結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年06月30日(火曜日)

セブン&アイとイオンがともにサントリーから100円PBビール発売

プライベートブランドの100円ビール。  
セブン&アイ・ホールディングスとイオンが、
同時に発表。

と思いきや、どちらもサントリーが供給。

新聞各紙が一斉に報道。
朝日新聞は、写真入り。
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写真上が、イオンの「トップバリュ 麦の薫り」。  
下が、セブン&アイの「サントリー THE BREW ノドごしスッキリ」。  

セブン&アイは、常套手段の「ダブルチョップ」。
ダブルチョップとは、
販売者と製造者が共同で責任を持ち、
社名を併記するブランド。

そして、ともにサントリー酒類が生産し、提供している。

価格は、イオンがジャスコなどで、
350ml缶1本100円、500ml缶1本145円。

セブン&アイの方は、
イトーヨーカ堂やヨークベニマル、ヨークマートでは、
350ml6缶パック600円、すなわち1缶100円。
セブン-イレブンで350ml缶は1本売りで123円。
業態別に価格設定を変えて、販売する。

プライベートブランドは、小売業自主企画商品。
しかし製造はメーカーが受け持つ。
小売業は、「工場を持たないメーカー」となって、
顧客の立場に立った商品企画をし、それを仕様書にして、
メーカーと共同開発する。

この場合の製造担当は、
プライベートブランド専門メーカーやローカルブランドメーカー、
もしくはナショナルブランドメーカーでも3番手、4番手企業が、
担うことが多い。

サントリーのビール部門は、
現在、日本で3番手。

昨年、サッポロビールを僅差で抜いて、
念願の第3位に浮上。
さらに2008年12月期に、
ビール部門は初めて黒字化した。
1963年のビール市場参入以来のこと。

ここで一気に、ビール部門で、
マーケットチェアをアップさせるために、
大胆な作戦に出た。

それが小売業二強との同時100円PB開発だ。

しかしサントリーにとって重要なことは、
「ザ・プレミアム・モルツ」の存在。
アッパーグレードのブランドが確立されているということ。

日経新聞によると、
ビールと発泡酒などの企業別マーケットシェアは、以下の通り。
①アサヒビール  37.8%
②キリンビール  37.2%  

この二強は抜きつ抜かれつのデッドヒート。
③サントリー   12.4%
④サッポロビール 11.8%  
 

こちらも、鼻差。

ここでサントリーが打って出たわけ。

セブン&アイとイオンへの供給量は、
約200万ケース。
これはサントリーの第3のビールの1割に当たる。

セブン&アイ約1万2500店。
イオン約3700店。

この1万6200店舗の店頭が、この夏、
サントリーの「100円ビール」によって占拠される。

そんなメーカーの戦略と、
必死で売上げと利益を稼ぎたいという小売二強の思惑が重なった。

珍しく、セブン&アイとイオンの足並みが揃った出来事として覚えておきたい。

これは、皮肉。

さて昨日は、午後から、東京・新宿、伊藤園本社。
伊藤園大陳コンテスト最終審査委員会。 
恒例の、㈱商業界の『食品商業』誌上でのイベント。
業界最大にして、最高のレベルという評価は定着している。
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江島祥仁副社長と並んで、真剣に審査する結城義晴。

本庄周介専務取締役、山本恭広同誌編集長も加わって、審査は進む。
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最終審査は、全員集合。
真ん中の本庄大介社長も、審査委員。
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ここでは、書けないが、
店舗賞、企業賞の大賞を射止めた会社には、
祝福のエールを送っておこう。

今回の陳列コンテストの傾向。
派手なプレゼンテーションや手の込んだ陳列は減ったが、
在庫コントロールと基本に忠実な仕事ぶりが目立った。
非常に良いこと。

審査のあとは、江島副社長の部屋を訪れて、
抹茶、煎茶。
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そして、情報交換とディスカッション。

プライベートブランドに対する伊藤園の姿勢も聞かせていただいた。
感謝。

今週は、プライベートブランド週間になりそう。
そう、金曜日7月3日のセミナー。
日本のPBはこうなる!」  

楽しみだ。

<結城義晴> 

2009年06月29日(月曜日)

景気循環「下げ止まり」⇒「底打ち」⇒「底入れ」⇒「回復」と現場感覚

Everyone! Good Monday!  

