結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年12月12日(火曜日)

11月既存店売上高前年比の業態別順位を並べ直してみる。

「セルコレポート」が届いた。
全国セルコチェーンの機関誌。

私の連載は「艱難は商人を鍛える」

今回は第20回。
「平富郎の艱難と寛容・忍耐・努力」IMG_9844
挑戦しました。
ご愛読のほど、お願いします。

午後から東京・品川へ。
豊田通商㈱東京本社。

第一屋製パン㈱の取締役会開催。
今年最後の取締役会は、
鋭い議論が展開され、
全員で来年度を展望した。

ご期待ください。

そのあと、4年ぶりの懇親会。

品川シーズンテラス。
IMG_9847 (002)

クリスマスイルミネーション。
IMG_9847

新しく執行役員になった人たちも加わって、
にぎやかな懇親会となった。

花田大幸さんは金町工場工場長、
佐藤康一さんは 商品開発部部長。
木村和也さんは人事部部長兼総務部副部長。

そして川﨑由美子さんは、
来年1月1日付で経営企画室室長。

佐藤さんとは席が隣になって、
マーケティングや商品開発の話を聞いた。
期待してください。

いい商品が次々に登場します。

さて、
商人舎流通スーパーニュース。
上部に並んだボタンの右から3番目。
[月次]を選んでクリックする。

するとずらりと11月の実績が出てくる。
見出しだけでもわかる。

業態別に既存店のいい順に並べ直す。
[スーパーマーケット業態]

ベルクnews|
109.3%/全店売上高112.7%

ヤオコーnews|
107.5%・全店109.2%/14カ月連続前年超え

バローnews|
106.0%/客数101.2%・客単価104.7%

リテールパートナーズnews|
105.6%・全店108.7%

ライフnews|
103.3%・今期は連続プラス/全店105.2%

イオンのスーパーマーケット。
マックスバリュ西日本102.6%、
マックスバリュ東海102.3%。

ちなみにオーケー111.0%。

全体に好調だった。

[総合スーパー業態]は、

PPIHnews|
109.2%/ディスカウント事業113.0%

サンエーnews|
105.9%・全店105.8%

イズミnews|
100.5%/客数2.2減・客単価2.5%増

イオンnews|
SM10社9カ月連続前年越え

イオン九州104.6%。
イオン北海道103.9%。
フジ・リテイリング101.9%。
イオンリテール101.8%。

コンビニnews|
11月既存店大手3社前年比クリア/ローソンは客単価0.2%減

既存店売上高は、
ファミリーマート106.0%、
ローソン102.4%。
そしてセブン-イレブン101.2%。
ミニストップ100.6%。

常勝セブンが三番目だ。

11月商戦は年末商戦の前哨戦だ。
もう趨勢はほぼ決まっている。

最後に久しぶりに糸井重里。
「今日のダーリン」

「多くのおもしろい人は、
おもしろい話をしてくれるのだが、
おもしろい話をしてくれない場合だってある」

「つまらなそうな人に向けて、
おもしろい話をしても
しょうがないからである。
おもしろい話をしてくれるのは、
その人が、相手もまたおもしろそうな人だ
と思ったときである」

その通り。

「あなたのおもしろい話が聞きたいと思ったら、
こちらもおもしろい人である必要がある。
たぶんそういうことになる」

「しかし、おもしろい人が、
こちらのことをおもしろいと
思ってくれるかどうか、
それはなかなかわからない」

「たがいのおもしろさを
知ってる人どうしが話すと、
このおもしろい人になら、
おもしろい話をしよう、
ということになりやすい」

同感だ。

座談会や対談は、
面白い人同士をぶつける。

「しかし、相手のおもしろい人は、
こちらのことを知らない。
取材などでは、
そういう場合のほうが多いはずだ」

私が業界の人とはなすときは、
たいてい相手が知ってくれているから、
その意味ではやりやすい。

しかしまだ駆け出しのころは、
そうもいかなかった。
「そういうときには、
まだ知られてない取材者が、
“わたしは、こんなにおもしろい人です”と、
おもしろい自己紹介をするのが
いいのだろうか?」

