結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月26日(火曜日)

大谷翔平の記者会見と初FC「ロピア沖縄国際通り店」オープン

横浜は今日も雨。
1日中、商人舎オフィスで、
原稿の手直し。

いい記事となった。
ご期待ください。

山陽新聞の一面コラム「滴一滴」
地方新聞の巻頭言を読むのも好きだ。

「春本番となってきた」

「心弾む春だが、
この季節ならではの注意すべきことがある」

「春の5K」
花粉、黄砂、強風、乾燥、寒暖差。
ローマ字表記で頭文字がKとなる五つ。

納得。

気象キャスターの片山美紀さん。
著書『気象予報士のしごと』で、
「春の8K」を紹介する。
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先の5Kに三つを加える。
雷、火災、変わりやすい天気。

コラムのまとめ。
「きちんと、気を緩めず、気を付ければ、
きっと、心地よい春になる」

その通り。

しかし、
心地よい春とはならなかったのが、
大谷翔平。

ロサンゼルスのドジャースタジアムで、
記者会見を開いて、 声明を発表した。
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水原一平元通訳の違法賭博問題。
450万ドル(約6億8000万円)を、
大谷の口座から送金した窃盗の疑い。

大谷は自身の関与をきっぱりと否定した。
しゃべり方や表情を見ていたが、
嘘がないことがはっきりした。

安心した。

政倫審の自民党安倍派幹部たちとは、
まったく違っていた。

「僕が口座からブックメーカーに対して
誰かに送金を依頼したことは
まったくありません。
結論から言うと、一平さんが、
僕のお金を盗んでうそをついていた」

現時点で判断すれば、
説明責任は果たしたと思う。

しかし今回の問題は、
FBIの捜査で判明した。

大谷の口座から違法なブックメーカーへ、
多額の送金があったからだ。

大谷が疑われるのも、
ある意味で仕方ない。

一平通訳も当初は、
自分の負債を大谷が肩代わりしたと、
話していたらしい。

しかしその後、発言を翻した。
「翔平は何もしらなかった」

大谷が知ったのは、
韓国でのパドレス戦のあとだった。
それを大谷自身が説明した。

信頼し、頼っていた相棒に裏切られた。
「ショックという言葉が正しいとは思わないし、
それ以上のうまく言葉で表せないような感覚で
1週間過ごしていた」

これは正直な言葉だ。

心中察するに余りある。

あとはプレーに集中してほしい。
それが私たちの願いだ。

さて商人舎流通SuperNews。
ロピアnews|
3/25「ロピア沖縄国際通り店」/フランチャイズで沖縄県初進出

昨日の3月25日(月曜日)にオープンした。
OICグループ初のフランチャイズ方式。
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「ロピア」フォーマットの商品と売り方とブランドを、
パッケージ化して展開する。
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オープン前日の24日から、
いつものように取材に行こうと考えていた。

那覇の国際通りの1032㎡(312坪)の店舗。
ロピアとしては小型店である。

しかしこれは米国のトレーダー・ジョーに、
化けるかもしれない。

OICグループの新年度方針発表会で、
激励講演をした際に、
ロピア幹部とも相談した。
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そして、
店頭が落ちついてから訪れることにした。

現地では記者発表会が開かれた。
日経新聞が現地記者の報告を掲載した。

開業初日は約1万人の顧客があった。

FC責任者の相川博史取締役が発言した。
「商業地としての沖縄県の可能性は大きい。
将来的には20〜30店舗を出していける」

フランチャイジーは㈱野嵩(のだけ)商会。
「フレッシュプラザユニオン」を20店展開する。
同社の仲村知充専務に会って話したが、
経営陣も現場もやる気満々。

ロピア九州営業本部の店で研修を受けて、
商品化やオペレーションを学んだ。

手ごたえを感じているようだった。

私はこの店の成功を確信した。

全国のスーパーマーケットから、
フランチャイジーの申し込みが殺到するかもしれない。

沖縄県では、
㈱サンエーや金秀商事㈱、イオン琉球㈱と、
激しい競争が展開される。

チェーンストアが、
新しいエリアに出店する際、
同じような店が増えるだけで、
価格競争が激しくなるだけでは、
社会的な意味がない。

それまでになかったフォーマットで、
それまでになかった購買や消費を、
生み出さねばならない。

関西に進出した時にも、
中京や仙台、福岡のときにも、
私はそれを指摘した。

沖縄でも同じことだ。

それが現代の競争である。

〈結城義晴〉

2024年03月25日(月曜日)

