日本では七夕。
ダラスは快晴。日本は晴れるのだろうか。
商人舎magazine、
そのDaily商人舎。
昨日はユニーグループと、
ファミリーマートの第1四半期決算。
今日は同じく、
セブン&アイ・ホールディングスの決算。
明日は多分、イオンの第1四半期決算。
四半期決算自体は否定しないが、
非上場企業まで、
四半期の成績ばかり気にしながら営業することは、
それが近視眼的になりすぎると、
むしろよろしくないと思う。
上場企業は株式市場からの要請だから、
それは仕方ないけれど。
さてダラスの二日目。
暑い。
てんとむし君死にたまふことなかれ
〈朝日俳壇より 横浜市・高橋央尚〉
そんな気分になってくる。
向日葵に太陽小さくなりにけり
〈同 岡山市・伴明〉
そして、もう一句、日経俳壇より。
夏帽子この古びたる夏帽子
〈仙台市・木戸月彦〉
夏真っ盛り。
さてイオンリテール米国研修会、
ダラスの2日目。
朝から会議室集合。
細田昌幸人事部長が、
昨日の視察をおさらいし、
今日の予定と目的を整理。
そのあと、イオン宣言唱和。
そして結城義晴120分。
前日は30時間以上も不眠の状態だったが、
一晩しっかり睡眠を取って、
全員が頭スッキリ。
私もそれに応えて、
一気に語りきった。
それはイオンリテールだけでなく、
日本の総合スーパーをどうするか、
その考え方の基本と応用。
アメリカになにを、どう学ぶか。
ともにダラス・フォートワースの、
ウォルマートやターゲットを見たあとの講義。
日本国内で語るだけのものとは、
次元が異なるくらい理解が進む。
その理解度の高さ、深さが、
日本に帰ってからの仕事ぶりを変える。
講義のあとは、
すぐに今日の視察。
午前中はまず、
コンテナストア。
ご存知、働きがいのある企業ランキングで、
常に100位以内に入選。
「コンテナ」は「容器」の意味。
つまり「包む」ことをコンセプトとした店。
次にベッド&バス・ビヨンド。
ホームファッションのコンセプトストア。
TPOSごとに売り場をくくり、
天井まで商品陳列をする。
それがポジショニング。
この店もレジ前のホットスペースで、
バック・トゥ・スクール売り場を構築中。
顧客に見せつけるように、
売り場改変をする。
これは顧客に期待を抱かせる効果を持つ。
必ずしも、顧客に見えないところで、
隠れてこそこそ、売り場変更をする必要はない。
ノンフード・ハードラインは、
ホームセンター、
オフィスサプライストアなどなどが、
主流を占める業態だったが、
いまや個性的な企業が伸びる。
その代表2社を視察した。
次に、スーパーリージョナルショピングセンター。
私は日本の総合スーパー改革には、
アメリカの百貨店の観察が必要だと考えている。
このショッピングセンターは、
6つの核店をもつ。
シアーズはかつての小売業王者。
GMSと言われたが、
私はディスカウントデパートメントストアだと、
指摘している。
広くて、床や天井はクレンリネスが整って、
非食品フルライン構成の総合店。
しかし、いまや、30年間、
時間が止まったかと思わせる店。
顧客も人っ子一人いない。
マネキンは残念ながらセンスに欠ける。
シアーズの消滅は、
近いかも知れない。
バック・トゥ・スクール販促を、
広い売り場のあちこちで展開。
ただしこれまでの商品に、
ただパネルを付けただけ、
といったプロモーションだ。
しかしこの店、
奥のほうが乱れに乱れていた。
独立記念日の営業から、
回復していない。
不思議だ。
店づくりは1・2階ぶち抜きで、
圧倒的な迫力。
これも特異のポジショニング要素だ。
独立記念日が終わって、
次のプロモーションに転換中。
白い幕を張って、
これも顧客に期待を抱かせる。
ショッピングセンターは、
月曜日でも、
子供を連れたファミリー客で賑わう。
しかしシアーズとペニーの、
この閑散とした店。
背筋がヒヤリとする。
ここまできたらもう、
復活はむずかしい。
ディスカウントデパートメントストアには、
百貨店のオフプライスストアが、
恐ろしい存在となっている。
さらにハードラインには、
ネブラスカファーニチャーマートや、
コンテナストア、ベッド&バス・ビヨンドなど、
ユニークなコンシャスリテイラーが登場した。
ハードラインの競争も厳しい。
午後は、フードラインの視察研修。
40分ほどそれぞれに店舗視察してから、
ビル店長のヒアリング。
28年、クローガーに勤務するベテラン。
イオンリテールからも店長が参加していて、
親近感を抱いたはず。
グッド・クエッション連発で、
ビル店長も緊張しながら答えてくれた。
市村賢次団長からお礼のプレゼント。
市村さんは住居余暇商品企画本部部長。
さらにこのマーケットプレイスのフォーマットは、
非食品を大胆に改革した。
家具からアパレルへ。
未だ実験中ながら、
ウォルマートよりもマネキンを多用して、
意欲的な売り方。
マーチャンダイジングはまだまだだが。
クローガーのレジは相変わらず凄い。
いま、顧客を一人しか待たさない態勢づくりをする。
ビル店長も自信をのぞかせる。
充実している。
青果部門とバルク部門を中央に持ってきて、
これもユニークなポジションを確保している。
この店は居抜き出店。
それでもエブリデーロープライスを基本に、
ウォルマートらしい一貫性を失わない。
バック・トゥ・スクール売り場を構築中。
スーパーセンター同様、
ここに抜かりはない。
スーパーマーケットでは一番早い。
チェックアウトは、
クローガーを意識して、
フレンドリーな態勢を構築。
今日は最後に、重要な2社。
ここで買い物をして、
ホテルで試食会を行うため。
テキサス州第1号店のトレーダー・ジョー。
もう言うことなし。
店づくりも、
プライベートブランドも、
ホスピタリティも、
どの店でもレベルが下がることはない。
精肉部門も5ステップ肥育法で、
ホールフーズ独自の基準を作る。
だから今、ホールフーズでは、
グラスフェッドのほうがグレンフェッドより高い。
5つの班に分かれて、
部門ごとに買物。
惣菜デリ班は、
ホールフーズのサービスデリを選んだ。
テイスティングを頼むと快く出してくれる。
たっぷりと試食せさてくれて、
そのうえ丁寧にスライス、カットして、
ラッピングしてくれる。
朝から講義を受けて、
午前中はノンフードストア、
それからゼネラルデパートメントストア、
午後はスーパーマーケット、
集中的に視察、買い物。
アメリカ人のほとんどは、
調理に時間をかけない。
我々も15分でメニューを仕上げた。
まずはビールで乾杯。
班ごとに自分たちの分担の料理を説明する。
手をかけずに、
スーパーマーケットが提供する簡便な食品を、
そのまま調理して食べる企画。
大成功。
その日本での定着を目指す。
最後にあいさつは、
イオン高萩店店長下田かおりさん。
そのあとで一本締め。
長い長い一日。
お疲れ様。
しかし、成果は大きかった。
〈結城義晴〉