結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月18日(月曜日)

PINK・DAISO心斎橋店のオーソドックス化は由緒ある業態の証拠だ

Everybody! Good Monday!
[2013vol8]

2013年第8週。
2月の第4週で、
来週金曜日には3月。

春はもうすぐ、そこ。

青春の日日は来ずとも春来たる
〈朝日俳壇 山梨県市川三郷町・笠井彰〉

過ぎ去った青春は戻ってこないけれど、
毎年毎年、春は来る。
しかしこんな句もある。

春を待たずいつも行く店廃業す
〈日経俳壇 平川・田口昭子〉

悲しい話。
「いつも行く店」がいい。
中小企業金融円滑化法期限切れの影響か。
さすが日経新聞の俳句欄。

風花を追ひかけてくる日ざしかな

〈朝日俳壇 松原市・加藤あや〉

「風花」は、晴れたときに雪が、
風に舞うようにちらちらと降るさま。
だから「日ざしが追いかけてくる」。

百本の白梅にして一つの香

〈朝日俳壇 島原市・中川萩坊子〉

今、梅見ごろ
桜はもうすぐ。

今週は、そんな日々。

しかし、今日は全国的に雨。
そして二十四節気の「雨水」(うすい)。
『暦便覧』から引用すれば、
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」。

その雨が一歩一歩、
春が近づきつつあることを教えてくれる。

店の中はもう、ひな祭り一色。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」
これは今年も効き目のある標語。

その3月3日のひな祭りは、
今年は日曜日。
雛人形を飾りつけるのは、
節分の次の日の立春の2月4日から、
2月24日ごろまでとされる。

それを外すと、
その女の子が、
嫁に行くのが遅れる。

今週はだから、
雛人形飾りつけの「際の勝負」のときでもある。

ひな祭りよりも、
雛人形飾りつけが、
今週の真のテーマとなる。

しかしこんな話題、
いいですね。
平和ですね。

商売繁盛ですね。

日経MJ第5面『みせどころ』に、
DAISO心斎橋店が紹介されている。
七五調の見出しで「華やか色調 女子集う」

昨年12月1日オープンの3フロア990㎡の100円ショップ。
今後のモデル店と位置付けられているが、
「ピンクを基調として内装、
カラフルな独自商品で華やかさを演出」。

1階入り口の「一丁目一番地」の売場には、
季節ごとに商品を変えて、
「シーズンコーナー」が設けられる。

これは世界中のオーソドックスな手法。
ウォルマートもターゲットも、
クローガーもセーフウェイも、
HEBもウェグマンズも、
ホールフーズもトレーダー・ジョーも。

アルディだけは違うけれど。
DAISO心斎橋店、
通路幅は180cm、
陳列棚の高さも180cm。

通路は従来店の2倍に広く、
陳列棚は30㎝高い。

従来はゴンドラを迷路のように異なる向きに配置したが、
心斎橋店では、すべて売場に対して平行に設けた。

「顧客がほしい商品を探しやすいように工夫」とある。
工夫ではなくて、原則的に、オーソドックスに、
変わっている。

㈱大創産業は全国に、
「2600店を展開し、
7万品目の品揃えが強み」。

今しがた、大創社長の矢野博丈さんと、
携帯電話で話したばかりだが、
ダイソーは小売業の歴史上、
伝統ある正統派業態の系譜を引く。

1879年にアメリカでフランク・ウールワースが、
バラエティストアをオープンさせたが、
これがワンコインストアだった。
店名は「The Great Five Cent Store」。
つまり19世紀のアメリカでは5セントストアだった。

その前の業態の登場は、
第1に1852年、フランス、
アリステッド・ブシコーによる百貨店「ボン・マルシェ」誕生。
「良い市場」という意味が転じて、「安く」が店名。

第2に1859年、アメリカ、
ザ・グレート・アメリカン・ティ・カンパニー創業。
この会社の登場は「グロサーズ(総合食品店)」の誕生を意味した。
1869年、通称「A&P」に社名変更。
「ザ・グレート・アトランティック&パシフィック・ティ・カンパニー」。

このグロサリーストアが1930年に業態転換されて、
スーパーマーケットが生まれる。

その後、1893年にシアーズ・ローバック社開業。
ダイソーのワンコインストアは、
総合スーパーのGMSよりも食品スーパーマーケットよりも、
古い歴史を持つ由緒あるビジネスモデルということができる。

そのダイソーがオーソドックスになっている。
私はこの方向性は間違いないと考えている。

やがて現在のアメリカのダラーストアの如く、
1ドル売価以外の商品がどんどん増えていく。
生活ストア、ターゲティングストアとなる。

米国ダラーストアの3強のチェーンストアランキング。
第28位Dollar General。
年商148億0700万ドル(100円換算1兆4807億円)、
伸び率13.6%、店舗数9937店。

第44位Family Dollar。
年商85億4800万ドル(8548億円)、
伸び率8.7%、7023店。
20130218192918.jpg
第60位Dollar Tree。
年商65億3100万ドル(6531億円)、
12.5%、4252店。
20130218192512.jpg
対してDAISO。
年商3415億円(2012年3月期)、
国内に約2680店舗、国外28カ国658店舗。

凄い会社になりつつある。
その意味でも、
DAISO心斎橋店は必見。

もっともピンクの色調の店舗はすでに、
東京・原宿の竹下通りにある。
20130213204355.jpg
心斎橋店は、
12月1日にオープンして、
クリスマスからバレンタインデー、
そしてひな祭りと若い女性をターゲットにして、
意気上がる。

原宿店も、
土日祭日を限らず、
若い女性がわんさか押しかける。

大阪に行けない東京近辺の人は、
原宿竹下通りでも、
このピンク・ダイソーの気分を味わうことができる。

春、来たる。

商売人がそんな気分を先取りせずして、
誰がそれを創り出すのか。

みなさん、今日は雨水です。
もうすぐ、春です。
Good Monday!

〈結城義晴〉

[追伸]
先週末、トップ及び担当者の皆さんに、
ダイレクトメールを発送しました。

商人舎5月の研修会。
①第13回USAベーシック・コース
イン・ラスベガス。
5月14日~20日。

業界内でどのツアーよりもベーシック。
どのツアーよりもオーソドックス。
どのツアーよりも勉強させる。
〈何しろ理解度テストまでする〉
どのツアーよりも情熱がある。
間違いない!


②第3回ミドルマネジメント研修会。

イン・新宿。
5月28・29・30日。
ドラッカー思想をベースに、
これまたオーソドックスなマネジメントを教授。
最新の考え方と偏りのない技術を伝授。

ご参加を呼び掛けます。

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