「検査と診察」の上々の成果と日本政治の「熱殺蜂球」

Everyone, Good Monday!
[2024vol⑬]

2024年第13週。
3月第5週。

今週から月刊商人舎4月号の入稿。

毎月毎月、仕事とはいえ、
大変です。

大変だから面白い。

むずかしいことをやさしく。
やさしいことをおもしろく。
おもしろいことをよりふかく。

これが商人舎のモットーです。

願はくは花の下にて春死なん 
その如月の望月のころ
〈西行〉

日経新聞の一面コラム「春秋」

如月は旧暦2月、
望月は満月で15日ごろ。

新暦に直せば今日がその日にあたる。

西行は願いの通り2月16日に亡くなった。

今日は午後から東京へ。IMG_32754

日本の玄関、東京駅。IMG_32764

大学の卒業式の日らしくて、
はかま姿の女子大生が多い。

そこで自撮り。
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雨の中、大手町を歩く。
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高層ビルの間に裸の銀杏の木。
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大手町プレイスタワー。
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毎月の検査と診察。

血圧は上が105、下が64。
私は血圧には問題がない。
むしろ低血圧の傾向がある。

ヘモグロビンA1ⅽは6.8%。
「青年、壮年の基準は6.2%が上限ですが、
70歳を超えると6.5から7.0が理想的」
田嶼尚子先生がそう言う。

中性脂肪だけは、
ちょっと上がった。

しかしnon-HDLコレステロールは116mg/dL。
これは”総悪玉”コレステロールとも言えるもので、
170mg/dLを超えるとまずい。

尿酸値も4.3。
安定している。

上々の成果が出た。

さて日本の政治は今、上々とは言えない。

日経新聞「オピニオン」の「核心」
芹川洋一論説フェローが、
いつも骨のある論陣を張る。
「政治の2024年問題を解く」

「日本政治がうまく回っていない」

「派閥の政治資金パーティー問題をめぐり右往左往、
自民党政治の方向舵(ほうこうだ)が失われている」

そこで3つのQuestion。

Q1 自民の現状を問う

「緊張感なき裏金政局」と斬って捨てる。

同感。

Q2 野党の状況を示せ

野党各党ともチャンス到来と意気込んでいるものの、
現状では自民党にとって代わるだけの力はない。

野党も「成算なき競争状態」と辛らつだ。

これにも同感。

Q3 今後の見解を求む

野田佳彦元首相のたとえ話を紹介。
「ミツバチとスズメバチの話」

ミツバチは天敵である大きな体のスズメバチに、
一対一なら食べられてしまう。
ところがニホンミツバチには、
スズメバチから身を守るための特有の行動がある。

「熱殺蜂球」という。

数多くのニホンミツバチが一斉に
1匹のスズメバチに襲いかかり、
胸の筋肉をふるわせて熱をおこし、
集団でスズメバチを蒸し殺す。

蜂球の内部は47~48度になる。

致死温度はスズメバチが45度。
ニホンミツバチは50度近く。
最初にかみ殺される十数匹以外は生き残る。

「野党がニホンミツバチになり
ひとつの塊となって、
自公スズメバチを追い込む
熱殺蜂球に出るチャンスのはずだ」

「野党が大同団結に動けば
政治は一気に引き締まり、動く」

この小さな二ホンミツバチの「熱殺蜂球」。
チェーンストアの理論そのものだ。

1970年代まで、
百貨店というスズメバチに対して、
新興チェーンストアは二ホンミツバチとなった。

その総合スーパーをはじめとする新興勢力が、
スズメバチになって、
コンビニという二ホンミツバチが、
熱殺蜂球を展開した。

今、政治の成果は上々とは言えない。
与野党含めた政治全体が、
「2024年問題」の中にある。

熱殺蜂球が必要だ。

では、みなさん、今週も、
熱殺蜂球で。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年03月24日(日曜日)

