結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年05月03日(火曜日)

75年目の憲法記念日「何はあれけふうららなり」か?

朝から自宅で原稿を書き、
昼すぎに商人舎オフィスに出て仕事。
月刊商人舎5月号を責了する。

「勝って兜の緒を締めよ」
「負けて褌を締めてかかれ」

今月の原稿では、
こんな言葉を対比的に使った。

日本語は面白い。

施行75年目の憲法記念日。
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憲法記念日天気あやしくなりにけり
〈大庭雄三〉

天気も怪しくなったが、
憲法論議も怪しくなりにけり。

憲法記念日何はあれけふうららなり
〈林 翔〉

ゴールデンウィークの中の憲法記念日。
何はあれ、今日、うらら。
それでいいか。

憲法記念日罐詰にもある裏表
〈佐藤正賢〉

缶詰にも裏表がある。
憲法にも裏表あり。
裏表の論議あり。
それでいいのか。

憲法記念日鴉は黒かむらさきか
〈星野麥丘人〉

これも同じ。
カラスは黒色か紫色か。

読む気せず憲法記念日の社説
〈井出和幸〉

そこで各紙の社説。
今年はタイトルのオンパレード。
それだけで中身はおおよそ見当がつく。

「人権守り危機に備える憲法論議を深めよ」
〈日本経済新聞〉

「憲法記念日に
浮足立たず、向き合う時だ」
〈京都新聞〉

日経と京都新聞は、
向き合いつつ、論議を深めよ。

「憲法施行75年
激動期に対応する改正論議を」
〈読売新聞〉

読売は改憲派だ。
故渥美俊一先生は、
読売の記者だったが、
改憲派だったのだろうか。
聞きそびれた。

「揺らぐ世界秩序と憲法
今こそ平和主義を礎に」
〈朝日新聞〉

「危機下の憲法記念日
平和主義の議論深めたい」
〈毎日新聞〉

朝日、毎日は「平和主義」を主張する。

「きょう憲法記念日
平和の理念今こそ大切に」
〈北海道新聞〉

「どうしん」はいつも平和理念を謳う。
それがブロック紙として、いい。

「憲法記念日に考える
良心のバトンをつなぐ」
〈中日新聞・東京新聞〉

発行部数は実は、
中日新聞・東京新聞が第3位だ。
そして結構、リベラル。

その社説。
「民主主義は”現在”の多数派が
少数派の意見を踏まえつつ権力を行使します。
それに対し、憲法を力にする立憲主義は
“過去”が未来を拘束します」

「例えば”過去”が保障した基本的人権は、
“現在”の多数派がたとえ奪おうとしても、
奪うことができません」

「人間は愚かで移ろいやすいゆえに、
憲法原理は変えられないようにしているのです」

これ、護憲派の主張。

日本国憲法の基本的な考え方は定着した。
国民主権、平和主義、基本的人権の尊重。

これを変える意味はない。

しかし戦後の憲法制定時の想定を、
はるかに超える状況が生まれた。

新型コロナウイルス感染拡大は、
「個人の自由」と「社会の安全」の、
トレードオンを要求している。 tobira
大震災などの災害、テロリズム、
そしてロシアのウクライナ侵攻。

とくに「プーチン戦争」は、
「法と正義」に基づく国際秩序を揺るがしている。
日経新聞号外ウクライナ侵攻
憲法9条が定める戦争の放棄、
そして戦力および交戦権の否認は、
日本の国土と国民を守る防衛力強化と、
どう整合性をとるのか。

ここでもトレードオンが求められる。
tobira
カラスは黒か紫かと、
どちらかに決めることではない。
両方だ、と言っていい。

立法府たる国会での真摯な論議は、
不可欠だし、
私たち国民も一人ひとり、
この考察を深め、
議論に参加すべきだと思う。

さて、「読む気せず」と詠んだ俳人は、
どの新聞を読んでいたのだろう。

日本新聞協会の2021年12月下旬の調査。
一般の日刊紙97紙の総発行部数は、
3065万7153部。

前年に比べると179万7643部減で、
これは5.5%の減少。

20年前の2001年は4700万部、
10年前の2011年は4400万部。

3000万部割れ目前。

高度経済成長期の1966年に、
3000万部台に乗った。

そして1990年代末は5000万部超のピークだった。

不思議な同期現象だが、
日本の総合スーパーのピークは、
1997年だった。

その後、新聞も総合スーパーも、
現在まで下降が続く。
部数減、売上げ減が止まる気配はない。

しかしそれでも新聞は、
3000万部も読まれている。
こちらのほうが不思議か。

私も新聞は、
ネットで読むことがほとんどだ。

そのネットで知る世界の動向、
ウクライナの情勢。
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「何はあれけふうららなり」とはいかない。

