結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月25日(土曜日)

「使い過ぎと使わな過ぎ」の「真贋」と「情操」

猛暑だった。

群馬県伊勢崎市では40.2度を観測。
6月の国内最高気温を更新。

群馬県は桐生市でも39.8度、
栃木県は佐野市で39.7度。
埼玉県は鳩山町で39度を超えた。

観測史上最高気温が続出。

東京都心では35.4度。
今年初めての猛暑日。

横浜市は32.8度。

関東地方を中心に高気圧に覆われて、
晴れ間が広がるとともに猛烈な風が吹いた。

東京湾を横切るアクアラインは、
横風のため40キロ規制が続いた。

その猛暑暴風の中、
予定が入っていたのでゴルフをした。

散々な内容だったが、
なんとか凌いだ。
そして終わってから考えた。
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ひどく風が強いから、
その風にボールが煽られて、
ミスショットが出る。

そう思いがちだが、
そうではない。

風が強くて暑いから、
身体に力が入り過ぎる。
その結果、
自分のスイングがおかしくなって、
ミスショットが増える。

どんな状況の中でも、
自分のフォームと自分のスイング、
自分のリズムと自分のテンポ、
自分の実力と自分の戦略。

それを貫徹しなければならない。

中部銀次郎。
「ゴルフで起こったことは、
鋭敏に反応してはいけない。
柔らかくやり過ごすことである」
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これは仕事や商売にも当てはまる。

現在の閉塞状態にも、
鋭敏に反応してはいけない。
柔らかくやり過ごすことだ。

「ほぼ日」の糸井重里。
毎日書くエッセイが「今日のダーリン」
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1999年6月6日以降23年間、
1日も休まず書き続けられている。

私のブログは2007年8月10日から、
15年近くになる。
そしてこれもずっと続く。

その糸井さんのエッセイ。

「肩がこるとか首がこるとか、
腰が痛いとか背中が痛いとか」

何らかの治療を繰り返してきたが、
最近は治療院よりも、
ジムに通っているそうだ。

このジムで、トレーナーに言われた。
「硬いとか痛いとかいうのは、
おおざっぱにいえば
筋肉を使いすぎているか、
使わなすぎてる状態ですから」

「わっ、そういえばそうだよと、
目からうろこでした」

「たとえば、
デスクワークを続けていると、
ずっと同じ姿勢でいるから、
同じ筋肉が固定されている。
つまりは、使わなすぎている
ということですよね」

「スポーツ選手の場合だったら、
使いすぎているケースです」

「子どもは、遊びながら
身体をいつも動かしてるものなぁ」

そこで糸井の考察。
「硬いとか痛いというのは、
使いすぎているか、
使わなすぎている」という言葉は、
「身体のことだけじゃないように
思えるんです」

同感だ。

「”思考のこりや痛み”も、
あたまやこころのどこかを、
使いすぎたり使わなすぎたり
しているせいじゃないか、と」

倉本長治の商売十訓。
その第二訓が、
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
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これはイノベーションを意味している。
創意を尊ぶは「クリエーション」、
良いことを真似るは「イミテーション」。

創意を尊び過ぎてもいけないし、
真似るだけではもっといけない。

商売の場合は得てして、
「真似る」に傾き過ぎる。

それはいけない。

月刊商人舎2020年4月号。
特集「真似る」
「模倣の経営戦略」の真贋
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実にいい特集だった。
今、読み直してみて、
輝きは失せないどころか、
輝きは増している。

糸井重里の最後の一言。
「いまはぼく自身に
“情操の時間”が
必要な気がしてならない」

「情操」とは日本大百科全書では、
「道徳、宗教、芸術、学問など
社会的価値をもった感情の複合」という意味だ。

「絵画や音楽を鑑賞するとき、
情動のようなはっきりしたものではなく、
なんとなく心が洗われるとか、
身が引き締まるとかいう感じになることがある。
このような漠然とした、
いくつかの感情が複合したような状態をいう」

「この情操を身に備えた人間は、
社会的価値のうえで高く評価される」

つまり「情操」によって、
「使い過ぎや使わな過ぎ」が防止される。
糸井重里はそれを言う。

商売における「模倣の経営戦略」も、
「情操」が欠けると「真似」に傾く。
そして真贋(しんがん)の「贋(がん)」になる。

「真贋」とは「本物と偽物」という意味で、
「贋」は「偽物」のことだ。

商人にも人間にも、
「情操」は必要だと思う。

〈結城義晴〉

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