結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年01月28日(月曜日)

ローソン新浪剛史の「古い価値観の持ち主は退場」と「ひこばえ」の会

Everybody! Good Monday!
[2013vol5]

2013年第5週。
今週末の金曜日から2月。

今日から通常国会。
新しい政権が国会に臨んで、
今週内に2012年度の補正予算案が、
国会に提出される。

その今朝の朝刊。
日経新聞は一面トップで、
「第2次安倍内閣の支持率は68%」を打ち上げる。
日経とテレビ東京の共同世論調査。
昨年末の政権発足直後から6ポイント上昇。

円安は進んで1ドル91円台、
日経平均株価は1万1000円を付けた。

しかし、寒い。
今朝横浜にも雪がちらつき、
千葉は5センチ積もった。

天空に応へ冬木となりにけり
〈朝日俳壇 奈良市・椎子黎子〉
20130128154536.jpg

1年で一番寒い時期。
それを楽しみたい。

そうすれば今度の日曜日が節分。
そして月曜日は立春。

一応、暦の上では春となる。

従って今週は、節分一色のプロモーション。
恵方巻き、豆まき。
何となく楽しい。

商人舎は1月末が決算期。
今週金曜日から新年度。
お陰様で、順調に来て、
6年目に突入。

このブログの巻頭に、
USA視察研修会Basicコース募集開始。
5月14日から20日までの7日間、
ラスベガスに居座って、
じっくり研修。

毎日、これでもかと視察する。
次々にアメリカ人の知識商人へのインタビューもする。

毎朝、私の講義がある。
丁寧に丹念に講義する。

今年から前半途中で1回だけ、
理解度テストをやることにした。

ご存知、商人舎ミドルマネジメント研修会スタイル。

理解度テストをすることによって、
理解度は各段
に増してくる。
これは明らか。

成果が違ってくる。

グループを組んで、
チームで調査し、PFグラフをつくる。
企業ごとの商品構成を把握することができる。
最終日にその発表会がある。

もちろんしっかり学んで、
ラスベガスのショーを堪能するもよし、
ちょっとだけギャンブルも楽しめる。

お早目の申し込みを。
今年も80人級の研修会となる。

さて、一昨日は、
中学・高校時代の仲間と新年会。

高校を卒業してから、
欠かさず、毎年やっている。

そうこうするうちに、
全員が還暦を迎えてしまった。

横浜市内の私立聖光学院。
中学高校の一貫教育。
現在、東京大学に65名合格する進学校。
私たちはその8期生。

5年先輩にオフコースの小田和正、鈴木康博がいる。

新年会の場所は横浜・岡野町の「一如」。
20130128154544.jpg
商人舎オフィスのすぐそば。

シックなつくり。
20130128154551.jpg

個室をとって、ゆっくりした。
20130128154558.jpg

豆腐料理を肴に、
日本酒やワインを飲んで、
満悦。
20130128154605.jpg
去年リタイアした、
「家事手伝い」だが毎日ジムに通っている、
フィリピンに赴任したが、半年で帰国した、
高校教師の退職金問題にもろに遭遇してハムレットの心境、
息子と山登りを再開した、
あっちが悪い、こっちが痛い・・・。

まあ、様々な人生模様を語り合ったが、
それでも全員、命はあるし、家庭もあるし、
気力・体力も充実しているし、
一生の仕事を終え、悠々自適。

いい仲間です。

私も頭部帯状疱疹が癒え、
立教大学院の論文審査も終えて、
本当にくつろいで楽しんだ。

全快をこの熱燗に確かむる
〈日経俳壇 東京・家泉勝彦〉

この7人の会は、
『ひこばえ』という同人誌がもとになっている。

中学・高校時代に、
それぞれがつくった稚拙な文学作品を、
コクヨの原稿用紙に清書する。
その原稿を集めて、
目次・表紙などつけて、
1冊だけの同人誌をつくる。
それを回し読んで、
批評し合う。

そう考えると私は、
『ひこばえ』のころからずっと、
ものを書き続けている。

15歳くらいだったろうか。

だからもう45年になる。

「命より健康が大事」
みんなでそう言い合って別れた。
ただ生きているだけではよくない。
健康で生きなければいけない。

全員が全員、
そんなことを考えていた。

さて日経新聞『経営塾』に、
ローソン社長の新浪剛史さんが登場して、
いきなり「古い価値観の持ち主は退場を」と叫ぶ。

2002年に三菱商事を退職し、
ローソンの社長に就任。

「コンビニの顧客は当時、
20~30歳代の男性が中心で
市場は飽和状態。
新たな顧客の開拓が求められていた」

そこで社長就任とともに、
「内部の意識改革と外部からの人材獲得」に取り組む。

私は当時、㈱商業界の取締役編集統括で、
新浪さんの社長就任時に、
倉本初夫商業界主幹と共に挨拶に行ったことを覚えている。

溌剌としたニューリーダーのもと、
新しい風が吹き始めていた。

「銀行、鉄鋼、IT(情報技術)など
さまざまな業界から
中途入社という形で人材が集まった」

もちろん役員会も執行役員のおよそ半数も、
人材は入れ替わった。

その代わりに、
1割強の役員社員が会社を去った。
新浪さんは言う。
「古い価値観を変えられなければ
退場してもらうしかなかった

政策のうえでも、
コンビニ業界に新風を吹き込んだ。
ほとんどがセブン-イレブン追随型だったが、
ユニークな戦略を志向し始めた。

例えば、不採算直営店の閉鎖。
7000強の店舗の約1割を閉めた。
現在では各社とも当たり前の施策だ。

また「コンビニは“中央集権”が業界の主流」だったが、
これを排除し、
各地に根づいた文化を尊重する柔軟な店づくりを志向した。

新フォーマットへの挑戦も試みた。
「ナチュラルローソン」、
「ローソンストア100」など。

シングル・フォーマット主義だったコンビニが、
ローソンによって、マルチ・フォーマットへと移行した。

私も単行本の『小売業界大研究』で、
フォーマット論を紹介し、
ローソンの戦略を高く評価した。

これらのすべてを、新浪さんは評する。
「思い切った人材の入れ替えで実現した改革」

私は吉田拓郎を思い出した。
「古い船をいま動かせるのは
古い水夫じゃないだろう」

2月を視野に入れたとはいえ、
まだ1月の終わり。

この「改革」の意思は、持ち続けたい。

私の友人たちの現役からの退場も、
大きな目で見れば「人材の入れ替え」である。
古い水夫は古い船にこだわらない。

もちろん退場したからといって、
それで終わりではない。

みな「これからだ」という意気に燃えている。

私にとっては、
新浪さんとひこばえの仲間。
両者の存在を共に了解し、信頼するところに、
本当の「改革」がある。
これは確信に近い。

だから今週も、
「今日も一日、優しく、強く」

みなさん、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年01月27日(日曜日)

