結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年01月13日(金曜日)

トランプ記者会見批判とAJS新年トップ研修会の「信頼の文化」

昨夜は満月。
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美しい月。
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しかしドナルド・トランプ次期大統領。
当選が決まってから2カ月後、
やっと記者会見を開いた。
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バラク・オバマ大統領は3日後、
ジョージ・ブッシュ大統領は2日後。

その間、ツイッターで、
勝手な放言をするだけ。

世界の新聞が一斉に、
社説で批判した。

日経新聞の社説タイトル。
「トランプ氏は疑問にきちんと答えよ」

「会見の中身もお粗末だった。
事業を続けつつ、公職に就くと公私混同、
利益相反が起きるのではないか。
その疑問に答えるはずが、
経営を長男らに任せると述べたに留まった」

「補足した弁護士は
株式の売却などは否定した。
だとすれば、事業は引き続き
最大株主であるトランプの影響下にある。
外国企業との取引を有利に進める観点から
外交政策を判断するのではないか、
などの懸念は払拭されない」

「トランプ氏の本質は当選後も変わらない。
初会見でそれはわかった。
激動への備えが必要だ」

朝日新聞社説。
「危うい自分中心の政治」

「その口から出たのは、
雇用増など『業績』の自賛と、
自らへの批判や疑惑に対する
容赦ない反撃の数々だった」

「記者会見で浮き彫りになったのは、
説明責任を果たさず、
政治倫理に無頓着なまま、
『自分』にとって得か損かを
基準にするトランプ氏の考え方だ。
そんな『自分第一主義』からの
決別を促すために、
議会やメディアが果たすべき責任は重い」

読売新聞。
事実誤認に基づく対日批判だ」

「日米貿易摩擦が過熱していた時代から、
頭が切り替わっていないのではないか。
貿易赤字を絶対悪とする
過去の物差しに基づく対日批判は
看過できない」

「標的にされたトヨタ自動車は、
米国に10工場と1500の販売店を持ち、
13万6000人を雇用する」

「日本の対米直接投資は、
英国に次いで2番目に多い。
米経済を潤す側面を軽視し、
事実誤認の発言を繰り返すのは、
見識と品位を欠く。
貿易赤字は、米国の消費市場が
巨大である結果と言える」

「『最も偉大な雇用創出者になる』
と強調したが、失業率は4.7%で、
『完全雇用』に近い。
支持者の期待に応える手立ては、
外国たたきではなく、
賃金上昇と格差是正だろう」

そして英国フィナンシャルタイムズ。
「見下げ果てた『利益相反』への対応」

「トランプ氏は利益相反の問題に
茶番劇のような対応を取っている」

「トランプ氏は自らの会社の経営を、
絶えず連絡を取り合っている
息子2人に譲り渡した。
2人とも政権移行チームのメンバーだった」

「自分の富の全てが
家族の管理下にある会社と
結びついている状態は『分離』ではない。
子供でもわかることだ」

「トランプ氏は、このお粗末な対応に、
確かめようのない
一連の約束を付け加えた。
息子2人とファミリービジネスに
関する話をすることは一切やめる。
会社の意思決定に、
『倫理的な』制約を課す。
外国の公職者が
自分のホテルを利用した際の
収益は財務省に譲り渡す。
外国との『取引』は禁じる
(何が『取引』にあたるのか、
はっきりしないままだ。
例えば、外国の相手からの投資は
『取引』にあたるのか、知るよしもない)」

「しかも、トランプ氏は
納税申告書の公表を拒んだままだ」

「資産を完全な白紙委任信託に預託したり、
売却したりするなど、
自分をビジネス上の権益から
切り離すことをしないせいで、
トランプ氏は大統領就任初日から
不正を疑う目で見られるばかりか、
政権内の他の億万長者らに対して、
さらに最も重大な点として
世界各国の政府に対して、
ひどいメッセージを発信している」

トランプ政権、いつまでもつか。

さて昨日は、
AJS2017年新年トップ研修会。
オール日本スーパーマーケット協会。

第一部は特別講演会。
三菱総合研究所の為本吉彦さん。
「IoT×AIで変わるビジネスモデル」

私は第二部から参加。
AJSの若手経営者が登壇し、
パネルディスカッション。
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テーマは、
「スーパーマーケットの未来」

スーパーマーケットにかけるロマンを、
語り合った。

㈱かましん社長の若井禎彦さん。
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かましん4代目社長で、46歳。
40歳で社長になった。

「三つの考え方を貫く。
①続かないことには手を出さない
②どこを変えてどこを変えないか
③正直商法」

㈱サンプラザ社長の山口力さん、45歳。
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2016年5月期で年商118億円。

「『食卓に安心と健康』をテーマに、
フードアクションニッポンでは、
5年連続6部門で入賞した」

㈱マルイチ社長の高木大さん、43歳。
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「特徴のない『最高のふつう』を提供する。
つまり、高級でなく、
ディスカウントでなく、
普通のスーパーマーケットの
一番店を目指す」

電子マネー利用率は4割を超える。

そして㈱丸合社長の梅林裕暁さん。
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現在、39歳だが、社長就任は35歳。

「AJSは共通の基盤をもって、
緩やかな連携をしていく必要がある」

コーディネーターは田尻一さん。
AJS会長で、前サミット社長。
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いいパネルディスカッションだった。

