結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年08月15日(火曜日)

四大新聞社説と「戦争を知らない子供たち」の「過去と現在」

72回目の終戦の日。

「戦争を知らない子供たち」
私もその一人だが、
それでもわが国の体験した事実を、
とても重く考えている。

戦争はしない方がいい。
いや、戦争をしてはならない。

しかし戦争はいまも地球上から、
なくなってはいない。
戦争は行われている。

だから戦争を知らなければならない。
私たちの国の過去に起こった戦争を、
知らなければいけない。

日本を代表する新聞の社説。

日経新聞のタイトル。
「わだかまりなく戦没者を追悼したい」

この年のこの日にもまた
靖国のみやしろのことに
うれひはふかし
〈昭和天皇の御製〉

「富田メモによれば、
東条英機らの合祀に憤り、
参拝をやめたとされる」

「分祀と呼ぶのが適当かどうかはともかく、
靖国と戦争指導者の間に一線を引く。
そうすれば周辺国との関係改善に資するし
何よりも遺族がわだかまりなく
参拝できるようになる」

毎日新聞社説。
「目指すべき追悼の姿とは」

日経と似ている。

「72年続く平和が
すべての戦争犠牲者を
礎にしていることは言うまでもない。
立場や事情を問わずに
等しく追悼できる環境を整えることが、
死者への責任の果たし方だろう」

讀賣新聞。
「平和の維持へ気持ちを新たに」

「戦後日本は、
東西対立期もポスト冷戦期も
戦争に巻き込まれなかった。
平和外交に加え、
日米同盟と自衛隊の存在が
抑止力となってきたことを
忘れてはなるまい」

あとは終戦の日を忘れて、
「残された戦後処理問題の解決に向けて、
政府は、領土交渉に
粘り強く取り組むべきだ」

社説の趣旨はふらついた。

最後に朝日新聞の社説。
「色あせぬ歴史の教訓」

「あの戦争のころ、世の中は
どんな色をしていたのか。
世界のすべてがモノクローム
だったようなイメージがある」

やや文学調。

日中戦争が始まった翌月、
1937年8月。
作家・永井荷風の日記。
「この頃東京住民の生活を見るに、
彼らは相応に
満足と喜悦とを覚ゆるものの如く、
軍国政治に対しても更に不安を抱かず、
戦争についても更に恐怖せず、
むしろこれを喜べるが如き状況なり」

この年の日本は、
23%の経済成長率を記録。
「世は好景気にわいた」

戦線が泥沼化した2年後、
東京・銀座の情景。
「映画館を囲む人々の行列。
女性たちは短いスカートで
おしゃれを楽しむ。
流行は、ぼたんの花のような
えんじ色とやわらかい青竹色。
夜になればサラリーマンは
ネオンの街に酔った」

「戦地はあくまでも海の向こう。
都会に住む人の間には
『どこに戦争があるのか』という、
ひとごとのような気分があった」
これは当時の記録。

新興俳句の渡辺白泉。
戦争が廊下の奥に立つてゐた

「社会が息苦しさを増す過程で
最初にあらわれ、
後戻りすることがなかったのは、
多様性の否定だった」

「同化教育が行われ、
学問や言論の自由が
急速に失われていく」

だから今も、ダイバーシティが、
極めて大事なものとなる。

しかし近年、歴史に通じた人々から
「戦前と似た空気」を指摘する声が相次ぐ。

「いきすぎた自国第一主義、
他国や他民族を蔑視する言動、
『個』よりも『公の秩序』を
優先すべきだという考え、
権力が設定した国益や価値観に
異を唱えることを許さない風潮など、
危うさが社会を覆う」

