結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月17日(木曜日)

コカ・コーラカスタマーマーケティングでの研修と米国HEBのコカ・コーラのプライベートブランドについて

昨7月16日、徳島から帰京後、ひょんなご縁で、
コカ・コーラカスタマーマーケティング㈱で研修。
六本木ヒルズのノースタワー大会議室。
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夕方4時半から90分のところが、
120分になってしまって恐縮。

後ろの時間が大丈夫の時には、
許される限りお話します。

不思議な感じをかもし出す会社。
代表取締役社長の井辻秀剛さんとは意気投合。
日本のマーケティング、商流に関して、
実に詳しい。
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研修のあと、ワンコイン懇親会。
購買者マーケティング部部長の山本俊之さん(右)、
SMカスタマー営業部購買者マーケティング担当の五十嵐信広さん(左)と、歓談。
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購買者マーケティングとは、今、流行りの、
ショッパーズ・マーケティングのこと。

コカ・コーラといえば、
今年6月のUSA研修でのことが思い出される。
テキサス州オースティンのHEBプラスの店頭。
コカ・コーラのダイレクト・ストア・デリバリー担当者が作業をしていた。
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彼の担当は、写真のスペース。
もちろんコカ・コーラは十分にスペースをとって商品陳列している。
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しかしそのコカ・コーラの売場の隣には、
HEBのプライベートブランドが並べられている。
しかも価格は、フリッジパック2ドル29セント。
ご丁寧にターゲットのコカ・コーラ3ドル11セントと比較POPがある。
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だから売れ行きは、ご覧の通り。
左がHEBプライベートブランド、
右がコカ・コーラ。
露骨です。
アメリカ人は。
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食肉売場に面した主通路にも、
プライベートブランドの島陳列。
フォークリフトに乗せられたまま並べられている。
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定番売場と同様、2ドル29セント。
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パッケージは、明らかにコカ・コーラのコピー。
露骨です。
テキサス人は。
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何を物語っているか。
①アメリカ人はコーラ大好き。
②コカ・コーラは強い。
 ⇒だからこんなそっくりコピー商品が出る。
③コカ・コーラにプライベートブランドをぶつけるほどの価格競争がある。
そしてもしかしたら、HEB店頭でブランドスイッチが、
起こっているかもしれないと思わせるが、
定番売場のスペースを見れば分かる。
やはりコカ・コーラは強い。
ウォルマートですら、
いまだにダイレクトストアデリバリーをやめられない。
すなわちネットネットプライシングでの取引が出来ない。

④競争は店頭で起こっている。
ブランドとブランドとの。
ここにリテール・マーケティングが大きく介在している。

メーカーのマーケティングと小売業のマーケティングは、
どこで協業できるのか。
ショッパーズ・マーケティングは、そのどちらをも視野に入れて、
購買者にとって最も都合のいい売場を作ることに腐心する。

それがメーカーにとっても、
小売業にとっても、
購買者にとっても幸いなこと。
「三方良し」となる。

しかし、
協業しながら競争する。
美しい言葉で表現するならば、
競演する。
これが大事。
これをカスタマーは喜ぶ。

日本はいったい、そこまで行くのか。

<結城義晴>

 

2008年07月16日(水曜日)

徳島キョーエイの地産地消店舗視察と講演会で学んだローカルチェーンの地域密着

7月15日火曜日。
羽田空港からJALで飛ぶ。

空港では「ラストワゴン」と呼ばれるバンに乗って、
飛行機まで。

夏の、煙った東京湾。
羽田

中部地方の雲海。
雲海

あっという間に徳島空港へ。
徳島

キョーエイ埴渕一夫社長と安友健雄専務に、
お迎えいただいて、店舗視察へ。

キョーエイは、「地産地消」を旗印にしている。
これ、徳島県ナンバー1小売業として、
とても良いこと。
地産地消
私は、ローカルチェーンは、
「地産地消」の効果が高いほど、
生き残り、成長を続けることができると考えている。
なぜなら、地域らしさこそ、
「ノンコモディティ経営戦略」の肝となるものだから。
大手チェーンやナショナルチェーンに対抗するには、
彼らに出来ないローカル色を出しつくすことに限るからだ。

