結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年02月16日(金曜日)

ロピアNYC研修「とびきり4店」と「正義を貫く者が勝つ」

世界中が悪くなっている。
それが止まらない。

アレクセイ・ナワリヌイ氏が死んだ。
ロシアの反体制派活動家。
プーチンがもっとも恐れる男。
47歳だった。
51wfbRq5A8L._SY445_SX342_

北極圏の刑務所に収監されていた。
ヤマロ・ネネツ自治管区にある。

3月には大統領選挙が控えている。

プーチン政権がそれへの影響を考えて、
排除に動いたとの疑念が強まっている。

しかしこういった理不尽なことが行われて、
その真相を突き止めることができない。
罰することもできない。

悪い世の中だ。

ナワリヌイ氏は、
刑務所内の仮設裁判所で発言している。
ロシアのウクライナ侵攻について、
「私はこの戦争に反対です」

「この戦争は、
ロシアの問題から注意をそらすように
設計されていると思う。
それは、より大きな貧困につながるだけだ」

正しいと信じることを言う。
そんな勇気のある人間が、
殺害される。

惜しいことだ。

ナワリヌイ氏を救えなかった。
世界は悪くなっている。

残念なことだ。

私はニューヨーク7日目。
ロピア2024年米国研修第4団。

ザ・ニューヨーカー・ウィンダム2階ホール。
朝7時からセミナー。 IMG_36494

いつものようにロピアの経営理念の唱和。
IMG_36424

続いて接客7大用語。IMG_36444

第3陣と第4陣の団長は、
井上裕一さん。
ロピア九州本部長、42歳。IMG_36474

何度もアメリカ研修に参加しているが、
そのたびに学ぶことがある。

先輩として本部長として、
団員たちにしっかり動機づけをしてくれた。

その後、2時間の熱血講義。
IMG_36524

これまでに視察し学習した企業や店を、
改めて総括しつつ、
業種・業態とフォーマット戦略。
そのためのポジショニングの考え方。

ロピアの若手に理解してもらいたいことを、
事例を盛り込んで語る。

何度も書くけれど、
日本で講義をするよりも、
何十倍、何百倍も理解が進む。

その実物を、
これでもかと見せているからだ。IMG_36604

みんな、真剣に聞いてくれる。IMG_36694

そうするとまた熱が入る。IMG_36644

ロピアは「肉の宝屋藤沢店」の業種から始まった。
それが「ユータカラヤ」の業態になり、
「ロピア」のフォーマットに変わってきた。

急速に変わりつつ、
急激な成長を遂げた。

講義が終わると出発。
今日はちょっとだけ観光もした。

まずバッテリーパークのそばから、
自由の女神を臨む。
IMG_36714

現地ガイドの富澤由紀子さんの説明を聞く。
IMG_36724

やはりニューヨークに来たら、
私も自由の女神像は見たい。
IMG_36734

それからワンワールドトレードセンターへ。
IMG_26164

9・11メモリアルの説明を受ける。
IMG_26174

鎮魂のプール。
IMG_37194

そしてオキュラスで記念写真。
全員が厳粛な気持ちになった。
IMG_37274

つかの間の観光。
バスはブルックリンへ。

ホールフーズの環境対策店舗。
IMG_36764

一丁目一番地に、
冷蔵平ケースをおいて、
青果以外の商品をアピールする。
今日は生チョコレート。
IMG_25844

これは全米第一のスーパーマーケットの手法だ。
クローガーは必ずこの重要な売場に、
売れ筋の精肉アイテムを配置する。

入り口の青果部門に変化をつけるためだ。
ホールフーズもそれに倣っている。

創意を尊びつつ良いことは真似よ。
倉本長治の商売十訓だ。

それから見事な青果部門。
IMG_36794

オーガニックスーパーマーケットとして、
最強の部門である。
IMG_25854

鮮魚部門が独立している。
その対面売場。
IMG_36824

そして精肉の対面売場へ。
IMG_25884

精肉の対面売場の隣に、
「ファイン・カッツ」のスペースがある。
精肉のカッティングを見ることができる。
IMG_25894

店舗右翼はチーズ売場から、
惣菜・ベーカリーまで。
中央にはセルフデリの平ケースが並ぶ。
IMG_25904

最後はベーカリーだ。
パンだけでなく、ケーキとクッキーを、
焼きたてで提供する。
IMG_25934

2階にはイートインスペースがある。
そこから駐車場を見下ろすことができる。

駐車スペースには屋根が設けられていて、
その屋根にはソーラーシステムが施されている。
この店で使う電力はこの太陽光発電で賄われる。
IMG_25944

ホールフーズのフォーマットに満足して、
今度はトレーダー・ジョー。
IMG_37034

銀行の支店跡の物件に出店した。
天井が高く、快適な空間の店だ。
それはポジショニング要件を、
十二分に満たしている。
フォーマットは基本業態に、
ポジショニングをプラスしたものである。