「72年前に破局を迎えた日本と
地続きの社会に生きている己を自覚し、
再び破局をもたらさぬよう足元を点検し、
おかしな動きがあれば声を上げ、ただす」

朝日はいつも朝日的だ。

「1945年8月15日。
空はモノクロだったわけではない。
夏の青空が列島に広がっていた」

最後までやや文学調だ。

私は朝から東北新幹線。
雨の煙る田園地帯を走り抜けながら、
考えた。
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夏の青空は列島に広がっていなかった。

そこで突然だが、
寺山修司。
「現代人は過去を感傷するだけでは
生きてゆけない。
過去は、道具である。
人は、過去の力を借りて
現在から自分を守ったり、
現在を強化することで、
過去の幻想から自分を守ったりする」

「歴史は、
『やさしく、美しいものばかり』とは、
かぎらないのだ」
〈「ぼくが狼だった頃」から〉

だから文学「調」では駄目なのです。

もひとつ寺山修司。
「歴史について語るとき、
真実などはどうでもよい。
問題は伝承するときに守られる
真実の内容である」
〈「幸福論」より〉

そして最後にもうひとつ、寺山。
「歴史の敵は、
現在である」

終戦の日の今日、
現在を生きるために、
何を考え、何をするか。

盆商戦の商売の中にも、
忘れてはならないことがある。

〈結城義晴〉

2017年08月14日(月曜日)

盆商戦の商売の中にも忘れてはならない「凸凹」がある。

Everyone! Good Monday!
[2017vol33]

2017年も第33週、
8月は第3週、
つまり8月の真ん中。

そして今日14日はお盆の中日。
明日15日が終戦記念日。
そして明後日16日が盆の明け。

お盆商戦も真っ盛り。
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けれど商売の中にも、
忘れてはならないことがある。

「ほぼ日」の糸井重里。
巻頭言の今日のダーリンで、
夏になると、同じように思うことを語る。

「この世は、
生きているものだけのものでなく、
生きているものと、
死んだものが、
いっしょにまじって
暮らしている世界なのだ」

同感。

「生きているということは、
型のなかに粘土が詰まっている状態だと、
ぼくは思った」

「じぶんが、ここにいる、
ぼくの存在の分だけ、
そこにあるはずの空気をどかしている」

「ぼくは、つまり、
ぼくの存在と同じ凹型と共にあるのだ」

「そして、仮にぼくが死んだとしたら、
そこにぼくのかたちをした凹の型が残る。
型が残っているかぎりは、
ぼくはそこに在る」

哲学的な凸凹論。
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「よく言うだろう、人は死ぬ、そして、
人びとから忘れられたときに、
もう一度死ぬと」

「凹型がなくなってしまったとき、
あったはずの凸が消えてしまう」

「人がひとりでも、
亡くなった人を
思い出せるならば、
その人は生きている」

「夏は、人びとが
死んだ彼や彼女を思いだすから、
生きている人と死んだ人が生きていて、
世界が混雑する」

「いつまでも忘れてもらえないのも、
ちょっと切ないかもね」

それも、同感。

今日はお盆の中日で、
明日は終戦記念日。
たくさんの亡くなった人のことを、
たくさんの生きている人が思う。

しかし生きている人も、
亡くなった人も、
みんな生きている。

それは人だけではない。
猫も犬も。

朝日新聞『天声人語』
芭蕉の出羽の旅。
超有名な一句を吟じた。
閑さや岩にしみ入る蝉の声

さらに、芭蕉のもう一句。
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声

こちらもいいし、いや、
こちらの方がいいかもしれない。

天声人語。
「生き急ぐかのごとく
一心不乱に鳴くセミの声に、
人は生命のはかなさを思う」
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ちょっとありきたり。

そして結語。
「環境激変の世、
俳聖が聞いたとおぼしきニイニイゼミとて
運命は予測しがたい。
二百数十年後、日本の夏空に
蝉時雨は響いているだろうか」

つまらん。
読んで、損した。

芭蕉は芭蕉でよろしいけれど。

蝉にも凸凹論は当てはまるか。
しかしこの期の蝉は、
彼らが多産多死であることを、
私たちに教えてくれる。
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これも種の保存のためなのだろう。

さて、今月の商人舎標語。
そして月刊商人舎8月号のmessage。

「おためしください」

「おためしください」
…「では、いただきます」
「はい、喜んで!」

食べものは、
食べてみなければ、
良さがわからない。

だから「おためしください」。
だから、試食・試飲。
So, give it a try!