青果部門は、壁面も見事だが、
商品がその壁面に負けてはいけない。
青果部門こそ、地産地消の典型。
青果

ミートデリの売り場は、安定している。
実は最も利益の出る部門。
ミートデリ

鮮魚とすしの売り場。
地元の魚、そして特に塩干が充実している。
ウナギも地産地消を唱っている。
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精肉は、オープンケースに立体陳列で、
ボリューム感を出す。
ミート

地元の光食品のコーナー。
①安心・安全
②美味しい
③環境に優しい
三つのコンセプトを持つ地元商品。
全国的にも信頼を獲得した商品だ。
光
実によく、商品が動く。
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エンド陳列をパートタイマーさんが、修正していた。
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衣料品売り場は、
インナーを中心とする購買頻度の高い品揃えに変更。
収益性が改善された。
衣料

タクト店は、私にも懐かしい店。
何度か改装して、現在のキョーエイのレベルを超える店となった。
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その後、2店視察して、
今期、経常利益2%と躍進してきたキョーエイの実態を見た。

「市民生活を守る砦たれ」
昭和30年代に、倉本長治商業界主幹が送った言葉。
この言葉を社是とするキョーエイ。
夕方から、取引先共栄会で、記念講演。
今回は、「市民生活を守る砦」となるための理念の話に徹した。
みなさんよく聞いてくださって、心より感謝。

懇親会には、飯泉嘉門徳島県知事も出席し、挨拶してくれて、
キョーエイの地産地消が、県ぐるみであることを証明した。

懇親会の後、高野保男さん(写真右)と埴渕さん(中央)と、
さらにキョーエイ安友専務、森雅之常務と二次会の懇親。
高野さんは店舗オペレーションの専門コンサルタントで、
コーネル大学ジャパン講師に内定している。
3人
楽しい徳島だった。
「地域密着」という言葉がある。
小売業・流通業では使い古された感がある。
しかし、これは県の行政から、地域の金融機関、
そして地域の消費財産業まで含めた協業を意味する。
伊予銀行もキョーエイを、力強く支持している。

「地産地消」の旗印は、
この地域産業の協業の、大義名分となる。

考えてみると本来、他県に進出することは、
極めて困難な仕事のはずである。

「地産地消」という大義名分に打ち勝つ論理は、
そう見当たらないからである。

<結城義晴>

2008年07月15日(火曜日)

今夏ボーナスの商業・サービス業支給状況とパチンコ・トラスティ・ボードのUIゼンセン同盟会長・落合清四さん

今年の夏のボーナスは、
全体で昨年対比0.3%の減額。

これからの景気や経営指標を予測すると、
経営者側もよく出したと評価できるでしょうか。

日本経済新聞の748社への調査。

昨年の夏が、前年比2.65%でしたから、
やはり下り坂にあります。
今夏、6年ぶりに減少しました。

世界経済は、21世紀に入ってから、
平均3%ずつ伸びてきたわけですから、
これまで好景気が続いていた。

その景気が、悪化している。
一方でインフレが進んでいる。

平均賞与金額は、38歳で83万1896円。
これが全国の標準。
製造業がやはり高く、87万0303円、
非製造業は74万3302円。

私にとってはまことに残念なことですが、
小売業・商業・サービス業は、
他の産業を牽引するというには程遠い。
商業の現代化のためには、
ボーナスも給与も、高い水準を維持し続けねばなりません。

もちろんその前に、企業自体の存続が大前提となります。
2010年までは、まだまだみなのご理解を得て、
企業力をつける時期でしょうか。

さて百貨店・スーパーの分類の15社は、
35.3歳平均で、53万2808円。

その他の小売業15社は、
32.4歳で、60万7852円。

外食・その他サービス業27社は、
34.0歳で54万1795円。
商社は23社で、平均年齢37.4歳で、
69万4494円。

こう見ると、百貨店・スーパーが、
いちばん低いことになります。

商社はこのところ絶好調の決算であったにもかかわらず、
意外に高くはない。

日経新聞の上場企業を中心にして調査ですから、
ほぼ全体像を表しているとはいっても、
賞与には企業差があります。

全体として見るのは、
これが消費傾向に影響を与えるからです。

だから今夏のボーナス商戦は、
やはり、これでいきましょう。
「Save Money! Live Better!」
商人舎7月の標語です。

さて、昨日は、午前中、
商人舎オフィスで、必死の原稿執筆とレジュメづくり。
本当に申し訳ありません。
遅くなりました。
私のデスクから見えるアジサイの花も、
もう枯れそう。
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昼、銀座へ。
第21回パチンコ・トラスティ・ボード
有識者懇談会。