入り口わきに店内チラシの配布場所がある。
「フィアレスフライヤー」と呼ぶ。
1カ月に1回の発行で、
プライベートブランドの解説が、
面白おかしく綴られている。
値段をアピールするチラシではない。
IMG_26144

その「フィアレスフライヤー」アイテムを、
エンドでずらりとそろえて展開している。IMG_26064

このエンドの売り方は斬新だ。IMG_37144

ニューアイテムのコーナーは、
どの店にも必ず設けられている。IMG_37064

店の入り口側のエンドと、
高い高い天井と、
銀行方式のチェックスタンド。IMG_26114

店舗中央には冷凍食品売場が、
縦に配置されている。IMG_26094

いつも行列ができるトレジョは、
ニューヨークの大繁盛店では、
この銀行方式のレジを採用する。
公平なチェックスタンドは、
並ぶ顧客にストレスを強いることがない。IMG_26034

ホールフーズとトレーダー・ジョー。
堪能した後はマンハッタンに戻る。

大注目のウェグマンズ。
アスタープレイス店。
IMG_26484

もともとはワナメーカー百貨店の建物。
その1階と地下1階を使った。
1階は天井も高い。
シックで快適な売場をつくった。
IMG_26464
その1階は即食売場。
これはセオリー。
ウェグマンズではフードサービス部門と呼ぶ。

入り口のバレンタイン売場は、
カットフルーツに変わっていた。
IMG_26324

即食の中で際立つのが寿司売場。
ネタとシャリの味、鮮度、メニューの豊富さ。
どれをとってもマンハッタンのトップである。IMG_26294

サラダは即食の王者だ。
ウェグマンズの得意のメニューだ。
IMG_26384

アジアンフードも即食。
IMG_26304

1階のフードサービスコーナーには、
ウェグマンズのミールソリューションの、
エッセンスが凝縮されている。
IMG_26404

エスカレーターで地下1階に降りると、
ウェグマンズの最大の各売場が登場する。
市場のイメージの青果部門。IMG_26274
い天井を補うために、
スケルトンにした上にボードを設ける。

平台の真ん中に籠盛りを入れて、
狭い売場で多品目多SKUを実現させる。
IMG_26244

青果部門に続くのが鮮魚部門。
「魚屋」のステージに、
エイドリアンさんが立っていた。IMG_26254

エイドリアンさんはこの魚屋の責任者で、
解体ショーの主役を務める。

4度目のインタビューにも、
ポジティブに答えてくれた。
IMG_37444

「リブ・ウェル(Live Well)」と呼ばれる、
従業員のケア機能の話をしてくれた。
生活のケアから精神面のケアまで、
24時間で対応してくれる。

IMG_37354
ウェグマンズは、
シングルマザーの従業員を大切にする。
エイドリアンさんもそのことに賛同し、
そんなウェグマンズという会社を誇りにしている。

魚屋の解体ショーの売場のわきに、
前回訪れた時のプレゼントが飾られていた。
ロピアのロピタ君。
IMG_26204

私は今日も感動した。
IMG_37584

最後の訪問は、
イータリーNYC1号店。
IMG_37754

オスカー・ファリネッティは、
家電チェーンのオーナーだった。
イタリアのユニユーロ。
その会社を売却してから、
イタリア中を巡ってスローフードを研究し、
2007年にイータリーを創業した。

2010年にこのマンハッタンに出店した。
そして大成功を収めた。

ミールソリューションの極致にある。
市場であり、食堂であり、
学校である店。
それがイータリーだ。

入り口を入るとイタリアの八百屋。IMG_26614

イタリアのチーズ屋。IMG_26674

そして食堂。
チーズ屋のそばにはチーズの食堂。
野菜のそばには野菜の食堂。
肉屋、魚屋にはその食堂。IMG_26594

生パスタ屋も製造小売業だ。 IMG_26584

開業のときにはパン屋だったが、
今は売れ筋のピザ屋に変わった。
団員はここで買物。IMG_26524

そしてピザ屋の前のテーブルで食べる。
美味しそう。
IMG_26544

ガブリ。
IMG_2657

市場で買って、
そこで食べる。

これがイータリーの王道の楽しみ方です。
ここまでですべての視察研修が終わった。

そして団員はそれぞれに自由研修に入っていった。

私たちはホテルに戻った。
最後の最後は浅野先生を囲んで、
井上団長とスリーショット。  IMG_37804

実にいい研修でした。
ありがとうございました。

小売業は正義を貫ける。
そして正義を貫いた者が勝つ。

そこが私は大好きだ。
(つづきます)

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2024年2月
« 1月 3月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
2526272829 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.