「ああ、それも、
ほんとにおもしろくできるなら、
いい方法なのかもしれない。
だけど、そりゃぁ、
ものすごくむつかしいよ」

その通り。

「じょじょに、おもしろい人が、
心を開いておもしろいことを
話しだしてくれることもある」

「それは、
“よく聞こうとしてくれている”
とわかったとき、
“よく理解してくれる”
と感じたとき、
“おもしろさを、よく引き出してくれる”
と思ったときだ」

私が販売革新の編集長になりたてで、
ユニクロの柳井正さんと、
初めて会ったときは、
そうだった。

「取材者の顔の表情とか、
うなずき方だとか、
質問や相槌の入る”間”だとかで、
それはわかる」

「笑顔も、うなずきも、間も、
ことばを使わない」

しかしそれがお客様と接するときの、
ポイントでもある。

笑顔とうなづきと間。
大切なのはこれです。

〈結城義晴〉

2023年12月11日(月曜日)

商人舎12月号特集「ポップアップのススメ」の「売り切れ御免」商法

Everybody! Good Monday!
[2023vol㊿]

2023年も第50週。
12月第3週。
あと3週。

いよいよ押し詰まってきた。

今年2023年元旦の年賀状。
93a56e06201962b562878a208a09f773-448x678
1年は早いもので、もう年賀状の季節です。

昨年の賀状でご報告したように今年から
㈱商人舎として「賀状廃止」としました。

ご理解ください。

商人舎の年賀のご挨拶は、
この毎日更新宣言ブログにて。

よろしくお願いします。

もちろん結城義晴のごく個人的な年賀状は、
ほんのわずかな枚数で、
しかも元旦に届く保証はありませんが、
出そうかなと思っています。

こちらもよろしくお願いします。

さて本日は、
月刊商人舎12月号発刊。202312_coverpage

特集は、
「ポップアップ」のススメ
「売り切れ御免」の期間限定商法

商人舎独自の表紙の言葉。
[CoverMessage]
定番は「ステープル」、非定番は「シーゾナル」。野球で言えば、定番はレギュラー、非定番はピンチヒッター。サッカーで言えば、スターティングメンバーとサブメンバー。その中に「スーパーサブ」がいて、彼らが活躍すると勝利が訪れる。
「突然現れる」。それが「Pop Up」の意味である。商売では「期間限定、売り切れ御免」の商法のことだ。それが「ポップアップセール」である。
コロナ禍でショッピングセンターに入居していた店が数多く閉店に追い込まれた。その退店スペースを「ポップアップストア」として活用する事例が増えている。しかしその本質は定番の呪縛から解放された「ポップアップ」にある。
コストコもトレーダー・ジョーもダイソーも、そしてかつてのKマートも「ポップアップ」を最大限に活用した繁盛店であり、トップ企業だった。
今、そのポップアップの条件を整理し、同質化の競争から抜け出す方策を考察し、面白い商売の在り方を提案する。

特集では小島健輔さんに、
初めて寄稿してもらいました。
㈱鈴屋出身のアパレルの専門家で、
DCブランド隆盛の時代に、
一世を風靡したコンサルタントです。

「ポップアップストア」に関して、
鋭い分析をしてもらいました。

さらに以下の目次をご覧ください。
202312_contents
特集のほかに、
[特別企画]
ズバリ評価!! 23年度上半期決算
コングロマーチャントと総合スーパーチェーン、
スーパーマーケットチェーン、
コンビニエンスストアチェーン。
総じて好調だったが、
総括の一文。
「波は短期的に動揺と混乱を引き起こすが、
長期的には波の下にある潮流のほうが
ずっと重要である」

[特別研究]
ヤオコー標準店進化モデル
202312_yaoko_a

11月28日(火)オープンのヤオコー松戸上本郷店。
売場面積は557坪、初年度年商25億円の計画。

この店でヤオコーは斬新な実験を試みた。

私は高く評価して書いた。
ヤオコーのトライは画期的だ
OperationかIn-Store Merchandisingか
202312-yaoko-yuuki
ぜひ、読んでください。

そして皆さんも、挑戦してみてください。

それから最後に、
[USリテール特別リポート]
HEBダラスの「最新店」一挙公開
今、日本のローカルチェーンの最適モデルはこれだ!

10月の商人舎スペシャルコースで、
ウェグマンズNYCとともに、
大きな収穫だったのが、
このHEBのダラス商勢圏の最新店。
202312_heb00
写真を62枚も使って、
12ページの誌面をつくった。
202312_heb-42

紙(Paper)の雑誌だけでなく、
網(Web)でphotoを拡大して、
売場づくりを見てください。

最高の店を再現しています。

今月号の「ポップアップ」。
年末商戦で試してみるもよし、
来年の挑戦課題にするもよし。

最後に[Message of December]
売り切れ!