ジジとサム君の別れ[2013日曜版vol4]

ひさしぶりにサムくん。
20130127121103.jpg
環境ロボット。

ボクのともだち。
20130127121127.jpg
なまごみをたべる。

ボクのなかま。
20130127121136.jpg

サムくんは玄関で、
だれかをまってます。
20130127121157.jpg

どこかに、
いっちゃうみたいです。
20130127121147.jpg

どこ、いくの?
20130127121219.jpg
サムくんは、無口。

・・・・・・・・・・・・・・。

いっちゃいました。
宅急便のおじさんに、
つれられて。
20130127121255.jpg
ちょっとさみしい。

洗面所のたなのうえで、
かんがえました。
20130127121310.jpg

ときどき、
ここにあがって、
かんがえます。
20130127121405.jpg

たかいところから、
ものをみる。
20130127121413.jpg

そして、かんがえる。
20130127121357.jpg

「俯瞰する」といったりします。
20130127121426.jpg

でも、サムクンのことは、
わかりません。
20130127121450.jpg

ねえ、おとうさん。
20130127121348.jpg

サムくん、
かえってきますよね。
20130127121340.jpg

ボクは、さみしい。
20130127121502.jpg

もどってきますね?
20130127121510.jpg

「もちろん!」

あ~、よかった。
20130127121518.jpg
サムくんは、なにもいわずに、
いっちゃったけれど、
かえってきます。

また、あえます。

〈『ジジの気分』(未刊だけれど、いつか写真集?)より〉

2013年01月26日(土曜日)

「アベノミクスのプラシーボ効果」と「100p新書」の定性リサーチ

空の表情が変わってきた。
20130126171620.jpg

変わり方がはやくなってきた。
20130126171655.jpg

空の色そのものも、
変わってきた。
20130126171638.jpg
変わったように見えるから、
変わったのかもしれない。

朝日新聞の経済コラム『経済気象台』。
「アベノミクスの偽薬効果」がタイトル。

「医療の世界にプラシーボ効果という現象がある。
患者がよく効く薬と信じて服用することにより
治療効果が上がることをいう」

安倍晋三首相の経済政策を、
「安倍プラシーボ効果」と呼ぶ。

面白い。

コラムニストはしかし、
政策そのものには苦言を呈する。
「財政発動による資金散布が
有効だと考えているとすれば、
時代錯誤も甚だしい」

求められる政策を二つ。
財政健全化と規制緩和の具体案。

最後に結ぶ。
「プラシーボ効果は二度、効かない」

さて先週から本を送っていただいている。
そのうちの一冊がこれ。
20130123142927.jpg
「消費者の意見を聞いていはいけない。」
稲垣佳伸著、㈱ドゥ・ハウス発行。

発行者であり著者でもある稲垣さんから、
メッセージが添えられている。
「マーケティングの本はいつもぶ厚いです。
でも、核になるメッセージは
多くても100ページだろうと考えました。
あとは、体裁と店頭価格アップのための紙数です。
本の流通システムの都合です。
などと生意気を言いながら『100p新書』と銘打ってみました」
稲垣さんらしい反骨の精神がみなぎった新書。

476円也。

さらに「今、AmazonのKindleが活性化していますが、
この本もKindleストアにて
180円で販売しています」

本の結論はタイトル通り。
消費者の「意見」を聞いてはいけない。

一言でいえば、
「定性リサーチ」の考え方、作業モデル、技術を、
実にわかりやすく的確に示した本。

「1/1000の変化の芽を、競合他社より3日早く探す」のが、
定性リサーチの目的のひとつ。

ここには「定量リサーチ」とは異なる領域がある。
そしてこれまで小売流通業は、
定量情報、定量データによるディシジョンに
偏り過ぎていた。

そして売れっ子と自称するコンサルタントまで、
定性的な事項に関しては、
「だと思う」「かもしれない」などと、
非科学的な勘で言い切る。

定性リサーチによって、
それを科学することができる。

現場の人たちも、本部の人たちも、
自分で学んで訓練すれば、
定性リサーチをマスターできる。
もちろん定量リサーチと組み合わせれば、
自分たちで有効な手立てを考えることができる。

「消費者の意見を聞いてはいけない」

ピーター・ドラッカーは言う。
「最も重要な情報は
ノンカスタマ―についてのものである」

さて最後に、この1週間ファンとして読んでいる連載。
日経新聞の『プライスウオーズ』
第5回は「ユニクロ、次の挑戦」。

バングラデシュの首都ダッカから車で1時間のガジプール地区。
縫製工場スタイルクラフト社社長のシャムス・ラーマン。
「1ミリの縫製のズレも許さないミスターヤナイの品質へのこだわりは
欧米企業にはない」。

ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正さんのこと。

「全商品の75%を中国で生産するファストリは
今、生産拠点の分散化を急ぐ」。

1990年代以降、
アジアを活用したものづくりで
日本に衣料品の価格革命を起こした。

家計調査によると、
2011年の洋服の平均支出額(総世帯)は4万8295円。
1998年からほぼ半減。
この年、ユニクロ「フリースブーム」が起こった。

いま、欧米の有力ブランドは、
アフリカで調達して低価格攻勢をかける。
とくにH&MとZARA。

柳井さんの考え方。
「プライスリーダーにならなければ、
世界トップの座は奪えない」

ただし今日の話は、
残念ながら、あまり面白くない。

ドラマがないからだ。
バングラディシュの工場という新しい情報が盛り込まれているが、
ほぼ、わかっていることのディテールを書き留めて、
追認したに過ぎない。

「プライスウォーズ」には、
もっともっとドラマがある。

それが一話一話に、
なくてはならない。

と、辛口になったところで、
みなさん、良い週末を。

〈結城義晴〉

2013年01月25日(金曜日)

