに競い合っている。

昔々のTBSラジオ深夜放送番組、
パックインミュージック。

野沢那智と白石冬美がパーソナリティで、
「ナチチャコ」と呼ばれていた。

この番組で、
「前高・高高」合戦があった。

前橋高校と高崎高校が、
互いにけなしあうという趣向。
懐かしい。

その高崎駅前に、
高崎OPA(オーパ)。
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商人舎流通スーパーニュース。

一昨年の2017年9月11日の報道。

イオンnews|
ビブレ跡地に「高崎OPA」10/13グランドオープン

2年前の10月13日にグランドオープン。
旧高崎ビブレ。

商業施設の敷地面積は約7400㎡(約2240坪)。
建物構造は地上8階建ての、
関東有数のショッピングビル。

2階から5階はファッション、
6階は家具や文具などの専門店街、
7・8階はフードコートと飲食店ゾーン。
それにエンターテインメント。

1階フロア全面に、
イオンスタイル高崎駅前
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イオンリテール㈱のスーパーマーケット。IMG_99099

2年前のオープンとはいえ、
もうイオンフードスタイルは、
完成の域に近づいていた。IMG_99039

インストアベーカリーとグロサリー。IMG_99069

店舗の奥には、
ドラッグストアと酒ショップ。
グランビューティークとイオンリカー。
そしてイートインコーナー。IMG_99079

ヤオコー高崎高関店。IMG_99429

埼玉県が本拠地のヤオコーも、
この高崎駅周辺に3店を展開。

高崎飯塚店、高崎井野店と、
このマーケットプレース高崎高関店。
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商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
第1Q営業収益5.2%増・営業利益0.5%減/消耗戦開始!?

ヤオコーの第1四半期は増収営業減益。
私は「消耗戦開始!?」と位置づけた。

この店は右手入り口に青果部門と、
インストアベーカリー&惣菜部門。IMG_99399

ヤオコーの店には主に2つのタイプがある。
巨匠・鈴木哲男の見事な命名。
「こってり型とあっさり型」

こってり型は、入口に、
青果と惣菜・ベーカリーを寄せる。
あっさり型は、コの字型レイアウトの、
両サイドに青果部門と惣菜部門を分ける。

この高崎高関店はこってり型。

青果・惣菜から鮮魚につながり、
奥壁面沿いは精肉や日配。

左コーナーにワインとチーズ。IMG_99349
そして最後が冷凍食品売場。
こってり型はこのゴールのところが、
ちょっと弱い。

しかしお盆商戦のこの高崎高関店は、
まんべんなく顧客が入っていて、
ずいぶん売れていた。

なぜヤオコー高崎高関店が、
こってり型の店になっているのか。

それはほんの目と鼻の先に、
この店があって、競合しているからだ。

ベルク江木店。IMG_99599

ベルクは現在、112店舗のスケールだが、
この高崎地区に5店舗を集中出店。
ドミナントを形成している。
高崎大八木店、フォルテ高崎店、
高崎日光店、 飯塚店、
そしてこの江木店。IMG_99589

商人舎流通スーパーニュース。
ベルクnews|
第1Q5.5%増・センター設備改修で経常利益3.5%減

ロジスティックスを充実させて、
好調を維持している。

入口の青果部門には「お盆」の垂れ幕。
「土着」をイメージさせる。IMG_99469

冷凍食品部門は、
「毎日安っ!」のオンパレード。IMG_99489

「メガ盛」も盛大に展開。IMG_99499

そして低価格の惣菜売場。IMG_99559
ローコストオペレーションに徹して、
ヤオコーとは異なるポジショニングだ。

ヤオコーとベルク。
きれいに棲み分けている。

もちろん周辺にはベイシアや、
とりせん、フレッセイが競合して、
群馬県第一の商都高崎は、
スーパーマーケット激戦区だ。

お盆商戦らしい激闘が、
静かに展開されている。

東京新聞巻頭コラム「筆洗」

「夏盛り本日閉店左様なら」

「閉ざされたシャッターに
こんな張り紙があった。
東京・阿佐谷」

作家・ねじめ正一の「ねじめ民芸店」が、
8月7日に店仕舞いした。
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阿佐谷に店を開いたのが1972年。
昔懐かしい玩具や季節の品々を売る。