令和大相撲の新星「尊富士」の「じょっぱり」と「ケハレ」

大相撲に新星が登場した。
尊富士。

新入幕で幕内のどん尻。
東前頭17枚目。
身長184cm、体重143kg。
青森県五所川原生まれの24歳。

新入幕場所で13勝2敗の初優勝。

新入幕で11連勝。
これは大鵬の記録と並んだ。

しかも初土俵から10場所で、
史上最速幕内総合優勝。

14日の取り組みで右足首を痛めた。
休場も危ぶまれたが、それでも出場。スクリーンショット 2024-03-25 010534

右の足首をテーピングで固めて、
10勝4敗と好調の平の幕豪ノ山と対戦。

張り手から左四つに組み止め、
土俵際に追い込んで、押し倒し。スクリーンショット 2024-03-25 0108273

見事な正統相撲だった。

初土俵から序の口優勝、
序二段優勝。
三段目と幕下も優勝こそなかったが、
順調に出世して、
十両優勝。

10場所での初優勝は、
貴花田(横綱貴乃花)と横綱朝青龍の24場所を、
半分以下に短縮した大記録。

大相撲史上110年ぶりの新入幕優勝。
その110年前は元関脇両国。

細身ながら足腰、腕力は強く、
稽古場では横綱大錦も勝てなかった。

尊富士は伊勢ケ浜部屋所属。
親方は元旭富士。

青森県五所川原市出身、
鳥取城北高から日本大学相撲部と経て、
2022年秋場所で初土俵を踏んだ。

夜のNHKのスポーツ番組。IMG_3273 (002)

優勝インタビューでは、
「記録よりも記憶に残る力士になりたい」

「これからが大事。
しっかりと怪我をしない体をつくりたい」

110年前の両国は、
最高位関脇で終わった。

優勝はその新入幕の1回だけだった。

このところモンゴル勢に、
上位を独占された観のあった大相撲。

上位に上がってくる、
これはという強い力士を見ると、
モンゴル出身者ばかりだった。

だから青森人の「じょっぱり」は、
久しぶりに日本人として、
胸のすく活躍だ。

尊富士は大鵬や貴乃花を超える、
令和の大横綱になる資質がある。

突き、押し、スピード。

それほど体が大きいわけではない。
だがこのスピードが現代相撲を象徴する。

敵は怪我だけだと思う。

日経新聞夕刊「あすへの話題」
料理研究家の土井善晴さん。
「ケハレ」
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文章の専門家ではないけれど、
この人のエッセイが好きだ。

「ケ(日常)とハレ(非日常)に、
けじめをつければいいと思う」

同感だ。

「現代のケは仕事や学業に励む日、
ハレは休日(楽しむ日)と考える」

「前者は心身を健やかにたもつ古来の食事。
後者は一週間がんばった後の
ご褒美で楽しみを享受する食事」

料理家らしい分析だ。

「何をハレとするかは、
それぞれの考えでよい」

これにも同感。

「ケにも小さなハレと言うべき喜びが
数々潜んでいる」

「淡々と時すぎるとき、
自然の移ろいや親切に、
気づき、心栄えする」

「美、喜び、哀れ、悲しみを、受け止めた心を、
日本では『もののあはれ』と言う」

「時計時間の横軸に、
もののあはれという縦軸の
楔(くさび)を打っていく」

「ケとは大自然の営みで、
ハレとは人間が意図した人工的行為」

「ハレ化した料理は、
食材を混ぜ、味付けて美味を作る
『それ以上』の努力による」

「それ以上は、喜びにもなり、
苦しみにもなる」

「ケの一汁一菜とは汁飯香」

「有るものを、気ままにいただくところに
喜びが生まれる」

「ケの人は、案外、積極的に食べている」

「ハレの食事は食べるだけでは
受け身になりがち、
より積極的な努力が要求されている」

「ケハレは日本の専有ではない。
西洋の一汁一菜は、スープ、パン、チーズ」

「ケの慎(つつ)ましい食事は
あたりまえの普通のこと」

相撲で言えば、
ハレは華やかな本場所の取り組み。
ケは稽古場の汗にまみれた稽古。

店づくりにも、
ハレの売場とケの売場が必須だ。

料理も相撲も、
商売も人生も。

ハレとケに、
けじめをつけるのがいい。

〈結城義晴〉

2024年03月23日(土曜日)

