結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年02月22日(木曜日)

「隻眼」の覚悟と「倒産確率」の高い飲食店と食品小売業

2月22日、ゾロ目の日。
ゾロ目はうらやましい。

1年に3回、4カ月に1回。
お茶の水に通う。IMG_2854 (002)4

その御茶ノ水駅の横に、
聖橋(ひじりばし)がある。IMG_2852 (002)4
橋を渡って右手、
つまり橋の北側に湯島聖堂、
南側にニコライ堂がある。

二つの聖堂をこの橋が結んでいる。
そこで「聖橋」と名づけられた。

駅前の高層ビル。
新お茶の水ビルディング。
その18階・19階・20階が、
井上眼科クリニック。
IMG_2853 (002)4

この病院に東邦大学医学部から、
富田剛司教授が移籍してきた。

私の右目の執刀医。
右目は緑内障、白内障、網膜剥離。
眼病のデパートメントストア。

緑内障と網膜剥離は、
富田先生に手術してもらった。

だからずっと通う。

富田先生の言葉。
「人は眼をつぶると
80%の情報量がさえぎられるそうです。
哲学的にいうと、
眼を診ているというのは
存在すべてを診ていること」

今日の眼圧は、
右目が15、左目が11。

いつも3つの点眼薬を処方してもらうが、
今日はもう一つ加えてもらった。

「結城さん、あなたの右目の命は、
あなた自身の命より短い」

そう、言われている。

それでも左目がある。

ちなみに片目のことを、
隻眼(せきがん)という。

「隻」は、
屏風など対(つい)になっているものの、
片方を数えるのに用いる。

目は対になっている。
だから片目を隻眼という。

著名な人物では、
カルタゴの将軍ハンニバル、
日本では伊達政宗、柳生十兵衛、
明治の将軍・乃木希典、
小泉八雲、棟方志功。

刑事コロンボ役のピーター・フォーク、
タモリ、野田秀樹。
デビッド・ボウイも隻眼だった。

私はまだ失明には至っていないけれど、
右目の視力はほぼ喪失している。
それでもゴルフは上達しているし、
日夜、本を読み、店を見て、
パソコンに向かって仕事をしている。

富田先生には本当にお世話になった。

さて帝国データバンクの調査。
日経新聞に載っていた。

2023年12月時点で、
倒産リスクが高い企業。
「倒産予測値」

今後1年以内に倒産する確率を、
企業ごとに指標化した。

比率が最も高かった業種は、
飲食店の52.3%。

次が食品小売りの45.5%。

業種内の2社に1社が倒産リスクが高い。

いずれも新型コロナ禍前は15~16%だった。
労務費や原材料の高騰などを背景に、
資金繰りが悪化している。

運輸業は33.3%。

23年の倒産数は前年比3割増の8497件。
バブル崩壊後で最多。
tosan__img1

飲食店の倒産数は22年比で7割増加した。
食品小売業と運輸業も3割増えた。

「ゾンビ企業」の定義は、
借入金利息を営業利益で賄えていない会社。

それが2022年度で推計25万1000社。
コロナ禍の3年間連続で増加した。

外食の飲食業と、
内食・中食の食品小売業。

それらに倒産件数が多く、
ゾンビ企業も多い。

外食・中食・内食には、
新規参入企業も多いのだから、
倒産も多いと見ていいだろう。

つまり新陳代謝が激しい業種群である。

食品小売りの代表は、
食品スーパーマーケットだ。

ただしスーパーマーケットは、
設備投資額が大きい業態だ。

現在は参入障壁が高い。

それでも私は1990年代から、
「スーパーマーケット天国」と称した。

かつて1950年代から60年代、70年代と、
八百屋、魚屋、肉屋などの業種店が、
こぞってスーパーマーケットに参入した。

だからこの時代に、
「食品スーパー」の企業数が増えた。

イオンの岡田元也さんは言った。
「オーバーストアではなく、
オーバーカンパニーだ」

私も同感だ。

今、それらの企業が、
後継者も育っていないために、
ゾンビ企業となっている。

コロナは時間を早める。
倒産も吸収合併も増える。

ただし荒井伸也さんの言葉を忘れてはいけない。
araishinya_IMG_7674-448x336

「原則通りにやっていれば、
うまくいく仕事です。
スーパーマーケットは」

「商社などは原則がわからないから、
原則通りというのがない。
面倒な仕事です」

帝国データバンクの倒産調査。
それは逆に見れば、
「原則通り」を忘れた企業が、
多いことを意味する。

隻眼であっても、
原則通りの生き方をすれば、
立派な仕事ができる。

ハンディキャップは超えられる。
私はそれを信じている。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2024年2月
« 1月 3月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
2526272829 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.