立教大学院論文審査会終って、肩の荷が下りて、今年が始まった。

今日は、夕方から立教大学へ。
修士論文審査会

1年間、努力に努力を重ねて、
4万字から6万字、8万字近くの修士論文を書き上げる。

それを提出してから、
教授陣から審査される。

ひとりひとり、
7分ずつほど説明して、
その後、13分質疑応答。

手厳しい指摘や鋭い質問に答えなければならない。

それが終って、最終審査が行われ、
晴れて修士となる。

その論文審査会。

結城ゼミ5人、
必死の思いで審査会を終らせた。

そして打ち上げ。
20130126000321.jpg
先輩が何人もオーディエンスとして駆けつけてくれた。
来年度に結城ゼミに入りたいと志望する後輩たちも集まった。

その人たちの前で、
自分の研究成果を発表した。

全員が晴れ晴れとした顔つき。

一応やるだけやった。

私は乾杯の前に言った。
「君たちの論文も今日のプレゼンも、
私の一生の誇りとなった」

ありがとう。

さて、昨日は昨日で、
㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンの皆さんが来社。
20130124184413.jpg
右から、CEOの増田春彦さん、
マネージングディレクターの堀池篤さん、
左が同じく藤川快之さん。

この夏に、
アナンス・ラーマン教授を日本に迎え、
流通トップマネジメント向けのセミナーを企画する。
その打合せ。

ラーマン先生は、
ハーバード・ビジネススクール教授。

アメリカのゴードン・ブラザーズ・グループは、
100年以上の歴史を持つコンサルティング企業。
いくつかのコンサルティングテーマを有しているが、
日本の活動の中心は、
「在庫を中心とする動産を対象に
高度な鑑定評価・換価・ABLを提供」。

ラーマン教授は、
科学的アプローチで小売業の在庫問題を整理し、
多くの企業のケーススタディをもっている。
そのケーススタディのひとつが、
米国ゴードン・ブラザーズのモデル。
ラーマン先生の知見を披露していただき、
結城義晴がアメリカ小売業の最新動向を語る。

今から予告しておこう。
素晴らしいセミナーになる。

詳細が決まり次第、
このブログでもご報告する。
ぜひ、ご参加いただきたい。

さて日経新聞の連載。
「プライスウォーズ」ルポ4回目は、
「三越伊勢丹の孤独」
このところ毎日、私は、
この連載を楽しみにしている。
完全に一読者ファン。

昨年秋のバーゲンセールの百貨店の対応は、
従来とがらりと変わるかとみられた。
「2012年秋、
百貨店業界はバーゲンセールの時期を巡り、
意見が対立」

日本百貨店協会の正・副会長会議の席上、
三越伊勢丹ホールディングス社長の大西洋さんが
「セール時期を遅らせることを
業界指針として提案」

勇気のいる提案だった。

ところが、2人の副会長が反対。

そごう・西武社長の山下国夫さんと高島屋専務の松本靖彦さん。
こちらはこちらで、その言い分もわかる。

結果として、一本化できなかった。

記事は語る。
「12年夏のセールを巡る混乱にまで
さかのぼる必要がある」

昨年6月2日のこのブログでも書いたが、
2012年の夏のバーゲンセールは、
例年より2週間ほど遅かった、
7月中旬の13日からスタートした。

そのきっかけをつくったのは、同じく、大西洋さん。
「百貨店はファッションなど価値を売るビジネス。
盛夏にバーゲンするなんて自己否定だし、
正価で購入した顧客に失礼だ」

この大西さんの考えをもとに三越伊勢丹は、
「例年7月1日から始まるセール時期を
約2週間遅らせることを宣言」

アパレルのオンワード樫山、三陽商会なども同調。
しかし、百貨店の対応は分かれる。
「アパレルの意向をくみ、追随した高島屋、東急百貨店。
一方、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武は従来時期にこだわった」

なぜこだわるのか。
百貨店の古い商慣習、
商取引がその理由。

記事は指摘する。
「実は衣料品が正価で売れるのは約3割。
残りは3~5割引きとなって初めて消費者は買う気になる」
だからどこよりも早く安売りを仕掛け、お客を呼び込み、
7割の需要を消化したい。

しかも、セールの売上げは、
1年の売上高を左右する。

ところが、消費者は
「セールの開始時期がずれたうえ、
オンワードなどが先送りし、
店に足を運んでも肩透かしをくらった」

その結果、どの百貨店も
夏のセールの売上高は、
前年を下回ってしまった。

記事にある。
「消費者本位ではなかったな」
この騒動、高島屋社長の鈴木弘治さんの言葉に尽きる。

さてこの夏のバーゲンセールの反省から、
2013年冬のセールは、
各百貨店ともに、初売りと同時に仕掛けた。
ただし、三越伊勢丹以外。

当然、大手アパレルも開始時期をそろえた。

「業界トップ同士で築いたオンワードとの盟友関係が崩れ、
三越伊勢丹は孤立」

その三越伊勢丹のセールは、
1月18日から開始。

記事は、その好調ぶりを記す。
「セール初日の伊勢丹新宿本店には
平日にもかかわらず4000人の行列ができた」

結果として三越伊勢丹は、
ユニークな戦略を採用したことになった。
これは三越伊勢丹にとって、
まことによろしい。

違いを出したうえで、
それが顧客から拍手喝さいを受ける。

どんな業種業態も、
作戦は、これしかない。

百貨店の2012年度の売上高速報値は、
6兆1453億1796万円。
ピークは、バブル崩壊後の1991年で、
当時は約11兆3500億円。

そのうち衣料品は約4兆円。
現在はその半分の売上げだ。

衣料品構成比は35%だから、
7割を消化するセールの成否は重要。
その仕掛けのタイミング。
これまた、商売にとっては最重要条項。

しかし、果たして、どちらが正しいのか。
消費者本位はどちらなのか。
その答えは、顧客が示してくれる。

最後は「顧客に聞け!」
バーゲン時期の「護送船団方式」は、
つまらない。

今日は、「人間の成果」について考えた。
一人ひとり、成果は違う。
それを標準化、平準化する必要などまったくない。

自分の力と自分の成果。
それがすべて。

一緒にやる必要はまったくない。

自分のすべてをいかに発揮するか。
論文審査も百貨店のバーゲンも。

もうそろそろ優劣を競うやり方は、
止めた方がいい。

レース型競争から、
コンテスト型競争へ。

毎日毎日、
それを実感させられる。

「今日も一日、優しく、強く」
今年の商人舎標語は、いい。

〈結城義晴〉

2013年01月24日(木曜日)

