結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年03月04日(火曜日)

倉本長治『商売十訓』の二つの社会的活動と小売業のメセナ

今日も商人舎オフィス。
朝から来客。

土井弘さん(左)と、
斉藤保明さん、宍戸健宏さん。
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土井さんは電通きっての流通通。
現在は退任して、悠々自適。
東洋学園大学非常勤講師。
商人舎MagazineのWeeklySpecialに、
「日記調査と生活導線マーケティング」連載中。

斉藤さんは㈱綜研情報工芸社長。
宍戸さんは同プロモーションディレクター。

土井さんが同社顧問ということもあって、
今回、商人舎に来てくださった。

いろいろと情報交換。

この綜研情報工芸会長の小泉宗雄さんが、
面白いメセナ活動をしている。

それは、
「日本の【伝統的工芸品】普及推進」。

【伝統的工芸品】とは、
通称「伝産法」で認定された商品。
「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」。

熟練した技を必要とする工作物で、
芸術的要素を備えたもの。

さらに5つの条件がある。
①主として日常生活の用に供されるものであること
②製造過程の主要部分が手作業であること
③伝統的技術または技法により製造されること
④伝統的に使用されてきた原材料であること
⑤一定の地域で産地を形成していること

それらを制作するのが【伝統工芸士】。
資格制度がある。
(財)伝統的工芸品産業振興協会が、
年に一回、知識と実技の試験を実施して認定。
受験資格は12年以上の実務経験を有し、
原則として産地内に居住していること。

そしてこのと伝統工芸士は現在、
4592名が登録されている。

平成23年度に伝統的工芸品は、
全国で211品目、企業数1万5147社、
従業者数7941人。
年間生産額は1281億円。

企業数が最も多かった1979年は、
3万4043社、従業者数28万7956人。
現在は企業数が44%、従業者数28%。

年間生産額は1983年がピークで、
5237臆円。
現在は24%に激減。

伝統的工芸品産業振興関連予算は、
2010年度に総額9.4億円。
産地補助金2.6億円、
振興協会補助金6.8億円。

そこで綜研情報工芸が、
これをメセナ活動の対象とした。
会長の小泉さんの母方の祖父・小野塚平吉氏は、
明治2年に旧幕臣の家に生まれ、
江戸名残の細工師の道に入って、
親方となって活躍。

小泉社長時代の2005年度から、
この活動をメセナとして開始。
毎年、2品ずつ探して、
商品化し、紹介している。

今年は福岡の「博多織」。
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ポケットティッシュ・ケースと、
本の栞。

小洒落たケースに入っている。
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中にはメセナの説明書などが、
丁寧に添えられている。
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これまでの【伝統的工芸品】。
・江戸切子 (東京)
・東京銀器 (東京)
・江戸千代紙 (東京)
・多摩織 (東京)
・甲州印伝 (山梨)
・桐細工 (春日部)
・箱根寄木細工 (箱根)
・鎌倉彫 (鎌倉)
・無妙異焼 (佐渡)
・金沢箔 (金沢)
・樺細工 (角館)
・曲げわっぱ (大館)
・七宝 (名古屋)
・首里同頓織 (沖縄)
・飛騨春慶(高山)
・駿河竹千筋細工(静岡)
・壺屋焼き (沖縄)
・有田焼 (佐賀)
・江戸木版画 (東京)
・出雲めのう細工(松江)
・高岡銅器 (高岡)
・小田原漆器(小田原)
・会津塗 (福島)

mécénatは、
フランス語で「文化の擁護」の意。
企業が資金などを提供して、
文化や芸術を支援する活動。

ある企業のメセナに賛同して、
支援することもメセナではある。

販促活動の一環ではない。
それは認識しておく必要がある。

小売りサービス業では、
1992年のすかいらーくの東京交響楽団支援、
1993年のセゾン美術館運営などが名高いが、
実は1980年のイオンの岡田文化財団が早い。
創設者は小嶋千鶴子さん、
岡田卓也名誉会長の姉上。