もうちょっと元気のいい話がほしかった。

第三部は懇親会。
AJSは着席しながらの懇親。
これがいい。
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はじめに田尻さんのあいさつ。
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そして乾杯のご発声は、
布施孝之さん。
キリンビール社長。
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45分間の食事タイムの後は、
会場いっぱいで名刺交換や懇親。

私も多くの方と新年を祝いあった。
エレナ会長の中村圀昭さん。
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キョーエイ社長の埴渕一夫さんと、
いちやまマート社長の三科雅嗣さん。
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埴渕さんから、
とてもいい提案をいただいた。
実現させましょう。

ヤマナカ社長の中野義久さん。IMG_2347-1
最近、店が元気になっている。

関西スーパーマーケット社長、
福谷耕治さん。
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みんなを巻き込んで、
ワイガヤでいきましょう。

コノミヤ社長の芋縄隆史さん。
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若手経営者ながら実に頑張っている。

井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。
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こうした会合には、欠かさず出席。
ご苦労様です。

AJS名誉会長の荒井伸也ご夫妻を囲んで、
セブンスター社長の玉置泰さんと。
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今度は荒井さんを囲んで、
サミット社長の竹野浩樹さんと
服部哲也さん。
服部さんは取締役常務執行役員。IMG_2354-1

スーパーアルプス社長の松本英男さんと、
伊藤園副社長の本庄周介さん。
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ゴルフ談義で盛り上がった。

同じく伊藤園副会長の江島祥仁さん。IMG_2320-1

エバラ食品工業社長の宮崎遵さん。IMG_2313-1
月刊『商人舎』11月号、
「働き方改革×人材マネジメント」特集を、
評価してくれた。

私の隣は寺岡精工社長の片山隆さん。
そして専務の山本宏輔さん。
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左は松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブプロデューサーで、
アドパイン代表

岡村製作所の皆さん。
右から、酒徳真司さん、
取締役西日本営業本部長。
山本文雄さん、常務取締役事業本部長。
井上健さん、取締役東日本営業本部長。
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カスタマーコミュニケーションズの2人。
企画本部長の越尾由紀さんと、
リテールマーケティング部課長の長谷川徹さん。
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越尾さんは今、最強のマーケッター。
私はCCLの社外取締役を務めているが、
どんどん改革が進んでいる。

夕方5時から2時間。
宴の後の会場で、
AJS専務理事の松本光雄さんと。
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お疲れ様でした。

そして大活躍だった
田尻一さん。
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ひと
仕事の後の、いい笑顔。

最後の最後は、
恒例、AJS事務局の皆さんと。
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チョットつまらない。
おとなしすぎる、ということで、
今年AJSは55周年を迎えるから、
両手を開いて、55。IMG_2364-1

今日も最後は、
朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

背に腹は代えられぬ
(言い習わし)

「せっぱつまったとき、自分を守るため
他を二の次とすることになっても
やむをえないと人は言う」

「背が内臓を護る人体の外壁だとすれば、
腹は、いのちを養うその臓器を包む内側。
が、ほかの生き物なら他に対して
まずはひた隠しにするその柔い〈内〉を
たがいに触れあわせる習慣をも
ヒト社会は育んできた」

「抱擁と握手」
「胸を開いて」
「腹を割って」。

「そう、信頼という文化を」

AJSにも、
真の信頼の組織文化が求められる。

トランプにも、本当は、
「胸を開いて、腹を割って」が、
必須であるのだが。

〈結城義晴〉

2017年01月12日(木曜日)

セブン&アイのトップ人事とオバマ大統領の”Yes, we did”

セブン&アイ・ホールディングス、
トップ人事を発表。

亀井淳さんと大久保恒夫さんが退任。
亀井さんはイトーヨーカ堂、
大久保さんはセブン&アイ・フードシステムズ、
それぞれの社長。

ほんとうにご苦労様でした。

亀井さんは前任の戸井和久さんの、
突然の辞任での、急遽の返り咲き。
後任は三枝富博常務執行役員。
亀井さんが72歳、三枝さんが67歳。

竹田利明さんが取締役副社長で、
営業本部長に昇格した。

大久保さんの後任は、
小松雅美取締役執行役員。
小松さんはデニーズ生え抜きの57歳。
大久保さんはまだ60歳で、働き盛り。

私もよく知る大久保さんだけに、
セブン&アイにとっては、
残念なことになったと思う。

もったいない。
惜しい。

大久保さんは、
セブン&アイを世界企業にし、
流通革命に貢献したいと、
本気で考えていた。

そんな志を持つ人間はいま、
セブン&アイにはあまり見当たらない。

私も残念だと思う。

周知のことだが、同社は、
昨年5月に鈴木敏文さんが退任。
井阪隆一さんが急遽、社長に就任。

井阪さんは昨年10月7日に、
いわゆる「100日プラン」を策定して、
改革に勤しんでいるが、
いまのところ人事以外はやっていない。

その10月には、
そごう・西武の松本隆社長を、
林拓二さんに交代させた。
松本さんは西武百貨店生え抜きの64歳、
林さんも西武出身で63歳。
セブンカルチャーネットワーク社長をしていた。