「吉野家の迷い」と新春全国セルコトップ会の強み

サトー八チローの詩「寒椿」。

寒い朝でも 寒椿
きりきりしゃんと ひらいてる
ながめていると 手をたたき
こっちのキモチも しゃんとする

寒い朝なら 寒椿
きりきりしゃんと ひらいてる
庭下駄はいて そばへ行き
何かを話して みたりする

    〈『抒情詩集』(サンリオ出版)より〉

明日からまた、寒波来襲。
しかし、大寒のその寒さを、
八チローのように楽しみたい。

日経新聞の連載『迫真プライスウオーズ』。
3回目の今日は、
「王者陥落 吉野家の迷い」。

すかいらーく創業一族の横川竟さんが、
吉野家ホールディングス会長の安部修仁さんに語りかける。
「500円の和牛牛丼でも出してみたら」

安部さんの返答。
「いや、今はもっと安値の方が必要かもしれない」

日本マクドナルド、サイゼリヤ、吉野家、
価格競争力のある外食チェーンが、
軒並み既存店マイナス。

記事は指摘する。
「もはや安ければ売れる時代でもない」

吉野家は「やすい、はやい、うまい」で先行。
しかし近年、価格設定に苦しむ。

2001年、400円の牛丼を280円に「価格破壊」。
「デフレの勝ち組」として安部さんは、
ファーストリテイリングの柳井正さんと並んで、
『日経ビジネス』の表紙を飾った。

ところが、2003年、米国でBSE発生。
米国産牛肉の現地調達がかなわなくなった。

艱難辛苦、新製品開発で乗り切るかと見えたが
オージービーフで割り切ったすき家に
間隙を突かれた。

昨2012年秋、「480円の牛焼肉丼の発表会」。
「価値追求」という一つの方向性が示されたかに見えたが、
既存店売上高は上がらない。
吉野家HDの2012年度第3四半期までの決算は最終赤字。

安部さんは、悩む。
「コストは上がるが、
消費者の節約志向は続く。
難しい」

一方、このブログでも紹介したが、
2012年10月、新フォーマットを実験。
「築地吉野家 極」。
業界最安値の250円牛丼店。

記事は、評する。
「価値追求を続ける一方で
安さにもこだわりたいとの安部の強い思いと同時に、
価格への迷いを浮き彫りにした」。

しかし私は違う見立て。

マルチフォーマット戦略として、
吉野家と極の二本立て作戦。

迷う必要はない。

記事は続ける。
「ポストデフレ時代をにらみ、
価格の設定が一段と難しくなることを
誰よりも安部が承知している」

価格設定はいつも難しい。

しかし、
「わかりやすくて、安い」
これが一番いい。

安部さんは、自信を取り戻しさえすればいい。
経営から離れた横川さんに対して、
「和牛牛丼はもう実験済みです」
このくらい言い切ってよい。

どんな価格設定が正しいのか。
そんなことは誰もわかりはしない。
まして他人にはわかるはずもない。

この『迫真プライスウオーズ』の第1回は一昨日。
「PB覇権 哲学の衝突」のタイトルだった。

イオンの岡田元也社長
「なぜ企業規模を拡大するのか?
価格決定権をメーカーから奪うためだ」

セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長。
「中内さんは大量生産時代の価格破壊。
質も高いセブンこそが現代の価格破壊だよ」

編集委員の中村直文さんは結論づける。
「価格への考え方は相反するが、
セブンとイオンが掲げる大義は
同じく消費者の支持。
消費が弱含む中、メーカーや卸は
小売り2強のはざまで揺れ動く」

私はこのあたり明快にしている。
コモディティはディスカウント。
ノンコモディティはそれぞれの値ごろ。

イオンはコモディティ重点型、
セブンはノンコモディティ重点型。

重点型といっても、
コモディティ一色でも、
ノンコモディティ一色でもない。

そのマーチャンダイジングミックスの按配の中身が異なる。

発言が反対でも、
それはポリシーの違い、
ビジョンの差異。

ピーター・ドラッカーは、
事業の定義として、三つの要素を挙げている。
第一は、組織を取り巻く環境。
第二は、組織の使命すなわち目的。
第三は、使命を達成するために必要な強みについての前提

取り巻く環境は同じでも、
使命や目的は異なる。
強みに関しては、同じはずはない。

イオンの使命と目的と強み、
セブン&アイの使命と目的と強み、
吉野家の使命と目的と強み、
ゼンショーの使命と目的と強み。

それぞれ違って当たり前。

自分の使命と目的と強みに自信を無くしたとき、
「価格設定の迷い」が生まれる。

ならば、自分の使命と目的と強みに、
戻ればいい。

そうすれば、自信は湧き上がってくる。

さて、昨日は午後、
2013年新春全国セルコグループトップ会
場所は新横浜国際ホテル。
20130124164355.jpg

特別講演会と懇親会の2部構成。

講演は岸博幸さん
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。
テーマは「日本経済のゆくえ」
20130124164317.jpg

通産省(現・経産省)官僚出身で、
第一次小泉内閣では竹中平蔵氏の大臣補佐官として活躍。
歯に衣着せぬ霞が関批判もあり、
政治経済についてメディアでもひっぱりだこ。

そこで、会場はご覧とおりの満席。
20130124164305.jpg

アベノミクスの三本の矢の評価と課題、
日本経済の本質的な問題点などを、
90分、語ってくれた。
20130124164325.jpg
「日本経済の強みは現場の力」と言い切る。