ダイエー創始者の中内さんも、
様々なメセナを展開したが、
流通科学大学の創設が、
その代表だろう。

最近では、2011年12月、
ヤオコー川越美術館がオープン。

企業を創業し、
成功させ、株式を公開した後、
会社を盤石にしたうえで展開すメセナ活動。

さぞかし気分がいいことだろう。

その資格がある人だけが、
それを味わうことができる。

しかし上場せずともできることを、
綜研情報工芸のメセナが示している。

ほどほどのメセナも、いい。

このテーマを論じるときに、
いつも思い浮かべるのが、
倉本長治の『商売十訓』。

「一 損得より先きに善悪を考えよう」
ここから始まって、
「八 公正で公平な社会的活動を行え」
「九 文化のために経営を合理化せよ」

第八訓は企業のミッションを意味する。
社会的活動には二つあると、
私は考える。
第1は、自分の本業の仕事。
第2は、ボランティア活動。

メセナは二番目にあたる。

ここには二つの法則がある。
第1の社会貢献では、
「小さな経費で大きな収益」を目指す。
それを徹底する。

第2の社会貢献は、
「大きな努力で小さな成果」に満足する。
をれを貫く。

いや、企業にとっては、
「成果」をすら求めない。
それがメセナだ。

第九訓は「文化」と「合理化」を論じる。
一見、相矛盾する。

しかしドラッカーは、言う。
「仕事が出来る者は、集中する。
集中するための原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである。
過去を捨てなければ、
明日をつくることは出来ない」

これは「経営の合理化」を意味する。

「あまりにわずかの企業しか、
昨日を捨てていない。
あまりにわずかの企業しか、
明日のために必要な資源を手にしていない」

未来のための経営合理化とは、
過去を捨てることだ。

いわゆるリストラや人員削減ではない。

「死臭を防ぐことほど、
手間のかかる無意味な仕事はない」

ドラッカーは辛らつだ。

だから生産的でなくなった過去のものを捨てる。

残るのは、生産的な過去のもの。
それが企業の「文化」である。

明日につながる昨日のもの。
それが「文化」である。

だからこそ「文化」のために、
「経営」は「合理化」されなければならない。

「企業文化」をつくっていく上では、
ノスタルジックではあろうが、
不要な過去の要素は、
「死臭」でしかない。

メセナがすがすがしくて気分がいいのは、
この死臭を完全に遮断しているからだ。

〈結城義晴〉

2014年03月03日(月曜日)

池上彰「すぐ役立つことはすぐ役立たなくなる」と脱グライダー商人

Everybody! Good Monday!
[2014vol9]

2014年第10週、
3月第2週です。

春です。

春立つや遊具に並ぶ線量計
〈日経俳壇 福島・宗像眞知子〉
福島では子どもの遊び道具の中に、
線量計が一緒に並んでいる。

故郷の表示ある牡蠣買ひにけり

〈同 石巻・石の森市朗〉
石巻在住の有名な俳人。
泣けてくる句。

通学のどの子も春を待ちゐたり
〈同 東京・池田松蓮〉

今日は、子どもたちが待つひな祭り。

日経新聞の『サーベイ』。
「季節の伝統行事『回数減った』」の調査記事。
編集委員の石鍋仁美さんが分析。

全国の20歳以上の男女1030人に、
インターネット調査会社マクロミルが調べた。
調査日は2月20~21日だから、
回答者の頭の中には、
バレンタインデーや節分、
そしてひな祭りやイメージされていただろう。