君の店は品切れが多いなあ。
君の売場は品切れだらけだ。
「品切れ」はキラーフレーズだ。
もちろん品切れだらけでは店ではない。

だが半面、品切れは、
売れてしまった証である。
まったく売れなければ、
品切れはいっさいない。

万代の商売の鬼・山下和孝。
鮮度の悪い店では、
あえて品切れさせた。
夕方、わざと欠品させた。

すると毎日、商品が回転して、
徐々に鮮度がよくなっていった。
そこでクレンリネスをとことんやって、
いい品を安く売った。

いい品を安く売ると、また売れた。
そして品切れした。
それを繰り返して、
品切れギリギリの発注力が身についた。

鮮度のいい商品が、
品切れギリギリまで並んだ。
顧客の信頼が生まれて、
鮮度の悪い店が蘇った。

毎日、大晦日の商売をした。
年末際の緊張感で商売した。
売り切りに徹した。
鮮度は良くなり、信頼は高まった。

売り切ることこそ商売の王道だ。
だから品切れを恐れてはならない。
売り切って終わるのが、
商売の正道だ。

「売れ筋でロスを出せ」
売れ筋は絶対に品切れさせるな。
セブン-イレブンの鉄則だった。
しかしその時代は終わった。

サステナブルの時代。
売り切りこそ王道だ。
売り切れ御免は、
商売の正道だ。

だから提案しよう。
「品切れ」という言葉は使うな。
「売り切れ!」と言い続けよう。
毎日、大晦日の商売をしよう。
〈結城義晴〉
202312_message

ポップアップは、
必ず売り切る。

だから売り切れ御免なのだ。

では、みなさん、今週も、
売り切ろう!

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年12月10日(日曜日)

大谷翔平「働きがいのある企業100」のドジャースへ

大谷翔平。
00tani-0.png8_

移籍先が決まった。
ロサンゼルスドジャース。

やっぱり。

でも、良かった。

歴史のある球団だ。
1884年、ブルックリンで誕生。
ニューヨーク市のチームだった。
アトランティックスと名乗った。

その後、1932年に、
ブルックリン・ドジャースとなった。

ニューヨーク・ヤンキースと、
人気を二分した。

“dodger”は、
「変わり身の早い人間」とか、
「いかさま師、ペテン師」とか、
そんな意味がある。

アメリカン・ジョークだ。

1950年に弁護士のウォルター・オマリーが、
球団を買い取ってオーナーになると、
次々に改革を断行した。

1957年のオフに、
ロサンゼルスへの移転を決めた。

ブルックリンのファンたちは大いに悲しんだ。
そしてオマリーを憎んだ。

彼らは言った。
20世紀の三大悪人は、
「ヒトラー、スターリン、オマリー」だ。

しかしウォルター・オマリーは、
当時として珍しい専業オーナーだった。
つまり球団経営に専念した。

ブルックリンからロサンゼルスへ移転して、
Baseballの人気は西海岸に広がった。
ドジャースは人気も観客動員も、
米国メジャーリーグのトップとなった。

このウォルター・オマリーと、
息子のピーター・オマリーは、
ドジャースに革新的経営をもたらした。

第1はロスへのフランチャイズ移転だが、
第2は1962年の新球場の建設。

ドジャースタジアムである。
??????????

チェーンストアで言えば、
新天地にドミナントエリアを求め、
本部店舗を新設した。

日本で言えば、
北海道日本ハムファイターズか。
このチームが大谷のプロの出発点だった。

私がはじめて大リーグを見たのは、
ドジャースタジアムだ。

もちろんドジャースのゲームだ。

1984年、食品商業編集記者の時代、
「ラルフの24時間」という記事を書いた。
当時のロス一番のスーパーマーケットに、
一昼夜潜り込んで観察し、
その模様をPhotoReportした記事だ。
30ページくらいを割いたと思う。