2009年6月最後の週にして、
7月に突入する週。

沖縄では、梅雨明け。
沖縄にあった前線が北上して停滞し、
西日本は梅雨の真っ最中。

それにしても、
マイケル・ジャクソン。  
その一生を振り返ると、
「若さ」の眩しさを感じざるを得ない。

ゴルファー石川遼の、
「若さ」の眩しさと重なってくる。

そして、人間として、
いかに上手に「年をとる」か。
すなわち「老けていく」か。

これも考えさせられる。
自分は、どんな生き方をしていくのか。

そんな週末だった。

今週は、沖縄を除いて全国的に、
梅雨対応。
今日は西日本は大雨で、
東北・北海道、関東は暑くなる。

日本列島が列島であることを認識させられる日。

先週土曜日の日経新聞が景気に関する用語解説。
それが面白い。
「底打ち」とは、
悪化していた景気が改善している状態。  
「底入れ」とは、
景気の悪化が完全に止まった状態。
「下げ止まり」とは、
景気の悪化が止まりそうな状態。

そして、
「回復」とは、
景気の改善が持続する状態。  

英語では、
「底入れ」は“bottomed out”
「下げ止まり」は“sigus of bottoming out”
「底打ち」は特に決まっていない。

景気循環論では、
景気の波は、まず、
「下げ止まり」から始まり、
「底入れ」にはいり、
「底打ち」し、
「回復」となる。  

景気は、2007年11月から、
「後退」局面を迎えた。

それが今、転換点にある。
これは確か。
つまり「下げ止まり」から「底入れ」になった。

その中で、与謝野馨大臣が、
「景気は底を打った」と宣言した。
与謝野さんは、財務・金融・経済財政相。

エコノミストたちは、
「2月か3月に景気後退局面は終わった」との見方。
すなわち今年2月から3月が、
「底入れ」だったという見解。
だから今、「底打ち」というわけ。

ただし、過去の経緯をみるとそうも言えない。
戦後、日本では13回、景気が悪くなり、良くなった。
その過去の景気動向をみると、
「底打ち」と思っていたが、
再び、悪化してしまったことがある。

だから、6カ月が続かないと、
「回復」局面にあるとは判断できない。

そんな7月を迎える。

コンビニ業態だけでみると、
タスポ効果の反動と「見切り」風説被害で、
試練の夏になりそう。

小売業を全体で見ていると、
スーパーマーケットと並んで好調だったコンビニが試練を迎えるとなると、
総合スーパー、百貨店、専門店など、
試練の夏と考えた方がいい。

ここは、今月の標語だ。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」  

政府の宣言やエコノミストの分析を頭に入れつつ、
私たちは「現場感覚」を大切にしたい。  

それが、「景気をつくる」。

さて、今日の日経MJに、
ヨークベニマル社長の大高善興さんが出ている。
セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドを、
「セブンプレミアム」というが、
その開発プロジェクトリーダー。
大高さんは、目標を語る。
「2009年度に1300品目、3200億円」  

これまでダイエーやイオンと比べると、
比較的慎重だったセブン&アイHLが、
本格的にPB開発に乗り出したということ。

今週末の7月3日。
日本のPBはこうなる!」セミナー
参加者名簿には、そのセブン&アイからの名前も見える。

楽しみなセミナーだ。

試練を乗り越えさせるものは、
「寝ても覚めても新たな試み」  
(㈱ハローデイ社長・加治敬通)  

これだけは確か。

では、今週も。

Everyone! Good Monday!  

2009年06月28日(日曜日)

ジジの蛻変[日曜版]

このまえの日曜日は、
「父の日」でした。

ボクのほんとうの父さんから、
このブログに、
伝言がきました。

うれしかった。

そして、父さんとの写真もおくってもらった。
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いちばん上で、ねてるのが、父さん。
「ジンジャー」というなまえ。

「ゴールデン」というチンチラ。
金色で、きれいなからだです。

いつもねてばかりの父さんです。

父さんのお腹のところにくっついているのが、
ボクです。

そのしたに、妹たち。
ヘーゼルとミルキー。

ボクは、父さんが好きでした。

ねることも。
jiji
父さんとおなじです。

父さんのことがわかったのは、
とても、よかった。

そこで、火曜日に、
ボク、「蛻変」しました。
「ゼイヘン」といいます。
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ユウキヨシハルの人間のお父さんが、
いつも言ってること。

セミがカラをすてて、
ヘンタイすること。

ボクも、ヘンシンしました。

こんなぐあいです。
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顔が、大きいのではありません。
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カラダが、小さいのでもありません。

