結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月18日(水曜日)

ビックカメラが楽天市場出店の「すでに起こった未来」と高まる電気料金値上げ論議

思っていたような現象が起こってきた。

ビックカメラが「楽天市場」に出店する。
日経新聞の記事。

楽天は現在、
インターネット通信販売モールの最大手。

もちろんビックカメラも、
自社サイトでのインターネット販売を展開してきた。
それに楽天を加える。

チャネルを広げる行為。
考えてみれば当たり前。

「家電やパソコン、携帯電話、ゲームソフトなど10万品目」を扱い、
アイテム構成は今後も増やしていく予定。
「価格は自社の通販サイトの水準に合わせる」

「楽天のポイントをつけ、ビック独自のポイントは付けない」。

グループの通販事業全体の売上高は、
2012年8月期には500億円程度。
それを早期に楽天市場内で最大級の100億円規模にする方針。

インターネット・モールにも、
核店舗が出現し始めたことになる。

「楽天市場の販売総額は2010年12月期に9500億円」
その出店数は約3万5000店。
ほとんどが中小企業。

そこに大型核店舗のテナント導入。
今後も大いにあること。

リアルのショッピングセンター開発の定石。

野村総合研究所によると、
2011年度のインターネット通販市場は8兆2800億円。
2015年度には11兆8000億円の予測。
4年間で4割の拡大が見通されている。

インターネット販売の世界にも、
まだまだイノベーションが起こる。

そしてそれはリアル店舗で、
既に起こった未来である。

さて、これも日経の記事だが、
日産自動車カルロス・ゴーン社長が、
東日本大震災で被災したいわき工場を通常操業に回復させて、
350人の従業員に対して発言。
「“ベリー・ストロング・ゲンバ”を
目の当たりにして誇りに思う。

皆さんは日産だけでなく、
日本の復興の象徴と言っても過言ではない」。

こういった発言は本当に、いい。

さて、これも日経新聞のコラム『大機小機』
コラムニスト隅田川氏が大胆なコメント。

電力を巡る諸問題に対して、
「極めて有効な手段がある」と胸を張る。
「それは電力料金を引き上げることだ」

日経MJでも、東京大学教授の伊藤元重さんが、
電力料金の値上げを主張している。

隅田川氏の根拠は3つ。
「第1に、それは、
極めて当然である。

「原発の損害賠償コストが極めて大きく、
電力会社が賄いきれないということは、
これまでの電力料金が、
原発によって電力を生み出すためのコストを
十分織り込んでいなかったということだ」

「原発の電力を安く使い過ぎてきたということである」

「よって原発分の電力はより高いものと再評価し、
そのぶん料金を引き上げるのが正しい」

「第2に、それは、
極めて効率的かつ公平な節電の手段である」

「価格を引き上げれば、
それをあまり必要としない需要から
順番に節減されていく」

「第3に、それは、
経済社会構造を望ましい方向に変えるだろう」

関東地域への一極集中の是正、
風力などの自然エネルギーへのエネルギー構造の転換促進など。

もちろん「これだけ迷惑をかけながら
値上げするのかという感情的反発も強い」と指摘したうえで、
「損害賠償を保証するためのコストは、
何らかの形で国民全体が担うことになる。
どうせ担うなら、
電力料金の引き上げという形で負担するのが
最も効率的かつ公平なのである」

皆さんはどう考えるだろうか。

さてさて昨日は、大阪。
寺岡ニューバランスフェアで記念講演。
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テーマは「大震災に学ぶこと」
この時期、このテーマを訴えずにはおれない。

東北で被災した企業や店舗の報告をしたうえで、
このブログでも書いた堺屋太一さんの「非常時対策」5段階。

(1)救助の段階⇒原則「軽いものから先に」
1.最も急ぐ軽いものは「情報」。
2.「生活物資」。
まず「飲料と医薬の配布」。
その次が「緊急の食料」。
そしてその次が「燃料と衣料」。
3.「安全な生活空間の準備とそこへの搬送」

(2)救済の段階「被災後10日が目安」
・道路、水道、衛生、電力、ガスなどのライフラインの応急処置
・大事なのは速度
・最低限のライフラインをつなげるリミットは1カ月以内

(3)復旧の段階「被災後1カ月から」
・水道、道路、電力、鉄道などを旧(もと)に復すとともに、
・店舗や飲食店を再開させ、日常生活を復元させる
・精神的安定やコミュニティの再建創造

そして強調したかったのが、
(4)復興の段階には、
「新しいグランドデザイン」をつくること
さらに、
(5)振興の段階では、
「世界のモデル」となること

ここまでを展望した復興と振興を目指したい。
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今回は午後1時から始めて、2時間と13分。
ご清聴を感謝したい。
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講演がおわってから、固い握手。
㈱万代代表取締役社長の加藤徹さん。
商人舎発足の会発起人のお一人。
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今回もいちばん前で聴講してくださった。
先週のチャリティセミナーでも、
聴講に来てくださって、
心から感謝。

㈱八百民社長の平山幹人さんも、
いちばん前の席での聴講。
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平山さんもチャリティセミナーに続いて来てくださった。
ありがとうございます。

最後の最後に㈱寺岡精工専務取締役の高野公幸さんと写真。
20110517185150.jpg
いつもお世話になります。

寺岡精工グループも、
世界の関係会社などから義援金が送られてきて、
それに本社が寄付金を大幅に加えて、
日本赤十字に送った。

大阪への日帰り講演。
熱心な聴講に、
私も元気づけられた。

今週は講義の週。
まだまだ序の口、これから続く。
がんばります。

<結城義晴>

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