こういった季節の伝統行事を実施する家庭。
調査結果は「増えた」人9%、
「減った」人47%。

「廃れていく現状が浮き彫り」。

減った原因。
最大の理由は「手間と時間がかかる」。
「子供の独立や成長」、
「費用の負担」。

「詳しかった人が亡くなったから」の声も。

特に伝統的な行事は家族とともに行う。
だから回数の減少は、
単身世帯や子供のいない家庭の増加も映す。

しかし近年、増えた行事もある。
節分の「恵方巻き」。
この調査でも実施した人は55%。
同じ節分行事の豆まきより多い。

恵方巻きは、独り暮らしでも、
簡便に商品を買ってくればできる。
食事を兼ねるから、
特別な支出は要らない。

「手間もお金も家族も不要」
記事は三つの条件が揃うと指摘。

洋風行事では、
クリスマスとバレンタインデー。

これは家族でよりも、
大人が楽しむ行事という性格が強くなった。

さらにハロウィンは15%の回答。

ハロウィンに関して石鍋編集委員は、指摘する。
「子供が幼稚園などで仮装を楽しむ」
「若者らも工夫を凝らした衣装で街を練り歩く」

「お手軽志向と徹底的に凝る人と、
行事への接し方も二極化が進む」

こういった記事は、
二極化で片づけることが多い。
それはつまらない

私なりに整理すると、
まず日本の消費において、
行事は、新しいものが好まれている。
恵方巻き、ハロウィン。

「手間とお金と家族は不要」とあるが、
これも一概には片付けられない。

かつては家族や会社での行事がほとんどだったが、
今は家族でも、友人でも、恋人でも、
いずれもある。

マクロミル調査では、
「家族や友人、恋人と過ごすいい機会」の回答が、
63%。

ただし30%の回答が、
「最近の行事は商業主義に乗せられすぎ」。

ここでいう「商業主義」とは、
他のあらゆる価値に利益を優先させる考え。
「営利主義」といったり、
「コマーシャリズム」と表したりする。

行事催事は、
顧客を楽しませること。
その顧客は様々な個性で楽しむ。
ヤオコー会長の川野幸夫さん流に言えば、
「かつては十人一色だったが、
現在は十人十色を通り越して、
一人十色」。

恵方巻きもハロウィンも、
家族で楽しみ、友人と愉しみ、恋人と愉しむ。

この現象への対応を、
営利主義を排して、提案する。

難しいけれどこれを、
「マス・カスタマイゼ―ション」という。

昨日のfacebookで、
立教大学経営学部教授の亀川雅人さんが、
池上彰さんの言葉としてまとめている。

亀川さんは、
立教大学院ビジネスデザイン研究科の創業者。

その研究科で先週土曜日に、
ジャーナリスト池上彰さんを招いて、
講演会を開催。
テーマは「私の実践的リベラルアーツ論」 。

池上さんの話の要点。
「基本的には、
すぐに役立つことは
すぐに役立たなくなる」

仕事の本質をついている。

「すぐに役立つこと」を、
喜んで教えられているケースが実に多い。
しかしそれは、すぐに役立たなくなる。

だから似非コンサルタントなどは、
すぐに、つぎに、
「すぐに役立つこと」を考え出し、
それを教える。

喜んで教わる。

しかしすぐに役立たなくなる。
だからまた、
「すぐに役立つこと」を、
考え出して教える。

このいたちごっこ。

池上さんは指摘する。
「最先端の技術や知識は
実はその価値が定まっていないので、
基礎的な知識に基づいて、
自分で考える力をつけること」

これこそ、脱グライダー商人。

誰かに引っ張ってもらってばかりでは、
いけない。

自分のエンジンをもって、
自分で考え、
自分で実行すること。

先週金曜日のブログ、
イオン3・1大機構改革と
星野佳路「教科書」の選び方・学び方

その星野さんの方法。
ステップ1・本を探す。
書店に1冊しかないような
古典的な本ほど役に立つ。

ステップ2・読む。
1行ずつ理解し、
分からない部分を残さず、
何度でも読む。

ステップ3・実践する。
理論をつまみ食いしないで、
100%教科書通りにやってみる。

安易な経営の方法、
安易な仕事の流儀を否定し、
自分なりの経営の方法、
自分なりの仕事の流儀を薦める。

池上彰さんと同じです。
もちろん立教大学の「リベラルアーツ」も、
結城義晴の知識商人も、
まったく同じ考え方。

知識商人諸君、
そこんとこ、よろしく。

最後に今日の商人舎Magazine。
Weekly商人舎は、
「月曜朝一・今週の販促企画」。

Daily商人舎は、
セブン‐イレブン 四国・愛媛県に
初出店! 残るは4県

セブンといえば、
日経新聞『きん言』に、
セブン銀行社長の二子石謙輔さん登場。
「2020年の東京五輪までに、
外国人観光客にとって使いやすい
金融インフラを整える必要がある」