パチンコ・トラスティ・ボードは、
パチンコホール経営企業の社会的地位向上を目指す、
業界外の有識者・専門家による組織。

もう3年も、監査委員会が監査をし、
有識者懇談会は議論を続けている。
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ボーナス話にご縁があるのか、
UIゼンセン同盟会長・連合副会長の落合清四さんも、
有識者懇談会委員としてご出席。
UIゼンセン同盟は民間の産別労働組合として日本最大。
組合員100万2244人、2536組合。
落合さんは、その総帥。
連合会長の高木剛さんは商人舎発起人のお一人ですが、
高木さんもUIゼンセン同盟ご出身で、
落合さんは、いわば高木さんの腹心であり、後継者でもあります。

座長は、元経団連事務総長の三好正也先生。
副座長が、元日刊工業新聞論説委員の岩崎秀雄さん。
今回主席の委員は、元インドネシア大使・川上隆朗さん、
早稲田大学ビジネススクール教授・松田修一先生、
それに元ジャスダック取締役・牛島憲明さんと、
落合さんに私。
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今回から、新任の委員が三人。
マイクをもってお話されているのが、
㈱日本イノベーション社長の和田裕さん。
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通商産業省入省のあと大阪万博の上申、
防衛庁官房審議官、特許庁総務部長、シャープ㈱副社長、
(財)日本特許情報機構理事長など歴任され、現職。

その隣が、専修大学商学部教授の黒瀬直宏先生。
中小企業政策の専門家。

そして3番目の新任委員は、弁護士の三堀清さん。

このメンバーで、
パチンコホールの健全化と産業化に向けた議論を展開し、
世論をつくっていきます。

まずは3年間の成果として、
この6月30日付けで、
有識者懇談会からのメッセージを発信しました。
遊技新法の確立とパチンコホール企業の株式公開を謳っています。

パチンコ・トラスティ・ボードと有識者懇談会の目的が、
明確になったわけですが、
力強い新メンバーを加えて、
これからが正念場です。
議論と行動の展開が必須です。

起承転結の、「転」に差し掛かってきました。

次からの議論を楽しみにしましょう。


<結城義晴>

2008年07月14日(月曜日)

7月第3週、15日火曜日「全国一斉休漁」にまずは応急対処せよ!

Everybody! Good Monday!

2008年7月第3週です。
いい週です。
月の真ん中。

朝、5時前には、少しずつ外が明るくなっていきます。

この時間帯は、日中、とても蒸し暑い日本でも、
高原の早朝のような空気が漂っています。

夕方も、昼の暑さが去ったあとは、
高原の夕暮れのようなさわやかな空気に満たされます。

大都会でも、梅雨が終わりに近づくと、
そんな朝と夕を味わうことが出来ます。

今週の17日、18日と長野県の軽井沢町で、
経済同友会の夏季セミナーが開催されます。
財界のトップが集まりますが、
わざわざ軽井沢に行かなくとも、
意図的に早起きしたり、夕方のひと時を味わうことでも、
このさわやかさを満喫することは出来ます。

これから、本格的な夏がやってくる。
その期待の中での、
さわやかな朝と夕。

毎日、仕事で忙しいと、
このさわやかさを感じ取る余裕がない。

けれど、何か生活のバランスが崩れたりしたときに、
こんな朝夕のさわやかさを知ることが出来る。
不思議なものです。

私の場合、外国から帰ったばかりの時差ボケで、
早起きしてしまった時だとか。
徹夜で原稿書きしたときだとか。

本当に不思議なものです。

マイナスが、プラスに思えてくる瞬間は。

どちらにしても、7月の真ん中の週。
気分はよい週です。

8月の爆発に向かって、
徐々に気持ちが高まってくるとき。

もう少しです。
余裕を持って、「Save Money! Live Better!」

さて今週から始まる、大変なこと、
一点。

まずは魚を扱う商売の皆さんへ。
スーパーマーケット、外食など。
それ以外にも徐々に影響は出る。
冷凍食品業界へ、精肉業界へ、青果業界へ、その他の分野へ。

明日15日火曜日、「全国一斉休漁」です。
全国漁業協同組合連合会など主たる漁業関連団体が、
一斉にストライキに入ると考えてよろしい。
燃料の高騰などに抗議するため。

