結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月07日(土曜日)

総合スーパー・イトーヨーカ堂の「東北の売上げは良い」とセブン&アイ鈴木敏文会長

朝日新聞はずっと、
東日本大震災に被災した人々の声を拾って、
載せ続けている。

ゴールデンウィークが最終盤に差し掛かった今日は、
南三陸町歌津の及川道男さんの話が印象に残る。
「3人家族だったけど、
女房と母を流されて1人になってしまった」

及川さんは62歳、奥さまは60歳、母上は84歳。

「うちだの車だのは、また買えばいい。
でも家族は売ってねえからな」

「牛歩どころか、なめくじの歩みで、
地域で連絡取りながらがんばっていきたい」

「まだまだ、ひとつずつ、
すこしずつ、いっぽずつ」

さて昨日は午前中、
横浜の商人舎を大高愛一郎さんが訪問してくれた。
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現在、三井物産食料・リテール本部に属しているが、
コーネル大学ジャパンが発足した時、
事務局長として尽力してくれた。
もしも大高さんがいなければ、
このプログラムが現在まで来ることはなかった。

大高さんとは、東日本大震災後の状況や、
プライベートブランドの動向など、
様々なことを話し合った。

大高さんと話しているだけで、
私は本当に気分が爽快になる。
不思議な人だ。

朝日新聞経済欄に、
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長登場。
「東日本大震災の被災地域では、
イトーヨーカ堂の閉店計画を見直す方針」

総合スーパーは、業態としての衰退が激しい。
だからイトーヨーカ堂も、
2009年から約30店を閉鎖する計画を進行中。
2011年度も7店程度の閉鎖を計画していた。

しかし「震災後、東北の売上げは良く、
閉店を検討していた所も続けることができる。
商品供給を続ける流通業者としての義務もある」

総合スーパーの「生活総合性」が、
震災による「生活破壊」などに対しては、
ベストの品揃えとなる。

その意味で、総合スーパーは、
生活途上段階にフィットした業態である。

日本でいえば高度成長のときの業態。

アメリカやフランスでは、
大量の移民が高度生活成長しているから、
スーパーセンターやハイパーマーケットが、
彼らにふさわしい業態として、躍進する。

中国でハイパーマーケットの成長が最大であることも、
これで説明がつく。

しかしほとんどの国民の生活が成熟してくると、
業態の分化が起こり、フォーマットの多様化が進む。

被災地のセブン-イレブンの加盟店に対しては、
所有者が建て直す場合、
5000万円を上限に低利融資する制度を新設。

そのために仮設住宅の入居者向けの店舗出店を、
地元自治体と協議中という。

被災地に対して、企業ができることを、
どんどん進めてほしい。
商業・サービス業が、
お役立ちするときである。

さて、日経新聞スポーツ欄にいい記事。
八百長問題で崖っぷちにある大相撲の高田川親方の話。
見出しは「苛烈な稽古、八百長生まぬ」

高田川部屋を経営する親方・高田川。
現役時代は関脇安芸乃島。
私もそのひたむきな相撲、好きだった。

安芸乃島の師匠は、元大関・初代貴ノ花。
その藤島部屋はガチンコで有名だった。
ガチンコとは「真剣勝負」のこと。

高田川のコメント。
「稽古を一生懸命やった者は、
恥ずかしいことはできない」
「苦しくなってからが本当の稽古だ」

「稽古をやらずに勝とうと思う
その心が八百長なんです」

日ごろの努力をせずに大きな成果を出そうと思う、
その相撲は八百長と同じとなる。

大相撲の八百長を批判するとしたら、
それは私たちにも戻ってくる。

「稽古を死ぬほどやっていたら、
わざと転んだりできるはずがない。
そんなもったいないことはできない」

私たちの仕事も同じだと思う。

一所懸命にしてきた仕事は、
もったいなくて投げやりや無責任にはできない。

NHKは今場所、地上波での中継を見送った。
衛星放送の改編によって、幕下の放映も止めた。
相撲協会はそこで、
序ノ口から幕内までの全取組をインターネットで中継する。

つまり大相撲は、
ひどく立地の悪い店になってしまった。

しかし高田川は考える。
「場所はいつも大事ですが、特に今場所は
2、3場所の値打ちがある場所です」

立地の悪いインターネットでしか公開されない今場所の相撲。
しかしだからこそ、
「もったいないことはできない」

高田川部屋を応援したくなる。

近ごろ私は、とにかく、
いろいろなものを応援したくなる。
それは私自身が、
応援し、支援することで、
元気をもらっているからだと思う。

私も苦しいとき、つらい時があった。
その時に応援してもらって、
どれだけ助かったか知れない。

そして応援とは、自分が、
「もったいないことはしない」ところから、
始まるものである。

みなさん、良い週末を。

<結城義晴>

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