着るものも、
使うものも、
楽しむものも。

試してみなければ、
モノがもつコトは判明しない。
つまり価値は体験できない。

しかし「おためし」は、
誰のためにするのか。
顧客のためか?

いや、違う。
自分のためだ。
自分たちのためだ。

自分が選んだ商品、
自分たちがつくった商品。
それを顧客に評価してもらう。

その顧客の評価が、
次の商品の選別につながる。
次の商品の開発に結びつく。

しかしそれ以上に、
「おためし」で喜んでもらったら
うれしいじゃないか。

そのうえ買ってもらったら
幸せじゃないか。
君は、どうだ?

「おためしください」
…「では、いただきます」
「はい、ありがとう」
〈結城義晴〉

お盆商戦期間にもどんどん、
「おためしください」を、
ためしてください。

その後の秋の商戦にも、
年末の商戦でも、
「おためしください」を、
ためしてください。

しかしそんな商売の中にも、
忘れてはならないことがある。

では、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年08月13日(日曜日)

ジジのお盆[日曜版2017特別編]

いつもなら、猫の目で見る博物誌――。
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でも、今日は盆の入り。
猫の目に見えるのは――。

懐カシイ日々。
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生マレタ バカリ ノ コロ。050511-01ちんまり☆2016-4-10

ソシテ オトウサン。
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アイニ キマシタ。

ボク ノ ウチ。
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懐カシイ 窓辺。
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コンニチハ。
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デモ チョット ハズカシイ。
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ボク ガ 死ンダ トキ。
オ花 ヲ 貰ッタ。
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アリガトウゴザイマシタ。

ソシテ ボク ハ 壺 ノ 中。
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オ盆 ノ トキ ダケ モドッテ キマス。

デモ 明日 明後日 マデ。
明々後日、カエリマス。
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マタ 来年 ノ オ盆 ニ、
ヤッテキマス。
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オ盆 ハ イイナァ。
オトウサン ニモ アエルシ。
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デモ、ヤッパリ、
サヨウナラ。

ミンナ、元気デ 生キテ クダサイ。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

【追伸】
連載ブログ『ジジの気分』は、
2007年9月30日から、
2016年4月10日まで、
441回を数えました。
ご愛読を感謝します。

2005年3月7日に生まれて、
2016年1月4日に亡くなりました。

しかし、亡くなったあとも、
百カ日まで連載は継続されました。
それが4月10日でした。

その後、写真集など企画しましたが、
なぜか、頓挫してしまいました。

心の中に、ジジをしまっておこう。
そう考えたからかもしれません。

その代わりに【猫の目博物誌】を、
連載しています。

でも、お盆には、やっぱり、
猫の目だけでなく、
ジジに帰ってきてほしいと思いました。

また、来年です。
よろしく。
〈結城義晴〉

2017年08月12日(土曜日)

イオン高齢化店舗とコンビニのチキンレースとヤオコーnews

明日13日に盆入りし、
16日に盆明け。

盆の入りの13日が迎え日。
14日が中日。
16日が送り日。

何を迎え、送るかといえば、
先祖の霊。

素朴な信仰だが、
その素朴さは万人に通じる。

熱心な仏教徒でなくとも、
盆の間は亡くなった親族のことを思う。

私は父を思い出す。

さて今朝の日経新聞に、
「イオン、シニア向け100店」

とはいっても実行するのは、
イオンリテール。

葛西店で成功したG.Gモール。
グランドジェネレーション。
それがイオンスタイル茨木で成果を上げ、
今や、4店で実験が進められている。
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今期、つまり2018年2月期中に、
12店程度に広げ、
来期以降も年に十数店ずつ。