記事は大好評だった。

夕方の6時過ぎから、
翌日の夕方6時ごろまで、
店に張り付いた。

そのためにサウスバーモント店の横の、
モーテルを借りた。

ロスのダウンタウンの、
荒廃としたエリアだったが、
この800坪の店舗は、
年商70億円を超えた大繁盛店だった。

24時間ウォッチングではあったが、
私は昼すぎに、ちょっと抜け出して、
単身、ドジャースタジアムへ行った。
タクシーで往復して、
ゲームを堪能した。

話は戻って、
オマリーの革新の第3は、
球団経営に終身雇用制を採用したことだ。
家族主義的なマネジメントである。

そこで1990年まで、
FORTUNEの「働きがいのある企業100」に、
ロサンゼルス・ドジャースは、
何度も選ばれた。

そう、あのウェグマンズが、
常連の調査である。

そんなドジャースへ、
大谷が移籍する。
スクリーンショット 2023-12-11 104407

野茂英雄が旋風を巻き起こしたドジャース。

大谷の年俸は10年間で7億ドル。
150円換算で1050億円。

1年平均7000万ドル、
105億円。

これは世界のスポーツ史上最高額。
これまではリオネル・メッシだった。
5400万ドル。

それを超えた。

しかし大谷は、
金にこだわる選手ではない。

周辺がつくってくれた金額だ。
本人はBaseballに専念する。

その価値があるtwo-way playerだ。
最高のピッチャーで最高のバッター。

かつてのオマリー時代ではあるが、
「働きがいのある企業」だったドジャース。

大谷翔平にとっては、
最適の環境だと思う。

おめでとう。

〈結城義晴〉

2023年12月09日(土曜日)

林廣美と横尾忠則87歳の「快食快便快眠・そして仕事」

昨日は林廣美先生が、
わざわざお越しくださった。

惣菜マーチャンダイジングの第一人者。
御年87歳。

来年9月3日に満88歳で米寿。
お目出度い。
凄い。

そのうえすこぶるお元気。
頭も冴えまくっている。
ずっと話し続けて、
途切れることがない。

それも実にいい話ばかり。

スーパーマーケットの、
惣菜のおいしさの基本中の基本、
美味しいご飯の炊き方をはじめ、
貴重なノウハウが、
林先生の頭の中に詰まっている。

さまざまな「林式」がある。

どこかの企業に紹介したいところだが、
かつてのようにずいずい出かけて行って、
直接指導することはもうなさらない。

しかしお話を聞くだけでも役に立つ。

そこで商人舎で「林式」の本を、
出すことになっている。

米寿記念本。

その具体的な打ち合わせ。

『惣菜の教科書』は、
ムックだった。
ベストセラ―でロングセラーだった。
1994年5月の発刊。
IMG_3115-0022-448x335 (1)

『サミットスタディ』は、
その前年の1993年4月刊。
いずれも㈱商業界の食品商業別冊号。

私が編集長で、
山本恭広現商人舎編集長は。
食品商業編集記者だった。

協力して、すごい別冊号を、
次々につくっていた。

米寿本はこれらに負けないものにしたい。
じっくり打合せをした。

ランチは歩いて1分のレストラン。
シェ・フルール横濱。IMG_E97473

アミューズ。
シェフの力が入った茶碗蒸し。
IMG_E97413

そして前菜9品の盛り合わせ。IMG_E9743

これが一品一品、素晴らしい。

それから魚料理は、
渡り蟹のトマトクリームパスタ。
この店の名物。

肉料理は二つからチョイス。
豚肉のソテー。IMG_97493

私は和牛頬肉の煮込み。
選ぶことができる。

自家製パンはオリーブオイルで食べる。

最後にデザートとコーヒー。

料理の専門家の林先生も大満足。 IMG_E97463
食事のあとも話し続けた。

林先生は若い編集者のころ、
作家の開高健さんと交流があった。
料理のことをずいぶん教えられたとか。

商人舎公式ホームページ。
「林廣美の今週のお惣菜」
786回を数える人気ブログ。

ご愛読のほど、お願いします。

朝日新聞「折々のことば」
第2930回。

健康でいたい、
そのために何をすればいいか、
という課題はすべて
ストレスになります。
……健康を害しています。
(横尾忠則)

