結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月06日(水曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査と2月決算予測特集のポジショニング戦略

今日は東京・横浜に雪。

玻璃窓(はりまど)に来て大きさや春の雪
〈高浜虚子〉

気象予報士の常盤勝美さんが言ったとおり、
成人の日のように積もりはしなかった。

朝方の雨が、
みぞれに変わって、
大きめの雪が舞う。
しかし立春のあとの雪で、
積もりはしない。

私は朝から、
東京・清水橋の伊藤園本社に向かう。
秋の大陳コンテストの審査会。

東急東横線で渋谷に出て、
山手線で代々木を経由して、
地下鉄大江戸線に乗り換え、西新宿5丁目駅へ。
これが通常のルート。

しかし、今日の関東圏は大雪注意報が発表され、
朝から交通機関が遅れ気味。
成人の日の1月14日は関東に大雪が降った。
だから私も、30分ほど早めに電車に乗りこんだ。
予想通り、電車は遅々として進まない。
それでもなんとか、渋谷までたどり着いた。

ところが、秋葉原駅で人身事故発生。
環状山手線が直前に全面ストップ。

仕方がないので、地下鉄副都心線で、
新宿三丁目駅へ向かった。

ところが山手線利用の客が一気に押し寄せ、
ホームは押すな押すなの大混雑。
地上に上がるまでに、15分ほどかかった。

山手線が止まると、なんて不便なのだ。

そんなことを思いつつ、
舞う大きめの雪の中、
伊藤園に到着。

会場は本社の地下1階。

いつものように、
本庄大介社長、
江島祥仁副社長、
本庄周介副社長。
三人の審査委員。

商人舎からは私と、
エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦、
そして㈱商業界の三浦美浩『食品商業』編集長。
20130206183119.jpg

参加店舗数は今年も増え、プラス2074店舗。
その中から厳選された各コースの応募写真がテーブルに並ぶ。
それを審査員が1点ずつ丁寧に吟味し、
各自が入賞作品を選ぶ。
20130206183237.jpg

最後にコース別の大賞と優秀賞を選考。
20130206183133.jpg
その後、企業賞の大賞と優秀賞を選ぶ。
これは全員の議論。

今回は参考までに、
受賞辞退企業の優秀写真も並べられた。
20130206184440.jpg
受賞は辞退しているが、コンテストに参加。
「参加することに意義がある」とする企業だが、
店舗は頑張って、本当にいい売場づくりをしている。

すべての審査を終えて、
このプロジェクトにかかわった全員で、
記念写真。
20130206183253.jpg
ご苦労様でした。

本庄大介社長とは、
立教大学池袋キャンパスに昨年、
オープンしたタリーズの話をした。
20130206183143.jpg
タリーズ・コーヒーは現在、
伊藤園傘下にあって、好調。

審査会が終わると、
江島祥仁副社長の部屋で、
抹茶と緑茶をいただきながら、
恒例の情報交換。

4月1日の月刊『商人舎』発行、
「紙(雑誌)と網(ネット)の融合」へのチャレンジなど、
商人舎6年目の施策をご披露しながら、
1時間半も話しこんでしまった。
20130206183306.jpg
江島さんが持っているのが、
現在の月刊『商人舎』。
毎月のブログを編集し、
30ページほどの冊子にまとめ、
お世話になっている方々にお送りしている。

4月1日からはさらに誌面を刷新、充実させ、
商人舎ホームページと連動させて、
新しいメディアに仕上げる所存。
江島さんの評価も好感触。
ありがたい。

さて時間は遡って、昨日。
商人舎に来客。

まず三井物産㈱食品営業本部のお二人。
20130206173438.jpg
右が、食品流通部加工食品営業部部長補佐の品田哲也さん、
真ん中は、同加工食品チームの中野真樹さん。

品田さんとは何度も一緒に仕事してきたし、
中野さんは昨夏、アメリカにご一緒した。

今年、三井物産と組んでまた、
海外の勉強会をやろうかという話になった。

夕方、やってきたのは、
立教大学大学院結城ゼミ第1期生ゼミ長の名古屋文彦さん。
名古屋さんは結城ゼミOB会長でもある。
20130206173501.jpg
真ん中は、同じく第2期生ゼミ長の渋木克久。
渋木は現在、㈱商人舎チーフエディター。