「民間の力、地方の力は強いが、
政治も行政もエリートの力は弱い。

現場は頑張っているにもかかわらず、
企業が減速するのは経営ミスによるもの。

日本の開発力、海外展開は、
グローバル化、デジタル化に対応できていない」

iPhone、AKB48、宮城県女川町の復興取り組みなど、
わかりやすい事例と語り口で面白かったと好評。

第二部は懇親会。
20130124164415.jpg

理事長、副理事長が入口で出迎え。
私はごあいさつをしながら、ここからの参加。
20130124164421.jpg

初めに佐伯行彦さんのあいさつ。
協同組合セルコチェーン理事長。
20130124164429.jpg

昨年設立50周年を迎えたセルコチェーン。
力強く「戦う集団」を宣言。
20130124164434.jpg
これがセルコグループの強み。

そして来賓あいさつ。
はじめに経済産業省中小企業庁から安久惠さん
経営支援部商業課長補佐。
20130124164441.jpg

農林水産省食料産業局は池渕雅和さん
食品小売サービス課長。
20130124164453.jpg

㈱商工組合中央金庫東京支店長の中川祐一さん
20130124164504.jpg

そして卸のトップの皆さんが、
次々に登壇して、3分間スピーチ。
お名前の50音順で話されるが、
これは意外に大変。

三菱食品㈱社長の井上彪さん
20130124164511.jpg

国分㈱会長兼社長の國分勘兵衛さん
20130124164518.jpg

㈱日本アクセス社長の田中茂治さん
20130124164524.jpg

三井食品㈱社長の長原光男さん
20130124164531.jpg

伊藤忠食品㈱副社長の星秀一さん
20130124164544.jpg

さすがにトップの皆さん。
メッセージはそれぞれの視点、
巧みな話術で会場を沸かせた。

これも恒例となったセルコチェーン役員の紹介。
20130124164557.jpg

一人ひとり紹介される役員の皆さんを確認する会場の参加者。
20130124164612.jpg

乾杯の音頭は、
セルコチェーン理事相談役の平富郎さん
㈱エコス会長。
20130124165321.jpg
「競争に参加できないものはさっさと退場しなさい」。
「競争は経営者を磨く砥石」という平さんならではの物言い。
歯切れのいい平節(たいらぶし)、とてもよかった。

そしていよいよ懇親。
会場は懇親、名刺交換と大にぎわい。
20130124165617.jpg

久々にお会いしたセルコチェーン副理事長の川崎博道さん
㈱サンシャインチェーン本部社長
20130124165334.jpg
商人舎は一昨年、昨年とアメリカ視察ツアーをコーディネートした。
サンシャインチェーン、阪食、ハローデイ、エブリイの4社が、
ともにサービス&クォリティ型のスーパーマーケットを志向し、
勉強会を重ね、協業している。

その一環としてのアメリカ視察。
川崎さんをはじめ各社のトップ4人は第1回に参加。
「業態からフォーマットへの時代」を私は強調した。

それから改善、改革を進め、
「店が変わってきた、良くなってきた」との報告。
私も本当にうれしい。

30年来懇意にしているという宮本洋一さんをはさんで、
川崎さんと三人で写真。
20130124165341.jpg
宮本さんは、ブルーチップ㈱社長。
後ろで顔をのぞかせているのは、
ブルーチップ営業統括部長の鍋島丈夫さん。

奥州市のケー・マート社長の千葉喜夫さん
20130124165352.jpg
今年もよろしく。

全日本食品㈱社長の齋藤充弘さん(右)と、
三菱食品㈱相談役の後藤雅治さん

20130124165403.jpg

日本スーパーマーケット協会会長の川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長

20130124165414.jpg

國分勘兵衛さんとは、
インフレターゲットの2%について、
意見交換。
20130124165533.jpg

㈱たいらや社長の村上篤三郎さん(中)。
商業経営問題研究会(RMLC)のコアメンバーのお1人。20130124165422.jpg
ブルーチップ宮本さんとともに、
昨年の商人舎忘年会の話で盛り上がった。

㈱エコス社長の平邦雄さん
20130124165600.jpg
私の大学のかわいい後輩。

㈱ライフコーポレーション専務の並木利昭さん
20130124165524.jpg
押しも押されもせぬ専務取締役。
並木さんが初めて取締役に昇格したときの4人のお祝いの会の話をした。
メンバーは元『販売革新』編集長の伊東清さん、
現ストア・ジャパン社長の和田國男さんだったか。

副理事長の桑原孝正さん。
㈱セルバ社長

20130124165517.jpg
㈱さえきホールディングスとの経営統合を発表したが、
私はその決断を高く評価している。

副理事長の井原實さん。
㈱日本セルコ社長、㈱与野フードセンター社長

20130124165550.jpg

こちらは㈱商業界OB会。
㈱バリュークリエイター編集主幹の緒方知行さん(左)、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、アドパイン代表の松井康彦さん(中)。20130124182735.jpg
最近痩せてきたらしい緒方さんを2人で心配。

そして最後は、もちろん平富郎さんとにっこり。
20130124165502.jpg
3月に平さんご夫妻とゴルフをすることになった。
3年前には一緒に富士登山を敢行。
今年はゴルフ。
互いに山登りは少し控えましょう。

中締めは井原實副理事長。
さえきセルバホールディングスの話題をまじえながらの三本締め。
20130124165609.jpg
和やかなとてもいい新年会だった。

その各協会、団体の新年会行事も、
そろそろ終盤戦。

なんというか、全体に、
明るい雰囲気が横溢としている。
アベノミクスの効用。

しかしみな、それを、
心から信じているわけでもない。
どこかに不安感を抱えている。

講師の岸さんが指摘した「日本の強みは現場力」

私もまったく同感。

自分だけの使命と目的と強みを知るところから、
私たちの復活が始まる。

そのためには、
大寒の寒椿ではないが、
きりきりしゃんと、
していればいい。

〈結城義晴〉

 

 

2013年01月23日(水曜日)