体中の「毛」をカットしてもらったのです。
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もうすぐ、ツユもあけるようです。

真夏がやってきます。
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だから、すっきりした。

うしろのあたまのところは、
こんなふうにカリアゲ。
jiji6
ボク、気にいっています。

ボクの全貌。
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「ゼイヘン」です。
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ちょっと、さむざむしく、みえるかもしれないけれど。

動きは、シャープになった。
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かゆいところも、かきやすい。
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なにはともあれ、
ボクの「ゼイヘン」。
jiji12
いいものです。

みなさんも、「蛻変」。
いかがですか。

スリムになること、
身軽になること。
jiji11
いいものです。

「試練の夏」

ユウキヨシハルのお父さんは、
そう言ってますが、
ボクのように「ゼイヘン」したら、
勇気をもって夏をむかえられます。

父さんのこともわかったし。
ふたりの父さんにオーエンしてもらっての、
「ゼイヘン」。

ボクは、元気いっぱいです。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年06月27日(土曜日)

5月はコンビニ1%増、スーパー2%減、鉱工業7%増だったが「デフレ懸念」

土曜日は、ときどき、
ウィークエンド・サマリー。  
1週間のおさらい。

私自身は、毎月、第4週は、
非常勤取締役を担う会社の役員会や、
顧問を務める会社のアドバイザー会議などで多忙。

今週は、全国的に株主総会ウィークだったし、
私自身も、それらに出席した。

私は、株式を持たない主義である。  
これは、経済関連のジャーナリストとしての、
私の矜持。

どんなに儲かることがはっきりした株式でも、
自分自身の儲けのために株を持つことはしない。

会社の見方に、思い入れや偏りが出るから。
それが他の会社の見方に、曇りを生じさせるから。

私は、ジャーナリストであるし、
学者の端くれでもある。
文筆家でもあるし、
講演者でもあるし、
研究者でもある。
そして広い意味では、
ある種のコンサルタントでもある。

この「コンサルタント」という言葉は、
自分には適さないと考えていたが、
その考えは改めた。

ピーター・ドラッカー先生が、
確かにコンサルタントの側面を持っていたからだ。

ドラッカーは、
学者であり、
ジャーナリストであり、
コンサルタントであり、
何よりも哲学者だった。  

私のライフワークは、
「知識商人を養成することによって、
商業の現代化を実現させること」  

ここでいう商業には、広い意味で、
ホスピタリティ・ビジネスが含まれる。
「商人」とは、ビジネスする人を意味する。

キーワードは、
「知識商人」と「商業現代化」。  

だから、会社の名前を「㈱商人舎」とした。
「知識商人が商業現代化を目指して集まる拠点」  

商人舎ホームページやこのブログも、
コーネル大学リテールマネジメントプログラム・オブ・ジャパンも、
立教大学大学院のビジネスネスデザイン研究科も、
私のやっていることのすべては、
「知識商人」と「商業現代化」のためである。

そして私はそのために、
「無私と利他」を貫く。  

昨年の4月17日、
「結城義晴君の独立を励まし商人舎発足を祝う会」でも、
そのことを決意表明させていただいた。

だから株式を、私は持たない。

さて、昨日は、
3月期決算上場企業1321社の株主総会が開かれた。  

その意味での専門紙・日経新聞は、
「総会は対話の時代へ」と、
コラムを書いた。

総会屋の手を借りた「シャンシャン総会」から、
ファンドが主役となって経営陣を揺さぶる「波乱の総会」を経て、
経営者と株主が、個人株主を含めて意見を交わす「対話の総会」になった。

米国ウォルマートのような「パフォーマンス総会」は、
あまり見かけられないが。

先週をさかのぼれば、
月曜日の22日に、公正取引委員会が、
セブン-イレブン・ジャパンに排除措置命令。
23日にはセブン-イレブンが「15%の廃棄分本部負担」を発表。