このそごう・西武に続くトップ人事が、
今回の三枝・小松人事。

まあ、お手並み拝見といったところだが、
セブン&アイから、
「商売人魂」や「商売経験」が、
どんどん薄れていくような印象だ。

大高善興さんの存在が、
このグループにとって、
ますます重要になってきた。
もちろんヨークベニマル会長。

大久保さんも引く手数多だし、
外食産業よりも小売業の専門家だから、
もっと力を発揮できる舞台が、
待っているに違いない。

退任といえば、
バラク・オバマ米国大統領。

イリノイ州シカゴで最後の演説。
実にうまい演説だと感心した。
聴衆もその言葉に酔いしれた。

デモクラシーとダイバーシティ。
それがオバマの精神だ。

アフガンとイラクの戦争を終結させ、
キューバとの国交回復を果たし、
イラン核合意を実現した。

「核なき世界」への働きかけは、
2009年ノーベル平和賞受賞として、
評価された。

しかしその半面、
理想主義だけでは解決できない、
現代の国際社会の実態も、
浮き彫りになってしまった。

それでも私たちは、
そのデモクラシーとダイバーシティを、
忘れてはならない。

8年前に“Yes,we can”で始まって、
8年後に“Yes,we did”。
最後に未来に向かって、
“Yes,we can”。

しかし政治家の真価は、
“we did”にこそある。
経営者も同じだが。

オバマさんにも、
亀井さん、大久保さんにも、
「ご苦労様」と言っておこう。

さて、昨日は東京・昭島。DSCN1814.JPG-6

エコスグループ会の賀詞交歓会。DSCN18137

取引先を中心に800人が参集した。
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平富郎会長がまず、挨拶。DSCN1818.JPG-7

77歳になった平さん、
ますます元気。
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48歳の平邦雄社長。
増収増益を果たして満足げだ。DSCN1830.JPG-7

その後、卸売業トップの挨拶が続いた。
いずれもエコスグループ会副会長。

まず三菱食品も森山透さん。DSCN1833.JPG-7

日本アクセスの佐々木淳一さん。DSCN1839.JPG-7

その後、㈱エコスの役員と監査役紹介。DSCN1842.JPG-7

乾杯の音頭は、
伊藤忠食品社長の濱口泰三さん。DSCN1848.JPG-7

そして懇親。
佐伯行彦さんと酒井紘一さん。
さえきセルバホールディングス社長と、
エコス常勤監査役。
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そして桑原孝正さん、
さえきセルバホールディングス副社長。
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中締めは藤吉泰晴さん、
三井食品社長。
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三本締め。
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最後の最後に、4人で。
一番右は、平典子さん、
㈱たいらや社長。
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今年も頑張ってほしい。

最後に朝日新聞『折々のことば』
その633、鷲田清一さん編著。

覚悟ってのは、
どこかでぽきりと
折れちまったりする。
納得ってのは、
どんなに曲げられても、
折れやしねえんだよ。
(北方謙三長編小説「楊令伝」より)

つづいて、
「折れたら、折れたところで納得する」

鷲田さんの述懐。
「腹をくくるより、
肚がすわっているほうが
強靱ということか」

「たしかに判断や決断と
納得や得心とは水準が違う」

だから人は言う。
「話はわかるけど納得できない」
逆に「わからないけど納得はできる」

納得、得心して経営し、
経営させなければ、
長続きはしないし、
ほんとうの革新はできない。

〈結城義晴〉

2017年01月11日(水曜日)

ウォーラーステイン教授の「トランプ現象」評と「バタフライ効果」

月刊商人舎1月号特集。
日本オーガニック元年を宣言する!!

英語で表現すると、
“Declaration of Organics”in Japan
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おかげさまで、大・大・大好評です。

あの『dancyu』からも、
注文が来ました。

町田成一さん、ありがとう。

さて昨日は、㈱商人舎スタッフ揃って、
浅間神社に初詣。IMG_2295.JPG-7

鳥居の横の狛犬。
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横浜市西区の浅間神社。
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御利益がありますように。

さて、朝日新聞オンライン。
イマニュエル・ウォーラーステイン教授登場。
Immanuel Wallerstein。
1930年生まれの、
ニューヨーク州立大学名誉教授。
元国際社会学会会長。

政治経済学と社会学を包括して、
「世界システム論」を、
確立・提唱。
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その世界システムの観点から、
トランプ現象を読み解き、
豊かな視点を提供してくれる。