「歳がいくと、眼は霞み、
耳は遠くなり、すぐに息が切れる。
ハンディキャップだらけだ」

「けれど健康を取り戻そうとするのは、
そもそも老いる身体への反逆」

「そこで“ハンディこそ僕の自然体”と
思うようにした」

「目的など掲げず、
シンプルに“快食快便快眠”、
そして絵を描くこと」

『老いと創造 朦朧(モーロー)人生相談』から。
71z+SkG1YPL._SL1500_

横尾忠則さんも87歳。
林先生と同じ。

健康でいようとすればするほど、
ストレスがかかる。

わかる。

林廣美も結城義晴も、
“快食快便快眠”、
そして仕事。

やります。

〈結城義晴〉

2023年12月08日(金曜日)

イズミヤスーパーセンター跡に出店した万代紀伊川辺店の新境地

万代が和歌山に初進出した。
その1号店は紀伊川辺店。
11月17日。

商人舎流通スーパーニュース。
万代news|
和歌山県初出店の「万代紀伊川辺店」11/17オープンIMG_96773

和歌山に出張したので、
訪れた。

もともとこの店は2008年4月23日9時、
イズミヤスーパーセンター紀伊川辺として開業。

しかし15年後の2023年3月26日。
閉館した。

そのあとにカインズと万代が入居した。

広大な駐車場を挟んで、
ニトリとケーズデンキがある。IMG_96793
アメリカのパワーセンターと同じだ。

ショッピングセンターの構成要素としては、
良く整っている。

イズミヤスーパーセンターが、
業態として完成しなかった。

それが撤退の理由だ。

そのあとのワンフロア3000坪に、
カインズのホームセンターと、
万代のスーパーマーケットが、
もちろんレジを分けて入居した。

その万代紀伊川辺店。
新しい万代が登場した。IMG_95853

カインズは和歌山県に合わせた品ぞろえだ。IMG_96762

最強のホームセンターと、
最強のスーパーマーケット。

店舗運営担当取締役の和久正樹さんと、
相川徳央店長。
相川さんは万代知識商人大学一期生。
IMG_05163
丁寧に説明をしてもらって、
くまなく二巡した。

私、驚いた。

いい店だ。

この店は入り口に農産部門とデリ部門を設けた。
いわゆるダブルコンコースだ。

その惣菜はバックヤードを、
シースルーにして、
作業プロセスが全面的に公開されている。
IMG_96063

そのあとはワンウェイコントロールで、
部門がゾーニングされている。

従来のコの字型レイアウトではない。
実に意欲的だ。

スーパーセンターの広大な売場に、
カインズと店を並べて出店したから、
このワンウェイコントロール型が有効だ。

農産部門の左端には、
「オリジナル商品大集合」のコーナー。
これがよく売れる。 IMG_96023

惣菜からコーナーを曲がると、
水産部門の対面販売売場がある。
立ち売りをして活況を呈している。 IMG_97553

精肉から日配、そしてパン売場へ。
IMG_96583

奥主通路の左サイドが、
グロサリー売場。

いろいろ質問し、意見を言った。
IMG_97563

チェックスタンドのところで、
三人娘と写真。
IMG_05103
右が石本睦美フロントエンド部トレーナー。
万代知識商人大学五期生。
中は応援の中森なかもず店チーフ。
左がこの店の相谷フロントエンドチーフ。

笑顔が素晴らしい。

この店には完全セルフレジを導入した。

大阪の万代が兵庫、京都、奈良に出て、
和歌山の北側に進出した。

新しいエリアに出店することは、
チェーンストアに不思議なエネルギーを与える。

万代の新境地が現れた。
イノベーションである。
IMG_05223

月刊商人舎新春1月号で、
紹介し、分析しよう。

楽しみにしてください。

そのあと、エバーグリーンへ。
物流センターに併設された店舗。
IMG_96833

㈱廣岡、エバグリーン廣甚㈱の経営。
2023年2月期売上高は880億円。

そのスーパーエバーグリーンプラス。
IMG_96853
まだ荒々しいけれど、
面白い店で大繁盛店。

和歌山に新しい店が登場する。
従来のチェーンは自分らしさを探求する。

そして小さなイノベーションを生み出す。

㈱エコス会長の平富郎さんは言う。
「競争は商人を磨く砥石である」

その通りだ。

競争を嫌がってはいけない。
何よりも顧客たちは、
小売業の競争を歓迎している。

磨き磨かれて、
店がより良くなることを、
顧客たちは望んでいる。

はじめから競争に参画しない者、
すなわち競争を楽しめない者には
進歩も革新も与えられない。

だから私は言う。
「競争はあなたの仕事です」

〈結城義晴〉

2023年12月07日(木曜日)