2012年業態別年間販売額と「競争に参画すること・軽蔑されること」

私にとってはうれしいニュース。
「東急・メトロの池袋―横浜直通」
日経新聞の記事。

私の家は東急・妙蓮寺駅、
商人舎オフィスは横浜駅、
一方、立教大学は池袋駅。

それが一本でつながる。

スタートは 今年3月16日。
あと2カ月。

東京急行電鉄東横線と、
東京メトロ副都心線が、
相互直通運転を始める。

結果として、
池袋⇔横浜が最速38分で結ばれる。
便利になった。

それも、日中15分間隔で運転。

直通運転の区間は、
元町・中華街―森林公園(88.6km)と
元町・中華街―飯能(80.5km)。

相互直通運転による主な駅の所要時間は、
横浜⇔新宿三丁目が32分、
武蔵小杉⇔池袋が25分、
自由が丘⇔川越が1時間。
ヤオコー本部とも近くなります。

もちろん、現在の私は、
商人舎の横浜から立教大学の池袋までは、
JR東日本・湘南新宿ラインを使っている。

従って湘南ラインと東急・メトロの競合になる。
それは二つの選択肢ができて、
顧客としての結城義晴にはすこぶる便利。

何ごとも、競争が発生すると、
顧客にはありがたいことが起こる。

結城義晴著『メッセージ』より、
「競争はあなたの仕事です」

初めに、こう呼びかける。
あなたは、競争が好きですか。
他者と競争することに、喜びを感じられますか。
競争そのものを楽しむことができますか。

最後は、「競争はあなたの仕事です」

なぜか。
顧客が喜ぶから。

さて日経新聞『企業総合』欄に、
「セブンイレブン、全1万5000店にカフェ導入」

名称は「セブンカフェ」。
今夏までに、全店のレジカウンターに専用マシンを設置。
ホットコーヒーとアイスコーヒー。
ともにレギュラーサイズ(150ml)は100円、
ラージサイズは容量が異なるから値段を変える。
ホッ ト(235ml)が150円、アイス(270ml)は180円。

1杯ずつ豆をひいてドリップする。
香りや風味が引き立つブレンドコーヒー。

レジで料金を支払ってカップを受け取り、
マシンのボタンを押して、
顧客自らコーヒーを入れるセルフ式。

競争相手も同じ売り方をしている。
ファミリーマートは180ml150円、
サークルKサンクスは150ml130~180円。

セブン-イレブンの100円は、
わかりやすくて、安い。

新型マシンの導入店では、
1店当たり平均60杯の販売計画。
そうすると、サンドイッチは導入前より2割、
デザート類は3割、
売上げが増加する。

セブン-イレブンはまず、
札幌や北海道で実験をする。
今回も道内の店で実験をして、
来店客数4~5%増。

このセブン-イレブンの100円コーヒーに対して、
日経新聞の『マック原田の反省』の連載。

「おかしい。顧客が戻らない」。2012年夏、
日本マクドナルドホールディングス会長兼社長の原田泳幸。
手元に上がってくる販売実績に首をひねった。
「もはや100円メニューにお得感はない。
新たなバリューの提供が必要だ」

そこで原田さん、
「マクドナルドから助っ人を呼んだ。
店舗オペレーション歴37年のベテラン米国人と
マーケティングのプロのオーストラリア人女性だ」

「日本人社員とともにプロジェクトチームを作り、
新たな成長戦略を作り上げた」

「内容は60秒無料サービス、
リピーター率が80%を超える定番品『ビッグマック』の活性化、
朝食メニューの強化など」

今年2013年1月。
「新戦略が動き出した」
「注文から60秒以内で商品を提供できない場合、
ハンバーガーの無料券を渡すキャンペーン」

週刊誌やネットでこれが紹介され、
批判もされた。

しかし「話題性と出来たて商品」が、
「マクドナルドの価値」として、
それを訴えつづける。

ビッグマックの新たな販促の切り札も「無料」。
首都圏に大雪が降った1月14日の成人式。
新成人に単価290~340円の25万食のビッグマックを無料配布。
122万人の今年の新成人の2割超。

しかし店長らのコメント。
「人通りが減っている」
「夕食時間の落ち込みが激しい」

「市場は想像以上に悪い。
デフレ脱却の流れもあれば、消費増税もある。
お得と感じてもらえる価格を早く導き出さないと」

記事は「原田の模索は続く」と続く。

しかしこの無料作戦。
残念ながら、私は全面否定。

先の「競争はあなたの仕事です」のなかで、
私はこう書いている。

「ただし、気をつけねばならないことが二つあります。
第一は、競争をするといっても、お客たちから、
軽蔑されるようなものは避けなければならない、
絶対にやってはいけない、ということです

「商売のルールを守る。
相手方を尊重する。
お客から尊敬される

「第二のポイントは、
『差異性』を生み出す競争であることです」

無料、タダは、誰でもやれること。
それは競争の根本的な対策とはいえない。

原田泳幸の悩みは解決しないどころか、
セブン-イレブンが100円コーヒーで、
本格的に挑んでくる。

さて、今日の本論。
昨2012年の業態別販売統計。

まずは「全国百貨店売上高概況」
日本百貨店協会から先週17日発表。
調査対象は全国の百貨店86社、計249店舗。

12月の総売上高は7165億8581万円。
対前年比はマイナス1.3%。

衣料品は2062億8242万円でマイナス1.8%。
紳士服、婦人服、子ども服、すべてが振るわず。

家庭用品は314億2363万円、マイナス3.7%。
家庭用品はこれで8カ月連続のマイナス。

食料品は2609億0377万円でマイナス2.1%。
国政選挙の影響によるお歳暮商戦の不振が要因。

逆に今月も好調なのは、身のまわり品や化粧品、宝飾品。
身のまわり品は2062億8242万円でプラス0.8%。
化粧品が340億1975万円で、プラス1.7%、
そして美術・宝飾・貴金属が323億7633万円、プラス0.7%。

2012年度の売上高速報も発表されている。
年間総売上高は6兆1453億1796万円。
前年比はプラス0.3。

その要因として考えられるものは3つ。
震災の反動による大幅プラス、
本物志向、こだわり消費などの消費マインドの変化、
そして店舗の増床や改装。

16年ぶりに前年を上回る結果となった。

次に、コンビニエンスストア統計調査月報
21日に日本フランチャイズチェーン協会から発表。
調査対象は正会員のコンビニエンスストア本部10社。
ココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、
セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、
デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、
ミニストップとローソン。