20万隻の漁船が参加する見込みで、これは史上初。
「しけや台風で、一日出漁できない状態と同じ」
イオンの担当者は語っています。

先週の12日土曜日、宮城県塩釜魚市場には、
この日もマグロの水揚げは1本もありませんでした。
燃油高騰で、近海漁船が、
近場のカツオ漁に専念しているためだといいます。

さらに一斉休漁の後には「2カ月以上の休漁」が控えています。
日本かつお・まぐろ漁業協同組合が、
8月から、所属する233隻を順次、
2カ月以上休漁させる決定をしました。
燃料高騰は、日本の漁業の根幹を揺さぶるほどの影響を、
及ぼしているのです。

これで、この夏、
マグロやカツオが値上がりします。

一方、大阪市中央卸売市場では、
10日早朝、秋サンマの初セリが開かれました。
こちらの入荷量は昨年に比べ、
1割強少ない約2.1トンだったものの、
卸値は3~5割安く、1尾170グラム程度の中型で
1ケース3000~4000円程度だったといいます。

本来、値段は需要と供給の関係から決定されますが、
入荷量が少ないのに安いという現象は、
買い手が減ったことを意味します。
あまり使いたい言葉ではありませんが、
サンマに関して「魚離れ」の傾向が、
表れているのでしょう。

専門家の見解を聞きたいものです。

マグロやカツオが上がり、
サンマが下がる。

エコスの平富郎会長のような知識商人ならば、
ここで何か考え出すでしょう。

しかしいずれにしても、漁業の変化は、
様々な食品関係に波紋を投げかけるはずです。

生産現場や流通現場、そして小売店頭。
そして最後に消費局面。

伊藤雅俊セブン&アイ・ホールディングス名誉会長が言った言葉。
「潮目が変わるときには、
自分の力の及ばない大変化が起こる」

今、確実に一つずつ、そんな現象が起こっています。

しかし、そんなことを、知識商人として、熟考・熟慮しつつ、
朝夕のさわやかさを味わいつつ、元気を出しましょう。
まずは今週の魚の動向に対処しておくことを、忘れずに。


元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。
 

   天気は人間の力ではどうにもならない。
   景気も組織の力で動かせない。
   しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
   そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

自分の力の及ばないことに、
対処する変化対応力とは、
不屈の元気だけなのです。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

 

 

2008年07月13日(日曜日)

ジジのうたた寝[日曜版]

暑い日がつづきます。
皆さん、お仕事、
いかがですか。
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ボクは、暑いの、
苦手です。

体中に、毛がついているから、
寒い時は、いいのですが、
暑い時は、ちょっと困る。

だからこのごろは、
いつも、うたた寝。

廊下に背中をつけて、
ひんやりを味わう。

気持ち、いい。

目があいてるけど、
大股開きだけど、
これはうたた寝です。
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少し横になって、
体の横側を、
ひんやりさせる。
これも気持ちいい。
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「う~ん」と伸びをして、
気持ち、いい。
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「うらめしや~」
では、ありません。
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何度も言うけど、
足はあります。
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ユウキヨシハルさんも、
一緒にうたた寝すればいいのに。

なんだか、いそがしそう。
暑いのに。
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昨日は、リッキョウ大学。
緑が多くて、
涼しそうだけど、
ほんとは、暑い。
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講師の先生たちが、
休むところ。
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パソコンの設備も、ある。
外国人の先生が、勉強していた。
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大学の「キャンパス」というところ、
大きな木があって、なんだかよさそう。
ボクも、いちど、行ってみたい。
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ボク、どこにも、
つれていってもらえません。

だから、うたた寝です。
ホントは、ユウキヨシハルさんも、
うたた寝がいちばん、いいんだけど。
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だから、
さそってみます。

のんびり、廊下で、
うたた寝。

上を向いて、
うたた寝。
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イスの下で、
うたた寝。
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どこでも、
うたた寝。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年07月12日(土曜日)

[昨日の続き]コモディティ⇒工業型・買い手市場型、ノンコモディティ⇒農業型&情報型・売り手市場型という考察

今月の商人舎標語。
「Save Money! Live Better!」

Aiways Low Priceの次に考え出された
ウォルマートのキャッチフレーズ。
それを商人舎7月の標語に拝借しました。
「金を惜しんで、楽しく生きよ!」
お客様の今日の気分で翻訳すると、こんな感じになる。