ニュースリリースに出ていないから、
日経記者の取材なのだろう。

早朝7~9時の来店にポイントを付ける。
歩数に応じてポイントを付ける。
おもしろい。

体操教室や健康的な食生活のセミナー、
習い事の発表会。
イベントをほぼ毎日開く。

行政や医療機関と連携して、
巡回バスの運行、
健康相談窓口の設置。

「実験店で健康に効果がある食品の、
試食をした」

売上げが通常の数百~1000倍。

グランドジェネレーションも、
「試食」は大好き。

イオンリテールは、
売場面積1万㎡超の総合スーパー約350店。
イオン北海道やイオン九州など約150店。

その4分の1から5分の1を、
高齢化社会対応にする。

お盆のニュースとして、
なんか、いいね。

一方、東洋経済オンライン。
「コンビニ3社のフライドチキン、熱戦の構図」

レジ横カウンター商品の中でも、
大人気のフライドチキン。
「チキン戦争」が繰り広げられている。

記事が取り上げるのはまず、
ローソンの「Lチキ」
6月27日にリニューアル。
以降、販売数が倍増。

現在、1店舗で1日平均30個。

カウンター周りの揚げ物商品の中では、
「からあげクン」の平均50個に次ぐ。

今回のリニューアルのポイント。
80グラムを110グラムに増量。
価格は税込み130円から150円に。
味付けも一新した。

一方、横綱級は「ファミチキ」
昨年6月には10周年。
現在までの累計販売数は10億個を突破。

かつての主力部位は「ドラム」だった。
脚部分の骨付き肉。

それを骨がなくて、食べやすい「サイ」に変えた。

ファミチキの発売は、2006年。
当時の上田準二社長肝いりの商品開発。

現在、ファミチキは1店舗で1日平均40個。
価格は税込み180円。

そしてこの記事の結論。

この辺りまでくると、
記事の最後がわかる。

笑点の林家木久扇の答えと似ている。

「今年は酉年」

年初にローソンが「でか焼鳥」を発売。
6月にファミマが「炭火焼きとり」を投入。

記事タイトルは、
コンビニ3社のフライドチキンだが、
セブン‐イレブンは取材していない。

そのままキメの言葉。

「コンビニ大手3社による
チキンレースは、
一層過熱していきそうだ」

チキンのチキンレース。笑点レベルだね。

商人舎流通SuperNews
手前みそだけど、まじめだねえ。

10日のヤオコーnews|
エイヴイ完全子会社化で第1Qは164店・1007億円体制

2018年3月期の第1四半期決算。
営業収益1007億8800万円、
営業利益は49億8200万円、
経常利益は49億0400万円、
四半期純利益は32億4300万円。

営業収益対比営業利益率4.94%、
経常利益率4.87%。

これが大事な指標だ。

年間では、総資本回転率を加えると、
ROAになるが、この数値を、
ぜひともマークしておきたい。

ヤオコーの4つの戦略。
⑴商品・販売戦略
⑵運営戦略
⑶育成戦略
⑷出店・成長戦略

詳細は記事を読んでほしいけれど、
この戦略の枠組み。
それがいい。

商品のこと、
売り方のこと、
店と売場の運営のこと、
人をつくること。
そして店を増やして、
成長すること。

経営の全体像が網羅され、
それが全社員に意識されている。

さすがにヤオコーだ。

セブン-イレブンのフライドチキンが、
抜け落ちていたりしないゾヨ。

〈結城義晴〉

2017年08月11日(金曜日)