12月の既存店売上高は、
7248億7400万円。
前年同月比はマイナス2.0%。
客数はマイナス1.6%、
平均客単価もマイナス0.4%。

既存店ベースでは売上高、客数、平均客単価ともに、
7カ月連続でマイナス。

ただし、全店ベースでは、
いずれもプラスとなっている。

12月の低温傾向や降雨量の影響、
たばこの売上げ減少で、前年割れだった。

その中で、おでんや肉まんなどのカウンター商材は好調。
寒さが味方してくれた。

年間売上高は全店ベースで、
9兆0264億円。
前年比を4.4%上回った。
コンビニ各社の出店攻勢が功を奏した結果。

百貨店とは3兆円の差が出た。

さらにコンビニは大手10社だけでなく、
各地にローカルチェーンやインディペンデントが展開しているから、
コンビニ業界全体では、どうだろう10兆円は超えているだろうか。

商業統計が経済統計として、
工業統計などと統合される。

早くそのあたりを知りたいところだ。

ちなみに2012年には、
コンビニ10社で2508店舗がオープン。
総店舗数は4万6905店で、
前年比プラス5.6%。

チェーンストア販売統計月報。
日本チェーンストア協会から22日に発表。
このデータでは主に総合スーパーの動向を読み取ることができる。
売上げの半分くらいが総合スーパーのものだからだ。

調査対象は57社、7895店舗。
大手総合スーパー、スーパーマーケット、
ホームセンター、ニトリ、ダイソーなどが名を連ねる。

総販売額は1兆2662億4369万円で、
既存店前年同月比はマイナス1.5%。

部門別の概況は、
食料品が7601億8357万円、マイナス1.1%、
住関品が2763億7325万円、マイナス2.0%、
サービスが44億2481万円、マイナス0.7%。

衣料品の売れ行きが特に不調で、
1391億2343万円の前年同月マイナス5.7%。
先月好調だった(プラス5.2%)反動で、
今月の動きは鈍かった。

さて、チェーンストアの年間販売動向。
総販売額は12兆5340億4600万円。
対前年比は全店でマイナス1.3%
既存店でマイナス1.9%となった。

最後にスーパーマーケット販売統計調査。
昨日22日、スーパーマーケット3協会から発表。
調査対象は310社、7358店舗。
総売上高が9435億6651万円、
既存店前年同月比はマイナス1.3%。

食品の合計は8128億7566万円で、
マイナス1.2%

生鮮3部門の合計は3051億6995万円で、
マイナス1.0%

その内訳。
青果が1133億9421万円、プラス0.8%、
水産が941億4276万円、マイナス3.1%、
畜産が976億3298万円で、マイナス0.8%。

惣菜は848億4015万円、マイナス1.3%。
日配が1676億2717万円、マイナス0.9%。
一般食品が2552億3839万円、マイナス1.6%。

非食品は870億0523万円、マイナス2.8%で、
その他が436億8563万円のマイナス1.8%。

青果が高値で、この部門だけプラスだった。

「インフレターゲット2%」が喧伝されているが、
それが実現すると、店頭では、
高騰した12月の青果部門プラス0.8%以上の価格イメージとなる。

インフレを呼び起こすことが国是のようになっているが、
これは国民の生活を脅かす。
そのことを、商人として、
いつも忘れてはならない。

今月の発表担当はオール日本スーパーマーケット協会(AJS)。
年頭ということで荒井伸也会長と松本光雄専務理事が発表。
20130123185407.jpg
まず、松本専務理事が統計概況を発表。
「12月は11月を上回る数字だったが、
相場高だった青果以外がすべて、前年割れ」

「2012年の年間売上高は、
9兆6405億8528万円。
全店では前年比プラス1.0%」

「全店ベースではどの部門もプラスだが、
水産はやはり厳しく、マイナス0.1%。
エリア別にみると、首都圏と東海エリアが
全店でも前年割れをしている。
まだまだ2011年3月の震災の影響が残っているのだろう」
20130123185419.jpg
「クリスマス・年末商戦は、
購買行動が縮小傾向にある中で、
12月上中旬から積極的に
販促策を仕掛けた企業は好調だった」

結城義晴言うところの「早仕掛け」作戦は功を奏した。

「今年のクリスマス・イブは祝日だったため、
ファミリー向けの商材は好調。
パティシエとコラボレーションしたケーキや、
ビュッシュド・ノエル、小型のケーキなどの
動きは良かった。
ただし、全体的に見ると、
前年並みか若干下回る商況だった」

「年末は30日に雨が降ったことが影響し、
前年比90%前後の店が多数」

「AJSの数値だが、
12月25日~31日の1週間は平均96.5%だった。
お正月商材は小型化、少量パックが好調。
逆に刺身盛り合わせ、オードブル、お節セットなどの
大型パックは不振だった」

「各社、同じ内容を仕掛けても、
結果が出たところと、出なかったところ、両方あった。
理由は明確にはわからないが、
自社の強みを活かした企業が総じて良かったのだろう」

これも結城義晴のポジショニング戦略。

次に荒井伸也会長の発言。
20130123185355.jpg
「オール日本スーパーマーケット協会は
協会というよりも、“教”会である。
基本的にはメンバーの教育に重点を置き、
“知恵の共同仕入れ”を目的としている。
よって、他のスーパーマーケット協会とは、
性格が違うということをまずいっておきたい」

「生活良好(くらしりょうこう)というプライベートブランドをつくっている。
AJSは商品を共同開発するために集まった団体ではなく、
協会全体の売上高を上げようという考えにはない。
個人的な見解だが、
PBの比率は10%くらいで、NBも必要。
PB比率を増やすのが大事なのではなく、
消費者が求める品揃えにすることが重要なのだ」

「昨年はAJSに台湾の全聯実業が加入した。
初の海外会員。
台湾で初めて、
生鮮に強い食品店をやろうという考え方をもっている企業。
AJSからは生活良好の商品を提供していくことで、
相互関係が強くなっていくだろう」

スーパーマーケットの今後はどうなっていくか。
「少子高齢化が進む中で、
高齢化した人がどれだけ内食を自分でつくるのかわからない。
これまでは車での来店に対応した店舗づくりをしてきたが、
高齢者や若者の車離れで、商圏は小さくなり、
買い物の行動半径が小さくなるだろう」

今後どういう形のスーパーマーケットが求められるのか。
「各社が試行錯誤していく中で、新しい方法が出てくるだろう」

ここにAJSの“知恵の共同仕入れ”が活かされるし、
この「新しい方法」こそ結城義晴のフォーマット論。

 