阿佐谷パールセンター商店街の顔だった。
この商店街は「七夕まつり」で有名だ。

コラムの展開は、
ねじめ民芸店閉鎖から、
商店街の衰退へ、
そしてその商店街への、
ドラッグストアの進出へ。

さらにココカラファインとマツキヨの、
経営統合の話へ。

「えっ、ココカラと一緒になるのは
スギ薬局じゃなかったか。
土壇場でマツキヨが
ココカラの心を奪い返したらしい。
なかなか壮絶な展開である」

しかし商店街に関しては、
初めは一番外側の外れに、
スーパーマーケットがあった。

その後、コンビニに席巻され、
最近はドラッグストア。

商店街も業態の盛衰とともにある。

「店舗過多に人口減。
将来を考えれば、今は好調な業界も、
“薬九層倍”の楽な商売ではなく、
生き残りをかけて、競い合う」

「薬九層倍」は「くすり-くそうばい」と読む。
「暴利をむさぼることのたとえ」で、
あまりいい言葉ではない。

三省堂新明解四字熟語辞典では、
「薬の売値は原価よりはるかに高く、
儲けが大きいこと。
薬は売値が非常に高く、
原価の九倍もするという意から」

この辞典の用例に、
丸谷才一「笹まくら」からの引用がある。
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「薬九層倍というのは、
あれは製薬会社と医者のことで、
薬の小売店じゃ
そうはゆかねえんだそうだな」

その通り。

競争は時代とともに、
地域ごとに変わってゆく。

主役の座がスーパーマーケットから、
コンビニエンスストアへ、
そしてドラッグストアへ。

しかし古い業態が全滅して、
新しい業態がすべてを、
塗り替えてしまうわけではない。

〈結城義晴〉

2019年08月15日(木曜日)

第一屋製パン高崎工場の視察と大野耐一&デミングの思想

台風10号。

四国から広島に上陸し、
日本海へ抜けた。

しかし、強風と大雨とをもたらして、
日本列島のお盆を襲った。

これで今年、
日本列島に上陸した台風は、
3個目となった。

多い。

気象庁が使う「平年」とは、
西暦年の1の位が1の年から続く、
30年間の観測値を平均したものだ。
それを10年ごとに更新するが、
現在、使われているのは、
1981年から2010年までの平均値。

その平年で台風が上陸する回数は、
1年間に2.7個である。

だから今年はもう8月段階で、
平年値を超えている。

ちなみに昨2018年は、
29個の台風が発生して、
5個が列島に上陸した。

地震の被害だけではなく、
台風被害も甚大だ。

お見舞い申し上げたい。

私は朝から北陸新幹線で、
高崎へ。
IMG_99149

そして第一屋製パン㈱高崎工場。IMG_99299
昭和40年1月から操業開始。
第一パンで現在一番古い工場だ。

敷地3万7435㎡、建物1万7952㎡。

食パンライン、菓子パンライン、
そして製菓ラインとケーキ台。

パン工場はとてもいい匂いがする。

清酒工場には酒の香りがするし、
パン工場にはパンの香りがする。
それだけで幸せな気分になる。

働いている人たちは、234名。
みんな幸せそうに仕事している。

しかしパン工場には連休もお盆もない。
365日稼働する。
IMG_99289

高崎工場製造部長の江袋守一さんから、
丁寧な説明を受けて、
そのあとつなぎの衛生服に着替えて、
ヘアーネットやマスクをして、
工場内へ。

第一パンの工場には、
トヨタ自動織機から、
トップコンサルタントが入って、
徹底的に「トヨタ生産方式」を導入した。
「TPS」(Toyota Production System)。

それを第一屋製パンに導入して、
「DPS」と呼ぶ。

トヨタ式のQSC活動を、
継続して続けている。

「トヨタ生産方式」は、
故大野耐一さんによって体系化された。
大野さんはトヨタ自動車の元副社長で、
徹底して「現場」を大切にした。

そのTPSの目的は、
「多種少量で安く作る」こと。

トヨタ生産方式には2本柱がある。

第1が「ジャスト・イン・タイム」である。

これは、
「必要なものを
必要なときに
必要なだけ
供給するシステム」

つまり後工程から、必要なものを、
必要なときに、必要なだけ、
前工程に引き取りに行って、
前工程は引き取られた分だけつくる。

第2は「自働化」である。
「ニンベンのある自働化」である。

だからトヨタの場合、
「自動停止装置付きの機械」を導入する。
正常に動いているときには人はいらない。
異常でストップしたときにだけ人がいる。
これを「目で見る管理」と呼ぶ。

私は昨2018年の月刊商人舎12月月号で、
この考え方を取り入れた。
[特集]「自働発注」考
AIは「自動発注」を改革するか?
201812_coverpage-448x631