このニュースが、日本中を駆け巡った。

この問題解決をケーススタディとして、
リーダーの思考法を磨く会社も現れた。

22日には、日本フランチャイズチェーン協会から、
5月のコンビニ売上速報が発表された。
コンビニ売上高は、
既存店ベースで前年同月比1%プラス。  

売上高は13カ月連続で伸びているが、
6月、7月と昨年来のタスポ効果の反動が表れる。

その上で、「見切り」問題の風評被害は大きい。

コンビニに試練の夏となりそうだ。

一方、日本チェーンストア協会の発表。
総合スーパーを中心とした5月の成績は、
前年同月比の既存店でマイナス2%。  

「下取りマーケティング」の効果も大きくはなく、
衣料品が特に足を引っ張った。

その結果、総務庁の26日の発表で、
5月の消費者物価指数は前年同月比で、
マイナス1.1%。  

これは1971年以降で、最大の下げ幅。
「デフレ懸念」と表現されるが、
これも、この試練の夏の底流となりそう。

ただし、経済産業省が発表する5月の鉱工業生産指数予想にはちょっと異変。
工業は平均で前月比7%のプラス。  

日本の工業力の底力を思い知らされて、
頼もしい。
トヨタもプリウスの生産のために、
休日出勤を再開したという。
(もう少し休みなさいよ、とも思うが)  

工業生産が活発になると、
消費も活気づく。

ただし、工業にばかり負んぶされているわけにはいかない。

不況の時にこそ、
商業が社会貢献する、
経済活性化のカギを握る。  

それが商業の現代化のひとつの条件。

試練の夏に向けて、
意気軒高でいかねばならない。

今月の標語。
「最悪を覚悟して、最善を尽くす」  
いまこそ、これだ。

今週のウィークエンド・サマリーの締めの言葉。

今週も、商人舎ホームページとBlog[毎日更新宣言]を、
訪れてくださったことに、
心から、感謝。

では、良い週末を。

<結城義晴>  

2009年06月26日(金曜日)

マイケル・ジャクソンの死とセブン-イレブンの弁当・惣菜

マイケル・ジャクソンが呼吸停止。  
もう50歳のマイケルは「老けた」と感じるが、
50歳はほんとうに若い。

このところのマイケル・ジャクソンには、
あまりいいニュースがなかったが、
スーパースターの晩年は、
意外に、みな、さびしい。

世界中のトップに立って、
そのスーパーな存在感を維持し続けることの困難さを、
感じさせる。

マイケル・ジャクソンといえば、これ。
“We are the world”  

There comes a time when we heed a certain call
あの声に応えるときがきている

when the world must come together as one
世界がひとつになるときがきている

there are people dying
死んでゆく人々がいる

and it’s time to lend a hand to life
生きることのために手をさしのべるときがきている

the greatest gift of all
考えられるだけの最も大事な贈り物を

We can’t go on pretending day by day
毎日毎日、見て見ぬふりを続けることはできない

that someone, somewhere will soon make a change
だれかが、どこかですぐに変えなければいけない

We are all a part of god’s great big family
僕らはみんな大きな神の家の家族のひとりだ

and the truth, you know, love is all we need
そう、愛こそ必要なもののすべてだ

We are the world, we are the children
僕らは人間だ、僕らは神の子だ

We are the ones who make a brighter day
僕らが明るい明日をつくる

so let’s start giving
さあ与え始めよう

There’s a choice we’re making
僕らは選ぶことができる

we’re saving our own lives
僕らは自らのいのちを救うことができる

It’s true we’ll make a better day
僕らはよりよい日々をつくることができる

just you and me
君らと僕とで

(作曲作詞 マイケル・ジャクソン&ライオネル・リッチー 翻訳 未曾司)  

さて、日経新聞一面トップの記事。
「通販、コンビニ・百貨店抜く」  

日本通信販売協会の販売速報と野村総合研究所の調査をもとに、
同紙が集計した2008年度の数値は、約8兆円。
2007年は7兆2200億円と集計されていて、
そのうちインターネットは7割強。

コンビニや百貨店を抜くことになる。

このうちインターネット販売は6兆2300億円。
2007年度比で22%の増加。

「手にとって商品を見ずに、購買の意思決定をする」
こんな顧客が増えている。

裏返して見るとこれは、
商品の「コモディティ化」が進んでいることになる。
消費は成熟し、商品製造の技術は高度化し、
生産性は高まり、商品の寡占化が進み、
その結果として、同質化する。

だからネット販売は増える。

セブン-イレブンへの「排除措置命令」も、
大きな視点で見れば、
弁当や惣菜・サンドイッチが、
セブン-イレブンでそれほど爆発的に売れなくなったことが、
根本の原因。

圧倒的に売れないから、廃棄をしてでも、
コンビニなりの「超鮮度」を求めた。
賞味期限2時間前に、廃棄した。
場合によっては、廃棄を前提に棚をいっぱいにして、
豊富な品ぞろえを演出した。