まず、昨年11月8日の米大統領選。
「結果を聞いて驚き、失望しました」

しかし分析的な視点に立つと、
「米国内には
大きなインパクトがありますが、
世界にはほとんどないでしょう」

つまり、世界システム論で考えると、
「トランプ大統領の誕生は
決して大きな意味を持ちません」

「米国のヘゲモニー(覇権)の衰退自体は
50年前から進んできた現象ですから、
決して新しい出来事ではない」

この後の表現がいい。
「今の米国は巨大な力を持ってはいても、
胸をたたいて
騒ぐことしかできない、

ゴリラのような存在なのです」

「世界の資本主義システムが
構造的な危機を迎えている。
こうした危機の時は
予想外の動きが起こりやすい」

それがBrexit(英国のEU離脱)や、
トランプ当選。

「今は高揚感が広がっていますが、
トランプ氏の支持者も1年後には、
『雇用の約束はどうなったのか』と
思うのではないのでしょうか」

そしてグローバリゼーションへの見解。

「私はグローバリゼーションという言葉に懐疑的です」

「物と人と資本がより簡単に
行き来するために障壁をなくす、
という状態を指しているのであれば、
それは500年前から続いてきたことです」

「流れによって利益を得る時は
皆が開放的になりますが、
下向きになると保護主義的になる
という循環が繰り返されてきました」

「最近は、この上向きのサイクルのことを
グローバリゼーションと呼んでいますが、
すでにスローガンとしての価値は
なくなりつつある」

「実際にTPPやNAFTAなど、
グローバリゼーションの成果とされていた
構造は崩れています」

「TPPは今回の選挙結果で
終わりを迎えるでしょう」

「さらにこうした協定は、
実は開放的ではありません。
当事者間では障壁をなくしますが、
参加していない国との壁は逆に高くなる。
むしろ、保護主義的な仕組みだと
とらえています」

正しい。

TPPは環太平洋経済連携協定、
NAFTAは北米自由貿易協定。

そして持論「近代世界システム」について。

「現在の近代世界システムは
構造的な危機にあります」

「はっきりしていることは、
現行のシステムを今後も
長期にわたって続けることはできず、
全く新しいシステムに向かう
分岐点に私たちはいる、
ということです」

その新しいシステムはどんなものか。

「私たちは知るすべを持ちません。
国家と国家間関係からなる
現在のような姿になるかどうかすら、
分からない」

「西暦2150年の世界を現在、
予想することはできません」

「搾取がはびこる階層社会的な
負の資本主義にもなり得るし、
過去に存在しなかったような
平等で民主主義的な世界システムが
できる可能性もある」

そして「バタフライ効果」
「世界のどこかでチョウが羽ばたくと、
地球の反対側で気候に影響を与える」
という理論。

「どんなに小さな行動も
未来に影響を与えることができます」

「私たちはみんな、
小さなチョウなのだと考えましょう。
つまり、誰もが
未来を変える力を
持つのです」

「良い未来になるか、
悪い未来になるかは
五分五分だと思います」

そしてドナルド・トランプ評。
トランプも一つのチョウに過ぎない。

「大切なのは、決して
諦めないことです」

「諦めてしまえば、
負の未来が勝つでしょう」

「民主的で平等なシステムを願うならば、
どんなに不透明な社会状況が続くとしても
あなたは絶えず、前向きに
未来を求め続けなければいけません」

誰もが
未来を変える力を持つ。

だから決して諦めない。

私の恩師壽里茂。
早稲田大学名誉教授。
日本の産業社会学の権威。
ウォーラーステイン教授より、
少し先輩で、同じ社会学者。

昨年10月13日、逝去。
大正15年(1926年)生まれの90歳。

壽里茂も、未来を求め続けていた。
決して諦めなかった。
私もその遺志を継ぎたい。

心からご冥福を祈り、合掌。

〈結城義晴〉

2017年01月10日(火曜日)

商人舎1月号・本日発刊!! メリル・ストリープと竹下登の発言

月刊商人舎2017年新春1月号
本日発刊!!
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特集は、
“Declaration of Organics”in Japan
日本オーガニック元年を宣言する!!

[Message of January]
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。

[巻頭提言]
「日本オーガニック元年宣言」私的起草文  
〈結城義晴〉  

[特別調査]
世界オーガニック市場「伸長」の背景と経緯

[特別提言]
日本有機食品市場「周回遅れ」の原因と対策
〈経営評論家 保科篤〉

Bio c’Bon飛来!!
日本オーガニック元年の扉を開くのか?!
①躍進Bio Supermarché「創業者」の日本市場観
②イオン社長岡田元也、決意表明する
「Bio c’Bon」に本腰を入れる意義と展望
③Bio c’Bon Japon土屋美津子社長Interview
「オーガニック元年の起爆剤になります!!」

ライフ「ビオラル靭(うつぼ)店」の挑戦
「ホールフーズの衝撃」が新フォーマットを生んだ!
[写真構成]
ビオラル靭店の全貌

[特別対談]
ナチュラルハウス白川洋平×結城義晴
「オーガニック時代到来を宣言しよう!!」
[写真構成]日本の草分け「Natural House 青山店」
120坪オーガニック専門店の斬新性
スプラウツ躍進の秘密
「Healthy Living For Less」が
ホールフーズの弱点を突いた!
〈若林哲史〉 
①アメリカのオーガニック市場
②企業研究Sprouts Farmers Market
③[写真構成]Outstandingな店づくり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オーガニックに焦点を当てて、
正面から取り組みました。

いかがでしょう。

米国では、
残念ながらホールフーズが、
「イノベーションのジレンマ」に、
陥った観のある現在、
スプラウツの躍進は、
ある意味で必然です。

アメリカのオーガニック・ブームも、
次の段階を迎えたようです。

だから、ただひたすら、
彼の国の真似をするのは、
意味がないということです。

そのアメリカやヨーロッパに対して、
「周回遅れ」の日本にも、
いよいよ「その時」が迫っています。

さて、メリル・ストリープ。
スイス、ドイツ、アイルランド、
そしてイングランドの血を引く、
オランダ系アメリカ人。

エール大学卒業後、
パブリック・シアター舞台俳優として、
キャリアをスタートさせる。

1979年『クレイマー、クレイマー』で、
アカデミー助演女優賞。
1982年『ソフィーの選択』で、
アカデミー主演女優賞を受賞。
さらに、2011年、
『マーガレット・サッチャー』で、
アカデミー主演女優賞を再受賞した。

