結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年02月20日(土曜日)

関西スーパー50周年感謝の集いでの「100年の考察」と「祈り」

まず[お知らせとお詫び]。  
この商人舎公式ホームページ以外に、
もう一つの[結城義晴毎日更新宣言ブログ]があることを、
ご存知の方もいらっしゃると思います。

その「ロリポ・ブログ」が昨夜から、
サーバーの不具合でアクセスできなくなりました。

ご迷惑をおかけしております。

ロリポブログは、3年前の2007年9月9日9時9分からスタートし、
yuukiyosiharu.comのアドレスで、
私にとって愛着の深い存在です。

しかし、商人舎として、
商業・サービス業の新しい総合サイトを目指して、
昨2009年1月9日からこのサイトを創設し、
実質的な移転を試みました。

ところが当初は、新しいサイトには、
携帯電話からのアクセスができなかったために、
ロリポブログの「旧店」をそのままにして、支店とし、
「新店」を本店として、昨日までやってきました。

その旧店・支店に事故が発生したということです。
ご迷惑をおかけしております。

すぐに復旧する予定ですが、
この機会に、旧店の閉鎖をしようと思います。

リアル店舗では、お客様のアクセスの問題があります。
しかし、バーチャル店舗では、それはありません。
新しいアドレスを「お気に入り☆」に入れていただくだけでよいのですが、
それすら面倒な手続きのようで、
実際に、これまでの1年間、
旧店舗でお楽しみになった方々が、
半数近くもいらっしゃったわけです。

その意味では、バーチャル店舗でも
支店経営・チェーンストア経営は、
少しは効果があるのかとも考えたりします。  

もちろん多店経営の手間とコストは、
それなりにかかるわけで、
変なところでチェーンストア経営の問題を、
実感したりしてしまいました。

さて、昨日は、大阪・帝国ホテル。
㈱関西スーパーマーケット創業50周年感謝の集い。  
その記念式典と懇親会。
1

小売業界、製造業・卸売業、関連産業から、
約700名のトップマネジメントの方々が参集し、
関西スーパーの半世紀の軌跡に思いを馳せ、
次の半世紀を展望した。
2

まず冒頭に、50周年記念ビデオの上映。
次に関西スーパーマーケット第二代・井上保社長のご挨拶の後、
来賓を代表して、伊藤忠食品㈱の濱口泰三社長の祝辞。

そして記念講演は、結城義晴。
演題は、
「スーパーマーケットの『100年』を考える」  

3
㈱商業界の50周年の時にも、私は次の50年を展望した。
そして「五十年宣言」を起草した。

日本セルフ・サービス協会50周年の時にも、
次の50年を展望し、100年に向けて、
「人を残す」ことを提案した。
その結果、多くの方々のご尽力で、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンが、
創設され、「産業内大学」として現在、第二期が進行中。

50周年は次の50年のためにある。

関西スーパーの50周年には、
紀ノ国屋の50周年に似た産業全体の意義がある。
関西スーパーは、産業化のためのプラットフォームを、
提供し続けてきたからだ。

したがって私の記念講演は、
そのことの意味を問う内容となった。
4
私にとっても、感慨深い内容だった。
なにしろ私のジャーナリスト、研究者としての原点は、
関西スーパーにあるからだ。

昭和53年の冬、私は、関西スーパー広田店と下坂部店で、
実習研修を受けた。

そこから現場の重要さ、オペレーションや店舗づくりの、
イノベーションを学んだ。

私にとって、どれだけの財産になったかわからない。

そして次の50年に向けて、
関西スーパーは、数限りない、小さなイノベーションを、
連続的に展開しなければならない。

これこそ日本中の小売業・商業の使命である。

それが全体として、「商業の現代化」を果たす。
私が描く50年後の商業世界は、大きくて豊かな「森」である。

大木がそびえていれば、雑木も生えている。
綺麗な花も咲いていれば、雑草も生い茂っている。

かつては大木がなかった。
それが近代化の中で登場した。
森の様相は一変したが、
大木だけの森は、豊かではない。

関西スーパーは、そんな大きくて豊かな森の中で、
どんな役目を果たすのか。

それが、関西スーパーのビジョンである。

この会合の最後に、井上保社長がその一端を明らかにした。
三つのビジョン。
「食を守る。食を育む。食を楽しむ」  

いいビジョンだと思う。

私自身、ジンとすることも多い講演だった。
ご清聴、感謝したい。

記念式典の後、北野祐次名誉会長、井上社長と写真。
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そして、懇親会。
冒頭で北野名誉会長のご挨拶。
85歳になられる。
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左目がお悪くて、完璧主義者の北野さんは、
歯がゆくてならないのだろうが、
スーパーマーケットの店に入った途端、
しゃきっとして50代のリーダーに戻る。

その元気な姿が、周辺をまた、元気づける。
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来賓のご挨拶は、齋藤富雄兵庫県副知事。
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さらに地元の藤原保幸伊丹市長。
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そして最後にこの人、荒井伸也さん。
作家として活躍し、同時にオール日本スーパーマーケット協会会長。
コーネル大学RMPジャパン首席講師。
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荒井さんの祝辞の趣旨は、はっきりしていた。
「関西スーパー方式の価値は、これからますます高くなる。
世界中のスーパーマーケットが、
関西スーパー方式なしには成り立たなくなる」

その後、着席の懇親会。
参加した人々にゆっくり、しっかり、
食事してもらいたいという関西スーパーの配慮。

「食を守り、食を育み、食を楽しむ」  
井上イズムが、懇親会にも貫かれていた。

楽しむという面では、余興は夫婦漫才、大助花子。
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「食と健康」をテーマに笑わせ、考えさせてくれた。
その上、大助さんは井上社長と兄弟のように瓜二つ。
最後に二人の握手で盛り上がった。

私は、昨年、この記念講演の講師を依頼されたときから、
ずっと緊張していた。
プレッシャーを感じ続けていた。

やっと、今年が明けたかのような、
すがすがしい気持ちだった。

講演の最後の言葉。

[祈り]
変わるものを変えられる勇気を、
変わらぬものを受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を、
お与えください。  

(ラインホールド・ニーバー)  

<結城義晴>  

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