ジジです。

小春日和がつづきます。
「こはるびより」
秋のおわりから冬のはじめに、
おだやかであたたかい日があります。
それを、こはるびよりといいます。
小春というのは、
むかしの暦で10月のこと。
いまでいえば11月です。
春のようにあたたかいから、
ちいさな春とでもいったかんじで、
小春とよばれるようになりました。
こはるびよりには、
ボクは、ねむくなる。

でも、小春になって、
落ち葉がちりはじめました。

地面のうえに落ち葉。

ボクも、落ち葉、
すきです。

木のねもとに、
落ち葉。

パラパラと落ち葉。

落ち葉のもよう。

小春日和の日に、
落ち葉がまいちる。
毎年毎年のくりかえし。
「くりかえされることのなかに、
真理がやどる」
ボクは、もの思いにふける。

あれ?

雨の音。

こはるびよりのなかから、
冬の足音がきこえてきます。
そうすると、
冬にまっしぐら。

もの思いもそろそろやめにして、
ボクも、冬ごもりのしたくを、
しなければなりません。
<『ジジの気分』(未刊)より>





 
             
             
             
             
             
            








 
 
 