セブン銀行のATMは全国に約2万台。
海外カードにも対応済み。

我々も海外に行くと困るが、
外国人も同じ。

日本に来ても、
自国のキャッシュカードで金を引き出せない。
二子さんは「観光立国へ欠かせない要素」。

これは「自分で考える」会社の施策。
セブン‐イレブン全国展開の底力も、
ここにある。

自分で考える。
思考停止してはいけない。

では、みなさん。
今週も「元気を出そう・元気を売ろう」
3月の商人舎標語。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2014年03月02日(日曜日)

ジジの雨の日[日曜版2014vol9]

ジジです。
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雨です。
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3月の雨。
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ベランダのお花は、
うれしそう。
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季節はずれのポインセチア。
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でも、みずたまは、
うつくしい。
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こっちの花は、
いまがシーズン。
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ビオラ。
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むらさきのビオラ。
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みずたま。
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赤いビオラも。
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春ですね。
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雨だけど。

だから、おとうさんも、
おへやのなか。
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どこにも、でかけないみたい。
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だって、朝の4時ごろに、
かえってきた。

おしごとでした。

いいマガジンができたらしい。
うれしそう。

いちにち、
おへやのなかも、
いいもんです。
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お花だってあるし。
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これも季節はずれのシクラメン。

花束もある。
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あれには、いかないの?
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いかないんですね。
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じゃあ、おうちのなかで、
からだをうごかす。
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テーブルのした。
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おとうさんもいかが?
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それにあしたは、
ひなまつり。
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おびなとめびな。
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おんなのこではないけれど、
きょうは、ゆっくりしましょう。
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おとうさんには、
それがいいと、おもいます。
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おつかれさまでした。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2014年03月01日(土曜日)

「元気を出そう・元気を売ろう」と「形はなりやすく、心はなりがたし」

今日から3月。
2月が短いせいか、
すとんと
弥生が訪れた感じ。

雨です。

土曜日だけれど、
横浜商人舎オフィスに出社。

昨夜、25時過ぎまで、
校正など励んだけれど終らず、
月刊『商人舎』3月号の最終校了は、
すとんと
弥生まで伸びた。

その3月号の巻頭言、
Message of March
これが3月の商人舎標語にもなる。

陸前高田の奇跡の一本松の写真を、
使いました。
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「元気を出そう・元気を売ろう」
〈東日本大震災に寄せて〉

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

お客さまに笑顔が戻る。
街に活気が蘇える。
あなたの商品のおかげです。
あなたのサービスのたまものです。

たとえ売場が、
空になろうとも。
たとえ補給が、
途絶えようとも。

あなたは店を開けようよ。
あなたは売場に立ち続けようよ。
店で元気を出そう。
売場で元気を売ろう。

元気があなたの付加価値です。
元気があなたの利潤です。

苦しい時にも、
元気が買える。
どんな時でも、
元気が貰える。

たとえ地震に
襲われようとも。
たとえ津波に
見舞われようとも。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。

それがあなたの仕事です。
それがあなたの役目です。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。

〈結城義晴〉

私の代名詞のような文章。

3月号の特集は、
「3・11―三年目の正直。」

凄い本となりました。
是非、是非、読んでください。

取材に応じてくださったみなさん、
ありがとうございました。

結城義晴は、
マイヤやマルト、
そしてベニマルのケーススタディを、
書いたり、手を入れたり。

そして「全日本商業戦略」を、
考察・考案しました。

是非是非、読んでください。

さて、売場はひな祭り一色。
今日、明日の営業が、
大きく影響しますが、
北海道を除いて、
全国的に雨模様。

3月3日の月曜日まで、
「桃の節句」、つまり女性のお祭りに、
男性陣は精一杯ご奉仕してください。

それを「自分の喜び」としてください。

英語で、
“My pleasure!”