仕事する側から考えると、
「節約しつつ、成果を上げよ!」
こんな感じにも、受け取ることが出来る。

販促をしようとすると、経費を使いたがる輩がいる。
新しい事業を考えよと命じると、調査費を要求する。

組織が官僚化すると、
そんな人間が増えてくる。

金を使わずとも、仕事は出来る。
経費を上手に切り盛りするだけでも、新しい試みは出来る。

それが、「Save Money! Live Better!」から、
連想されることだ。

さて、くり返しになるが、
コーネル大学リテールマネジメント・プログラム応募要項
応募の意思がある人は、
これも早めに、記入して、事務局に送ってください。
よろしくお願いします。

さて、一昨日のパネルディスカッションで、
付け加えておかねばならないこと。
日本スーパーマーケット協会総会後の正副会長討論会。
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エコス会長平富郎さんの言葉。
「機械でつくるもの」
これはそのまま、「コモディティ」を意味する。
ヤオコー会長川野幸夫さんや私が言うことと同意。
素晴らしい。
私は、これを「工業型商品」と称している。

平さんは、対極にあるもうひとつの概念を披瀝した。
「水と太陽でつくるもの」
私は、コーディネーターとしてつけ加えた。
「水と太陽と土と人とでつくるもの」
これは、ノンコモディティの「農業型商品」である。

3年ほど前まで私は、
農業型商品を「コモディティ」に入れて、分類していた。

しかし現在は、訂正して、改めている。

工業型商品だけが、コモディティである。

だから、パネルディスカッションで、
平さんと川野さんが指摘した生鮮食品や惣菜は、
ノンコモディティの典型である。

ただし、生鮮にも惣菜にも、
機械でつくるものは、ある。

一般的な、カイワレやモヤシなどは、工業型であるし、
ブロイラーも工業型のコモディティである。
アメリカの牛肉産業の量産品は、
完全にコモディティである。

生鮮食品にも、コモディティはあるのだ。

惣菜も、工場で、量産される商品は、コモディティである。

コモディティとは、
市場にも家庭にも、溢れているもの。
マーケットで飽和しているもの。

しかしそれでも、消耗したり、
使い切られたり、
磨耗したりするもの。

だからまた、生活の上でも補充しなければならないもの。

それがコモディティである。

コモディティは、従って、
事業として考えると、
「1品当たりでは旨味が少ない商品群」となる。
だから量を扱わねば、利益が出にくい商品である。

それが、コモディティであり、
「工業型商品群」である。

しかし「機械でつくるもの」でも、
新しいコンセプトで、
新しい機能や新しい用途を提案する商品がある。
人が、その知識と知恵でつくるもの。
これはノンコモディティである。

ノンコモディティは、売り手市場を形成する。
これを私は、「情報型商品」と呼ぶ。

総整理すると、以下のようになる。

コモディティは、
買い手市場の商品。
工業型商品。
利幅の少ない商品。
市場全体で、低価格志向となる。

ノンコモディティは、
売り手市場の商品。
農業型商品と
情報型商品。
比較的利幅の大きな商品。
店ごとに、値ごろ志向となる。

だから、こうなる。
機械でつくるもの
⇒コモディティ

水と太陽と土でつくるもの、
および人がつくるもの
⇒ノンコモディティ

いかがだろうか。
太田さんにも、
分かってもらえただろうか。

<結城義晴>

2008年07月11日(金曜日)

日本スーパーマーケット協会総会パネルディスカッションとオール日本スーパーマーケット協会チェッカーフェスティバル

7月10日、忙しい日だった。
午前中、横浜・商人舎オフィスで、
企画会議。

8月、9月、10月と、
為になって、なおかつ面白いセミナーや研修会が、
続々と発表されます。
お楽しみに。

そのあと、帝国ホテルへ。

日本スーパーマーケット協会第9回通常総会と、
総会後の恒例・パネルディスカッション
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一昨年を除いて私は、ずっとコーディネーターを務めている。
パネラーは、協会の正副会長の皆さん。

今年のテーマは、
「商品と価格の問題を徹底議論する」
私の提起は、「食糧と燃料」そして環境の問題山積のとき、
日本のスーパーマーケットはどう考え、どう進むのか。
まさに「潮目が変わった」とき、
しかしその「潮目が読めないとき」