山の日に記紀「山彦・海彦」とシュミット「海と陸と」を考える

山の日。
山に親しむ機会を得て、
山の恩恵に感謝する。

スイスやネパールならば、
本当に山の日を設けて、
感謝しなければならない。
よく理解できる。

しかし日本は海に囲まれた山の国。
まあ、許されるか。

山の日は、昨年、
お盆前の祝日として制定。
だから「帰省の日」でも、
「帰郷の日」でもよかった。

海の日は、7月第3月曜日。
海の恩恵に感謝するとともに、
海洋国日本の繁栄を願う。

こちらが先に制定されて、
海の日と山の日が並んだ。

しかしそうすると、
どうしても思い出すのが、
海彦・山彦の話だ。
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「古事記」と「日本書紀」を「記紀」という。
古事記の「記」と日本書紀の「紀」を重ねて、
「記紀」と総称する。

半ば日本の神話の時代の記録。

その記紀に、
海幸彦山幸彦の兄弟の物語がある。

短くして「海彦山彦」ともいう。

山の猟を得意とする弟の山幸彦、
海の漁が得意な兄の海幸彦。

二人はある日、
互いの道具を交換する。
弟の提案だった。

道具を交換して、
二人は山と海に出かける。

しかし兄の海彦は、
獲物をとることができなかった。
「山の幸も海の幸も、
自分の道具でなくては
得られない」

教訓的なことを言いつつ、
弟に道具を返してもらおうとする。

一方の弟も、海に魚釣りに出かけたが、
漁の成果は上がらず、
そのうえ、兄の釣り針を、
海に落として失くしてしまう。

弟が兄に釣り針を失くしたと告げると、
兄は弟を責め立てる。

困り果てた山彦を救ったのが、
海神「大綿津見神」。

海の神様。

ここから浦島太郎の話となる。

海神は山彦を歓迎し、
娘の豊玉姫と結婚させる。

竜宮城で楽しく暮らすうちに、
あっという間に3年が経過する。

山彦は地上へ帰らねばならない。
そのことを思い出して、
妻の豊玉姫に伝えると、
海神の父が失くした釣り針を探し出し、
さらに霊力のある二つの玉をくれる。

陸に戻った山彦は、
その玉を使って、
兄の海彦との知恵比べや争いを制し、
兄に忠誠を誓わせる。

ここは浦島太郎とは、
大きく異なる神話だ。

その後、妻の豊玉姫は子供を産む。
それが鵜草葺不合命となる。
神武天皇の父である。

したがって、山彦は、
神武天皇の祖父ということになり、
天皇家の血筋となる。

一方の海彦は、
隼人族の始祖となって、
被征服民、従う民となる。

記紀の神話の物語。

山の日と海の日の背景には、
そんな物語がある、と私は思う。

しかし海彦山彦は、
日本の神話だけのものではない。

古代の「カナン」。

中東のパレスチナのことだが、
ここからフェニキア人とヘブライ人が、
生まれてくる。

フェニキア人は海の民で、
地中海の交易で栄えた。
一方、ヘブライ人は、
山の民で海を恐れた。

フェニキア人が海彦で、
ヘブライ人が山彦だった。

「ある通商国家の興亡」
森本哲郎の著作に記されている。
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森本は書いている。
「海をとるか、陸をえらぶか、
海から陸をながめるか、
陸から海を遠望するか、
総じて、どちらに、
自分の存在の基盤を据えるか、
それによって、人間、民族、国民は、
”海彦”になるか、”山彦”になるかを、
決めるのである」

「それはまさしく選択である。
運命の選択であるといってよい」

ドイツの政治学者カール・シュミットは、
「海と陸と」という著作を書いた。
海から陸を捉え直した試論である。

「ある種の歴史的な瞬間にあって、
(人間は)自分の歴史的存在の全体形式として
みずからの行為と働きによって
それに賭け、それに身を任せるところの
エレメントをさえ選ぶことができる」