鼎占コンビニ業態の中のイオン「ミニストップ」最終赤字の意味

商人舎流通SuperNews。

2月コンビニ統計|
売上高8574億円で全店(5.4%)・既存店(5.7%)ともに増加

毎月の日本フランチャイズチェーン協会の調査。
2月のコンビニエンスストア統計。

調査対象企業は7社になってしまった。

あいうえお順で、
(株)セイコーマート、
(株)セブン‐イレブン・ジャパン、
(株)ファミリーマート、
(株)ポプラ、
ミニストップ(株)、
山崎製パン(株)デイリーヤマザキ事業統括本部、
(株)ローソン。

既存店売上高の7社総計は8574億円で、
前年同月比5.7%増。
3カ月連続のプラス。

客数は11億7350万人で4.3%増、
客単価は730.7円で1.4%増。

また全店ベースでは、
売上高8937億8600万円の5.4%増、
27カ月連続プラス。

一方、店舗数は5万5657店で、
前年からは0.3%減。
195店舗減少。

店舗数は減っているのに、
客数も客単価も売上高も増えている。

2月はパン、デザート、ソフトドリンク、
それに玩具などが好調に売れた。

閏年の影響もあり、
全店・既存店ともに売上高が前年を上回った。

閏日の1日分増加の影響を除いても、
売上高は前年を上回った。

私は商業界で『コンビニ』を創刊した。

はじめは1980年代に商業界食品商業誌から、
年に1回、別冊号として発行していた、
「コンビニエンスストアのすべて」。

1998年8月に、
食品商業臨時増刊号「季刊コンビニ」を創刊、
その2年後の2000年に「隔月刊コンビニ」、
さらに2002年8月、月刊化した。

私は専務取締役に就任して、
発行人となった。

しかし私は2007年8月に商業界を辞し、
月刊『コンビニ』は2015年、
㈱アール・アイ・シーに売却された。

その後、『コンビニ』は廃刊された。
前年なことだが、今はない。

コンビニエンスストアの業態も、
1980年代はチェーン店と単独店が、
半々くらいだった。

店数も売上高も拮抗していた。

故人となってしまったが阿部幸男先生が、
独自の調査をして、
単独コンビニの実態を追究していた。

それが今は毎月7社で統計される。

この7社に㈱JR東日本クロスステーションの、
「ニューデイズ」を加えて、
8社の寡占状態である。

その中でセブン-イレブンと、
ファミリーマート、ローソンが、
鼎占を構成している。

マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャーが残り、
マーケットフォロワーは、
ずるずると落ちていく。

4番手のミニストップ。
「2024 年2月期通期連結業績予想の修正」を発表した。
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連結の営業収益は790億円、
連結の営業収益は790億円、
営業損失が6億900万円、
経常利益は1100万円、
純損失が4億6700万円。

つまり赤字。

前期純利益は128億円の黒字だったし、
今期予算は9300万円の黒字だった。

商品売上高の伸びが見られなかった。

国内1855店(昨2023年11月末)。
前年から52店の減少。
新店は7店、閉鎖が59店。

いよいよイオンも、
ミニストップに関して、
判断のときが来たような気がする。

現場は頑張っているに違いない。

それでも鼎占の中に食い込むことができない。
完全なフォロワーである。

かといってニッチャーにはなり切れない。

イオンではまいばすけっとが好調だ。
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小型スーパーマーケット。
これは他の追随を許さない。

東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県に、
1025店舗(2023年2月末時点)の規模。

来週の3月29日には、
PBのトップバリュ特化型のまいばすが、
実験的に開業される。

今後は1都3県のミニストップを、
まいばすに変えていくことも可能だろう。
もちろんフランチャイズチェーンだから、
オーナーたちの了解が必要だろう。

しかしそれそろ時期が来たように思う。
結城義晴が勝手に思ったことだ。

あまり重く考えてほしくはないが、
コンビニを長らく見てきて、
ふっとそんな気がした。

トップバリュ主体のまいばすに、
大いに期待がかかる。

〈結城義晴〉

2024年03月22日(金曜日)

池野隆光JACDS会長対談の「ドラッグストアと商業の現代化」

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。

桜が咲いた。
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横浜でも一番桜。
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昨日は朝10時から、
㈱True Dataの取締役会。