アカデミー賞ノミネート19回、
俳優として最多の記録。
ゴールデングローブ賞8回受賞、
これも男優・女優を通じて、
史上最多記録。

そのメリル・ストリープが、
ゴールデングローブ賞授賞式で、
セシル・B・デミル賞を受賞。
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そのスピーチが痛快。
「ハリウッドにはよそ者と外国人が、
大勢います。
そこから彼らを追い出してしまえば、
フットボールと格闘技しか残らない」

次期大統領ドナルド・トランプの、
選挙期間中からの発言を批判した。

授賞式の観客から、
大きな歓声と盛大な拍手を浴びた。

さらに、選挙期間中、トランプは、
ニューヨーク・タイムズの、
障害を持った記者を、
その仕草の真似をしながら批判した。

メリルは続ける。
「公の職に就こうとする人が
このような屈辱を与えれば、
他の人にも広がっていきます」

「軽蔑は軽蔑を招きます。
暴力は暴力を駆り立てます」

勇気ある発言だ。

これに対し、トランプのツイッター。
「メリル・ストリープはハリウッドで
最も過大評価されている女優の一人だ。
自分のことを知りもしないのに攻撃した」

さらに、投稿。
「障害のある記者の真似などしていない」

しかしテレビでは、
その、見るに堪えない、
真似の映像がリアルに流された。

ああ。

そのトランプ次期大統領と、
早くも会談したのは、
中国アリババ集団の創業者、
ジャック・マー(馬雲)。

ソフトバンク孫正義社長に、
倣ったことは明白。
何しろ馬雲も、
ファーストリテイリング柳井正さんも、
ともにソフトバンクの社外取締役。

場所はマンハッタンのトランプタワー。
時間は約40分。

馬雲が伝えた計画は、二つ。
第1はアリババの通販サイトを通じて、
米国の中小企業の商品販売を支援する。
第2は、米国内で、
100万人の雇用を創出する。

アリババには、
B2B、B2C、C2Cなど、
各種のサイトがある。
その利用者は4億5000万人。

東南アジアからの利用者も増えている。

その実弾を携えて、
トランプに迫った。

怖いもの知らずで、
なおかつ抜け目ない。
そして失敗をいとわない。

安倍晋三首相よりも、
民間人のビジネスマンは、
はるかに軽い。

トランプにもその軽薄さは、
満ち溢れているが、
馬雲や孫正義の、
軽さを備えた商売人魂は、
さすがにスピーディだ。

政治にはこの軽さは危険だが、
商売には軽さ、速さは不可欠だ。

朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

お前は常に
自分が正しいと

思っているだろう。
しかし
正しいことを言うときは

人を傷つける
ということを
知っておけ。
(竹下登)

「正しいことを
あまりに真っすぐ言われると、
誰も表だっては反論できない。
正しいその主張の陰で立場を失う人、
窮地に立つ人のことを思えば、
たやすくはそれを
口にできないはずだ」

「以後、そんな半端な自分を
きつく責めさいなむことにもなろう」

石破茂衆議院議員がかつて、
元首相にこう諭された。
その石破議員の講演録から。

ドナルド・トランプが、自身、
正しいことを言っていると、
思っているか。

思っているのだろう。

しかしその発言によって、
窮地に立つ人のことは、
あまり考えていないようだ。

自分のことを、
責めさいなまれているとも、
思えない。

商人は軽くて、早くて、
柔らかくなければいけない。
しかし人を傷つけてはいけない。
それだけは断じて、
やってはいけない。

オーガニックは、
人に優しい。
人を傷つけることは、
断じてない。

〈結城義晴〉

2017年01月09日(月曜日)

「誰かのための虫や風に」のライフラインとマルト安島家訪問

Everybody! Good Monday!
[2017vol2]

冬の日の冬を忘るる日和かな 
〈朝日俳壇より 彦根市・阿知波裕子〉

この正月はずっとそんな天気だった。

しかし早くも、
2017年は第2週に入って、
三連休最後の成人の日。

新成人、おめでとう。

「ほぼ日」の糸井重里さんは、
「星人の日」という。

「バルタン星人」とか、
「おっぱい星人」とか、
「なにか希望する星の人に
なったらいいよね」

「人間の一生がどんどん
長くなってる時代だから、
オトナになるのも、
30歳くらいじゃないのかって、
ぼくはずっと言ってるんだけどね」

「ああ、でも『20歳の意志』って、
やっぱり大事にしたいや」

自分の希望する星の人。
それを目指して30歳くらいまで、
やんちゃするのもいいかもしれない。

同時に「20歳の意志」も、
大切にしたい。

意志には責任が伴うけれど。

毎日新聞『余禄』
東日本大震災で被災した岩手県大槌町。
2年前の成人の日に、
吉野弘さんの詩が朗読された。
題は「生命は」

生命は
自分自身だけでは
完結できないように
つくられているらしい
花も 
めしべとおしべが
揃っているだけでは 
不充分で 
虫や風が訪れて 
めしべとおしべを
仲立ちする

