結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月12日(火曜日)

ローマ教皇退位と「狂信の温床」と聖バレンタインデーの軽いノリ

日本は建国記念の日の祝日だったが、
ニューヨーク外国為替市場では、
1ドル94円46銭となった。

これも日本は祝日だった2010年5月5日以来、
2年9カ月ぶりの円安・ドル高。

今日の日経平均株価も13時45分には、
1万1459円まで上がった。

為替と株価が先行し、
需要と消費がそれを追いかける。

虚業(失礼?)が先導し、
実業が追いかけて、
経済は活性化される。

当面の、明後日のバレンタインデー商戦に、
自信を強めて臨みたい。

今日は一日、横浜の商人舎オフィス。
午後、㈱大和屋代表取締役の外山順一郎さん来社。
東京日本橋室町の三越本店の向かいで、
鰹節専門店を営む若き経営者。
20130212185034.jpg
立教大学大学院結城ゼミの第3期生。
「経験価値マーケティング」に関する研究で、
優れた修士論文を書いた。

日本橋界隈が大きく変わりつつある。
今日は、その報告と相談。

私は結局はポジティブシンキングを提案して、
「頑張れ」と激励。

『岡田卓也の十章』(商業界刊)を、
プレゼントした。

さて、ローマ法王ベネディクト16世が、
退位を表明した。

朝日新聞はローマから、
日経新聞はベルリンから、
Yahooと産經新聞はジュネーブから報じる。

退位の理由のコメントがふるっている。
「神の前で繰り返し検討したが、
高齢により、私の力は
職務遂行にふさわしくないとの確信を得た」

法王とは終身職である。
だから存命中の「自己の意思による退位」は、
1415年のグレゴリウス12世以来。

グレゴリウス12世は、
カトリック教会大分裂の時期にローマで選出された。
その時、フランスのアヴィニョンには、
もうひとりの教皇ベネディクトゥス13世が存命。

その後、ローマとフランス双方の枢機卿が集まって、
ピサ教会会議、コンスタンツ公会議を開催、
グレゴリウス12世は退位に同意。

だから600年前の前回の場合は、
今回のような「神の啓示」を受けたわけではなく、
人間の会議で決まったことに同意して退位した。

今回は極めて異例のこと。

ベネディクト16世はドイツ・バイエルン州出身。
2005年に先代のヨハネ・パウロ2世死去後、
コンクラーベで第265代法王に選任された。

初代ローマ教皇は、
シモン・ペトロ。

イエス・キリストに従った12使徒の一人。
シモンは「使徒の頭」とされ、
マタイ福音書では、イエスから、
こう言葉をかけられている。
「おまえはペテロ(岩)だ。
この岩の上に、私の教会を立てよう。
地獄の門(悪魔)もこれには勝てないだろう」

イエスは続ける。
「おまえに天国の鍵を与えよう。
これによっておまえが地上でつなぐものは天国でもつながれ、
おまえが地上で解くものは天国でも解かれるのだ」

ベネディクト16世は、
このペトロの264番目の後継者だった。

塩野七海は『神の代理人』(中央公論社刊)のなかで、
辛辣に過去の教会と聖職者、そして教皇を描いている。
「過度の禁欲はしばしば狂信の温床となる。
なぜならば禁欲生活によって肉体は痩せ衰えるが、
想像力はかえって活発になるからである」

今回の法王退位は、
「肉体の衰え」を理由にしている。
その意味で狂信的ではない。

「彼らは、その欲することをことごとく正義と信じ、
その信ずることをことごとく神の啓示として
現実に見るようになる。
そして、神から選ばれた自分こそが
それを実現せねばならないという使命感が、
彼らの心を燃え立たせてくるのだ」

使命感と正義を、
狂信的なところに
至らしめてはならない。

ましてや経営者が従業員の使命感を、
自分の経営に利用してはならない。
ここが難しい。

今月の商人舎標語、
「志定まれば、気盛んなり」
それは一人ひとり、
自らの志に根ざしていなければいけない。

だから今年の商人舎標語、
「今日も一日、優しく、強く」
これが大切になる。

St. Valentine’s dayは、
ローマ時代の聖ウァレンティヌに由来する記念日。

西暦269年当時、
ローマでの兵士の婚姻は禁止されていたが、
キリスト教司祭ウァレンティヌスは
ひそかに兵士を結婚させた。

それが露見して、逮捕され、
ローマ皇帝クラウディウス2世によって、
処刑されてしまった。
それが2月14日だった。

キリスト教がローマ帝国から公認され、
正式に弾圧が終わるのは西暦313年。
皇帝コンスタンティヌス1世が発布した、
ミラノ勅令によるものだった。

この後、ペテロの末裔たちは、
徐々に力を持つに至り、
結局はすごい力を有することになる。

聖バレンタインデーは、
ウァレンティヌスが男女を結びつけたことから、
その殉教の日が「恋人たちの愛の誓いの日」として広まり、
現在のような催しが行われるようになっていった。

ローマ教皇の退位表明と、
2013年のバレンタインデー。

二つが重なって、
そのうえ虚業(失礼!)の好調。
明後日のブレイクの予感、
私だけだろうか。

商売は本来、狂信の温床ではない。
お客様が喜ぶことは、ある意味で、
何でもするという軽いノリが、
商業ビジネスには必要だし、
それがブレイクを生み出す。

大和屋の外山さんも、
「前向き・上向き・外向き」で、
突き進んでほしい。

いや、外山さんだけに、
「外向き・前向き・上向き」だろうか。

〈結城義晴〉

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