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たっぷり2時間半。

丁寧な報告を聞いたうえで、
活発な議論を展開して、
新年度の予算を承認した。

ビッグデータマーケティングと、
デジタルトランスフォーメーション。
それによって消費産業に貢献する。

ゼブラ企業を目指す。
この米倉裕之社長の方針に、
私は全面的に賛同している。

今日は東京・お茶の水。
神田駿河台のKDX御茶ノ水ビル。
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一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会。
通称はJACDS(ジェイエイシーディーエス)。

3月7日に創立25周年のセレモニーが開催された。

池野隆光JACDS会長と対談。
ウエルシアホールディングス㈱代表取締役会長。ikeno&yuukiIMG_9630

1971年に埼玉県坂戸市で池野ドラッグを創業。
その後、23回の合併や経営統合を経て、
ウエルシアホールディングスとなり、
2022年度に業界初の売上高1兆円を達成した。

さらに2027年12月31日までに、
ツルハホールディングス㈱と経営統合する。

商人舎流通SuperNews。
ウエルシア&ツルハnews|
資本業務提携締結・経営統合の協議開始

それによって2兆円を超えるスケールの、
断トツのドラッグストアチェーンが生まれる。

そんな激動のドラッグストア産業を、
JACDSはリードする。

1999年、松本南海雄会長、
宗像守事務総長のもと、
協会は発足した。

私も微力ながら宗像さんに助力した。
懐かしい。

第2代会長は寺西忠幸さん、
第3代は関口信行さん、
第4代は青木桂生さん。

池野さんは今、その第5代会長だ。
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存分に語っていただいて、
私は一から十まで納得した。

日経新聞をはじめとして、
巷間言われている内容とは異なる。

「なるほど」とうなづくことばかり。
1兆円のチェーンストアをつくり上げてきた、
そしてこれからも成長を続ける、
そのエッセンスが語られた。

私は「商人の本籍地と現住所」の話をした。

マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
そしてニッチャーが、
大きな森のような産業には必須であることも。

商業の近代化から、
現代化への道筋で求められることも語った。
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池野さんの語りは実に分かりやすく、
その考え方は説得力があった。

私はウエルシアの成長は、
米国のホールフーズに似ていると思った。

この内容は月刊商人舎4月号に、
たっぷりとスペースをとって掲載する。

ありがとうございました。
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1979年に書かれた故堤清二さんの『変革の透視図』

「流通産業の本質は、
“資本の論理”と“人間の論理”の境界に
位置しているというところにある」

池野さんの考え方と一致している。

「したがって、
ここまでは工業化するべきであり、
ここからは工業化してはならない、
といった2つの性格をもった産業」である。

これが商業現代化の本質である。

ドラッグストア産業の成長も、
この本質から外れると実現しない。

〈結城義晴〉

2024年03月21日(木曜日)

日経一面/イオン・ライフ・万代・ヤオコーの「非正規社員待遇改善」

春分が過ぎたのに、
酷く冷たい北風が吹く。

寒い。

春風や闘志いだきて丘に立つ
〈高浜虚子〉
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日経新聞一面、
トップ記事。
「非正規社員も待遇改善」