私も 
あるとき 
誰かのための
(あぶ)だったろう 

あなたも 
あるとき 
私のための
風だったかもしれない

誰かのための虻や風になって、
命を仲立ちする人生は、
素敵だ。

命の仲立ちとは、
「ライフライン」となることだ。

朝日新聞『天声人語』
歌舞伎の「親子孫三代襲名」の話。
来年の正月、
現松本幸四郎は、
二代目松本白鸚を、
市川染五郎が十代目幸四郎、
松本金太郎が八代目染五郎を名乗る。

現幸四郎74歳、現染五郎44歳、
そして金太郎は11歳。

1981年も、同じ三代襲名だった。
幸四郎は300年続く由緒ある名。

現幸四郎の父、初代白鷗の言葉。
「襲名とは単に名を
継ぐことではない。

名とは命(めい)
(いのち)のことだ」

ここでも「命」が継がれていく。

幸四郎は亡父の言葉を胸に刻み、
先人の芸と精神を追った。

コラムニストは述懐する。
「背負ってきたものの重さと、
変わりゆく時代」

「先人に続く険しい道に、
どんな足跡を残すだろう」

金太郎はどんな星人になるのだろう。

水洟(みずばな)も涙も袖に拭ふ子よ 
〈同 高山市・大下雅子〉

成人の日には誰しも、
自分のその時を思い出しつつ、
継承する命の重さと、
時代の変貌の激しさとを、
深く考える。

さて、福島県いわき市を訪問。
㈱マルトの安島家。

安島祐司さんが、
昨年11月23日午前0時19分、永眠。
マルトグループ会長、享年80。

私は書いた。
「働くことを大切にした人が、
勤労感謝の日に逝った」

2011年3月11日、
いわきも大津波に襲われた。

震災発生後の3月12日から、
マルトグループは休まず、
地域のお客さまに奉仕した。

福島第一原発が水素爆発しても、
マルトは市民のライフラインとなって、
店を開け続けた。

安島祐司さんと安島光子さんが、
マルトファミリー全従業員の支柱だった。
光子さんは祐司さんの奥様で、
マルト副会長。

「マルトは日本商業の誇りだ」
私は何度もそう書いた。

私の言葉だけではない。
マルトは一昨年、
「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞
第5回経済産業大臣賞を受賞した。

故祐司会長の通夜と葬儀告別式は、
近親者のみで執り行われた。

私は年が明けたら、
弔問したいと考えていた。

それが実現して、
勿来(なこそ)の安島家を訪問。

霊前に合掌して、
線香をあげたあと、
光子さんの意味深い話を、
長時間、聞かせてもらった。
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安島祐司さんと光子さんの写真。
IMG_2272.JPG-7

そのあと、マルト社長の安島浩さんと、
ファミリー社長の安島ゆみ子さんに、
ご案内いただいて、
周辺店舗を視察。
IMG_2282.JPG-7.JPG-7

マルトの安島家も、
三代続くスーパーマーケット企業。

安島祐司・光子世代、
安島浩・誠・ゆみ子・力世代。
そしてこの後は安島大司世代。

さらに祐司さん逝去のあと、
曾孫の昊祐(そら)君、誕生。

大司さんの四男坊。

社長・専務の継承は、
単に名を継ぐことではない。
名とは命のことだ。

小売サービス業のファミリービジネスは、
その意味で歌舞伎界とも似ている。

「お別れの会」は、
今年1月31日午前11時、
パレスいわきで開催される。

勿来の安島家の庭には、
四季桜が咲いていた。

さびしさに枝をはなれず冬桜   
〈同 神奈川県松田町・山本けんえい〉

今週は企業や協会の新年会が目白押し。
多くの人たちに会うことになる。

それぞれの場で、
「背負ってきたものの重さと、
変わりゆく時代」を、
私たちは語り合うのだろう。

そしてすべての人が、
誰かのための虻や風となって、
新しい命を仲立ちし、
新しいライフラインとなることを、
願いつつ、
激動の2017年を乗り切るのだろう。

では、みなさんも、
誰かのための虫や風に。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年01月08日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その29】春の七草

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目はいつも季節をとらえる。
そんな季節の目で見る博物誌――。

春の七草。
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古来、日本には、
「若菜摘み」の風習があった。
年の初めに、
雪の間から芽を出した草を摘む。
これが七草の原点。

君がため
春の野に出でて若菜摘む

我が衣手に雪は降りつつ
(光孝天皇『古今集』)

現代語訳では。
「あなたのために春の野に出て、
若菜を摘んでいました。
春だというのにちらちらと雪が降って、
私の着物の袖にも、
雪が降りかかっています」

「それでも、あなたのことを思いながら、
こうして若菜を摘んでいます」

光孝天皇は830年~887年の人。
仁明天皇の第三皇子で、
幼少のころから学問好きで聡明だった。

その春の七草。
せりなずな
ごぎょうはこべら
ほとけのざ

すずなすずしろ
これぞななくさ

せり(芹)は、セリ科の多年草。
学名Oenanthe javanica、
英語でWater dropwort。
IMG_5810
別名シロネグサ(白根草)。
湿地やあぜ道、休耕田など、
水分の多いところで生育する湿地性植物。

