今週のことです。
たしか金曜日だったとおもいます。
ボクは、チェンバロのうえ。

あさから、
顔をあらっていました。
耳のうしろが、
かゆい。

顔のほうも、
ていねいに。

とても、いい気持ち。

もういちど、
ていねいに。

耳のうしろ。

もうすこし、
うえまで。

よい、っしょ。

あ~、キモチいいキブン。

えっ。

たいせつなことが、
おこっていました。
オリンピック。
フィギアスケート。
ボクも、だいすきです。

マオ。

アサダ・マオ。

そしてヨナ。

キム・ヨナ。

どちらもすきになりました。
どちらもオーエンしたくなりました。

ユウキヨシハルのおとうさん、
「コンテスト型競争」といいます。
その反対は、「レース型競争」。
これからのジダイは、
コンテスト型になるらしい。
レース型はだれかひとりが、
いちばんになる。
でも、コンテスト型は、
それぞれのちがいが、
「価値」をうむ。
ヨナの価値。

マオの価値。

だからボクも、
ふたりともすきで、
ふたりともオーエンする。
ひとも、おみせも、
コンテスト型になる。
なるほど。
おとうさんも、
いいことをいいます。
ところで、
ボクの価値、
ボクのちがい。

いったいなんでしょう。
ボクに価値が、
あるのでしょうか。
ボクもコンテスト型社会で、
生きていけるのでしょうか。
ゆっくりと、
考えてみたいとおもいます。
時間はあるのですから。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