名古屋さんは、OB会長として打ち合わせにやってきた。
来年度の結城ゼミのキックオフミーティング。
今年2年次を迎える大学院生は、
すでに履修希望届を提出済みだが、
4月に最終決定が出る。

そのゼミ候補生に向けて、
わが結城ゼミはOBがほとんど全員参加して、
キックオフ・ミーティングを開催する。

この打ち合わせのあと、
池袋で、各年度の責任者が集って、
OB会としての最終決定がなされた。

2013年度結城ゼミ
キックオフミーティング。

日時:3月9日(土) 午前10時~午後17時半
場所:立教大学池袋キャンパス 14号館

キックオフミーティング終了後、
18時より懇親会。

今から楽しみだ。

さて今日の日経新聞に、
「2月決算予想特集」
珍しく小売業が中心の記事となった。
タイトルは「消費減速、収益に格差」

コメントは、
「コンビニエンスストアは堅調だが、
値引き競争が激しいスーパーは苦戦が目立つ」

「最大手のイオンも、
総合スーパーの既存店売上高が前年を下回る。
ただ、クレジットカードなど金融事業の成長が
業績を下支えする。
調理済み食品の強化などで
年明け以降はGMSの売り上げは回復基調だ」
総合力がモノを言い始めた。

そのイオンリテール社長に、
梅本和典イオンディライト社長転任の新人事。
今日、発表。

「セブン&アイ・ホールディングス
品質にこだわった製品を割安で提供するPBが人気で、
既存店売上高が前年を上回って推移」
これはセブンプレミアム・ゴールドのこと。

イオンのコンペティティブブランドに対して、
セブンはクォリティブランド。

この対比的政策は全体として見て、
よろしいし、戦略的だ。

「同じくPB効果で
ローソン、ファミリーマートの業績も堅調」

記事はコメントする。
「コンビニは利便性の高さと総菜など中食の強化で
食品スーパーの顧客を取り込んでいる。
あおりでスーパーでは
消費者の低価格志向が強まり
苦戦が目立つ」

このコメントが、
食品スーパーマーケットの全体像を
表わしているとは断言できないが、
ポジショニングの観点のない企業に、
堪えていることは確かだ。

記事は、百貨店を「堅調」とする。
「高島屋は不動産事業の好調が、
J・フロントリテイリング
パルコの子会社化が寄与し営業増益を見込む」
しかし地方百貨店は、
見るも無残な状況。

総合スーパーと百貨店は、
衰退業態とみていいと思うが、
そうなるとほんの一握りの好調組と、
大半の絶不調組に分かれる。

個別企業で記事に取り上げられたのはまず、
ニトリホールディングス。
「機能性や耐久性を高めた家具、雑貨の販売が好調。
高価格帯の客層の開拓が進み客単価が改善する」
ニトリはディスカウンターではない。
独特のポジショニングが確立されている。

「為替の円安は海外生産家具の輸入採算悪化要因だが、
為替予約で悪影響を回避」
今後どこまで円高が進むか。
ニトリの心配事は、日本経済とは逆になっている。
しかし今期、「純利益は14期連続で過去最高へ」。

良品計画は、
「春夏は麻、秋冬はウールの衣料品販売が伸びる。
旅行をテーマにした販促で関連商品の売れ行きも好調。
好採算の衣料品の販売比率高まり、利益率改善。
経常最高益を更新する」

わが道を行く。
すなわちポジショニング戦略の好例で、
過去最高の経常利益。

最後に吉野家ホールディングス。
「牛丼が振るわず既存店売上高が苦戦。
焼鳥つくね丼など新メニューは堅調も補えず。
原材料の大半を占めるコメと牛肉の価格高騰で採算が悪化。
コスト削減を進めるも営業減益に」

来期の吉野家は、
米国産牛肉の輸入緩和という朗報がある。
本来の力が発揮され、採算は改善されるに違いない。

日経の見立ての通り、
収益格差が広がる。

ユニークな商売、
ユニークな経営、
ユニークな思想。

すなわちポジショニング戦略。

それが2013年を生き抜く道である。

〈結城義晴〉

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