結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年02月15日(木曜日)

大雪で遅れたロピア第4団の奇跡的な特別弾丸研修の成果

ロピアNY視察第4団。

大雪予報によって夕方羽田発の便に乗り、
8時間遅れでニューヨークに到着。

夜が明けて、早くも滞在2日目となった。
晴天のマンハッタン。
ザ・ニューヨーカー・ウィンダム。IMG_3352

初日の視察時間がほとんど消えた。
第1~3団までは3日の弾丸視察だった。
しかし第4団はさらに特急弾丸の2日間で、
すべての工程をこなさなければならない。

そこで視察時間を捻出するために、
セミナー開始を1時間早めた。

朝7時に会議室に集合。 IMG_3343

いつものように、
ロピアの理念と7大用語の唱和。
4団の唱和リーダー役は自薦。
IMG_3344

結城義晴の講義は2時間。
これは短縮できない。
IMG_3351

アメリカ小売業を学ぶための基本的態度。
さらにアメリカ経済と米国小売業の最新情報。
ニューヨーク市とニューアークの市場分析。
結城義晴の視点から徹底解説する。IMG_3346

興奮してくると、
ハンドマイクに変えて、
手振り身振り。
IMG_3356
ロピアはニューヨークから学んで、
独自の成長を見せた。

それを若いチーフたちに再体験してもらう。
そのことを念押しした。IMG_3359

2日目の視察先は、
ニューヨーク州の隣のニュージャージー州。

最初に訪問するのは、
ウォルマート・スーパーセンター。IMG_3363

2月14日、バレンタインデー当日。
入口のプロモーションコーナーのブーケ。IMG_3371

導入部は青果とインストアベーカリー。
IMG_3370

青果の平台は、
トマトとアボカド、ナスとライムなど
コントラストのある展開。
しかもそれぞれの商品の組み合わせが、
メニューを連想させる配置だ。IMG_3369

ミート売場からシーフード売場へ。
内装は以前の紺色から明るい青色に変わった。IMG_3379

この店はビジュアルマーチャンダイジングを強化。
ステージを設けて、スポット照明を当て、
マネキンでコーディネートを提案する。IMG_3386

寝具売場もご覧の通り。
IMG_3392

もちろんEDLPの価格政策は変わらない。
「ロールバック」は、
EDLP価格からさらに値下げする。IMG_3389

チェックアウトはセルフレジがメーン。IMG_3383

ターゲット。
ディスカウントストア。
IMG_3406

食品売場はコンパクト。
IMG_24914

ターゲットは、
百貨店のデイトンハドソンが祖業。
アパレルは強い。
太めのマネキンを使う。
実にリアル感がある。
IMG_25104

レジも壁面も什器も真っ赤。
天井を張って蛍光灯を配し、
明るい店内。
床はP タイル。
ウォルマートとの違いは明確だ。IMG_25144

バレンタインデー商品は、
入り口付近のシーゾナル売場で展開。
ハート形の菓子やチョコレート。IMG_25164

アルディ。
リミテッドアソートメントのボックスストア。IMG_3415

アメリカで2300店となった。
1号店は1978年、シカゴにオープン。
私はそれを取材して販売革新誌に書いた。

それから45年。

青果はずいぶん強化されている。

ロピアの青果チーフたちは、
「品質が悪い」とコメント。
それでも顧客は低価格のアルディにやってくる。IMG_3416

カラフルな段ボールケース陳列。
PB比率9割のアルディだからできる。IMG_3418

壁面のサインやパネルも洗練されてきた。IMG_3424

コカ・コーラとアルディのPBコーラ。
比較購買させる。
IMG_3431

PBコーラは12本パック3.0ドル。
コカ・コーラは7.64ドル。
半額以下の脅威の価格。
IMG_3433

お客も良く入っている。 IMG_3438

同じビジネスモデルのライバル、
リドル。
アルディと同じドイツの企業。 IMG_3564
2017年にアメリカ上陸、
もう170店に増えた。

売場導入部のパン売場。
独特のセルフ什器で販売する。IMG_25654

団員たちは試食のために、購入。
IMG_3566

安くてうまいから、
来店客のほとんどがパンを購入する。IMG_3567

青果部門は品ぞろえにおいて、
アルディを圧倒している。
IMG_3568

バナナの品質も良い。
IMG_3570

長い長い陳列線の青果部門。
段ボールケースのまま陳列して販売する。
リドルはアルディとの違いを出す。

生鮮三部門のアソートメント。
IMG_25614

そして非食品のポップアップセール。
毎週水曜日に売り切れ御免の新製品が到着する。IMG_25564

アルディとリドルがそろい踏みし、
しかも互いに競い合うと、
米国のコンベンショナルなスーパーマーケットは、
その過激さについていけない。

イギリスの競争がその前例となっている。

ウェグマンズ。
IMG_3446
ウォルマートにもターゲットにも、
コストコにも、
アルディ、リドルにも対策を打っている。

一丁目一番地は、
バレンタインの大々的なプロモーション。IMG_3448

入口の平ケースは、
先週のスーパーボウル向けから、
バレンタイン向けのメニュー提案に一変。IMG_3449

二人前の蟹爪や、魚の切り身のミールキット。
赤いハートをあしらっている。IMG_3451

クラブケーキは2個入り。
これをランチで食べた。
美味かった。
IMG_3452

青果部門の先頭には、
いつもはリンゴなど旬の果物を展開するが、
今日はブーケの展開。
IMG_3455

インストアベーカリーのスイーツ。
ハート形のパックにチョコレートがけのイチゴ。IMG_3457

そしてシーフード売場。
IMG_3464

丸魚をハート形に陳列して、
赤いバラを散らしている。
IMG_3468

チーズ売場のバレンタイン商品。IMG_3486

全米のバレンタイン商戦は、
クリスマス商戦に匹敵する。
だからウェグマンズは全店をあげて、
バレンタインプロモーションを仕掛ける。

