結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月10日(木曜日)

コーネル・ジャパン「立地論・店づくり論」の後でマイケル・ポーター教授に会う

コーネル大学RMPジャパン12月講義第2日目。
ここから経営技術論に入る。

まず、朝9時から立地論。
講師は、ブルーチップ㈱総合研究所代表の山本義昭先生。
テーマは「スーパーマーケットの立地政策1・2」  
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山本先生とは、私、長いお付き合い。
1時限90分の講義を2講座。
講義の全体構造は4つに分かれている。
1.小売業を取り巻く市場環境の変化
2.商圏構造とマーケット的ポジショニング
3.出店戦略の重要性
4.スーパーマーケットの立地と商圏の大変化
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有店舗ビジネスは、何よりも立地が大切。
「一に立地、二に立地、
三、四がなくて、五に立地」  

こう言われるくらい。

最近専門紙誌でも、立地論に関する特集など、
あまり見られなくなった。

とりわけスーパーマーケットは、
立地が良ければ、
そして競合がなければ、
競合が少なければ、
商品は売れてゆく。

さらに、
「売れれば売れるほど、
易しい商売となる」  

「売れなければ売れないほど、
難しい仕事となる」

だから立地は極めて大事。

そのあたり、超ベテランの山本先生は、
豊富な資料をもとに、丁寧なレクチャーをしてくれた。

一つとても重要なこと。
立地調査をするときには、あらかじめ、
自社の最も良く売れている店舗と最新店舗の調査をしておくこと。
そのうえで、新しい立地調査を展開し、
売上予測を立て、投資回収性を検討し、
出店の意思決定をすること。

昼食後、午後からは店づくり論。
講師は、田村ストアプランニング研究所所長の田村洋三先生。
テーマは「店舗づくりの理論と技術1・2」  
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田村先生とも、長い付き合い。
大学を出てから、レナウン、イトーキで、
店舗・売り場デザインの技術を身につけ、
その後、イトーヨーカ堂初期のプロトタイプ上大岡店の店づくりから、
同社総合スーパーの設計に携わり、
次に郡山に住んで、ヨークベニマルの店舗設計に勤しむ。
こちらも初期のプロトタイプ希望が丘店から始まって、
チェーン展開の中枢店舗の設計を担当。

その後、日本中のスーパーマーケットの店づくりにかかわる。

私は田村先生の『スーパーマーケット経営技術』(商業界刊)を、
「食品商業」誌に連載し、単行本にした。

田村先生は、
1.行動科学から見る動線計画
2.人間工学から見る陳列技術
3.商圏と店舗フォーマット
4.NSCの機能と配置
さらに、
5.スーパーマーケット売場レイアウトの基本と応用
6.バックルームづくりの基本と応用
こんな内容が90分。

さらに後半は、地球温暖化防止と温室効果ガス削減、
エコストア開発と講義が展開。

主張のある店づくり論を教授してくれた。

あっという間に、午後4時半。
副学長が簡単なまとめをして、
12月コーネル・ジャパンは終了。

ご苦労さま。
聴講し、勉強するのは大変。
しかし、講義の準備をし、レクチャーするのはもっと大変。

講師陣の先生方に心から感謝したい。

今回のレポートは、
副学長からの「クリスマス・プレゼント」で、
軽い内容になる。

第二期生全員に告ぐ! 年末商戦に全力を挙げよ。  
そして「厳しさに学べ」  

講義終了後、荒井伸也首席講師および事務局とで会議。
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来年度の第三期コーネル大学RMPジャパンの1年間の日程決定。
第二期の1月講義、2月講義、3月講義、4月講義などの詳細を詰めた。

事務局の皆さんも、お疲れ様。

さて、2日間、法政大学ボアソナードタワー25階で勉強していたが、
その後、26階のレストランで、ある集まりが開催された。
「マイケル・ポーター教授講演会記念パーティー」  
この日、午後3時から、
法政大学経営学部創設50周年記念として、
ポーター教授が来日し、講演を行った。

私は残念ながら、コーネル・ジャパンの講義があって、
それは聴き洩らしたが、
パーティーだけ、ちょっと参加。

前法政大学総長の清成忠男先生のご挨拶。  
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「中小企業論」の専門家で、
小売商業や流通業にも造詣が深い先生。

そしてマイケル・ポーター教授。  
ハーバード・ビジネス・スクール教授。
考えてみると、私とご同業。
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代表作『競争の戦略』は戦略論の古典。
『日本の競争戦略』は日本型モデルの解説書として、
世界中で読まれた。

その最後の項で、ポーター教授は、
「新しい日本型モデルの必要性」を説いている。

「重要条件に基づく優位性は、
日本の企業と消費者が環境保護に目覚めたとき、
さらに強化されるであろう」
「また日本は、増加の一途をたどる高齢者のニーズに
応える先端市場となる可能性もある」

「教育水準の高い国民は、
知識集約型の競争においては大きな資産となる。  

特に日本の女性は優れた資産であり、
日本の企業セクターを変革し、
人口の高齢化という状況下において、
経済成長を支える労働力の中核となる存在となりうる」

マイケル・ポーターの言に、
耳を傾けたい。

さてこのポーター教授の講演を聴いていた男がいた。
月刊『マーチャンダイジング』編集長・宮崎文隆。
現在、㈱ニュー・フォーマット研究所取締役編集統括。
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今年夏まで、㈱商業界の『販売革新』編集長を務め、
秋に退社して、NPO法人などを立ち上げていた。

36歳で看板雑誌の編集長となり、
商業界でも将来を嘱望されていたが、
「自ら変われ」の「蛻変」を断行して、
現在、大活躍中。

宮崎編集長との酒は旨かった。
久しぶりに深酒し、大議論した。

マイケル・ポーターも、
私にとっては嬉しい出会いだった。

<結城義晴>  

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