「エレメント」を森本は、
「資質」と訳す。

シュミットを引用したあとで、
森本の結論。
「そこに世界史の、
運命劇のモティーフを見るのだ」

陸と海。
山彦になるのか、
海彦になるのか。

運命の選択がある。

自分は山彦なのか海彦なのか。
今日、それを思う。

私が生まれたのは、
福岡県早良区大字小笠木。
生まれたときには、
早良郡早良町大字小笠木脇山村といった。
だから私は山彦なんだろう。

しかし日本国は近代、
海彦として、通称国家として発展してきた。
だから日本国民は、
総じて海彦なのかもしれない。

しかし神話の世界では、
山彦が政治を司ることになり、
海彦は従う民となった。

その海彦の言葉。
「山の幸も海の幸も、
自分の道具でなくては
得られない」

自分の道具、
自分の仕事、
自分のエレメント。

それが大事だと思う。

今日はそんなことを考える日だ。
そして日本はお盆に入っていく。

〈結城義晴〉

2017年08月10日(木曜日)

月刊商人舎8月号発刊! 特集「おためし」のおすゝめ!! どうぞ。

月刊商人舎8月号、
本日発刊!!201708_coverpage
[特集]

「おためし」のおすゝめ!!
試食・試着・試用の経験価値Marketing

アメリカのトレーダー・ジョーは、どの店も、いつも、「Try it?!」。ホールフーズも、「Can I help you?」。「Tasting?」。EATALYはフードサービスとスーパーマーケットの融合によって、最後の一口まで食べ尽くしてもらう「究極の試食」を提供する。サミットの「おためし下さい」、阪急オアシスの「食育コミュニケーター」。日本にも経験価値マーケティングに基づいた「おためし」の好例が続々と生まれてきた。一方、UNIQLOは「MY FIRST OUTFIT」で子どもたちに、自分らしい「コーディネーション」を「おためし体験」させる。カインズは「DIY Style」で女性たちのために、Do it yourselfの「おためし」ワークショップを展開する。衣・食・住、そして楽・遊・学。すべてのビジネス・イノベーションの局面に「おためし」が登場している。2017年の夏、本誌が贈る読者へのプレゼント。「おためし」のおすゝめ!! どうぞ。

[Message of August]
「おためしください」

[特集のまえがき]
「おためし」のための
動機づけ・経験価値理論

ハーズバーグとシュミットから学ぼう
〈結城義晴〉

[アンケート調査]
女性消費者200名が本音で答えた
「お試し実態」
試食・試飲編/試用(サンプル)編/試着編   

[Case Study 1]
サミットの「おためし下さい」
徹底顧客視線の「常設大型試食台」に
意外な効用を見た!
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[Case Study 2]
阪急オアシス「キッチンステージ」
食育コミュニケーターによる
「試食」の仕組み化を追う!
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[Case Study 3]
UNIQLOの「試着」
20の質問・回答・解説

「GU Fitting」や「MY FIRST OUTFIT」
「Memory Mirror」の挑戦
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[Case Study 4]
カインズ「DIY Style」
裾野は広く、敷居は低く、
ワークショップで顧客創造する
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巨匠鈴木哲男の
EC時代の「お試し論」

仕組みをつくり、差異化としての戦略に
格上げしよう

導師鈴木國朗の
「試食」現代化Method 
第1部試食提案編  第2部試食実践編 

鉄人高野保男の
「試食の基準」と費用対効果   
第1部マネキン販売の作業基準
第2部自社企画試食の費用対効果

……………………………………………
今回は徹底的な実務特集。
月刊商人舎なりの実務の理論化。

堪能して下さい。
そして使ってください。
試してください。

今日は朝から、東京・小平へ。
第一屋製パン(株)本社。
毎月の取締役会。

今日は手厳しい意見を述べた。

それから浜松町へ。
武蔵野線、中央線、京浜東北線を、
乗り継いで、大移動。
㈱紀文食品へ。
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紀文の玄関前で。
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創業者保芦邦人像の前で、
まず弓削渉さんと写真。
取締役兼専務執行役員。
供給本部長兼商品・技術開発室長。DSCN9756.JPG7