イオングループの40社。
約40万人のパートタイマーを擁する。
国内最大。

2024年度以降、
正社員と同等の基本給や手当を、
パートタイマーに支給する。
その制度の導入を検討。

同一労働同一賃金。

まずはイオンリテールが先行して導入していた。

昇格試験に合格し、月120時間以上働くと、
この制度の条件をクリアして、
正社員と同じ待遇となる。

売場責任者を務める約150名が、
すでに登用されている。

一部地域では従来と比べて、
2割程度年収が上がった。

この制度を今後、
40社のグループ企業に広げる。

ライフコーポレーションも、
勤務する地域・店舗を絞った「限定社員」の種別を廃止。
正社員と同じ待遇とした。

限定社員から転換した正社員は、
年収が平均15%程度増加した。

万代ではすでに「ゼネラル社員」と称して、
同じように処遇している。

サブチーフアセスメントという試験をパスすると、
「ゼネラルさん」となる。
彼女たちが大きな戦力になっている。

さらにヤオコーも23年、
正社員のみ有給休暇扱いとしていた、
「配偶者出産休暇」を、
パートについても有給とした。

スーパーマーケットの従業員のうち、
非正規待遇の割合は2023年で71%。

2020年に同一労働同一賃金制度が導入された。
ごくごく当たり前の制度だが、
その後も正規雇用と非正規雇用の待遇格差はあった。

22年の1時間当たりの給与で比較すると、
非正規雇用は正社員の7割の水準。

まだまだ格差はある。

しかし同じ仕事をしていれば、
同じ報酬をもらうことは、
当たり前の公平の考え方だ。

いつも書くけれど、
イオンが先鞭をつけたことを、
斜に構えて見てはいけない。

創意を尊びつつ良いことは真似よ。

イオンやセブン&アイが始めたら、
それはやがて日本全国の水準になっていく。

人員確保の競争となる。

時給競争だけでは時代遅れなのだ。

同じ仕事をしてもらっていて、
賃金が低かったとしたら、
それは会社が搾取していたのだ。

そんな当たり前の時代になった。

経営者層、管理者層は、
そのことを強く自覚しなければならない。

再び虚子。
闘志尚存して春の風を見る

改革を成し遂げるには、
闘志が必須だ。

〈結城義晴〉

2024年03月20日(水曜日)

ウォルマートのスタートアップ企業「unspun」とのコラボの意義

春分の日。

昼まで寝ていた。
右膝を痛めて、
それでも歩いたら、
どこかに力が入って、
疲労が激しい。

そして一日、静養した。
膝はずいぶん回復してきた。

人間の体の自然治癒力。
凄いものだ。
有難いことだ。

夕方、出かけた。

桜の木はもう芽吹いている。
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そこに夕日が当たる。
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自由が丘の街。
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そしていつもの花屋。
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小学生の女の子が、
大人になったらなりたい職業。
やりたい仕事。

花屋とパン屋だそうだ。

それはわかるような気がする。

私はもう9年間も、
パン屋の一員だ。

今夜は久しぶりに家族で食事をした。
自由が丘のフランス風中華料理。

息子も娘も、みんな元気で忙しそうだ。

仕事のことなど聞いて、
安心した。

だから大谷翔平のゲームは、
ビデオで見ることになった。

韓国・ソウルで開催された、
大リーグの開幕戦。

ドジャース対パドレス。
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気のせいか自由が丘の街が、
いつもより空いているように感じられた。

みんな家でNHK放送を見ているのかもしれない。

さて、商人舎流通SuperNews。

ウォルマートnews|
生地廃棄削減のため3D織物技術の「アンスパン」とコラボ

ウォルマートがスタートアップ企業とコラボ。
「unspun」(アンスパン)。

スタートアップは、
革新的なビジネスモデルによって、
社会に変革をもたらす企業のことだ。

「spun」は「spin」の過去分詞。
spinは織ること、糸をつむぐこと。
だから「unspun」は「織らないこと」を意味している。

このアンスパンはカスタムデニム製造業で、
2015年に創業された。

10年に満たない新興企業だ。

衣料品は平織りや裁断などの製造のときに、
どうしても廃棄物を出す。
過剰在庫も多い。

アパレル製造では一般的に、
生地の10~15%ほどが無駄となる。

そこで同社は3Dテクノロジーを使って、
生糸から直接衣料品を製造する。

「地球上の二酸化炭素排出量を1%削減する」
これをミッションとして掲げて、
アパレルの無駄な廃棄物問題に取り組んでいる。

パーパス経営である。
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アンスパンの共同創業者の一人、
ベス・エスポネット氏は疑問をもった。
「なぜ衣服は、
1800年代初頭につくられていたのと
同じ方法で現在でもつくられているのか?」

そこで生地ロスの出ない、
3Dウィービング(織物)技術「Vega 3D」を開発した。

ウォルマートはアンスパンの技術を導入して、
まずは男性用チノパンの製造テストから開始する。

2030年までにVega3Dの機械を、
全米各地に350台導入する。

いい話だ。

ファーストリテイリングは、
ニットの島精機製作所とコラボしている。
同社も「縫わないニット」を標榜している。

商人舎3月号特集は、
「アパレル改革」

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ウォルマートも、
環境対応という側面から、
アパレル改革を行っている。

アンスパンのようなパーパス経営企業は、
買収する気にはなれない。

パーパスは小さな企業にとって、
サバイバル戦略でもある。

とてもいい話だ。

花屋さんとパン屋さんも、
同じだ。

〈結城義晴〉

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