まるで競い合うように群生している。
だから「セリ」

次に、なずな(薺)は、
アブラナ科ナズナ属の越年草。
学名Capsella bursa-pastoris、
英名Shepherd’s Purse。
これは「羊飼いの財布」の意味。
IMG_5821
別名ぺんぺん草、三味線草。
田畑や荒れ地、道端など、
至るところに生える。

ごぎょう(御形)は、
キク科ハハコグサ属の越年草。
ハハコグサ(母子草)。
学名Gnaphalium affine、
英語でCudweed。
IMG_5822
小型の草本で、草体は約10-20cm。
茎葉の若いものを食用にする。
北アメリカやヨーロッパでは、
庭草として一般的な植物。

はこべら(繁縷)は、
ナデシコ科ハコベ属の越年草。
学名Stellaria media、英名 Chickweed。
現在の名称はコハコベ(小繁縷)。IMG_5812

 

小型の草本で、草体は約10-20cm。
葉野菜として食用にされるし、
ニワトリの餌などにも使われる。

ほとけのざ(仏の座)は、
キク科に属する越年草。
現在の名称はコオニタビラコ(小鬼田平子)。
学名はLapsana apogonoides Maxim。
英名はNipplewort。IMG_5814
田畑やその周囲のあぜ道など、
湿地に多く生える。

シソ科の「ホトケノザ」とは別のもの。

この後の二つは、
野菜として売場では必須のアイテム。

すずな(菘)はカブ(蕪)。
アブラナ科アブラナ属の越年草。
学名Brassica rapa L. var. rapa、
英名Turnip。
IMG_5820
代表的な根菜類。
別名はカブラ、カブナ、カブラナ、
それからホウサイ(豊菜)、
ダイトウナ(大頭菜)。

カブは頭を意味する「かぶり」、
根を意味する「株」など、
諸説あるが、それだけ重要な野菜。

主要産地は、圧倒的に千葉県。
全国生産の3割を占める。
ついで埼玉県、青森県。
この3件で日本生産の約半分。
ほぼ全てが小カブ。

最後に、すずしろ(蘿蔔)はダイコン(大根)。
アブラナ科ダイコン属の越年草英名。
学名Raphanus sativus var. longipinnatus、
英語でRadish。
IMG_5811
主に肥大した根を食用とする。
種子から油を採ることもある。

緑黄色野菜でもあり、淡色野菜でもある。
「大きな根」を意味する大根(おおね)から、
ダイコンと呼ばれるようになった。

根の長さ・太さなどの形状は多様。
皮の色も白が中心だが、
赤・緑・紫・黄・黒など。

原産地は地中海地方・中東。
ユーラシアの各地へ伝わり、
日本には弥生時代に入った。
平安時代中期『和名類聚抄』にある。
江戸時代に江戸近郊で盛んに栽培。
その中でとくに有名なのが練馬大根。

世界一大きくて重いのが桜島大根、
世界一長いのが守口ダイコン。

おでんには欠かせないアイテム。

葉はビタミンAを多く含み、
汁はビタミンCやジアスターゼを含有。
薬草であり、
消化酵素を持つ。
血栓防止作用や解毒作用もある。

なるほど、必須の野菜である。

流れゆく大根の葉の早さかな   
〈高濱虚子〉

これら七草のセット商品が、
各地に出回っている。IMG_0319.JPG-6

神奈川県産の代表的な商品。
IMG_0326.JPG-6

七草がゆのアイテムもある。IMG_0322.JPG-6

平安時代の光孝天皇には、
想像もつかなかったに違いない。

春の七草。
七草がゆ。
DSCN8963-2016-4-10-66666
「粥有十利」(しゅうゆうじり)。
第1、色。第2、力。
第3、寿。第4、楽。
第5、詞清辯。
第6、宿食除。
第7、風除。
第8、飢消。第9、渇消。
第10、大小便調適。

人間は知恵がありますね。
その知恵、生かしましょう。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年01月07日(土曜日)

「粥有十利」とマックの期間限定品と「来てる」もの不要論

1月7日土曜日は、
人日の節句。
七草粥を食す。
もちろん春の七草。
20120107_2309340

そして正月明けの3連休初日。

日経新聞巻頭コラム『春秋』

「正月七日、雪のない所から菜を摘む」
清少納言の「枕草子」から。

7種の菜を吸い物にする習わしがあった。
おかゆになったのは、室町時代。

「かゆには十の利益あり」
福井県永平寺の修行僧は、
食事の前に経文を唱える。

「粥有十利」という。
「しゅうゆうじり」と読む。
仏教用語。

第1は色。
体の色つやが良くなる。
第2は力。気力が増す。
第3は寿。長命となる。
第4は楽。
食べすぎず、体が安楽になる。
第5は詞清辯。
言葉が清くさわやかになる。
第6は宿食除
前に食べた物が残らず胸やけもしない。
第7は風除、風邪もひかない。
第8は飢消。
消化よく栄養となって飢えを消す。
第9は渇消。喉の渇きを止める。
そして、
第10は大小便調適。
便通がよくなる。