國松浩さんと飯嶋雄次さん(右)。
國松さんは執行役員営業本部長。
飯嶋さんは執行役員営業本部東京支社長。DSCN9753.JPG7

それから2階の役員応接室へ。
カメラがセッティングされて、
ビデオ撮影の準備が整っていた。

ここで5分ほどのビデオ撮影。
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9月5日と6日に、
「紀文正月フォーラム」が開催される。
今年、私は講演できない。
そこでビデオで出演する。

撮影に立ち会ってくれたのは、
林直人さんと岩本都芳さん(左)。
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林さんはマーケティング企画課長。
岩本さんは紀文食品グループの、
㈱豊珠興産LSI事業部マネージャー。

テイク1、テイク2で、仕上げた。DSCN9761.JPG7

最後は、撮影クルーの皆さんも加わって、
全員で記念写真。
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私の左隣は堀内慎也さん。
紀文正月フォーラム担当で、
商品企画部企画三課長。

フォーラムでは、
新しい提案をしてくれる。

今日の最後は、横浜。
森治彦さん。
(株)ダイナムの前代表取締役社長。DSCN9770.JPG7
この5月の株主総会で退任して、
先週までずっと、
イタリアとフランスを旅してきた。

シチリアから入って、
ナポリ、ローマ、フィレンツェ、
マルセイユ、ニース、ボルドー、
アヴィニヨン、そしてパリなどなど。

24歳のときに1年以上、
パリに住んでいたことがあるそうだ。
その時のアパートにも行ってきた。

そしてこの40年で、
ヨーロッパがすっかり変わって、
ちょっと傷んできたという感想。

私も同感だ。

ベルリンの壁が崩壊してから、
移民や難民が流入して、
街が荒れてきている。

それは新しいものを生み出す、
前の段階の苦しみだと思う。

日経ビジネスオンライン、
「今日の名言」

西洋諸国は今、
内なる敵との戦いに
本気で取り組むべきでしょう。
それは、変化できずにいる
日本にも言えます。
〈ビル・エモット〉

エコノミスト誌・元編集長で、
国際ジャーナリスト。

同感。

近年の中国の例外主義の姿勢。
この態度を修正させることは、
世界が協調して取り組むべき重要課題。

エモットはしかし、それが、
「民主主義にとっての脅威」とは、
とらえていない。
「西洋のような民主国家を願う
世界の人々は多くても、
共産党一党独裁の中国を
まねたいと考える人は皆無に等しい」

同感。

明日から夏の三連休。
そしてお盆に突入。
充実した日々を。

〈結城義晴〉

[追伸]
今日の流通SuperNews。

ヤオコーnews|
エイヴイ完全子会社化で第1Qは164店・1007億円体制
三菱食品news|
第1Qは売上高4.2%増も販管費増で15%の営業減益
ナフコnews|
第1Qは天候不順で売上高608億円で減収減益
コナカnews|
第3Qは売上高1.9%減・経常利益4.9%増
上新電機news|
第1Qは売上高0.4%減/38%経常増益も低収益性課題
イオンnews|
広州市花都区に「イオン広州駿壹万邦広場店」開業
ファミマnews|
愛媛県多店舗展開見据えて伊予鉄会館と業務提携
セブン-イレブンnews|
FC本部初の加盟店従業員向け保育事業を9月開始

2017年08月09日(水曜日)

炎昼・炎日・炎天の中の伊藤園大陳審査会とIDR講演会

炎昼や箸にかからぬものが好き
〈櫂未知子〉

毎日新聞「季語刻々」8月4日版から。
櫂(かい)は北海道余市郡出身の俳人。

季語「炎昼」は「えんちゅう」と読み、
真夏の昼下がり。

「まさに字面通り、
炎上しているかのように暑い。
今日の句、その炎昼に、
『箸にかからぬ』ものを食べている。
あるいは想像している」
と、「船団の会」代表の坪内稔典。
京都教育大学名誉教授の俳人。