大野耐一さんは、
「”なぜ”と五回繰り返せ」と言い続けた。
一つの事象に5回の「なぜ」をぶつけてみる。
そうすると原理や原則が見えてくる。

そのうえで徹底して、
「ムダ」を分析し、摘発する。
⑴つくりすぎのムダ
⑵手待ちのムダ
⑶運搬のムダ
⑷加工そのもののムダ
⑸在庫のムダ
⑹動作のムダ
⑺不良をつくるムダ

大野さんはアメリカで、
スーパーマーケットからヒントを得て、
この「ジャスト・イン・タイム」を、
発想した。

象徴的なことだ。

私は「後工程はお客様」と言って、
小売業改革にも使っている。

ウィリアム・エドワーズ・デミング
米国の統計学者であり、コンサルタント。
1900年に生まれ、1993年に没した。
長寿の人だった。

デミング賞など設けられて、
現在もその考え方は製造業の基本となっている。

そのデミングが、
6つのガイドラインを残している。
①品質は顧客によって決められる。
Quality is defined by customers.

②バラつきを認識し低減せよ。
Understand and reduce variations.

③品質向上に対する
経営者のコミットメントこそ、
真の品質向上を促す。
Only management’s commitment to quality improvement can motivate significant improvement.

④変化と改善は継続的に、
満遍なく行われなくてはならない。
Change and improvement must be continuous and omnipresent.

⑤継続的な改善のためには
継続的な教育訓練が欠かせない。
Ongoing training is required for continuous improvement.

⑥個々の従業員の能力を格付けすることは、
たいていの場合、有害である。
Performance ratings of individual employees are usually destructive.

工場内をゆっくりと案内してもらって、
写真。

私の隣から江袋さん、
本島高明さん、原敬雄さん。
IMG_99219

そのあと同じ敷地内にある、
スリースター製菓㈱の工場も見学。
こちらは第一屋製パンの100%子会社。
最近はレーズンサンドがヒットした。
IMG_99309
パンの製造工程から、
「発酵」を省くと、
クッキーの製造工程となる。

ベーカリー部門は、
3つのカテゴリーでできている。
クッキーとパンとケーキ。
私は米国スーパーマーケットに倣って、
それを主張している。

スリースター製菓では、
小島五朗副社長から、
こちらも丁寧にご案内いただいた。IMG_99339

敷地のはずれには、
アウトレットストアがある。IMG_99259

第一パンの「ベーカリーアウトレット」
規格外品を割安で提供する。IMG_99269
それにしても、
トヨタから学ぶことは実に多い。

荒井伸也さんの名著。
「スーパーマーケット原論」も、
大野耐一さんからヒントを得ている。

プロダクトマネジメントを学習し、
オペレーションマネジメントを改革したい。

デミングは素晴らしい。

品質は顧客によって決められる。
バラつきを認識し低減せよ。
品質向上に対する
経営者のコミットメントこそ、
真の品質向上を促す。
変化と改善は継続的に、
満遍なく行われなくてはならない。
継続的な改善のためには、
継続的な教育訓練が欠かせない。
⑥個々の従業員の能力を格付けすることは
たいていの場合、有害である。

徹底とは、
細かく、
厳しく、
続けること。

これは結城義晴用語だ。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2019年08月14日(水曜日)

ココラカラファインがマツキヨとの統合を選択して鼎占に向かう

お盆台風10号。
名前は「クローサ(Krosa)」

西日本に上陸する気配だが、
ノロノロ台風。
お盆休みを直撃。

商売にとっても痛い。

このままお盆商戦を終えて、
10月消費増税に突入するのか。

私は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。IMG_98549
2カ月続けて、ささやかな増収増益。
新社長の細貝正統さんを先頭に、
みんな頑張っています。