いいことばかりの粗食の七草粥。

是非とも食べたい、
お勧めしたい。
売り込みたい。
IMG_0321.JPG-7

さて、日本マクドナルド。
これも日経新聞『企業・消費』欄。
2016年の年間既存店売上高は、
前年比20.0%増。

既存店の増収は2011年以来5年ぶり。
2014年7月に発生したのが、
使用期限切れ鶏肉問題。

中国の上海福喜食品が火元。
製造し卸売りした食肉が、
消費期限切れだった。
7月21日には、チキンマックナゲットに、
この期限切れ鶏肉が
含まれている恐れありとして、
販売中止。

さらに2015年1月には、
異物混入問題が発生。

以来、急落し続けたマックの人気。

今、回復基調。

CEOは2013年8月から、
サラ・カサノバ。
原田泳幸前CEOと交代した途端、
問題が噴出した。

私はサラをずっと暖かく見てきたが、
成果が出てきてうれしい限り。

年間客数は9.1%増、
客単価は10.0%増。

理由の第1は商品政策。
昨年4月販売の「グランドビッグマック」
520円が想定の2倍近い売れ行き。
「高単価な期間限定商品」が好調。

第2は、500店規模で実施した改装。

そして第3は「ポケモンGO」関連の施策。

12月のマーチャンダイジング、
プロモーションがすごい。

12月7日(水)からの期間限定。
チキンマックナゲット人気ソース再登場。
クリーミーチーズソースと、
フルーツカレーソース。
さらにナゲット15ピース特別価格390円。

12月14日(水)からの期間限定販売。
冬の風物詩「グラコロ」、
23年ぶりのリニューアル。
超グラコロと超デミチーズグラコロ。
シャカシャカポテト トマトクリームも。

12月16日(金)からの期間限定販売。
仕掛け付きのおもちゃ8種類。
ハッピーセット妖怪ウォッチ。

12月23日(金)~25日(日)の3日間限定。
クリスマスパーティー向けのセット、
チキンマックナゲット クリスマスキャンペーン。
ナゲット30ピース特別価格750円。

さらに年明けして、
2017年1月6日(金)からの期間限定販売。
ハッピーセット「スーパーマリオ」
ゲーム・キャラクターの玩具が12種類。

そして2017年1月6日(金)投票スタート。
第1回マクドナルド総選挙開催。
日本一のバーガーを決める。
main_170106

この連続的なプロモーションと、
それに連動したマーチャンダイジング。
Plan Do Check Act。

計画⇒実行⇒検証⇒再実行。

その底辺に流れているのは、
「非定番」の考え方。
つまり期間限定。

英語では定番を「ステープル」(Staple)、
非定番を「シーゾナル」(Seasonal)という。
季節品は「シーズナブル」(Seasonable)。
それではなく、期間限定の非定番商品。

このシーゾナルのPDCAを回す。

マクドナルドがそれを示している。
これによってマックは、
2年をかけて客数と売上げを取り戻した。

さて糸井重里の「ほぼ日」
「今日のダーリン」は糸井の巻頭エッセイ。

「プロ野球の人気に
影が差してきたとか言われて、
サッカーのJリーグがスタートしたとき、
『やっぱり、おれの目をつけていた
サッカーが来たろ?』
とか自慢そうに胸を張っていた人、
いたと思うんだよね」

こんなたとえを連発。
「いわゆる銀塩カメラが
ふつうに『カメラ』だった時代に、
これからは『デジタルカメラが
来るんだよ』と、
だれよりも先に、
デジタルカメラを買った人、
いたよね」

「これからはインターネットが
来るんだと言って、
『ほら、やっぱり
言ったとおりになったぜ』と、
得意になっている人も、もちろんいた」

「必ずIoT来るから、
いま知っとかないと大変だよ」
「もうじき絶対、
Blu-rayが来るから」

そこで糸井。
「来てる」とか「来る」とか
言いたがる人は、
いつの時代にも
必ずいるものだよ。

なにが目的で、
「来る」とか「来てる」とか言うのか、
言ってる本人にも、
よくわからない。

「来てる」「来る」に賭けて
大成功したという人も、
いないわけじゃないとは思うのだけれど、
そういう人は、ほんのひと握りだろう。

「どんな『来てる』も『来る』も、
ずいぶん遅くなってから
知ったり使ったりしても、
ぜんぜん不自由も不便もしないものだ」

「なんにも先取りしない人が
ハイブリッドカーに乗ってて、
そんなつもりのなかった人が
スマートフォン使ってて、
情報に疎いという人たちが
新しい街で食事をしている』

そして結論。
「来てる」とか
「来る」とかに関して、

まったく興味を
持ってなくても、

なんの不都合もない。

いま、そういう考え方が
「来てる」んじゃないか…?

かつて荒井伸也さんが言っていた。
もちろんサミット㈱元社長、会長、
オール日本スーパーマーケット協会、
元会長、現名誉会長。

「スーパーマーケットは、
新幹線を開発する必要はない。
私鉄でいいんです」

私鉄沿線の自分のお客様を、
十二分に満足させればいい。

蛇足のような、
しかし糸井の極め言葉。
「早めに知っておくと、
いいことありそうに
思えるんだよね」

自分の顧客を知って、
PDCAサイクルを回す。

それが「粥有十利」のような、
不変の効用をもたらしてくれる。

〈結城義晴〉

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