オークワの講演テーマ「マネジメント」と“Practice comes first”

目が覚めると、
眼下に和歌山城。
IMG_E97103

紀州55万5000石。
そのシンボル。
IMG_E97113

紅葉が真っ盛り。
IMG_E97083

タクシーで㈱オークワ本部へ。
IMG_05583

本社下の本社中島店。
IMG_05533

関連会社が集まっている。
IMG_05633

隣接する教育研修センター。
IMG_05653

やっ来ました。
IMG_97173

午後1時から講演会。
7月27日に一度目の講演をして二度目。IMG_05713

朝から幹部と営業部隊が参集して、
販売会議が行われていた。

130名ほどが集合。
地方の店舗では、
オンラインで250名ほどが聴講。

講演テーマは、
「チェーンストアのマネジメント」IMG_05753
マネジメントとは、
例えば馬に乗るとき、
どう手綱を操ればいいか。
その手綱の使い方がマネジメントである。

安土聡さんは一言、
「段取り組み」と言ったが、
マネジメントは段取りを組むことでもある。
実に的確だ。

ドラッカーは、
「人の強みを生かすこと」と教えてくれる。
これは全くその通りだと思う。

そしてどんな会社にも、
ミッションがある。

そのミッションに基づいて、
5つのマネジメントが4つの段階に、
ツリー状、三角形型に構成されている。

ミッション・マネジメントの下の階層にあるのが、
ストラテジック・マネジメント。
経営戦略である。

前回の講演はこの戦略について、
最新の考え方を語った。

その次の階層には、
二つのマネジメントがある。
会社の外側に向けてアクションするのが、
マーケティング・マネジメントである。
会社の外の顧客、取引先、社会へ向けて、
様々なリサーチをし、
アクションを起こす。

それがマーケティングである。

一方、会社の内側に向けて行われるのが、
ヒューマンリソースマネジメントである。

そのマネジメントの基本は、
ドラッカーにある。

『エッセンシャル・マネジメント』を紹介して、
講義を始めた。
IMG_05783

そして今、日本のチェーンストアが陥っている、
共通のマネジメント問題を明らかにした。

それがマネジメントの歴史から、
鮮明に浮き上がってくる。

ちょっと難しいかもしれないが、
簡潔にその問題を語った。

マネジメント理論は、
他の理論と同じように、
一つではない。
多様である。

さらに対立することもある。

この理論の点で間違っていては、
マネジメント教育をすればするほど、
組織は間違ったほうに向かいやすい。

それが日本の大企業にも、
日本のチェーンストアにもある。
IMG_05833

一言で言えば、
大企業病である。

マネジメントの講義は、
この病気に処方箋を出すことだ。

私はドラッカーを使う。
拙著『店長のためのやさしいドラッカー講座』の、
骨格の部分を講義して、
それからコミュニケーションの方法。
61BE+3Ig8hL._SL1000_

商人舎ミドルマネジメント研修会では、
丸々1日をかけて講義するが、
それをオークワ向けにダイジェストで語った。

最後は熱を込めて、
檄を飛ばした。

この12月商戦の機会に、
ドラッカーを実践してほしい。

今年最後の講義だった。
テンションが上がった。

オークワ人事部教育課課長の小澤一雄さん。
事務局として丁寧に対応してくれた。
IMG_05913
ありがとうございました。

和歌山駅。
IMG_97193

新大阪行きのくろしおに乗って、
東海道新幹線で横浜に帰った。IMG_97213

朝日新聞「折々のことば」
第2932回。

必要不必要で
物を論ずる日には、
大抵なものは
必要で無い。
(幸田露伴)

「煙草(たばこ)も紅茶も酒も
必要ないといえば必要ない」

「それでいくと、おまえは国家に必要か、
いやそもそも人類は世界に必要か
という話になる」

露伴は言う。
「要不要が世の中の標準だなんてご免だ」

そう言いつつ、菓子の話になって、
微に入り細に入り蘊蓄(うんちく)をたれ、
「最後はこんな談義こそ不必要だな、
“ハハハハ”」と煙(けむ)に巻いて終える。

文集『珍饌会(ちんせんかい)露伴の食』から。
61WHkgOG72L._SL1500_

仕事の場では、
理論など不要だと言われたりする。

小難しいマネジメントやマーケティングも、
必要ないと考えられている。

もちろんそれだけを振り回して、
評論家のようになってはいけない。

しかし理論の本質をつかまねば、
組織は健全に動いてはくれない。

理論を口にはしないけれど、
理論を理解し駆使している経営者は多い。

ドラッカーのことば。
“Practice comes first”
実践が第一にくる。

“Theories follow events”
理論は現実に従う。

しかし論理なき行動は、
暴走である。

〈結城義晴〉

2023年12月06日(水曜日)