この「オクシモロン」の問題解決をいかに実行するのか、というもの。
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今回も、真っ向から議論してもらうつもりで、臨んだ。

日本スーパーマーケット協会会長の清水信次さん。
ご存知、ライフコーポレーション会長。
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「食糧や石油よりも、人口問題のほうが、重大なテーマ。
地球の人口は2000年前は、1億人だった。
1000年前は、2億人。
200年前は10億人で、100年前は20億人。
この100年で20億人が67億人になってしまった。
店舗に適正規模があるように、
地球の人口にも適正規模がある。
それは25億人という調査がある」

「人口問題と共にファンドマネーの、
つまり金の問題も大きい

「日本人は、もっと貧乏になったほうがいい。
贅沢すぎるし、謙虚さがなくなった。
30年前まではよかったが、この30年でおかしくなった」

いつもの清水ワールドが展開され、会場から拍手がまき起こった。

協会副会長で、エコス会長の平富郎さん。
「美味しいものが、必ずしも高いわけではないし、
安くておいしいものもある。
種無しブドウや桃がそうだ。
鰯も秋刀魚も。
それを知って、探して、お客に売るのが我々の仕事」
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「無駄が多すぎる。
無駄を省けば、個々の企業が持っている文化の中で、
生産性と効率もあがる」

「生鮮食品はプライベートブランド。
機械でつくるものは、安さが必要。
水と太陽でつくるものを中心に商売するのが我々の仕事」
名言。脱帽。

平さんは、本当の「知識商人のあり様」を自ら語ってくれた。

協会副会長でオークワ会長の大桑堉嗣さん。
日本流通産業の社長でもある。
だから商品と価格の問題に関しては、数字でご報告くださった。
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「二チリウは16社と3生協の、
2兆8000億円のグループ

そのうち2400億円強がグループのプライベートブランド」

「食品で800品目、住関連で1700品目、衣料品で3000品目の、
くらしモアというPBをもつ。
それがオークワの場合、18.1%を占める。
これを20%までもっていく。
大手に対して、我々が団結して、このPBで闘う。
それが現在の戦略」

力強いし、自信に満ちている。
ニチリウ加盟企業の好調さを背景にしているからでもある。

協会副会長で全日本食品社長の齋藤充弘さん。
ボランタリーチェーンの全日食チェーンの総帥。
齋藤さんの話は、データに基づいていて、
しかも示唆に富む。
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「仕入れの時代から、調達の時代に変わった」
名言。座布団三枚。

「加工食品に関して、売価と商品の売れ方には関連性がある。
我々は100万件のデータを持って、それを解析している。
ボランタリーチェーンの加盟店は、それぞれ勝手に値付けする。
しかし値上げに関しては、保存の利かないものは、
1カ月で店頭売価が上がってくる。
保存の利くものは、ぴったり3カ月で値が上がってくる」
つまり生鮮食品や日配品は、値上げがあっても買われ、
加工食品は、3カ月かかるということか。

「メーカーのトップに言った。
値上げを飲まないと言い張る小売業には、
売らなくて良いんじゃないの?」

齋藤さんらしい、挑発的なご発言。
私、こういうところが大好きだ。

さて、今回は席順でも、総括の役回りになってくださった副会長。
ヤオコー会長の川野幸夫さん。
いつも理論的。
そして説得力がある。
貫いてきたものがある上に、
19期連続増収増益。
貫いてきたからこそ、この実績をつくったのだと思う。
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「パラダイムの転換のとき、我々はいかに供給責任を果たすか」

変化適応業であると同時に、変化指導業である」

「今、集荷能力が大切。
日頃の態度がリトマス試験紙となる」

「サプライチェーン全体が運命共同体となる時代」

「コモディティ商品とライフスタイル商品があって、
コモディティは価格が大事、
ライフスタイルは個々のお店ごとの値ごろが大事。
だから商売のコンセプトがなければいけない」

川野さんの席順に感謝した。
席順をつくったのは、協会事務局長の江口法生さんと私だが。

さて最後に私がまとめた。
製・配・販のコラボレーションからハーモニーへの条件。
yuuki2
①共通のゴールを持つ
②サプライチェーン全体で一つのターゲット顧客を持つ
③メーカー、卸、小売は共通の言語を持つべき
④共通の情報を持つ
⑤共通の指標を持つ
⑥ジョイント・スコア・カードをつくる
⑦人材を育成する
⑧シングルチームとなる
⑨ルーティンベースで仕事する
⑩すべての会社をかかわらせることは難しくなる