それは他のコンビニのレベルが接近し、
スーパーマーケットやオリジン弁当やデパ地下という競争が登場し、
セブン-イレブンの独壇場ではなくなったからだ。

もちろん、小売業はドメスティックな産業であるし、
コンビニは局地的な商圏を特徴としている。

だから、まったく独壇場の地位が崩れない店もたくさんあるに違いない。

しかし、通販と同様に、全体として見ると、
セブン-イレブンの「デイリー商品」のコモディティ化が、
今回の事件の背景にあるのだと思う。

「コモディティ」からの脱出はイノベーションしかない。

または、コモディティに徹すること。  
それは、1品1品の利益を薄くして、
全体の利益を確保する戦略。
だが、フランチャイズチェーンのセブン-イレブンにとっては、
本部の収益性を低下させて実現させるしかない。

それが「15%」の廃棄分の本部負担。

しかし、これでは顧客に直接、価格のご利益として反映はされない。

難しい問題は、積み残されている。

ただしこれだけははっきりといえる。

セブン-イレブンの弁当・惣菜は、
日本最大のプライベートブランドである。

プライベートブランドとは、
恒常的なディスカウントをしてはいけない商品である。

さて昨日夕方、東京・田町の㈱ロジスティックス・パートナーを訪問。
㈱商人舎とは、スクラムを組む提携関係にある。
その松見浩希社長と打ち合わせ。

来週の共催セミナー「日本のPBはこうなる!」
松見さん

ロジスティックス・パートナーが、発信するのが、
流通ニュース」  
商人舎ホームページのトップにテロップで流れているニュース。
いま、流通業界人必須の情報源となった。
1カ月60万アクセスを記録する流通業最大のサイト。

そのロジスティックス・パートナーが、7月3日に、
大手町サンケイプラザで物流の展示会を開催する。
ロジスティックスSCM+流通フェア

その会場の一部に、商人舎との共催セミナー会場が設けられた。

このフェアでは、22のセミナーがある。
特別講演は二つ。

「グローバルサプライチェーンにおける改革の着眼点」  
~阻害要因となる組織間の合意形成の視点から~
増森毅㈱パナソニック グローバル調達・物流担当事業推進室物流IT構築プロジェクト。

「小売・卸売業界における在庫最適化手法」  
~オンデマンド時代の小売・卸売業戦略~
藤川裕晃東京理科大学経営学部教授。

そしてプレミアム・セミナーが、
「日本のPBはこうなる!」  
デイモン・ワールドワイドと商人舎。

展示場もご覧いただいたうえで、
このプレミアム・セミナーも聴講願いたい。

<結城義晴>  

2009年06月25日(木曜日)

ユニー、イズミヤ、フジ年商1.9兆円のPB「スタイルワン」第三極を目指す?

セブン&アイ・ホールディングスの株価が続落。  
昨日は前日比80円の下げ。
それでも1株2200円の高銘柄。

つられてローソンも40円安、
ファミリーマートは50円安。

さてここで、お知らせがふたつ。

①コーネル大学RMPジャパン第二期生を募集中。  
 日本のスーパーマーケット産業内大学。
 近い将来のトップマネジメントを本気で養成する。
 日本商業現代化を推進する知識商人を育成する。
 1年間70カリキュラム。
 各分野日本最高の講師陣。
 限定30名。

 
 詳細は、このホームページ右横ボタン。

②商人舎と流通ニュース合同企画特別セミナー。  
 「日本のPBはこうなる!」

 講師は、デイモン ワールドワイドと商人舎の共演。
 7月3日、東京駅前サンケイプラザ。

デイモン 
 詳細は、このホームページ右上のオレンジ色のボタン。

是非、ご参加のほど。
小売業はもとより、メーカー、卸売り業の皆さんにとって、
これからの死活問題が語られる。

「21世紀は勝つか負けるかではない。
死ぬか生きるかである」
<㈱大創産業社長・矢野博丈>  

さて、セブン&アイ・ホールディングスのセブンプレミアム
イオンのトップバリュに対抗して、
第三極を目指すプライベートブランド「スタイルワン」が発表された。

ユニー 年商1兆1902億円、経常利益389億円
イズミヤ 年商3811億円、経常利益41億円
フジ 年商3212億円、経常利益12億円  

3社合わせると、1兆8925億円。  
昨日の日本小売業ランキングに当てはめると、
ヤマダ電機を抜いて、第3位に入るが。  

1年内に食品90品目、雑貨100品目を開発し、
100億円の売上高を目指す。

それぞれ既存のPBを持つ。
ユニーには「イープラス」
イズミヤには「グッドアイ チャレンジ」
フジには「くらしのモルト」
しかしばらばらに開発していては、
コストを下げることはできない。
共同開発には、開発コストは一定で、
販売個数を増やせるというメリットがある。