マネジメントレベルを引き上げる。
私はいつものように全体を引き締めた。
少しでも上向きのときこそ、
経営管理の水準を上げるチャンスだ。

その第一屋製パン会長の細貝理榮さん、
6月28日に「エージシュート」を達成。
凄い。目出度い。

太平洋クラブ成田コース。
アウト36、イン39の75。
見事。

私も70歳台か80歳台には、
何とか成し遂げたい。

さて、ドラッグストアのM&A。
㈱ココカラファインホールディングスの、
経営統合に向けた案件に決着がついた。

結論は、
㈱マツモトキヨシホールディングスと、
協議を開始する。

ココカラファインは2008年4月に、
セガミメディクス㈱と㈱セイジョーが、
経営統合して、株式移転により、
新会社として創立。

セガミ、コクミン、ヒグチ。
大阪発の薬局チェーンの草分け。
懐かしい。

スーパードラッグストアが、
アメリカから入ってくる以前に、
取材したことがある。

そのセガミがセイジョーと統合して、
現在は日本のドラッグストア業界第7位。

6月3日商人舎流通スーパーニュース。
ココカラファインnews|
スギHDと経営統合協議開始/マツキヨとの協議も継続

そして6月10日のスーパーニュース。
ココカラファインnews|
マツキヨか、スギか。「特別委員会」設置・7月末結果報告

ココカラファインが、
㈱スギホールディングスとマツキヨを、
天秤にかけて、経営統合を検討。

つまり業界第7位企業が、
第6位のスギと第5位のマツキヨの両者と、
経営統合に向けて検討していた。

どちらと統合しても、
業界トップに躍り出る。

月刊商人舎6月号は、
[特集]2019同盟決算
日本小売業「決算解体新書」のスケール&スコープ分析

この特集の中の「決算総覧Ⅴ」は、
ドラッグストア
唯一の成長小売産業のクリティカルマスは「ここから過ぎ行く」?!

「万が一にも、
業界4位、6位、7位の3社が連合すれば
1兆5000億円で断トツのグループが
でき上がることになる」

「日本のドラッグストア産業のスケールを
2019年段階で7兆円と仮定しても、
この連合は21%のシェアを超えて、
一気に17%の”クリティカルマス”を
突破することになる」

私はこの間、
ドラッグストア業界のM&Aは、
まだまだ序の口であると言い続けている。

ドラッグストア先進国の米国では、
2社による複占状況が顕著だ。
CVSヘルスと
ウォルグリーンブーツアライアンス。

米国は日本流通業における、
「すでに起こった未来」である。

特にドラッグストアはその代表産業だ。

「日本のドラッグストアの
生き残りをかけたアライアンス戦略は、
産業全体が成長と膨張を
繰り返すなかで展開されている。
そのスピード感は、実に華々しい
“クリティカルマス”先陣争いと化してきた」

スギはこのココカラの発表を受けて、
「協議終了」を表明した。

惜しい話だった。

スギにとって、
3社にとって。

ココカラは特別委員会を設けて、
その委員会で検討していた。

委員会メンバーに、
亀井淳さんが入っている。
元イトーヨーカ堂社長。

この委員会の検討に基づいて、
ココカラの取締役会が決定した。

マツキヨは、
プライベートブランドの開発に優れ、
インバウンド対応にも、
仕組みが出来上がっている。
一方のスギは、
日本で一番薬剤師を確保し、
調剤のファーマシーとして核売場を持つ。

今後の協議で統合が実現すれば、
売上高1兆円の規模となって、
ツルハホールディングス、
ウェルシアホールディングスを抜く。

3社が統合していれば、
1兆5000億円規模で、
日本のドラッグストアの21%。
クリティカルマスを超えていた。

その意味で、もったいない。
いずれ各社の統合はさらに進む。

それならば、今、
やっておけばよかった。

かつて1969年、
岡田屋、フタギ、シロが合併をした。
あのとき2社の統合だったら、
現在のイオンはない。

私が住む横浜妙蓮寺商店街
ここでもドラッグストアとコンビニは、
重要な役割を示している。

まず妙蓮寺駅前に、
フィットケアデポ。IMG_98589

その斜め前に、セイジョー。
ココカラファインの店だ。IMG_98669

このセイジョーの隣にローソン。
IMG_98629

まだサブタイトルにスリーエフが残るが、
ローソン+スリーエフだ。IMG_98639

妙蓮寺駅から一番近いのが、
この2層のファミリーマート。IMG_98609

イオンのオリジンキッチンと、
隣のセブン-イレブン。IMG_98709

セブン-イレブンは一番の繁盛店。IMG_98719

その天敵だったのが、
オリジン弁当。IMG_98729

そこから2分も歩かないうちに、
ホームセンターおかもと。
昔の雑貨屋。IMG_98739

その隣にイオンのまいばすけっと。IMG_98769

そしてまたセブン-イレブン。IMG_98799
かつての生鮮業種店は、
この商店街から姿を消した。

気の利いた八百屋、魚屋、肉屋は、
専門店レストランに転換している。

かくて食品小売業は、
主力業態がコンビニで、
競合せず存在感があるのが、
まいばすけっと。
欧米ではエクスプレスストアと呼ぶ。

もちろんドラッグストアも、
2店が競合している。

コンビニは「三占」、
最近は「鼎占」と表現している。
3社に収れんしそうだ。

ドラッグストアも寡占状態となった。
その上位企業同士が合併して、
やがて鼎占となる。

どんな3社となるか。

それは言えない、言わない。
必ず意外なことが起こるから。

しかし鼎占に向かうとしたら、
マツキヨとココカラは、
スギを仲間に入れておくべきだった。

〈結城義晴〉

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