600人を超えた聴衆の皆さんに、ご清聴を感謝したい。
聴衆

拍手のなか、降壇するパネラーの皆さん。
降壇
ありがとうございました。
今年も、稀に見るパネルディスカッションでした。
私は、心より楽しみました。

さてその後の記念パーティ。
同協会会長の清水信次さんのご挨拶。
ピンでステージに立つと、
パネルディスカッション以上に映える。
毒舌とユーモア、そして日本と日本人に対する大きくて深い愛。
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日本のスーパーマーケット業界は、
絶対に清水さんを中心にまとまらなくてはいけない。
特に政治・行政に対しては。
私は、そう思う。

ご来賓の挨拶は、参議院議長・江田五月さん。
清水さんからの突然のご指名。
それでも気持ちよく、祝辞を語ってくれた。
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経済産業大臣の甘利明さん。
流通通の政治家らしく、勘所を押さえたご挨拶。
a
私、ユータカラヤの高木勇輔君の結婚式でご一緒した。
忙しいのに、40分も、席についていた。

協会発足時から事務局長、専務理事として、
尽力された並木利昭さんがご退任の挨拶。
素晴らしい。
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とはいっても、協会を去るわけではなく、
ライフコーポレーションの人事本部長として、
実務に戻るわけで、
並木さんの実力が、いよいよ、現場で発揮される。
期待、大。

代わって、倉田新専務理事もご挨拶。
よろしくお願いします。
k

乾杯のご発声は、準会員を代表して、
国分社長の國分勘兵衛さん。
パネルディスカッションのことを引き合いに出してくださった。
パネラーともども感謝。
乾杯

懇親会では、様々な皆さんより、
お褒めの言葉を頂いた。

ここには、お名前を上げることができず、
恐縮。
でも、どんどんご連絡ください。
商人舎も結城義晴も、
いつも、
ずっと、
オープンマインドです。

伊藤ハム社長・河西力さん、伊藤ハムの面々と懇談。
伊藤ハム

1時間ほどで、懇親パーティを辞して、
横浜みなとみらい・東急ベイホテルへ。

こちらはオール日本スーパーマーケット協会
部外者には、分かりにくいかもしれないが、
「オール日本」と「日本」、それから「全国」と、
三つの名のつくスーパーマーケット協会があるのです。

それに日本セルフ・サービス協会も、
スーパーマーケットに関する協会。

さてこちらのオール日本は、チェッカーフェスティバル
チェッカーコンテストが発展して、
レース型のスポーツのような競争から、
アート型の芸術祭のようなものになった。
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それでも41人のフェスティバル参加者のうち、
6人の優秀賞が決まると、
みな、涙、涙。
本人はもとより、応援団の同僚、チェッカートレーナー、
そして担当の取締役から社長まで。
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北海道の、ある社長さんの目に涙。
私、しっかり見てしまった。

優秀者には、同協会会長の荒井伸也さんから、
表彰状とトロフィーと記念品の贈呈。
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荒井さんは、総評を語った。
「チェッカーの一人ひとりの接客応対に、
その企業のカルチャーが映し出されている」

やはり鋭い観察眼。

私もまったく同感。

だからアートなのだ。
芸術なのである。

チェッカーの仕事は、
芸術的パフォーマンスとなる。

高次元に達すると。

そしてチェッカーさんに、
お客がつく。

芸術のファン、あるいはアーティストのパトロンである。

だからチェックスタンドの仕事は、
セルフサービスの小売業、外食産業にとって、
とても重要なのである。

北野祐次名誉会長を挟んで、
荒井会長と私。
クールビズで、恐縮。
北野さん、荒井さんと

パーティの最後に、
優秀賞に輝いた京都のマツモトのクルーと記念写真。
心より、おめでとう。
マツモト
私も、皆さんのファンです。

その後、荒井さん、とりせん社長の前原章宏さん、
関西スーパーマーケット社長の井上保さん、
アルプス社長の松本清さん、
あづま食品社長の黒崎英機さんらと懇親。

今日は、楽しかった。
気持ちよかった。

無性に、感謝したくなった。

<結城義晴>

 

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