今日の東京は37℃。
体温より気温が高かった。
まさに炎日(えんじつ)。

台風一過の、
まとわりつくような暑さの中、
朝から、新宿区清水橋へ。

(株)伊藤園本社。
DSCN9695-1

本社玄関には、
夏の商品の大陳。
DSCN9696-1

今日は伊藤園大陳コンテスト審査会。
いつもの6人の審査員。
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㈱伊藤園からは、
右から江島祥仁副会長、
本庄大介社長、
本庄周介副社長。
私の隣は、
松井康彦商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、
竹下浩一郎食品商業編集長。

真ん中の司会は伊藤泰山さん。
マーケティング本部販売促進部第5課長。

早速、応募作品を審査。
DSCN9708-1
グランプリコース、大陳コース、
陳列コース、タリーズコース、
そしてテーマ訴求コース。
5つのコースの大賞と優秀賞を決める。

それから企業賞の大賞と優秀賞。

厳正な審査で、無事に終了。
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そのあと全審査員が講評。

本庄大介社長のひとこと。
「今日のような暑い日には、
お陰様で飲料はよく売れます。
しかし1トンもの商品を運ぶ、
営業部員たちのことが一番心配です」

いいねえ。

そして雑誌用の審査員写真。
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さらに事務局の皆さんと全員写真。
もう、審査会恒例となっている。
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そしてこれまた恒例。
江島さんの部屋での情報交換。

本庄社長の昨日の体験談で、
大いに盛り上がったし、笑った。
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伊藤園の抹茶と冷茶をいただいて、
炎昼のなかの至福の時間。

このひとときが、
審査会の楽しみの一つでもある。

ランチは箸にかからぬパスタ。

そして午後は、港区の麻布台へ。
古巣の商業界会館。
DSCN9724.JPG77
店は客のためにある
〈長治〉

この石碑の前では、
いつも襟を正すことになる。

そしてなぜか、
森信三も思い出す。
時を守り、
場を清め、
礼を正す。

1階にある喫茶店「ファースト」。
アイスラテで喉を潤しながら、
1時間ほど講演の事前準備。

猛暑の中、
東京タワーも暑そうだ。
蝉の声がうるさいほど。
DSCN9729-1

その向かいにある機械振興会館。
DSCN9731-1

6階でIDRの講演会。
IDRは一般社団法人流通問題研究協会。

協会員が30名ほど集まって、
第34回「チャネル戦略研究交流会」。

平野実さんも来てくれた。
全日本食品㈱社長。
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IDRの会長は玉生弘昌さん。
(株)プラネット代表取締役会長。
顧問は前会長の三浦功先生。

お二人からのお誘いで、
今日の講演が決まった。

テーマは、
「US Retail最新動向と2025日本流通」
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2025年の流通を透視する講座。

アメリカ小売産業の特徴や最新動向を、
さまざまなデータを示しながら、
私なりの整理をして解説。
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さらにウォルマート、アマゾン、
クローガーの新IT戦略など、
様々な事例を紐解きながら、
第二機械革命時代の特徴、
AI戦略の可能性などを語った。
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90分の講義の後は、
参加者からの質問を受け、
再び、解説。
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講演と情報交換会で約2時間。
DSCN9750-1
疲れたけれど、
これもまたよし。

最後は、祭囃子が聴こえる神谷町を、
ゆっくり歩いて「翁寿司」へ。
玉生会長と橋本佳央専務理事。
翁寿司は若い頃からよく通った。
二代目が継いで、
すっかりきれいになった。

懐かしかった。

炎天に一歩踏み出す決意かな
〈山口美琴〉

炎昼と炎日と炎天。
それでも少しずつ、
夏が過ぎてゆく。

残暑、お見舞い申し上げよう。

〈結城義晴〉

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