昨日の日経新聞最終面の『私の履歴書』。
歌舞伎俳優・市川猿翁の最終回。

フランスの詩人ルイ・アラゴンを引用。
「教えるとは共に希望を語ること。
学ぶとは真実を胸に刻むこと」

シュールレアリズム文学の開拓者だが、
言うことはまとも。

猿翁はこの精神を大切にした。
希望を語り、真実を胸に刻む。
それが教え、学ぶこと。

その猿翁自身、
祖父の初代猿翁に、
厳しく教えられた。
「形はなりやすく、心はなりがたし」

曰く、
「形、型はまねやすいけれども
精神(こころ)を継承するのは大変だ」

小売サービス業でも、
カタチを真似ることが流行っているが、
その本質を学び、
自分のものとし、
それを部下や仲間に、
伝えることはひどく難しい。

カタチだけ真似ることは、
意味がない。
まったく。

なぜなら、店によって、
顧客がみな違うからだ。

季節によっても、
天気によっても、
競争の条件ひとつによっても、
アクションは違ってこなければならない。

猿翁は言い切る。
「役者という修羅の道を歩んできた私は
心の底からそう思う」

小売業やサービス業、
製造業や卸売業の営業。
それらは仕事であって、
役者の道ではない。

だから「修羅の道」を、
あえて強調することはない。

仕事は、
楽しくて、喜ばしいこと。

そういう方向に、
持ってくることが大事だ。

しかし仕事も極めるとなれば、
「修羅の道」の覚悟は必要だろう。

つまりトップマネジメントや、
それを目指すミドルマネジメント。

そして経営者や幹部には、
「形はなりやすく、心はなりがたし」

猿翁は最後に言う。
「私は今もなお天翔(あまがけ)る心をもって
目に見えない大きなものを
つかみ取る生き方にあこがれる。
信ずれば夢は叶(かな)う。
私にはまだやることが一杯ある」

猿翁は「猿」の字を名前にしているが、
代々、「猿真似」は断じてやらなかった。

その心意気こそ、
学びたい、教えたい。
希望を語り、
真実を胸に刻みたい。

〈結城義晴〉

2014年02月28日(金曜日)

まど・みちおさん、逝去――「ゆきがふる」合掌。

通称『店ドラ』。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』。
イースト・プレス刊、結城義晴著。
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日本での初版は2011年5月28日で、
6刷にまでなっています。

それが2012年6月15日に、
台湾で翻訳・発刊され、
さらに昨2013年暮れ、
中国でも翻訳され発売された。
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最近、著者である私のもとに届けられた。

中国版が黄色の表紙、
台湾は白地に赤、
日本版は水色に黄色。

不思議なことに、
いずれもデザインが異なる。

しかしお目出度いことは変わらない。

ドラッカーは国境を超える。
店長というお役目も、
国境を超えていることがわかる。

お目出度い。

ドラッカーの翻訳家・上田惇生先生。
ドラッカー自身から「私の分身」といわれた。

その上田先生が述懐する。
「不思議なことに、
誰もがドラッカーは
自分のために書いてくれたと思います。
5年経ったらまたそのとき、
自分のために書いてくれたと思います」