ヤオコー11月実績売上高7.5%増と「わが社・わが店の強み」

新横浜から新幹線で西へ。

すぐに丹沢山系が見えてくる。
10代のころ仲間と登った。IMG_95583

そして富士山。
IMG_95603

頂は雪をかぶっている。
50代に平富郎さんと登った。IMG_95633

眺めているとすぐに、
新幹線は富士川を渡ってしまう。IMG_95763

車中でパソコンに向かっていると、
浜名湖を過ぎる。IMG_95833

新大阪に到着して、
それから大阪駅に移動し、
紀州路快速で和歌山へ。

7月下旬以来半年ぶりだ。

ホテルに到着して、
夕食に出かけた。

市堀川の京橋のモニュメント。
IMG_05503

イルミネーション。
IMG_05493

遊歩道が続く。
IMG_05483
焼き肉レストランはま乃。
IMG_05453

満足しました。
IMG_05393

ホテルに戻ると、
和歌山城が見える。
IMG_96893

標高48.9mの虎伏山(とらふすやま)の山頂の城。IMG_96903
贅沢な旅だ。
ありがたい。

さて商人舎流通スーパーニュース。

11月の営業結果が発表されている。
昨日書いたのが良品計画。
22.6%。

無印良品週間が奏功した。
会員への全品10%オフ。

ユニクロもニトリも好調だった。

そして、
ヤオコーnews|
11月既存店7.5%増・全店9.2%増/14カ月連続前年超え

ヤオコーの11月の月次業績。
既存店伸び率は前年同月比107.5%。
14カ月連続の前年超え。

全店ベースでは109.2%。
yaoko_01

既存店の客数は103.6%、
客単価は103.6%。

1品単価が105.4%。
買上点数(PI値)は98.3%。

10月は97.7%だった。
0.6ポイント上がった。

9月のPI値は97.9%だった。

PI値はもちろん「Purchase Index」。
総買上点数÷総客数×100。

ヤオコーが重視している指標だ。

来店客1000人当たりの購買指数。
「支持率」と呼んで使っている企業もある。

ヤオコーは記者会見でも、
ニュースリリースの発表でも、
この点数PI値を公開してくれる。

社内でも頻繁に使われている。

ヤオコーに続いて、
スーパーマーケット各社の月次成績が発表される。

このことろ絶好調なのがベルクだ。
01_IMG_2424
10月は既存店売上高が前年同月比110.6%。
2カ月連続で2ケタ伸長した。
既存店客数は105.6%、客単価が104.7%。

9月は111.6%。
12カ月連続の前年クリア。
客数は106.6%、客単価が104.7%だった。

秋に入って絶好調が続く。

11月はスーパーマーケットでも、
好調な月だった。

あなたの会社、あなたの店は、
どうだっただろうか。

この好調が12月も続くといいのだが。

しかし12月商戦はもう、
決まっている。

態勢がひっくり返ることは、
そうあるものではない。

だから自分の顧客を大事にしながら、
自分の全力を尽くす。

それだけだ。

ピーター・ドラッカーは、
事業の定義を三つ挙げている。
これは「お店」の定義でもある。

第1に組織を取り巻く環境である。
事業や店は環境に影響を受ける。
そのなかの競争環境を見極めること。

年末商戦は1年の環境整理のときである。
それが来年につながる。

第2は組織の使命すなわち目的である。
12月商戦は改めて、
自社の使命やビジョンを、
確認することだ。

第3は使命を達成するために必要な、
強みについての前提である。

自社、自店の使命やビジョンに基づいて、
自社、自店の「強み」をはっきりさせる。

どんな企業、どんな店にも、
わが社、わが店の強みはある。

その強みを、
最大限に発揮する。

それが12月商戦だ。

一つになって、
頑張ってほしい。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年11月
« 10月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.