酒売場は隣接した別棟になっている。IMG_3494

ここではインタビュー。
IMG_3496

ロゼのスパークリングワインを試飲。
最後はシャンパンまで開けて、大歓迎してくれた。IMG_25484

日本のお菓子をプレゼント。
IMG_25524

皆で記念撮影。
(逆光だったが、これもいい写真だ)IMG_3501

ストップ&ショップ。
ボランタリーチェーン。
その中でも秀逸の店。
IMG_3503

ウェグマンズを丁寧に真摯に学び、
そのうえでウェグマンとの違いを出す。

売場に入る前の広い通路は、
プロモーションスペースだ。
もちろんバレンタイン商品の展開。
こちらもスーパーボウル販促から、
劇的な変化を見せている。
IMG_3505

売場に入るとバルーンと切り花。IMG_3508

イチゴのチョコレートタワーで実演販売。IMG_3514

1個ずつ丁寧につくられていく。
目を引くプレゼンテーションだ。
IMG_3517

この店のインストアベーカリーには、
力が入っている。
ケーキは対面販売だ。
バレンタインの今日は、
イチゴをメインにした商品化。
IMG_3518

天井高を活かした内装やサイン。
美しい店だ。
IMG_3519

デリブランドのボアーズヘッドを導入。
切り立てのハムやチーズを提供する。IMG_3522

レジ前では、ワインと切り花の関連販売。IMG_3529

レジにもバルーン。
バルーンは広い売場で目を引く。
プロモーションの仕掛けに効果がある。IMG_3561

ストップ&ショップ。
ニューヨーク&ニューアークで、
ショップライトに続いて、
2番目の市場シェアをもつ。
IMG_3409

入口のバレンタインプロモーション。

手づくりのミッキーマウスとミニーマウス。
よく見ると張りぼてで、やや粗雑。IMG_3413

常套手段の「Buy1 Get1Free」
1個買うと1個もらえる。
これをやるしかない。
IMG_3411

顧客のいない主通路を、
自動掃除機ロボットが動き回る。IMG_3410

コンベンショナルなスーパーマーケット。
全米4万5000店の中の4万店が、
こうしたとんがりのない店ばかりなのだ。

業態とフォーマットの違いがわかっていない。
フォーマットの実現のさせ方が身についていない。

そんな平均的な店は、
どんどん淘汰される。

何しろ競争は厳しい。
日本も同じだ。

ニュージャージー州の視察を終えて、
マンハッタンのアッパータウンへ。
そのブロードウェイを歩いて、
4店舗を視察する。

ゼイバース。
IMG_3578

たった1店舗の小売業だが、
ニューヨーカーから絶大な支持を得ている。IMG_E3582

主要部門が専門特化した品揃えである。
スモークフィッシュはこの店の売れ筋。IMG_3585

さっそく、井上裕一団長が、
夜の親睦のためのつまみとして購入。IMG_3586

惣菜の対面売場。
惣菜はこの店オリジナルの味付け。
その味にファンがついていて、
優良な固定客となっている。
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店頭には宅配用の専用バンがあった。
オンラインの売上げは全体の4分の1を占める。
そしてそれが伸びている。
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1店でも独自の特長を持つ店は生き残る。
マーケットニッチャーである。

特長をもたないマーケットフォロワーたちが、
ニューヨークの舞台から消え去っていく。

シタレラ。
IMG_3600

店内は真っ白で高級感のある造り。
IMG_3597

生鮮とデリは対面販売。
鮮魚コーナーの壁面には、
魚のしっぽのデザイン。
おもしろい。
IMG_3598
これだけの魚売場はあまりない。
そのうえでニューヨークデリに特徴がある。

シタレラの隣に、
フェアウェイマーケット。
八百屋出身のスーパーマーケット。IMG_3601

スーパーマーケットの多くが、
導入部に果物を配置するが、
フェアウェイは野菜を導入部に配する。IMG_3603

カラーコディネートされた見事な野菜の陳列。IMG_3605

売場の一角で、
ささやかなバレンタインプロモーション。IMG_3611

最後は、
トレーダー・ジョー。
地下1・2階の2層店舗。
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1階・2階には、
ドラッグストアのデュアンリードが入る。
IMG_3633

エスカレーターで地下1階に降りると、
壁面いっぱいの切り花や鉢植え。
もちろんバレンタイン仕様。IMG_3616

夕方は大混雑するこの店も、
今日は顧客が少ない。
恋人や家族、友人同士で、
バレンタインデーを祝う人が多いからだ。IMG_3619

冷凍食品は多くのアイテムが欠品している。
顧客の評価で「殿堂入り」した、
人気のマンダリンチキンも残りわずか。IMG_3627

トレーダー・ジョーにしかない、
品質の良いオリジナル商品を、
低価格で販売する。
トレーダー・ジョーは、
周辺のスーパーマーケットを視察すると、
抜きんでていることがよくわかる。
競争は強烈なポジショニングを、
浮き立たせる役割をもっている。IMG_E3624
特別弾丸視察の1日。

奇跡的なスケジュールは、
学習効果満点で終了した。

夜はステーキレストランでの会食。
団員は3つのレストランに分かれて会食する。
私は「スパークスステーキハウス」IMG_25734

OICグループ仕様のメニューで、
歓迎してくれた。
IMG_25763

食事をしながらの会話は弾んだ。
とても良い内容の話ばかりだった。IMG_3638
さまざまな企業から転職してきた、
若いチーフたちが、
よく考えて仕事をしている。

そのうえで真剣に意見を戦わせる。
それがロピアの強みになっていく。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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