「つまりドラッカーは、
それぞれのドラッカーです」

私は、『店ドラ』の表紙のトップタイトルに書いた。
「ドラッカーは
小売り・サービス業を
応援している!」

これこそ、
「それぞれのドラッカー」。

台湾人も中国人も、
韓国人もアメリカ人も。
もちろん日本人も。
それぞれのドラッカーをもっている。

そう考えるだけで、
問題が解決したような気になる。

お目出度い。

一方、
まど・みちおさんが、
亡くなった。

詩人・童謡作家。

私は早稲田大学童謡研究会出身。
赤い鳥運動の頃に発足した、
由緒ある研究会。
初代顧問は西条八十。

学生時代は童謡の創作をしていた。

だから、まど・みちおさんには、
あこがれていた。

北原白秋や野口雨情も研究し、
創作に役立てた。

童謡の「ぞうさん」はあまりにも有名。
愉快な「やぎさん ゆうびん」もいい。

喪主の長男石田京(たかし)さんは、
ダイエー出身の流通業界人。

104歳の老衰。

まど・みちおさんに向けて、
語りかける言葉など、
みつけることはできない。
ただただご冥福を祈り、
感謝の気持ちを捧げたい。

最後に、
「ゆきがふる」
まど・みちお作。

ふるふる ふるふる
ゆきが ふる

ゆきを みあげて
たつ ぼくに

ふるふる ふるふる
ゆきが ふる

とつぜん ぼくは
のぼってく

せかいじゅうから
ただ ひとり

そらへ そらへと
のぼってく

ふと きがつくと
ゆきが ふる

ゆきを みあげて
たつ ぼくに

ふるふる ふるふる
ゆきが ふる

今年は雪が多かった。

まど・みちおさん。

せかいじゅうから
ただひとり
そらへのぼって
いきました。

合掌。

〈結城義晴〉

【追伸】
今日は月刊『商人舎』3月号最終校了日。
短いブログでお許しください。

2014年02月27日(木曜日)

イオン3・1大機構改革と星野佳路「教科書」の選び方・学び方

一雨ごとに春が近づく。
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今朝の東京タワー。
小雨にけぶった姿が、
これはこれでいいもんだ。

「一雨ごとに春」
常とう句のような表現だが、
誰が言ったのかはわからない。

梅一輪一輪ほどの暖かさ

こちらは江戸の俳諧師・服部嵐雪。
松尾芭蕉の高弟。

「一輪ほど」の言い回しが、いい。

梅といえば、横浜では、
三溪園が名高い。
私の出身高校の近くの根岸森林公園もいいし、
大倉山公園の梅林は特に有名。

梅なんぞを楽しみながら、
ゆっくりしたい気分です。

その時には、雨も許そう。

一雨ごと、
一輪ほど。

それが今です。

今朝は東京タワーのそばの大門。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
定例の役員会。

来年度、この会社は、
飛躍します。
何よりもCRMに追い風が吹いている。
ID-POSを活用したマーケティング。

コモディティは、
POSデータで把握できるが、
ノンコモディティはそれだけでは、
つかめない。

ノンコモディティ商品や、
ライフスタイル商品を、
全社、全店で確認しつつ、
マーケティングするには、
顧客情報付きPOSデータが有効だ。

この会社は、そのど真ん中にいる。

組織も充実してきた。
優秀な人材も増えている。

ご期待ください。

組織、人材といえば、
商人舎MagazineのWeekly商人舎に、
4500字の描き下ろし原稿を掲載。

週刊特別企画。
「3月1日、イオン機構改革と
新人事を解読する」

イオンは、グループ全体を、
4つのシフトに収斂し、それを加速する。
①「アジアシフト」
②「都市シフト」
③「シニアシフト」
④「デジタルシフト」

これまでの事業最高責任者のうえに、
それぞれにシフト推進責任者を配して、
責任の明確化と総括体制を強化する。

イオンでは2月20日、
インサイダー取引事件が判明した。
日経新聞にも取り上げられた。

その影響がこの機構改革にも、
反映されていると、私は見る。

しかしイオンはかねてから、
こういったマイナスを、
プラスに変える組織体質を持つ。

素早さが何より大切だが、
徹底も重要だ。

こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。

2014年度の商人舎標語。

組織も、人事も、
これに尽きる。

さて、この商人舎ホームページの巻頭。
ロンドン&バルセロナ
小売視察研修ツアー

締め切り迫る。
最後のチャンス。

4月10日~17日。
いいですよ。

「奇跡のメルカド―ナ」
そしてガウディの街。
バルセロナ。

もちろんヨーロッパなら、
世界のロンドン。

特にトップマネジメントは、
アメリカだけでは、
足りない。

ヨーロッパにも、
学んでおかねばいけない。

お申し込み、
お待ちします。

さて日経新聞のWeb版「経営者ブログ」。
星野リゾート代表の星野佳路さんが書く。
「日本には石油より価値ある『資源』がある」

昨2013年、日本への外国人観光客は、
1000万人を突破。

2003年の小泉政権の時、
政府は「観光立国」のコンセプトを
明らかにした。

しかし、伸び率で比較すると、
日本は世界平均を下回っている。

星野さんは指摘する。
「アジアには日本の上を行く観光立国が
少なくありません。
例えばお隣の韓国。
日本に先んじて、2年前に
訪問外国人客数が
1000万人を突破しました」