各協会の2012年データを順に並べると、
チェーストアが12兆5340億4600万円。
スーパーマーケットが9兆6405億8528万円。
コンビニが9兆0264億円。
百貨店が6兆1453億1796万円。

スーパーマーケットは、
3協会トータルで310社、9兆6406億円。
コンビニ10社を8000億円上回り、
チェーンストア協会57社より3兆円下回る。
百貨店は86社で業態別にみると一番小さい。
ただし統計の精度は百貨店が一番高い。

1社1チェーン当たりの年商。
コンビニは1チェーン平均9026億円。
チェーンストア協会は1社2205億円。
百貨店は1社当たり715億円。
そしてスーパーマーケットは、311億円。

日本チェーンストア協会からは、
業態別の年商を提出してもらいたいところだ。

そうすれば何よりも総合スーパーの全体像がはっきりする。
スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストアなどは、
それぞれに協会がある。

ちなみに日本の食品スーパーマーケットは、
年間販売額20兆円くらいになると思う。

だから3協会統計でも全体の半分以下ということか。
組織率の問題はまだ道半ば。

こういった小売業態間の競争が激化していると同時に、
外食・中食・内食間の競争が展開されている。

セブン-イレブンの「100円コーヒー」と、
マクドナルドの「100円メニューにお買い得感はない」。

業態間の競争を、
顧客は面白がって見ている。

軽蔑される者は、
マーケットの中で縮んでいく。

〈結城義晴〉

 

2013年01月22日(火曜日)

政府日銀「2%物価上昇目標」共同声明とクレハ&立教での講演講義

政府・日銀が連携強化して、
「2%の物価上昇率目標」共同声明。

麻生太郎副総理・財務・金融相、
甘利明経済財政・再生相、
そして白川方明日本銀行総裁が、
今日、共同声明を安倍晋三首相に報告。

甘利再生相は「これだけ明確にコミットしたことはない」。
白川総裁は2%を「できるだけ早期に実現したい」。

いよいよ、動き出す。
これまでは為替と株価。
これからは需要と消費。

そうなれば小売りサービス業の出番。

日々、店を開け、働き続け、
お客様を喜ばせている商人たちこそ、
日本経済の主役の一員である。

「小売サービス業が、
現場で需要を創り出さない限り、
日本経済の復活はない」

ただし、万が一にも行き過ぎたインフレには、
気を付けておかねばならない。
「インフレは歯磨きのチューブのごとし。
出し過ぎると戻しにくい」

さて昨日の月曜日から、
恒例のペガサスクラブ政策セミナー。
東京・目白の椿山荘。
ペガサス政策セミナー_201301_02
壇上に渥美俊一先生の姿がないのが、
ひどく寂しい。

桜井多恵子さんが主となって、
2日間の講義。
ペガサス政策セミナー_201301_05

参加は450名を超える。
まだまだすごいセミナーだ。
ペガサス政策セミナー_201301_06

私は昨日、東京・品川の御殿山ガーデン。
20130122105625.jpg
だからペガサスクラブには参加できず。

㈱クレハの商品説明会。
20130122110002.jpg

はじめに小林豊表取締役社長のご挨拶。
20130122105641.jpg

それから「NEWクレラップ キチントさん」の販売方針説明。
20130122110014.jpg

佐川正取締役常務執行役員のプレゼンは、
実に的確で論理的、ちょっと驚かされた。
20130122110057.jpg

その後が、私の記念講演。
20130122110107.jpg

低価格消耗戦が展開されている。
しかしディスカウントの効果は限定的。
商品面ではコモディティ化現象が蔓延する。
20130122110115.jpg
そのなかで、いかに脱コモディティ化を図るか、
そのための三つの方策。
そして経験価値マーケティングとは、
どんなことか。

2013年から14年の商品政策と価格政策は、
どこに機軸を置いたらいいのか。

1時間10分という短い時間でもあったので、
最初からテンションを高めて、
一気に語りきった。

ご清聴に感謝したい。

講演会のあとは、すぐに懇親会。
小林社長、佐川常務と写真。
20130122110125.jpg

中座して、池袋へ。
立教大学大学院サービスマーケティングの最終講義。
20130122110200.jpg
とは言っても、ゲスト講師をお招きしている。
元巣鴨信用金庫常務理事の田中実さん。

1月7日に講義していただく予定だったが、
ちょっとした行き違いがあって、
最終講義の日となってしまった。
20130122110512.jpg
田中さんは、現在、
CS・ホスピタリティ実践研究所代表であり、
㈱国際ホスピタリティ研究センター研究ディレクター。

毎月2~3回講演の依頼があって、
あちこち飛び回って活躍中。

ほぼ毎日、ブログを書いていて、大好評。
「ホスピタリティおやじの独り言」
商人舎ホームページの「知識商人の輪」にも、
新しい順に4番目の位置にリンクさせてもらっている。

2時間ほど、丁寧に、
ホスピタリティの真髄を語ってもらった。
20130123123003.jpg
テーマは、
「サービスからホスピタリティへ」
日本経済の復活も、
ここにかかっている。

政府と日銀だけで動かせるものではない。
1店1店の店舗、一人ひとりの商人が、
ホスピタリティを発揮して、
顧客を喜ばせ、懐を開かせて、
お金を社会の中に循環させることが、
日本経済を活性化させる。

最後に、私も入って、質疑応答。
20130122110537.jpg
積極的に質問が出て、
良い講義だった。

田中さんに心から感謝。
来年もよろしくお願いします。

最終講義だったが、
これで終わってはいけない。

来週火曜日に補講をやります。
18時30分から、立教池袋キャンパス、
14号館D602号教室。
結城義晴独演会。
当然のことですが。

履修生以外にも聴講者が名乗り出ています。
補講なので、特別に学外からの参加も認めましょう。
おいでください。

頭部の帯状疱疹は一進一退。
でも講演や講義があると、
元気がでてくる。

多くの方から、
「自愛せよ、養生せよ」と、
声援をいただく。

ありがたいことだ。

しかし私は仕事をしていると、
元気を取り戻すことができる。

石川県の東京ストアーも、
現場が元気だという。

仕事をして、お客様を迎えていれば、
みんな元気になる。

「今日も一日、優しく、強く」
ありがとう。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年8月
« 7月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.