〈結城義晴〉

2022年05月02日(月曜日)

イビチャ・オシム逝去/その語録「走って走って走れ!」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑱]

2022年第18週。
5月第1週。
ゴールデンウィークの後半。

商人舎裏の遊歩道。
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緑が深くなって、
しかもその緑がまぶしい。IMG_27072

ランチは北海道らーめん「楓」。IMG_27022

堪能しました。IMG_E27032

毎年書いているし、
昨日も書いたけれど、
今週は子と母の週。

5月5日のこどもの日は、
国民の祝日に関する法律第2条の趣旨は、
「こどもの人格を重んじ、
こどもの幸福をはかるとともに、
母に感謝すること」

自分自身もその感謝の気持ちを持つとともに、
われわれの武器である店舗では、
母と子のためのプレゼンテーションを、
精一杯、盛り上げたい。

イビチャ・オシム氏が亡くなった。
サッカー元日本代表監督。
80歳だった。
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ユーゴスラビアのサラエボ生まれ。
64年の東京五輪に同国代表として出場。
90年のワールドカップイタリア大会では、
監督としてストイコビッチらを擁して、
ベスト8の快挙を成し遂げた。

Jリーグにやって来て、
2003年から監督業。

ジェフユナイテッド市原を率い、
ユニークなチームづくりで快進撃。

私は日本リーグ時代から、
父が務めた古河電工のファンだった。
そのチームがJリーグでは、
ジェフユナイテッドとなって、
リトバルスキーなどが活躍した。

だから新監督のオシムに期待した。

オシムはジェフでの手腕を買われて、
2006年のW杯ドイツ大会後に、
日本代表監督に就任。

「オシム語録」はいつも印象に残った。

2003年1月、ジェフ監督就任あいさつ。
「君たちはプロだ。
休むのは引退してからで十分だ」

ジェフの監督時代に故障者が続出した。
「肉離れ?
ライオンに襲われた野うさぎが
逃げ出すときに肉離れしますか?
準備が足りないのです。
私は現役のとき1度もしたことはない」

「レーニンは、
勉強して勉強して勉強しろと言った。
私は選手に、
走って走って走れと言う」

「疲れているのはわかるが相手も同じ。
走りすぎても死なない」

「サッカーは
危険を冒さなければならないスポーツ。
でないと塩とコショウのないスープになる」

「こぼれたミルクは元に戻らない。
うちは勝ち点を失ってきた。
電車は行ってしまった。
駅に着いたのが遅かった」

オシムはアナロジーの達人だ。
たとえ話が実に的確だ。
オシム
新加入選手懇親会で両親たちには?
「あなたは息子さんを
最後まであきらめずに走る子供に
育てましたか?
もしそうでなければ
期待をしない方がいいでしょう。
もしそうなら、
私が責任を持って育てます」

2003年5月、Jリーグ戦は、
中断期間を設けた。
「残念なことに7、8月は選手に休みを与える。
ただ忘れてほしくないのは、
休みから学ぶものはないという点。
選手は練習と試合から学んでいくものだ」

ジェフの成功を評価されて一言。
「つくり上げることは難しい。
でも、つくり上げることの方がいい人生だ」

2006年6月、日本代表とジェフの
兼任監督を要請された。
「2つの車を同時に運転することはできない」

2006年W杯ドイツ大会で、
日本は1次リーグ敗退した。
それを嘆く日本全体の風潮に対して一言。
「物事を客観視すればいい話ができる。
自分たちの能力以上のものを
期待して盛り上がると、
失望することになる」

2006年7月、日本代表監督内定のとき。
「古い井戸には水が少し残っている。
それなのに、古い井戸を完全に捨てて
新しい井戸を掘りますか?
古い井戸を使いながら
新しい井戸を掘ればいい」

日本人選手の特長を指摘する。
「世界基準があっても、
日本は誰のまねもしない方がいい。
ほかの国にないものを持っている。
俊敏性、積極的な攻撃、高い技術。
でも、教育の段階から
自由に判断することを許されていない」

「チームを“日本化”させること。
つまり日本代表が本来持っている力を
引き出すことが必要だ。
そして初心に帰ることも大切。
日本人らしいサッカーをしようということだ」

「巻には何もいうことはない。
巻はジダンにはなれない。
でもジダンにはないものがある」
巻はジェフのエースストライカーで、
ジャパンのエースでもあった。

2007年3月、天才中村俊輔のプレーを語った。
「天才ぶりを発揮する機会は何回かに一度。
いつも天才であろうとすると、
結果は無残に終わる」

2007年7月、アジア・カップ初戦。
カタールと引き分けた時に選手たちに。
「お前たちはアマチュアか。
プロの私は死ぬ気でこの試合に臨んだのに、
そういう気持ちがあったのか」