観光産業育成に向け、
韓国は日本を凌ぐ力の入れ方。

ただし、
「実際にアジアの人々を対象に
アンケートで『行ってみたい国』を尋ねてみると
日本が一番なんです」

「その大きな理由のひとつが雪です」

関東も東北も、
最近の大雪で難儀した。

けれど、雪は、
「アジアの観光戦略を考えるうえで、
とても重要な資源です」

「世界的に見ると、
北米ではロッキー山脈、
欧州ならアルプス、
アジアなら日本列島です」

「観光が経済に大きい影響を与える今の時代、
雪は石油より価値あると思います」

「石油はすごい資源で、
『いいなあ底から湧いてきて』と思いますが、
雪は空から降ってくる資源です」

観光資源を生かすために星野さんは、
「国を挙げての観光産業の生産性向上」を
提唱する。

その一つが、
「大型連休を地域別に分けて取得すること」。
フランスはこれを実施している。
結果として、年間に8000万人が訪れる。
日本の8倍の観光大国。

「様々な観光施設の需要が平準化し、
生産性も上がり、
設備投資も活発になります」

「新しい魅力的な施設が相次ぎ誕生し、
人がさらに集まるという好循環が期待できます」

ロンドンもバルセロナも、
もちろんパリも、
観光資源を活かし、
観光産業の生産性を上げることに、
必死だ。

最後にめざすのは、
「好循環産業」。

ハーバード・ビジネスレビューが、
メルカドーナを評したのが、
「好循環企業」。

星野佳路、鋭い。

かつて㈱商業界社長の頃、
売出し中の星野さんに、
対談で商業界会館に、
来社してもらったことがある。

あのころから数倍、
大きな経営者になった。

産業レベルで、
モノを考えるようになったからだ。
素晴らしい。

その星野さんに関する単行本が、
最近、増えている。

よく売れているのが、
日経トップリーダー副編集長・中沢康彦著。
日経BP社刊で、3冊ある。
『星野佳路と考える
ファミリービジネスマネジメント』
『星野リゾートの教科書』
『星野リゾートの事件簿』

そして、
フレッド・クロフォード&ライアン・マシューズ著、
星野佳路監修、
『競争優位を実現する
ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略』
これは私の『店ドラ』発刊元のイーストプレス刊。

星野佳路自身の著作は、
『賢人のビジネスリーダー力』
幻冬舎刊。

『プロフェッショナル仕事の流儀 星野佳路』
これは茂木健一郎編集、NHK制作班編集。

『星野リゾートの教科書』の中で、
星野さんが教科書の選び方、
学び方を語っている。

ステップ1・本を探す。
書店に1冊しかないような
古典的な本ほど役に立つ。

ステップ2・読む。
1行ずつ理解し、
分からない部分を残さず、
何度でも読む。

ステップ3・実践する。
理論をつまみ食いしないで、
100%教科書通りにやってみる。

自分なりの経営の方法、
自分なりの仕事の流儀。

安易な経営の方法、
安易な仕事の流儀。

それを否定している。
同感。

星野佳路の考え方がそのまま、
ポジショニング戦略である。

〈結城義晴〉

2014年02月26日(水曜日)

丹羽宇一郎「ウソは許さない」と日経社説「消費者の目線」

新田間川――。
横浜駅西口付近、
商人舎オフィスのそばを流れる。

その新田間川の川べりの桜も、
芽を吹き始めた。
20140226111818.jpg

川面の光も、
春を告げる。
20140226111753.jpg

ソチ冬季五輪が終わって、
間髪をいれずに、
いい季節がやってくる。
20140226111837.jpg

昨日は、その商人舎オフィスを、
山口毅君が訪ねてくれた。
20140226111859.jpg
㈱レゾーナ代表取締役社長。
立教大学大学院修士課程を、
優秀な成績で修め、
昨年2月22日、
会社を設立した。