だから従来のPBよりも10%ほど低価格にし、
同種のナショナルブランドよりも30%程度安くする。

その上で、新しいライフスタイルを求めるコンセプトを持つ。
だからネーミングを「スタイルワン」とした。  

こんな動きは、広がってくるに違いない。

8月下旬から、順次発売。
3社は自社ブランドを、
「スタイルワン」に切り替えていく。

ニチリウの「くらしモア」
CGCジャパンの「CGCブランド」、
AJSの「生活良好」、
八社会の「Vマーク」。

グループ共同開発ブランド隆盛の中、
もうひとつのブランドが生まれる。

想像してみてほしい。

ある地域を切り取ってみると、
これらのPBの数のほうが、
ナショナルブランドの数よりも、
はるかに多くなっているに違いない。

顧客が、それをどう見ているか。

すべてはお客さまが決める。  

<結城義晴>  

2009年06月24日(水曜日)

日経MJ2008年度小売業ランキングと国際競争力

日経MJが2008年度小売業ランキングを発表。
第42回目の小売業調査となる。

第1位は、セブン&アイ・ホールディングス。
売上高5兆6499億円、経常利益2793億円。

第2位が、イオン。
売上高5兆2308億円、経常利益1260億円。

この二強、しかしどちらも持ち株会社で、
いわば多数の業態とフォーマットの集積。

私は、商業現代化の条件の一つとして、
国際的競争力のある会社が二桁登場することが必要だと考えている。

競争力のひとつは成長力、収益力。
その意味では、二強とても、まだ足りない。

第3位は、ヤマダ電機。
1兆8717億円の売上高、646億円の経常利益。
家電チェーンでは第3位にまでに入っている。
クリティカルマスを突破し、好調を維持。

第4位は、三越伊勢丹ホールディングス。  
1兆4267億円の売上高、351億円の経常利益。

第5位にユニー。  
1兆1902億円の売り上げに、389億円の経常利益。

第6位、J.フロントリテイリング。  
1兆0967億円、利益は283億円。

第7位に、ダイエー。  
かろうじて1兆0408億円の売上高と1兆円を確保、経常利益は26億円。

第8位、高島屋。  
9761億円、280億円の経常利益。

第9位、エディオン。  
8030億円の売上げに118億円の経常利益。

第10位、ヨドバシカメラ。  
7013億円の売上高、356億円の経常利益。

ベスト10には、家電チェーンが3社。
百貨店が3社。
総合スーパー系が4社。

ただし、ダイエーは実質、イオンの傘下にある。

第11位にビックカメラ、
6307億円の売上げ、35億円の利益。

第12位にファーストリテイリング。
5865億円の売上高に、
857億円の経常利益はすごい。
経常利益額ランキングでは第3位に入る。

こうみると、日本の小売大企業のランキングも、
大きく変動してきた。

それは、新陳代謝という面から考えると、
いいことなのだと思う。

もちろんランキングというと大手企業の順位になるが、
私がいつも強調している「ニッチ」企業の重要さは、
大手企業群の趨勢と同様に重いものだ。

小売業調査ランキング上位の特徴。
その1。
総合業態が低迷し、
専門業態が伸長している。

その2。
持ち株会社制度で、総売上高は大きくなったが、
収益性はそれほど高くはない。
国際競争力は、高くはないということ。

むしろ、グローバルな企業群と比較すれば、
ファーストリテイリングやヤマダ電機が、
国際競争力を持つことになる。

ホールディングカンパニーとなっても、
一つひとつの業態・フォーマットの完成度が重要ということ。

第一位のセブン&アイ・ホールディングスは、
収益の柱となっているセブン-イレブン・ジャパンに、
公正取引委員会からの排除措置命令が出ている。

22日にこの命令が出て、
23日に、新しい対応を発表した。
弁当類の廃棄損失分の15%を本部が負担するというもの。

しかしこれも、急場凌ぎの感は否めない。

根本的な問題解決。
それがイノベーションだが、
いま、セブン-イレブンには、
妥協のないイノベーションが求められている。

それは、日本のすべての小売業に、
突きつけられているテーマと同じである。

<結城義晴>  

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