「勝つと大切な直すべき点が見えてこない。
歴史、戦争、原爆の上に立って、
考えるべきだ。
負けたことから、
最も教訓を学んでいる国は日本だ。
今は経済大国になっている。
失敗から学ぶ姿勢がなければ、
サッカーは上達しない」

最後に90年代、
祖国の内戦を乗り越えて、
欧州でクラブ監督に歴任したとき。
戦争から何を学んだのか、と聞かれて。

「戦争から学べたとすれば、
それは必要なものになってしまう」

そう。
戦争から学べるものなんて、
何もない。

イビチャ・オシム。
ご冥福を祈る。

では、みなさん、今週も、
走って走って走ろう。
考えて考えて考え抜こう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年05月01日(日曜日)

丘浅次郎の「信ずる働きと疑う働きとを適当に養うこと」

いやはてに
鬱金(うこん)ざくらのかなしみの
ちりそめぬれば
五月(さつき)はきたる
〈北原白秋〉

ウコンザクラはバラ科サクラ属の植物。
オオシマザクラをもとに、
日本原産で生まれた栽培品種、
サトザクラ群のサクラ。

鬱金色はやや赤みを帯びた黄色。
だからウコンの別名は「浅黄(桜)」。

白秋はその浅黄の桜が散る中で、
五月が来たことを思う。

その5月です。

ゴールデンウィークが、
5月5日のこどもの日で終わると、
3日後の8日の日曜日は母の日。

毎年のように言っているが、
だから今週は子と母の日、
母と子の日。

日経新聞巻頭コラム「春秋」

日本画の大家・鏑木清方(かぶらききよかた)。
その随筆「若葉」から。
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「五月という月は
若いものだけに許された
季節のような気がする」

「鮮やかな緑、強く匂う花々、きらめく光」
それが5月だ。

一方、ビー・ジーズの「ファースト・オブ・メイ」
「5月になると若い頃を思い出す――」と歌う。
ビージーズ

邦題は「若葉のころ」。

1971年の映画「小さな恋のメロディ」で、
主人公のダニーとメロディが、
並んで下校するシーンで流れた曲。
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「古い因習にあらがい、
自由を求める子供らの奮闘ぶりが
歌と相まって共感を呼んだ」

「若者らが思い切り手足を伸ばし、
誰もが心躍り風薫る初夏」

それが5月だ。

コラム。
「観光船の遭難も軍事侵攻も、
これから人生で若葉の季節を迎えるはずの
子供や若者が犠牲になった」

「国民への奉仕者であるはずの
政治のリーダーを、
王様のように子供や若者にあがめさせる。
そんな映像も海外から伝わる」

「時代錯誤だと思うものの、
自由を尊んできた国々に
同種の窮屈さが広がる兆しもある」

「安全でのびやかな世界を
子供らに渡すという責任を、
大人はきちんと果たしているか。
自問すべき5月になった」

「春秋」に同感して、
ほぼ全文をダイジェストした。

丘 浅次郎。
1868年(明治元年)~1944年(昭和19年)。
動物学者であり、
高等師範学校教授だった。
〈出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)
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「初等教育においては、宜(よろ)しく、
信ずる働きと疑う働きとを、
いずれも適当に養うことが必要である」

素晴らしい。

「疑う理由の有ることは
何所(どこ)までも疑い、
信ずべき理由を見出したことは
(たしか)にこれを信じ、
決して疑うべきことを
疑わずに平気で居たり、
また信ずべき理由の無いことを
軽々しく信じたりすることの無い様に、
脳力の発達を導くのが、
真の教育であろう」
(「疑いの教育」より)

明治の人だが、
教育の本質を言ってくれている。

仕事でも商売でも同じだ。
アカデミズムもジャーナリズムも、
つまり大人の世界でも、
まったく同じだ。

疑う理由があるときには、
どこまでも疑う。

信じるべき理由が見つかったら、
確かにこれを信じる。

疑うべきことを、
疑わずに平気でいる。

また信じるべき理由がないことを、
軽々しく信じたりする。

これらの行為がなされないように、
自分の脳の力を養い、鍛える。

つまり盲信や盲従をしない。
自分の頭で論理的に考察する。

すぐ役に立つことは、
すぐに役立たなくなる。

その理由を追求する。

そのためにいい本を読む。
優れた人の話を聞く。
美しいものを見る。
聴く。触れる。

いい店を見るし、
いい商品を愛でる。

真理を追い求めながら、
仕事に邁進する。

そんな5月にしたいものだ。

〈結城義晴〉

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