立教では結城ゼミ3期生。
私の可愛い教え子です。

レゾーナは、
高級化粧品メーカー。
20140226111912.jpg
小さなベンチャー企業ですが、
必死の思いで起業し、
製品をつくり、
営業に回っている。

商人舎の女性陣が、
2セット購入。

高級化粧品ですので、
品揃えできる店は限られてきますが、
興味のある方はご連絡ください。

株式会社レゾーナ
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-35-9
03-6721-1193(代表)
03-6721-1194(FAX)

http://www.granatum.jp

商品のご注文は、0120-979-818
受付時間 10:00~17:00(土日祝休)

私の教え子。
宣伝をお許しください。

さて、日経新聞社説。
このところ小売流通業を取り上げてくれる。
その頻度が高まっている。
今日は「セブンイレブンに学ぶこと」。

日経は「セブンイレブン」と表記するが、
私は正確に「セブン-イレブン」と記す。
こうしないと、どこかむず痒い。

長い文章となると、
「セブン」と略してしまうが。

そのセブンの2014年2月期決算は、
営業利益、出店数とも過去最高を更新。
既存店売上高も2012年夏以降、
前年同月比でプラスが続く。

その秘訣を社説は、
「消費者の目線」と分析。

「消費者の目線で考えれば
社会や市場の変化にも敏感になる」

「小売りの王道は安売り競争」
「消費者の価値観は国ごとに全く違う」
こういった業界の常識に挑み、
生活習慣を提案し、
業種などの壁を崩す。

これを書いている記者は、
流通やマーケティングの専門家ではない。

だから、改めて述懐する。
「そうした姿勢には、
業界を超え
参考にすべき点は多い」

「日本の産業界では、今も
技術偏重の商品開発が目立つ」

「いたずらな高機能競争は、
使い方を習得するための
時間や手間を惜しむ
現代の消費者とすれ違う」

これが意味するのは、
「店は客のためにある」
倉本長治。

あるいは、
「お客に有利な商いを毎日続けよ」
これも長治先生の『商売十訓』。

ピーター・ドラッカーならば、
「カスタマーから始めよ」

「なぜ国境を越え
人々の心をつかめたのか。
学ぶべき点は学びたい」

まあ、初歩的な言説で、
マーケティングの重要性を強調したものだが、
セブン-イレブンが、
日経の社説に載ったことを、
喜ばしい現象としておこう。

一方、日経Webの経営者ブログ。
前伊藤忠会長の丹羽宇一郎さん。
「日本人はいつからこれほど
ウソつきになったのか」

「最近の日本では『ウソ』が
横行していますね」

百貨店、老舗レストランの食品表示偽装、
医薬品のデータ改ざん、
JR北海道のレール検査数値改ざん、
「全聾の作曲家」のゴーストライター事件……。

「次々に大掛かりで深刻な
『ウソ』が浮かび上がっている」

丹羽さんは嘆く。
「『日本ブランド』は
傷みつつあります」

そして「技術力」を定義する。
「単に技術を確立するだけでなく、
その技術を生かして
安全なサービスを継続的に
提供できる力までを含んだもの」

「安全なサービスを
継続して提供する力」

これが衰えた。

今年1年間の商人舎標語は、
こまかく、
きびしく、
しつこく、
なかよく。

「日本全体がウソに対して
不感症に陥っている」

「企業でいうと
経営者のタガが緩んでいる」

事態の悪化を食い止める方法。
「まずは企業経営者が
『ウソは決して許さない』と号令をかけ、
組織を締め直すほかありません」
経営者出身の丹羽さんらしい結論づけだ。

「企業のウソは自らを苦境に追いやり、
従業員を苦しめるだけではありません。
日本の将来をも毀損するのです」

倉本長治の商売十訓。
「損得より先に善悪を考えよう」

丹羽さんが言いたいのは、これだ。

そして日経社説が言いたいのは、
「客のためにある」

丹羽さんがIntegrity、
日経社説はMarketing。

この二つ以外に、
もう一つ付け加えると、
それはInnovation。

倉本長治の『商売十訓』では、
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」

レゾーナの山口毅君にも、
この三つの概念を、
いまさらながらに強調しておこう。

結城義晴の愛弟子なら、
忘れることはないか。

〈結城義晴〉

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