結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年10月19日(月曜日)

コロナ対策の「アクセル・ブレーキ&クラッチ」とGo To商店街

Everybody! Good Monday!
[2020vol㊷]

2020年第43週。
10月第4週に入った。

1月16日に最初の感染者が出てから、
9カ月が経過する。

日本のCOVID-19は、
第一波、第二波が終わって、
いつ第三波がくるか。

厚生労働省が一波、二波を、
定義しているわけではないが、
第一波は4月から5月で、
緊急事態宣言のころ。

第二波は7月中旬から、
8月のお盆のころまで。

国立感染症研究所の発表では、
第一波の致死率は5.8%で、
第二波は0.9%だった。

70歳以上の致死率は、
第一波が24.5%で、
第二波が8.7%。

しかし数字が下がったからと言って、
第二波にコロナウイルスが、
弱毒化したわけではない。

「率」というのはどんな場合にも、
極めて厄介なもので、
これに惑わされると碌なことはない。

PCR検査数が飛躍的に増えて、
相対的に致死の「率」が減った。

ヨーロッパでは再び感染が急速拡大中。
1日の感染者が過去最多となる国が相次ぐ。
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イタリアは10月17日、
1日の新たな感染者が1万925人。
過去最多。

ドイツも1日7830人、
ポーランドは9622人、
チェコは1万1105人、
ベルギーは1万1737人で、
いずれも最多。

しかし死者数が一番大事な指標だ。

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめ。
日本時間の18日午後3時の時点で、
世界全体で感染者は3967万1115人、
亡くなった人は110万9836人。

感染者が多い国。
⑴アメリカ 810万6752人
⑵インド 749万4551人
⑶ブラジル 522万4362人
⑷ロシア 137万6020人
⑸アルゼンチン 97万9119人

死者が多い国。
⑴アメリカ 21万9289人
⑵ブラジル 15万3675人
⑶インド 11万4031人
⑷メキシコ 8万6059人
⑸イギリス 4万3669人

今日時点の日本の感染確認数は、
9万4245人、前日比318人増。
重症者は144人、
死亡者は1690人。

SNSのYouTubeなどでは、
コロナは「恐くない」といった発言が、
ずいぶん増えている。

それも著名な大学教授などが、
堂々と述べている。

米国大統領選挙では、
ドナルド・トランプ大統領が、
これまた異常なくらいに、
「コロナは恐くない」とアジる。
donald-trump-1269307_12809999
しかしこの態度は、
リスクマネジメントの視点からすると、
完全に不合格だ。

危機管理の最初に挙げられるのは、
「悲観・最悪の原則」である。

つまり最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

原山優子東北大学名誉教授。
「冷静に恐れる」
harayama2

その通り。

日経新聞に、
尾身茂さん登場。
地域医療機能推進機構理事長。
あの「専門家会議副座長」。
chief_director02
「新型コロナとの半年間の闘いで、
敵の実態も見えてきた」

「症例が増えるにつれ、
高齢者や基礎疾患を持つ人は
重症化しやすく、
健康な人の多くは
回復することが分かってきた」

「治療の標準化も徐々に進んだ」

この治療の知見の積み重ねは大きい。

「半年間の経験から、
社会の対応次第でウイルスを
ある程度コントロールしていくことは
可能になってきた」

「ようやく経済との両立が
実現可能になってきたと思う」

感染拡大防止と経済活動。

「とはいえ、
死亡者数と重症者数の推移には
引き続き注視する必要がある」

「東京で
1日あたり100~200人の感染者数を
10人に減らすのは難しい」

「重症者の数を見ながら、
感染者数を制御していくことが
極めて重要だ」

具体的には、
「そのため、経済活動の再開は、
ゆっくりブレーキを解除しないといけない。
徐々にやれば社会全体が適応できる」

「新型コロナは、
人々の行動が感染動向を左右する」

「数字だけで判断するのではなく、
社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」

アクセルとブレーキ。
両者の間のクラッチも必要だと、
私は思う。

2つの動力伝達軸の間で、
回転を伝達したり遮断したりする要素。

それが政治や行政だろうし、
それを支える学者や専門家だ。

ワクチンの実用化は
もう少し時間がかかる。

「重症化をある程度、
防ぐ効果が期待できるなら、
社会全体では医療崩壊の懸念、
個人レベルでは重症化への不安が和らぎ、
経済活動の再開にもプラスだ」

尾見さん。
「日本のコロナ対策は今が正念場だ。
感染症対策と経済活動の両立を、
科学技術の力でどう解決するか」

リスクマネジメントの観点から見ても、
現在を「正念場」ととらえるのはいい。

さて今日10月19日から、
「Go To 商店街」
キャンペーンは11月30日まで。gotomain
全国で34の事業が指定された。
1商店街の1事業に300万円の補助金。
2つ以上の商店街が連結すると、
さらに500万円が追加される。

しかしそれも、
事業終了後に支払われる。
資金繰りは自分たちで、
手当てしなければならない。

どこか票目当てのバラマキにも見える。
クラッチ役が感染防止と経済活動を、
うまく切り替え、制御しているか。

その意味で「正念場」であることは、
クラッチ役にこそ問われている。
つまり尾身茂は自分たちに向けて、
「正念場」と言ったのだ。

私は今日、
令和名人会。
千葉のホームコースで1日ラウンド。
宮本洋一さん、鈴木國朗さん、
そして新谷千里さん。

もちろん貴重な情報交換もやった。

帰りにアクアラインの海ほたるに寄った。
東京湾に浮かぶパーキングエリア。
IMG_9135

雨模様の東京湾。
IMG_91340

デッキには人影がない。IMG_91330

人がいなければ感染はしない。
しかし人が集まらねば、
経済活動は沈滞する。

不思議なパラドックス。
IMG_91300

そのパラドックスを乗り超える。
そこにポストコロナ時代がある。
IMG_91320

では、みなさん、今週も、
われわれも正念場。
Good Monday!

〈結城義晴〉

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